新築マンションへ買い替えたい。けれど、今の住まいをいつ売れば、二重ローンも長い仮住まいも避けられるのか。ここでつまずく方は少なくありません。 理由は、新築ならではの「完成待ち」が、売却と入居のあいだに時間差を生むためです。 この記事では、竣工から逆算した売却タイミングの組み立て方から、資金計画、税金の特例、全体の流れまでを、住み替えのトビラがひととおり整理してお届けします。
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5. マンション買い替えで肝心な売却と入居のタイミング
新築マンションへの買い替えでは、入居できる日が竣工で決まるため、「今の住まいをいつ売るか」を竣工から逆算して設計することが最も大切です。
中古への買い替えと違い、新築は入居日を自分で早められません。売る日と入居日のあいだにできる時間差を、どう作りどう埋めるか。ここがこの章のテーマです。
入居時期は竣工で決まり完成待ちが生じる
新築は建物が完成するまで入居できないため、買い替えには必ず「完成待ち」の時間が入ります。
新築マンションには、建設中に契約する「青田買い」と、完成済みの住戸を買う「完成在庫」があります。青田買いでは、契約から入居まで1年以上あくことも珍しくありません。一方、完成在庫なら数か月で入居できる場合もあります。
この待ち時間の長さが、買い替えの段取りを大きく左右します。中古マンションであれば、売買契約から1〜2か月ほどで引き渡しと入居が進みます。同じ感覚で新築の売却を早く進めてしまうと、家は売れたのに新居はまだ完成していない、という宙ぶらりんの期間が生まれます。
まずは自分が買う新築が、入居まで何か月・何年かかるタイプなのかを把握すること。これが買い替えの出発点になります。
売却と入居の間にできる時間の空白に注意
売る日と入居日がずれると、長い仮住まいか、売り急ぎの安売りか、どちらかで損をしやすくなります。
新築の買い替えでいちばん悩ましいのが、この時間の空白です。売却と入居のタイミングがそろわないと、二つの方向のどちらかに損が生まれます。
ひとつは、今の住まいが早く売れすぎたときです。買主への引き渡しは決まった一方で、新居の竣工はまだ先、という状況になります。すると、竣工までのあいだ賃貸などの仮住まいで暮らすことになり、その家賃が発生します。荷物も、いったん仮住まいへ運び、竣工後に新居へもう一度運ぶことになります。引っ越しが二回に増える分の費用も、じわりと重くのしかかります。
もうひとつは、逆に竣工日へ入居を間に合わせようと、売却を焦ってしまうときです。竣工が近づくと、「それまでに売らなければ」という気持ちが働きます。内覧の反応をじっくり待つ余裕がなくなり、値下げをしてでも早く買主を見つけようとしがちです。結果として、相場より安く手放してしまいます。
やっかいなのは、この二つが裏表の関係にあることです。仮住まいを避けようと売却を遅らせれば、今度は売り急ぎのリスクが近づきます。売り急ぎを避けようと早めに動けば、仮住まいが長くなります。新築特有の完成待ちがあるからこそ、「どちらに転んでも損をしかねない」構造が生まれるわけです。
だからこそ、行き当たりばったりで売り出すのではなく、竣工日を基準に売却の時期を組み立てる発想が要ります。
竣工日から逆算して売却の予定を決める
竣工日を起点に、売却活動の開始と引き渡しの時期をさかのぼって組むと、時間の空白を最小限にできます。
時間の空白を小さくする鍵は、逆算です。先に売って後から慌てるのではなく、入居できる日から逆にたどって、売却のスケジュールを決めていきます。
順番はこうです。まず、新居の竣工・引き渡し日を確かめます。次に、その時期に自分の引っ越しが重なるよう、今の住まいをいつ買主へ引き渡したいかを決めます。そこからさらにさかのぼり、売り出しから成約までにかかる期間を見込んで、売却活動を始める時期を割り出します。
一般に、マンションの売り出しから引き渡しまでは、数か月ほどみておくと安心です。人気の物件なら早く決まることもありますし、条件によってはもっとかかることもあります。この見込み期間を竣工日から引くと、いつ売り出せばよいかのおおよその目安が見えてきます。
