自宅を売っても、そのまま同じ家に住み続けられる。リースバックのこの仕組みには魅力がある一方で、家賃や買い戻し、契約の相手をめぐって「思っていた話と違う」という後悔やトラブルも起きています。この記事では、住み替えのトビラが、どこでお金の面で損をしやすいのか、なぜ住み続けられなくなることがあるのか、契約前に何を確かめれば防げるのかを、公的なデータをもとに解説します。分譲マンションを持っていて住み替えを考えている方に向けて、マンションならではの注意点(管理費・修繕積立金が家賃にどう響くか、通常の売却と比べて手取りはどうか)も交えて整理します。読み終えたときには、自分にとって選ぶべき手段かどうかを判断する材料がそろいます。
リースバックのデメリット・トラブルはどこで起きているか
リースバックのデメリットは、大きく「お金の面で不利になりやすいこと」「ずっと住み続けられるとは限らないこと」「契約の相手や手続きに潜むリスク」の3つに整理できます。
そして、こうしたトラブルの相談は高齢の契約者に集中し、近年増えています。国民生活センターが2025年(令和7年)5月21日に公表した注意喚起によれば、住宅のリースバックに関する相談で契約当事者の7割が70歳以上を占め、相談件数はここ数年増加しています。売却後も家賃を払って住み続ける仕組みは、老後の資金や自宅の将来に不安を抱える世代の事情と結びつきやすく、そこに強引な勧誘が重なることで相談につながっているとみられます。
出典: 国民生活センター 強引に勧められる住宅のリースバック契約にご注意!
判断のうえで押さえておきたいのは、これらのトラブルの多くが「売却価格・家賃・買い戻し」というお金の条件、「契約の種類」による居住の安定性、「勧誘や家族・費用の負担」という相手と手続きの3系統に分けて考えられる、という点です。以降ではこの順に、具体的にどこで損や揉め事が起きるのかを見ていきます。
お金の面で損をしやすいポイント
リースバックは、売却価格・毎月の家賃・買い戻し価格の3つで、通常の売却や賃貸より不利な条件になりやすい仕組みです。さらにマンションの場合は、所有者でなくなっても管理費や修繕積立金の負担が家賃に姿を変えて残るという、独自の注意点も加わります。
買主は自宅を貸し出して家賃収入を得ることを前提に買い取るため、その採算に合うように価格や家賃が設定されます。結果として、売る側から見ると受け取る額は低め、払う家賃は高め、買い戻す額は高めに傾きやすくなります。ここではその順に、マンション特有の点も交えて見ていきます。
売却価格が市場での売却より低くなりやすい
リースバックの売却価格は、通常の仲介で売る場合より低くなりやすいのが一般的です。
理由は、買い取る側が投資として採算を確保する必要があるためです。買主は自宅を貸し出して家賃を得て、将来の再売却も見込んで買い取ります。その利回りを確保できる範囲で買取価格を決めるため、住みたい人が相場で買う仲介の売却より価格が抑えられます。
ここで気をつけたいのは、リースバックの売却価格は市場価格との比率では説明できないことです。仲介での売却価格は、似た物件がいくらで成約したかから決まります。これに対しリースバックの価格は、買主が「この家をいくらで貸せるか」から逆算して決めます。価格の決まり方そのものが違うため、「相場の◯割」という掛け目で当てられるものではありません。加えて、リースバックの売却価格を業者横断で集計・公表している公的機関・業界団体もありません。
急いで現金化したい事情があるほど、価格より早さや住み続けられることを優先しがちで、その分だけ売却額は下がりやすくなります。
だからこそ、いくらで売れるのかは、リースバックの提示額だけで判断しないことが大切です。同じ家を通常の仲介で売った場合にいくらになりそうかを知っておくと、下がり幅が妥当かどうかを自分で見極められます。
毎月の家賃(リース料)が周辺相場より割高になりやすい
リースバックの家賃は、近隣の賃貸相場ではなく、買取価格をもとに決まるため、割高になりやすい仕組みです。
一般的な賃貸の家賃は、その地域で似た物件がいくらで貸されているかという相場で決まります。一方でリースバックの家賃は、買主が支払った買取価格に対して、どれくらいの利回りを得たいかという計算から逆算されます。おおまかには「買取価格 × 想定利回り ÷ 12か月」で毎月の家賃が算出されるイメージです。
