住み替えのメリット・デメリット|費用の目安と住み続ける場合との比べ方

住み替えのメリット・デメリット|費用の目安と住み続ける場合との比べ方

今のマンションから住み替えたい気持ちはあるものの、住み替えで何が良くなり、何を失うのかを並べてから決めたい。そう考えている方に向けた記事です。

先に答えを書きます。住み替えのメリットは暮らし・建物・お金の3つに分けられ、デメリットの多くはお金に置き換えられます。決め手になるのは、両方を「自分の場合の金額」に置き換えて、住み続ける場合と比べることです。

この記事では、国税庁や国土交通省の資料で制度と数字を確かめながら、住み替えのメリットとデメリット、住み続ける場合との比べ方、デメリットを小さくする方法を順に見ていきます。

住み替えのメリット

住み替えのメリットは、次の3つに分けられます。

分類メリット
暮らし今の暮らしに合わない間取りや立地を変えられる
建物建物の古さと修繕の負担を見直せる
お金住んでいた家を売るときの税の特例を使える

今の家の不満を一度に解消できることに加えて、建物とお金の面でも、住み替える人だからこそ得られる利点があります。

今の暮らしに合わない間取りや立地を変えられる

住み替えのいちばんのメリットは、今の暮らしに合わなくなった家を、合う家に替えられることです。

家を買ってから年数がたつと、家族の人数や働き方、子どもの年齢が変わります。例えば、次のような不満は住み替えで一度に解消できます。

  • 子どもが大きくなり、部屋数が家族の人数に追いつかなくなった
  • 子どもが独立し、部屋が余っている
  • 通勤や通学に時間がかかる
  • 段差や階段が、年齢とともにつらくなってきた
  • 子どもの学区を変えたい

間取りの不満はリフォームで変えられる場合もあります。一方、駅からの距離、学区、病院や買い物の便利さといった立地に関わる不満を変える方法は、住み替えになります。

建物の古さと修繕の負担を見直せる

マンションの修繕積立金は、建物が古くなるにつれて上がる計画になっていることがあります。国土交通省の令和5年度マンション総合調査では、当初の積立額を抑えて段階的に上げる「段階増額積立方式」が47.1%、計画期間中に同じ額を積み立てる「均等積立方式」が40.5%でした。完成年次が新しいマンションほど、段階増額積立方式の割合が多くなっています。

国土交通省の修繕積立金ガイドラインは、段階増額積立方式や修繕のときに一時金を集める方式など、将来の負担増を前提とする方式について、増額の合意がまとまらずに修繕積立金が不足する事例も生じていると注意を促し、均等積立方式が望ましいとしています。同じ調査でも、計画に比べて今の積立額が不足しているマンションが36.6%ありました。

築年数の新しいマンションへ住み替えれば、大規模修繕の負担が重くなる時期を先に延ばせる場合があります。耐震性や断熱性、設備の新しさといった建物の性能も、まとめて見直せます。

気をつけたいのは、新しいマンションでも修繕積立金は上がり得る点です。ガイドラインは令和6年6月の改定で、段階増額積立方式の初めの額を「均等積立方式とした場合の月額」の0.6倍以上、最後の額を1.1倍以内とする考え方を加えました。この範囲に収まる計画でも、最後の額は初めの額の最大で約1.8倍(1.1÷0.6)になります。住み替え先を選ぶときは、今の月額に加えて、長期修繕計画でいつ、いくらに上がる予定かまで確かめておきます。

出典: 国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果〔概要編〕」 出典: 国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(令和6年6月改定) 出典: 国土交通省「『長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント』及び『マンションの修繕積立金に関するガイドライン』の改定について」(令和6年6月7日)

住んでいた家ならではの税の特例を使える

自分が住んでいた家を売るときには、税金の負担を減らす特例がいくつかあります。住み替える人だからこそ使える制度です。

特例内容主な条件
3,000万円特別控除売却益から最高3,000万円を差し引ける所有期間の長さに関係なく使える
10年超所有の軽減税率課税長期譲渡所得のうち6,000万円以下の部分の所得税が10%になる(通常は15%)売った年の1月1日で所有期間が10年超。3,000万円特別控除と重ねて使える
買換え特例売却益への課税を、新しい家を将来売るときまで繰り延べる居住期間10年以上・所有期間10年超・売却代金1億円以下・令和9年12月31日までの売却
譲渡損失の損益通算・繰越控除売って損が出たとき、給与などほかの所得と差し引きし、引ききれない分は翌年以後3年間繰り越せる所有期間5年超・新しい家を返済期間10年以上のローンで取得・令和9年12月31日までの売却