ここで大切なのは、必ずしも「今すぐ動くのが正解ではない」ことです。すすめられるまま竣工のずっと前から売り急いでしまうと、仮住まいが長引きます。竣工までまだ時間があるなら、あえて売り出しを待ち、時期を選ぶほうが、結果的に無理なく売れる場面があります。焦って査定・売却へ走る前に、逆算して「待つ」という選択肢も持っておきたいところです。
引き渡し時期の調整と買い替え特約でずれを吸収する
引き渡し時期の交渉や買い替え特約を使えば、多少のずれはあとから吸収できます。
逆算しても、竣工と売却のタイミングを寸分たがわずそろえるのは難しいものです。そこで、ずれを吸収する仕組みを知っておくと、気持ちが楽になります。
ひとつは、引き渡し時期の調整です。売買契約のとき、買主と交渉して、引き渡しの日を遅らせてもらったり、引き渡し後も一定期間そのまま住み続けさせてもらったりする方法があります。新居の竣工まで今の家に住めれば、仮住まいをはさまずに済みます。ただし、買主にも都合があるため、必ず応じてもらえるとは限りません。
もうひとつが、買い替え特約です。これは、今の住まいが決めた期限までに売れなかった場合、新居の購入契約を白紙に戻せる特約です。売却が思うように進まなくても、二重ローンや無理な資金繰りを避けられます。
ただし、新築マンションは売主が不動産会社であることが多く、買い替え特約を受け入れてもらいにくい場合があります。人気物件では、条件をつけない買主が優先されることもあります。特約を付けられるかどうかは、物件や売主の方針によって変わるため、購入を申し込む前に確かめておくとよいでしょう。
6. 売り先行と買い先行、新築の買い替えでどちらを選ぶか
新築は売主が事業者のため買い先行になりやすいものの、竣工までの期間と資金の余力しだいで、どちらが向くかは変わります。
時間軸の設計とは別に、ここでは「売る」と「買う」のどちらを先に確定させるか、その順序を整理します。
売り先行と買い先行の違いと向き不向き
売り先行は資金のめどが立つ安心があり、買い先行はじっくり選べる代わりに二重ローンの懸念がある、という違いがあります。
まず、二つの進め方の特徴を並べると次のようになります。
| 観点 | 売り先行 | 買い先行 |
|---|---|---|
| 資金のめど | 先に立つ | 立ちにくい |
| 仮住まい | 生じやすい | 避けやすい |
| 二重ローン | 起きにくい | 起きうる |
| 物件選びの余裕 | 少なめ | じっくり選べる |
売り先行は、今の住まいを先に売って現金化してから新居を買う進め方です。手元の資金のめどが立つため、無理のない予算を組みやすいのが強みです。ただ、新築の竣工が先だと、売却から入居までのあいだ仮住まいが必要になりやすくなります。
買い先行は、新居を先に決めてから今の住まいを売る進め方です。仮住まいをはさまず、住みながらじっくり売却を進められます。反面、売却前に購入資金が必要になり、一時的に二つの住宅ローンを抱える可能性があります。
新築マンションの場合、売主である不動産会社の販売スケジュールに購入のタイミングが左右されます。良い住戸を押さえようとすると、売却を待たずに購入を先に決める買い先行へ寄りやすいのが実情です。
竣工時期と資金余力で選ぶ判断のポイント
竣工までの期間、資金の余力、今の住まいの売れやすさ。この三つで、どちらの先行が向くかが決まります。
自分はどちらを選べばよいのか。判断のよりどころになるのが、この三つの物差しです。竣工までどれくらい時間があるか、当面の資金にどれだけ余裕があるか、そして今の住まいがどれくらい売れやすいか、です。
たとえば、竣工まで一年ほどあり、今の住まいが人気エリアで売れやすいなら、売り先行がなじみます。時間に余裕があるので、竣工に合わせて売却を進めやすく、仮住まいの期間も短く抑えられます。
反対に、完成在庫ですぐに入居できる物件だったり、当面の支払いに耐えられる資金の余裕があったりするなら、買い先行も選べます。気に入った住戸を逃さず押さえられるのが利点です。
ただし、買い先行を選ぶと、売却が終わるまでのあいだ二つのローンが重なることがあります。これは順序を選んだ結果として生じるリスクで、その期間の返済負担や審査については、資金計画の一部としてあらためて見ておく必要があります。どちらが良いかは個々の事情で変わるため、自分の条件に当てはめて考えることが大切です。
7. 新築マンション買い替えの資金計画とローン