この仕組みのため、買取価格が高いほど家賃も高くなります。手元に入るお金を増やそうとして高い買取価格を望むと、その分だけ毎月の家賃も上がるというトレードオフの関係にあります。同じ地域で似た広さの家を普通に借りたときの相場より高くなることも少なくありません。
まとまった資金は手に入っても、その後は割高な家賃を払い続けることになり、家計を長く圧迫する可能性があります。売却で得た資金と、これから払い続ける家賃の総額を並べて考えておくことが欠かせません。
所有者でなくなっても、管理費・修繕積立金の負担は家賃に姿を変えて残る
マンションをリースバックすると、固定資産税や管理費・修繕積立金の名義上の負担はなくなります。ただし、その分は家賃に織り込まれるため、毎月の負担は思ったほど軽くならないことがあります。
マンションを所有している間は、毎月の管理費と修繕積立金、そして固定資産税を負担しています。リースバックで所有権が運営会社に移ると、これらを支払う義務は所有者となった運営会社の側に移り、契約者の名義上の負担はなくなります。とはいえ、運営会社はこうした保有コストも見込んだうえで家賃を設定します。管理費や修繕積立金は、結局のところ家賃という形に姿を変えて、借主が払い続けることになります。
ここで効いてくるのが、マンションによって管理費・修繕積立金の水準が大きく違うという点です。これらが高いマンションほど、家賃に上乗せされる分も大きくなり、周辺の賃貸相場と比べて家賃が割高になりやすくなります。築年数が進んで大規模修繕を控えたマンションや、共用設備が充実して維持費のかかるマンションでは、この差が出やすい傾向があります。
「所有者でなくなれば管理費や修繕積立金の負担から解放される」と期待していると、家賃の内訳にそれらが含まれていることに後から気づき、負担が実質減っていないと感じることになりがちです。今支払っている管理費・修繕積立金・固定資産税の合計と、提示された家賃を並べて、毎月の支払いが本当に軽くなるのかを確かめておくことが大切です。
買い戻し価格が売却額より高くつく、そもそも買い戻せない
将来自宅を買い戻したい場合、その価格は売ったときの額より高くなるのが一般的で、そもそも買い戻せないこともあります。
買主は、買い取ったときの価格に自社の利益や諸費用を上乗せして買い戻し価格を設定します。買い戻し価格は売った額より高くなるのが通例ですが、その倍率を集計・公表している公的機関・業界団体はありません。何倍になるかは契約書の買い戻し特約の定めしだいであり、目安として示せる数字はありません。売った額と同じ金額では戻せないことを前提に、契約書で価格の決め方(固定額か、算式か)を必ず確かめてください。売却でまとまった資金を得ても、それを使ってしまえば、いざ買い戻したいときに資金が足りないという事態になりがちです。
もう一つの落とし穴が、買い戻しの約束が口約束にとどまるケースです。「将来はまた買い取ってもらえる」と口頭で言われただけで契約書に条件が書かれていないと、いざ買い戻したいと申し出ても応じてもらえないことがあります。買い戻せる価格、期限、条件がはっきり定められているかどうかで、将来の選択肢は大きく変わります。
「ずっと住み続けられる」とは限らない居住のリスク
リースバックは「売っても住み続けられる」とうたわれますが、契約の種類しだいで、住み続けられる期間や条件は大きく変わります。
住み続けられるかどうかを左右するのは、結んだ賃貸借契約が「定期借家」か「普通借家」かという違いです。加えて、契約後の更新拒絶や値上げ、所有者が変わることによる退去要求といったリスクもあります。「ずっと」という言葉をうのみにせず、契約書でどう定められているかを確かめることが重要です。
定期借家契約か普通借家契約かで居住の安定が大きく変わる
同じリースバックでも、賃貸借契約が「普通借家契約」か「定期借家契約」かによって、住み続けられる安定性はまったく違います。
普通借家契約では、貸主の側は「正当事由」がなければ更新を拒んだり解約したりできません。借りている側が保護される仕組みで、契約期間が満了しても原則として更新され、住み続けやすいのが特徴です。一方の定期借家契約は、契約で定めた期間が満了すると、更新されることなく確定的に終了します。期間が満了すれば、貸主に特別な理由がなくても契約は終わり、住み続けるには改めて再契約に応じてもらう必要があります。
| 比較する点 | 普通借家契約 | 定期借家契約 |
|---|---|---|
| 更新 | 原則として更新される | 更新されない |
| 期間満了時 | 貸主は正当事由がなければ拒めない | 期間満了で確定的に終了 |