売却益が3,000万円以下なら、3,000万円特別控除で課税される譲渡所得は0円になり、利益をそのまま次の家の資金に回せます。税金が0円になる場合でも、特例を受けるには確定申告が必要です。

買換え特例で減るのは売った年の税金で、先送りした売却益は、新しい家を将来売るときに合わせて課税されます。3,000万円特別控除や軽減税率とは、どちらかを選ぶ関係です。

利益が出たときに使うこれらの特例は、新しい家の住宅ローン控除とも、時期によってどちらかを選ぶ関係になります。選び方は、最後の章で説明します。

マイホーム売却の3000万円特別控除|要件・節税額・住宅ローン控除との比較 マイホーム売却の3000万円特別控除|要件・節税額・住宅ローン控除との比較

出典: 国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」 出典: 国税庁「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」 出典: 国税庁「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」 出典: 国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」 出典: 国税庁「No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき」

住み替えのデメリット

住み替えのデメリットの多くは、お金に置き換えられます。

  • 売る・買うの両方で諸費用がかかる
  • 売却と購入の時期がずれると住居費が重なる
  • 年齢によってローンの条件が厳しくなる
  • 暮らしの環境が変わる負担がある(お金に置き換えにくい)

お金のデメリットは、金額を出しておくと、メリットと比べやすくなります。

売る・買うの両方で諸費用がかかる

住み替えでは、今の家を売るときと、新しい家を買うときの両方で諸費用がかかります。

場面主な諸費用
売るとき仲介手数料・印紙税・抵当権を外す費用・ローンの一括返済手数料
買うとき登記の費用・ローンの手数料や保証料・不動産取得税・印紙税・火災保険料・中古なら仲介手数料
その他引っ越し費用・家具や家電の買い替え

このうち大きいのが仲介手数料です。不動産会社が受け取れる仲介手数料には国の告示で上限があり、売買価格のうち200万円以下の部分は5.5%、200万円を超え400万円以下の部分は4.4%、400万円を超える部分は3.3%(いずれも消費税込み)で計算した合計が上限です。売買価格が400万円を超える場合は、「売買価格×3%+6万円」に消費税10%を足す式で同じ額を出せます。

仲介手数料の上限の計算例(売買価格は説明のための仮の値)

  • 3,000万円で売る:(3,000万円×3%+6万円)×1.1=105万6,000円
  • 4,000万円の中古マンションを買う:(4,000万円×3%+6万円)×1.1=138万6,000円
  • 2つを合わせると244万2,000円

告示が定めているのは上限の額で、これより低い手数料で合意することもできます。

この例では、仲介手数料の上限だけで240万円を超えます。ここに登記の費用、ローンの手数料や保証料、不動産取得税、引っ越し費用などが加わるので、売る・買うを合わせた諸費用は数百万円になることもあります。金額は物件と金融機関で変わるので、売る側・買う側それぞれの見積もりを並べて、住み替えで得られるメリットに見合うかを考えておきます。

住み替え費用シミュレーション|手取り額を自分で出す5ステップ 住み替え(買い替え)費用シミュレーション|マンションの手取りと不足額を計算

出典: 国土交通省「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」(昭和45年建設省告示第1552号・最終改正 令和6年6月21日)

売却と購入の時期がずれると住居費が重なる

住み替えでは、今の家を売る時期と新しい家を買う時期がずれることがあります。その間は、住居費が重なります。

先に新しい家を買った場合(買い先行)は、今の家が売れるまで、今のローンと新しいローンを両方払います。マンションなら管理費・修繕積立金・固定資産税も2軒分です。

先に今の家を売った場合(売り先行)は、新しい家が決まるまで仮住まいが要ることがあります。仮住まいの家賃と、2回分の引っ越し費用がかかります。

重なる期間の費用 = 重なる住居費の月額 × 重なる月数

例(説明のための仮の値):今の家のローン返済・管理費・修繕積立金が月12万円で、売れるまでに5か月かかった場合 → 12万円×5か月=60万円

自分の数字を入れるときは、買い先行なら今の家のローン返済・管理費・修繕積立金の月額を、売り先行なら仮住まいの家賃を月額に入れ、売り先行は引っ越し2回分を足します。どちらの順番でも、この費用はかかるものとして予算に入れておくと、後で慌てずに済みます。