買い替えの資金計画は、「今の売却額で住宅ローンを返せるか」を出発点に、足りない分の埋め方を決めていきます。
新築マンションは、中古に比べて価格が高くなりがちです。今の住まいの売却額と新居の価格差が開きやすいぶん、資金の組み立てがより大切になります。
売却額で今のローンを完済できるか確認する
まずは今のマンションの売却見込み額とローン残債を突き合わせ、売却で完済できるか(アンダーローンか、オーバーローンか)を確かめます。
資金計画の第一歩は、今の住まいがいくらで売れそうかと、住宅ローンの残債がいくら残っているかを並べて比べることです。
売却見込み額がローン残債を上回る状態を「アンダーローン」といいます。売ればローンを返しきれて、手元にお金も残るため、次の資金計画を立てやすくなります。逆に、売却額が残債に届かない状態が「オーバーローン」です。売ってもローンが残るため、その差額を自己資金で埋めるか、あとで触れる住み替えローンなどを検討することになります。
どちらに当てはまるかで、買い替えの進めやすさが大きく変わります。そのため、まずは今の住まいのおおよその売却相場を知り、残債と照らし合わせておくことが欠かせません。
不足分は住み替えローンやつなぎ融資で補う
自己資金で足りない分は、住み替えローンやつなぎ融資で補う方法があります。
売却額と自己資金だけでは新居の購入資金が足りないとき、いくつかの借り入れの方法があります。代表的なのが、住み替えローンとつなぎ融資です。
住み替えローンは、今の住まいに残ったローンと、新居のローンをまとめて借りる方法です。オーバーローンで売却しても残債を新居のローンに含められるため、買い替えを進めやすくなります。ただし、借入額が大きくなるぶん、審査は通常より慎重になりやすく、返済の負担も重くなりがちです。
つなぎ融資は、今の住まいが売れる前に、新居の購入資金を一時的に立て替えてもらう短期の借り入れです。売却代金が入ったら、それで返済します。売り先行と買い先行のタイミングのずれを埋める役割を持ちますが、金利や手数料の条件は金融機関によって異なります。
これらの借り入れは、条件が金融機関ごとに違います。利用を考えるなら、早めに金融機関やファイナンシャルプランナーに相談し、自分の返済計画に無理がないかを確かめておくと安心です。
二重ローンになる期間と住宅ローン審査の注意点
買い先行や住み替えでは二つのローンが重なる期間があり、その間の返済負担と審査に注意が要ります。
買い先行を選んだり、売却前に新居のローンを組んだりすると、今の住まいと新居の二つのローンを同時に返す期間が生まれます。順序を選んだ結果として起きるこの重なりを、返済と審査の面から見ておきましょう。
まず、返済の面です。二つのローンが重なるあいだは、毎月の支払いが一時的に大きくふくらみます。売却が長引くほどこの期間も延びるため、貯蓄でどれくらいの期間を支えられるかを、あらかじめ見積もっておくことが大切です。
次に、審査の面です。住宅ローンの審査では、年収に対する返済の割合や、すでに抱えている借り入れが見られます。今のローンが残ったまま新居のローンを申し込むと、既存の返済が負担とみなされ、希望額まで借りられないことがあります。
二重ローンに耐えられるかどうかは、収入や貯蓄、今の住まいの売れやすさによって変わります。個々の事情で結論が変わるところなので、金融機関やファイナンシャルプランナーに、自分の条件で相談しておくことをおすすめします。
8. マンション買い替えでかかる税金と使える特例
買い替えでは、売却で出た利益や損失に応じて使える特例が分かれ、選び方や併用に注意が要ります。
税金の特例は、要件や期限が細かく、人によって使えるものが変わります。ここでは代表的な三つを整理しますが、実際に使う際は最新の要件を確かめ、税理士に相談することをおすすめします。
売却益が出たときの3000万円特別控除
マイホームを売って利益が出たら、譲渡所得から最高3,000万円を差し引ける特別控除が使えます。
今の住まいを売って利益(譲渡所得)が出た場合、一定の要件を満たせば、その利益から最高3,000万円を差し引ける特別控除があります。マイホームの売却で使える代表的な特例で、多くの人にとって税負担を軽くする助けになります。
使うには、自分が住んでいた家であることや、親子・夫婦など特別な関係のある人への売却でないことなど、いくつかの要件があります。
買い替えで特に気をつけたいのが、新居の住宅ローン控除との関係です。この3,000万円の特別控除を受けた場合、その年やその前後の年に入居した新居では、住宅ローン控除を使えません。どちらか一方を選ぶことになるため、控除額を試算して有利なほうを選ぶ必要があります。
出典: 国税庁 タックスアンサー No.3302 マイホームを売ったときの特例
高く売れたときの買換え特例で課税を繰り延べる
売却価格が新居より高いなどの条件を満たすと、買換え特例で課税を将来へ繰り延べられます。
売った金額が新居の購入額より大きいなど、一定の条件を満たすマイホームの買い替えでは、「特定のマイホームの買換え特例」を使える場合があります。売却益にかかる税金を、将来へ繰り延べられる特例です。
気をつけたいのは、これは税金が「なくなる」特例ではないことです。あくまで支払いを先送りするもので、繰り延べた税金は、買い替えた新居を将来売るときに精算します。非課税になるわけではない点をおさえておきましょう。
また、この買換え特例と、先ほどの3,000万円の特別控除は、同時には使えません。どちらか一方を選ぶことになります。一般には、売却益が3,000万円までなら特別控除のほうが有利になりやすいものの、利益の大きさや今後の予定によって答えは変わります。
なお、この特例には売却の期限や、所有期間・居住期間などの要件が設けられています。期限は税制改正で延長されてきた経緯があり、変わることがあります。利用を検討するときは、その時点の国税庁の最新情報を必ず確かめてください。
出典: 国税庁 タックスアンサー No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例
売却で損失が出たときの損益通算と繰越控除
売却で損失が出た場合は、一定の要件のもとで損益通算と繰越控除により税負担を軽くできます。
買い替えでは、今の住まいが買ったときより安くしか売れず、損失が出ることもあります。この損失は、一定の要件を満たせば、その年の給与など他の所得と相殺できます。これを損益通算といいます。
その年で相殺しきれなかった損失は、翌年以降の所得からも、数年にわたって差し引けます。これが繰越控除です。損失を無駄にせず、複数年にわたって税負担を和らげられる仕組みです。
使うには、新居に一定の住宅ローンがあることや、旧居の所有期間など、細かな要件を満たす必要があります。買い替えを伴う場合と、そうでない場合とで使う特例が異なるため、自分がどれに当てはまるかは、税理士に相談するのが安心です。
出典: 国税庁 タックスアンサー No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたときの特例
9. 新築マンション買い替えの流れとタイミングの目安
新築の買い替えは、竣工日を軸に、売却の査定・売り出し・引き渡しを並行して進めます。
ここでは、買い替え全体の流れを、新築ならではの時間軸に沿って見ていきます。竣工に合わせて売却の各ステップをどう並べるか、そして買い替えに動き出す目安を整理します。
査定から入居までの基本的な流れ
査定、売り出し、新築の契約、引き渡し・決済、入居。この流れを竣工に合わせて並行させるのが基本です。
新築の買い替えは、売却と購入を同時に進めます。おおまかな流れは次のとおりです。
- 今の住まいの査定を受ける
- 売り出して買主を探す
- 新築マンションの購入契約を結ぶ
- 今の住まいの引き渡しと決済をする
- 新居へ入居する
これらのステップは一直線に進むわけではなく、売却と購入が並行して動きます。新築は竣工日が動かせないため、その日を起点に各ステップの時期を合わせていくのが、買い替えを滞りなく進めるこつです。
買い替えを考えるタイミングの目安
買い替えを考える目安は、築年数、相場、金利、税制の期限など、複数の物差しで見ます。
いつ買い替えに動き出すか。その目安は、一つの物差しでは決まりません。今の住まいの築年数や相場、住宅ローンの金利、使える税制の期限など、いくつかの要素を合わせて考えます。
築年数でいえば、築10年前後が一つの区切りとされます。住宅ローン控除の区切りや修繕積立金の見直し、中古としての需要などが重なりやすい時期だからです。ただし、あくまで目安であり、建物の状態や相場しだいで、動きやすい時期は前後します。