年齢によってローンの条件が厳しくなる

住み替えで新しくローンを組む場合、年齢が上がっているほど、組める返済期間は短くなります。返し終えるときの年齢に上限を設けている住宅ローンがあるからです。

住宅金融支援機構の「フラット35」の借入期間は、「80歳−申込時の年齢(1年未満切り上げ)」と35年の、短いほうが上限です。50歳ちょうどで申し込めば最長30年、55歳なら25年になります。50歳3か月なら51歳として数えるので、最長29年です。

返済期間が短いほど、同じ額を借りたときの毎月の返済額は増えます。例えば3,000万円を年1.5%(全期間固定・元利均等返済)で借りると仮定すると、30年なら月約10万4,000円、25年なら月約12万円です。金利は説明のための仮定で、実際の金利は申し込む時期と金融機関で変わります。毎月払える額が同じなら、借りられる額は小さくなります。

今のローンが残っている場合は、新しいローンの審査で今の返済も合わせて見られます。フラット35では、今住んでいる家を売る予定で、その売却予定額で今のローンを完済できると確認できる場合に限り、今のローンの返済額を総返済負担率の計算から除けるとしています。売却予定額が残高に届かない場合も、差額を手持ちのお金や新しい借入れで賄うことが資料などで確かめられれば、除けるとされています。

民間の金融機関では扱いが違うことがあるので、探し始める前に、借りたい金融機関へ今のローンの扱いを確かめておきます。ローンが残っている家から動く方法は、持ち家から引っ越したい|ローン残債があっても動ける条件と4つの方法で詳しく説明しています。

出典: 住宅金融支援機構「【フラット35】ご利用条件」 出典: 住宅金融支援機構「総返済負担率はどのように算定すればよいですか。」(Q&A番号3222)

暮らしの環境が変わる負担がある

住み替えには、お金に置き換えにくいデメリットもあります。暮らしの環境が変わる負担です。

  • 子どもが転校する場合、新しい学校や友だちに慣れるまで時間がかかる
  • 近所付き合いや、地域とのつながりを一から作り直す
  • かかりつけの病院や、行き慣れた店が変わる
  • 引っ越しの準備や手続きに、時間と手間がかかる

子どもの年齢や、高齢の家族の健康状態によっては、この負担が大きくなることがあります。

この負担は、引っ越す距離で大きさが変わります。同じ地域や同じ学区の中で住み替えれば、環境の変化を小さく抑えられます。

住み替えと住み続けるのはどちらが合うか

メリットとデメリットを並べたら、次は「住み続ける」場合と比べてみます。今の家をリフォームして住み続けるのも、立派な選択肢です。

比べる点住み替える住み続けてリフォーム
立地・環境変えられる今のまま
変えられる範囲家ごと選び直せる部屋の内側(専有部分)まで
主な費用売る・買うの諸費用・価格の差工事費・修繕積立金の値上げ
暮らしの変化大きい小さい

住み替えが向いている人

住み替えが向いているのは、今の家の不満が、リフォームでは変えられない部分にある人です。

国土交通省のマンション標準管理規約(管理規約のひな形)では、自分のものになる専有部分は住戸の内側で、天井・床・壁は建物の骨組み(躯体)を除く部分とされています。次のような部分は共用部分にあたり、管理組合が管理します。

  • 柱・床スラブ・外壁・住戸の間の壁(界壁)など、建物の骨組み
  • 窓枠・窓ガラス・玄関扉(玄関扉は、錠と内側の塗装部分だけが専有部分)
  • バルコニー(その住戸の人が専用に使える共用部分)
  • 給水管の本管から各住戸のメーターまでと、排水の立て管
  • エレベーターや共用廊下

窓ガラスや玄関扉などを防犯・防音・断熱のために改良する工事は、管理組合が計画修繕として行うのが原則です。管理組合がすぐに実施できない場合に、理事長の承認を受けて自分の負担で行える定めもあります。実際のルールは、自分のマンションの管理規約で確かめます。