相場や金利は、時期によって動きます。税制の特例にも、期限が設けられているものがあります。これらは待っていれば必ず有利になるとは限らないため、今の状況を見ながら、自分にとって動きやすいタイミングを選ぶことが大切です。
10. マンション買い替えで後悔しないための注意点
新築の買い替えは、竣工の見通しにくさと時間差のコストが、失敗のもとになりやすいところです。
ここでは、これまで見てきた点のなかでも、新築の買い替えでつまずきやすい落とし穴を三つに絞って取り上げます。
竣工の延期や引き渡しの遅れに備える
新築は工期の延期で入居が遅れることがあり、売却の引き渡し時期に余白を持たせておくと安全です。
新築マンションは、天候や資材の都合などで工事が遅れ、当初の予定より竣工がずれ込むことがあります。予定どおりに入居できるとは限らない、と身構えておくことが大事です。
竣工が遅れると、その分だけ入居も後ろへずれます。もし今の住まいの引き渡し日を、当初の竣工日ぎりぎりに合わせて決めていると、家を明け渡したのに新居へ入れない、という事態になりかねません。
こうした予期せぬ遅れに備えるには、売却の引き渡し時期に少し余白を持たせておくことです。竣工予定日そのものではなく、多少ずれても対応できるゆとりをみて売却の予定を組むと、工期の遅れに巻き込まれにくくなります。
仮住まいと二回の引っ越しでかさむ費用
タイミングがずれると、仮住まいと二回の引っ越しで想定外の費用がかさみます。
売却と入居のあいだに空白ができると、その時間差がそのまま現金の出費に変わります。どんな費用がかかるのか、あらかじめ知っておきましょう。おもなものは次のとおりです。
- 仮住まいの家賃(竣工までの月数分)
- 仮住まいの敷金・礼金・仲介手数料
- 引っ越し費用(今の家から仮住まい、仮住まいから新居の二回分)
- 荷物の一時保管料(入りきらない家財を預ける場合)
これらは、住まいがすぐにつながっていれば本来かからなかった出費です。仮住まいが数か月に及べば、家賃が積み重なってまとまった金額になります。引っ越しも二回に増えるため、費用はふくらみがちです。
金額は、住むエリアや荷物の量、仮住まいの期間によって大きく変わるため、一概にはいえません。買い替えの予算を立てるときは、こうした時間差のコストも見込んでおくと、あとで慌てずに済みます。
売り急ぎの安売りと新築の高値づかみを避ける
竣工に間に合わせようと売り急ぐ安売りと、焦って新居を高値づかみすることの、両方を避けたいところです。
買い替えでは、売る側と買う側の両方で、価格の失敗が起こりえます。売り急いで安く手放すことと、焦って新居を高くつかむこと。この二つを避けることが、後悔しない買い替えにつながります。
売り急ぎを避けるには、今の住まいの相場をあらかじめ把握しておくことです。相場を知っていれば、竣工が迫っても、値下げをどこまでなら受け入れてよいかの線引きができます。相場を知らないまま焦ると、本来の価値より安く売ってしまいがちです。
一方、高値づかみを避けるには、新居に出せる予算の上限を先に決めておくことです。新築は魅力的な住戸ほど価格も上がります。売却で得られる資金と借入の範囲から上限を決めておけば、勢いで背伸びした買い物をせずに済みます。
そしてもう一つ。竣工までまだ時間があるなら、無理に今すぐ動かず、逆算して時期を待つ選択もあります。急いで売り買いすることが、いつも正解とは限りません。落ち着いて相場と予算を見きわめる余裕を持つことが、価格の失敗を遠ざけます。
まとめ:竣工から逆算した段取りが買い替えを左右する
マンションから新築マンションへの買い替えでは、動かせない竣工日が、売却と入居のあいだに時間差を生みます。この空白を小さくする鍵は、竣工から逆算して売却の時期を決めることです。早く売れば長い仮住まいに、売り急げば安売りにつながります。
資金は今の売却額でローンを返せるかを起点に、足りない分の補い方を早めに考えます。税金の特例は使えるものが状況で分かれ、要件や期限も改正で変わります。その時々の最新情報を確かめておくことが欠かせません。
完成待ちは、慌てるほど損をしやすい構造です。無理に今動かず、逆算して待つという選択も持っておきたいところです。時間を味方につけて、後悔のない住み替えを進めていきましょう。
住み替えのトビラ