駅からの距離や周りの環境、学区など、立地に関わる不満もリフォームの外にあります。不満の原因がこれらにある場合や、家族の人数が大きく変わって広さそのものが合わなくなった場合は、住み替えを考える価値があります。

出典: 国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)及び同コメント」(令和7年10月17日改正)(第7条・第8条・第14条・第22条・別表第2)

住み続けてリフォームが向いている人

住み続けてリフォームが向いているのは、今の立地や環境に満足していて、不満が部屋の中にある人です。

例えば、次のような不満はリフォームで解消できることが多くあります。

  • 間取りを変えたい(間仕切りの壁を取り払って広いリビングにする、など)
  • キッチンや浴室などの設備が古くなった
  • 床の段差をなくしたい
  • 収納を増やしたい

住み続ければ、売る・買うの諸費用は0円で済みます。子どもの学校や近所付き合いも、今のまま続けられます。

一方、リフォームの費用は工事の内容で大きく変わり、工事の間は仮住まいが要ることもあります。標準管理規約では、床のフローリング、ユニットバスの設置、間取りの変更など、共用部分やほかの住戸に影響するおそれのある工事は、あらかじめ理事長に申請し、承認を受けてから行う決まりです。申請には設計図・仕様書・工程表を付けます。計画の前に、自分のマンションの管理規約と使用細則を確かめておきます。

リフォーム・建て替え・売却、どれが良い?あと何年・誰が住むかで決める3択 マンションはリフォームか住み替え(買い替え)か|不満の場所と住む年数で決める

出典: 国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)及び同コメント」(令和7年10月17日改正)(第17条・第17条関係コメント)

住み替える場合と住み続ける場合の費用の比べ方

迷ったときは、それぞれの費用を並べて比べてみます。

住み替える場合の費用

売る・買うの諸費用 +(新しい家の価格 − 今の家の売却額)+ 引っ越しや家具の費用 + 新しい家の管理費・修繕積立金

住み続ける場合の費用

リフォーム費用 + 工事中の仮住まいの費用 + 今の家の管理費・修繕積立金

管理費と修繕積立金は、「この先10年」など同じ期間で数え、両方のマンションの長期修繕計画にある値上げ予定まで入れて合計します。今の家が段階増額で上がっていく時期に入っているなら、その差が住み替える理由の1つになります。

住み替える場合、新しい家が今の家より高ければ、その差額も負担になります。今の家より安い家に移れば、手元にお金が残ることもあります。

費用だけで決まらないこともあります。費用の差と、住み替えで得られる暮らしの変化を並べて、家族でどちらを選ぶか話し合います。

住み替えのデメリットを小さくする方法

住み替えのデメリットの多くはお金に関わるので、準備しだいで小さくできます。押さえたいのは、税金、売る順番、相場の3つです。

売却の税金は特例で抑える

今の家を売って利益が出た場合は、3,000万円特別控除などの特例で税金を抑えられます。注意したいのは、新しい家の住宅ローン控除との関係です。

新しい家に住み始めた年と、その前2年・後3年の計6年間に、今の家の売却で次の特例を受けると、新しい家の住宅ローン控除は対象外になる

  • 3,000万円特別控除
  • 10年超所有の軽減税率
  • 買換え特例

(令和2年3月31日以前の売却は、住み始めた年とその前後2年の計5年間)

見落としやすいのが「後3年」です。新しい家で住宅ローン控除を受け始めた後、3年以内に今の家を売ってこれらの特例を使うと、すでに受けた控除も対象外になります。その場合は、売った年の確定申告の期限までに修正申告をして、税金を納め直します。

一方、売って損が出た場合の損益通算・繰越控除の特例は、新しい家の住宅ローン控除と一緒に使えます。

売却益が出る場合は、次の2つを比べて、大きいほうを選びます。

比べる2つの額

  • 特例で減る税額:特例を使わない場合の売却の税金 − 特例を使った場合の税金
  • 新しい家の住宅ローン控除の見込み:各年の「年末のローン残高×0.7%(入居年と住宅の性能で上限あり)」を控除期間の分だけ足した額

売却益が小さく、住宅ローン控除の見込みのほうが大きければ、特例を使わずに少しの税金を払い、新しい家の住宅ローン控除を受けたほうが手元に多く残ります。売る前に計算しておくと、後から損に気づく事態を防げます。

もう1つ、買い先行で先に新しい家へ移る場合は、売る期限に気をつけます。3,000万円特別控除は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることが条件です。

出典: 国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」 出典: e-Gov法令検索「租税特別措置法」(第41条・第41条の3) 出典: 国税庁「No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき」 出典: 国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」

売る順番を手元の資金に合わせて決める

住居費が重なるデメリットは、売る順番を資金に合わせて決めることで小さくできます。

手元の状況合う順番
資金に余裕が少ない・ローンが残っている売り先行(先に今の家を売る)
資金に余裕がある買い先行(先に新しい家を買う)
日程を合わせられる同時決済(売りと買いの決済を同じ日にする)

売り先行なら、売れた金額が分かってから新しい家の予算を立てられ、二重ローンも避けられます。仮住まいを避けたいなら、引き渡し日を遅めにしてもらうよう買主と相談する方法があります。

同時決済ができれば、仮住まいも二重ローンも避けられます。どの順番が合うかは、売り出す前に不動産会社と相談しておきます。

売り先行・買い先行はどちら?住み替えで損しない選び方と実践テクニック 売り先行・買い先行はどちら?住み替え(買い替え)で損しない選び方と実践テクニック

今の家の相場を先に調べて手取りを出す

住み替えの資金計画は、今の家がいくらで売れるかで決まります。不動産会社に査定を頼む前に、自分で相場を調べておきます。

  • 国土交通省「不動産情報ライブラリ」:取引の当事者へのアンケートをもとにした取引価格情報と、レインズが持つ成約価格を国土交通省が加工した成約価格情報を、地域や駅ごとに調べられる
  • 指定流通機構(レインズ)「レインズ・マーケット・インフォメーション」:不動産会社を通じて実際に売れたマンション・戸建ての価格(成約価格)を、地域ごとに見られる

不動産情報ライブラリの2つの情報は、どちらも個別の取引が特定されないよう加工されていて、取引価格情報の価格は上から3桁目を四捨五入した表示です。同じマンションや、近くで築年数・広さが近い物件がいくらで売れたかを見て、相場の幅をつかみます。相場が分かったら、手取りを計算します。

手取り = 売却額 −(ローン残高 + 売るときの費用 + 税金)

この手取りが、新しい家の頭金や諸費用に使えるお金です。手取りが分かれば、諸費用や住居費の重なりを払っても資金計画が成り立つかを判断できます。売ったお金が手元に入る日と頭金の計算は、家を売って家を買う|売ったお金が入る日と頭金の計算・順番の選び方で詳しく説明しています。

出典: 国土交通省 不動産情報ライブラリ「不動産価格(取引価格・成約価格)情報の制度や用語の説明」 出典: 指定流通機構(レインズ)「不動産取引情報提供サイト(レインズ・マーケット・インフォメーション)」

まとめ:住み替えの損得は自分の金額に置き換えて住み続ける場合と比べる

住み替えでいちばん重いのは、メリットもデメリットも「自分の場合の金額」に置き換えて、住み続ける場合と同じ期間で比べることです。3,000万円で売って4,000万円の中古マンションを買う例では、仲介手数料の上限だけで244万2,000円になります。一方で、住んでいた家の売却には3,000万円特別控除などの特例があり、新しい家の住宅ローン控除とは、住み始めた年と前2年・後3年の計6年間でどちらかを選ぶ関係です。

次の一歩は、今の家の相場を不動産情報ライブラリなどで調べ、ローン残高・売るときの費用・税金を引いた手取りを出すことです。ここを飛ばして物件探しを始めると、新しい家の予算が決まらないまま話が進み、契約の直前に資金が足りないと分かったり、特例の選び方を誤って住宅ローン控除を受けられなくなったりする事態にもなり得ます。

売却益が出そうなら特例と住宅ローン控除のどちらが得か、住み替え先がマンションなら長期修繕計画の値上げ予定まで、契約前に確かめましょう。住み替えのトビラでは、住み替えのメリット・デメリットの比べ方や売却の税金の特例も含めて、住み替えで悩むあなたに信頼できる情報を提供しています。