| 借主の保護 | 手厚い(住み続けやすい) | 弱い(再契約は貸主しだい) |
出典: 国土交通省 住宅:定期建物賃貸借
リースバックでは、この定期借家契約が使われることが少なくありません。契約書に「定期借家」と書かれていれば、そこに定められた期間が過ぎたとき、再契約に応じてもらえない限り退去を求められる可能性があります。リースバックの契約期間を集計・公表している統計はなく、何年が多いかは示せません。期間は運営会社と個別に決まるものと考え、契約書の期間の欄をご自身で確かめてください。「ずっと住み続けられる」という説明を受けていても、契約の種類と期間しだいで居住の安定は大きく変わります。まず自分が結ぶのがどちらの契約なのかを、契約書で必ず確かめておきたい点です。
更新や再契約を拒否される、再契約時に値上げされる
定期借家契約の場合、期間満了時に再契約を拒まれたり、再契約と引き換えに家賃を上げられたりするリスクがあります。
先に触れたのは、あくまで契約を結ぶ時点での家賃が相場より割高になりやすいという話でした。ここで問題になるのは、それとは別の時点、つまり契約を続けていく途中や、期間が満了して結び直すときに起きる値上げです。定期借家では期間満了で契約が確定的に終わるため、住み続けたい借り手は、貸主が示す新しい条件を受け入れざるをえない立場になりがちです。
そのため、再契約のタイミングで家賃の引き上げを求められても、断れば退去するしかないという状況に追い込まれることがあります。実際に国民生活センターへの相談でも、「そのまま住み続けられると説明されたのに、家賃が値上げされて支払えなくなった」という深刻な事例が報告されています。
出典: 国民生活センター 強引に勧められる住宅のリースバック契約にご注意!
こうした事態を避けるには、契約前に更新や再契約ができるのか、できるとしてどのような条件になるのか、家賃の改定はどのように決まるのかを、書面で確かめておく必要があります。口頭で「ずっと大丈夫」と言われても、契約書に定めがなければ将来の保証にはなりません。
所有者が変わって退去や値上げを求められる
リースバックの後で家の所有者が第三者に変わると、新しい所有者から退去や値上げを求められるリスクがあります。
買い取った会社は、その物件を別の投資家などに売却することがあります。リースバックで買い取られた物件がその後どれくらいの割合で転売されているかを集計した統計はありませんが、所有者が変わりうることは契約上あらかじめ想定しておくべき点です。所有者が変わっても、普通借家であれば借りている側の権利は基本的に引き継がれますが、定期借家では期間満了時に新しい所有者との再契約が必要になり、条件が変わる可能性があります。売った相手の会社が経営に行き詰まって倒産し、物件が競売にかけられるという事態も起こり得ます。
いずれの場合も、自分が最初に契約した相手と、実際に家賃を払う相手が変わってしまうことがある点は知っておきたいところです。所有者が変わったときに契約がどう扱われるのか、賃貸借の権利が引き継がれるのかどうかは、結んだ契約の種類や内容によって変わります。契約前に、所有者が変わった場合の取り扱いを確認しておくと安心です。
契約相手・手続きに潜むトラブル
リースバックでは、契約の中身だけでなく、勧誘のされ方や家族との関係、費用の負担をめぐっても揉め事が起きています。
急かされて十分に理解しないまま契約してしまう、家族に相談せず進めて反発を招く、修繕や諸費用の負担が後から重くのしかかる、といったトラブルです。相手が誰で、手続きがどう進むのかを落ち着いて確かめることが、こうした揉め事を防ぐことにつながります。
強引な勧誘や、説明と違う契約を迫られる
リースバックのトラブルで目立つのが、強引な勧誘や、口頭の説明と契約書の中身が食い違うケースです。
国民生活センターに寄せられた相談では、「何時間も勧誘され続けた」「自宅を売るよう執拗に勧められた」といった勧誘の問題が多く報告されています。その場で判断を迫られたり、長時間にわたって帰らせてもらえなかったりすると、内容を冷静に検討できないまま契約書に署名してしまいがちです。
出典: 国民生活センター 強引に勧められる住宅のリースバック契約にご注意!
ここで特に知っておきたいのが、自宅の売却にはクーリング・オフが使えないという点です。訪問販売などで結んだ一部の契約は、一定期間内なら無条件で解除できるクーリング・オフの対象になります。しかし自宅を不動産業者に売却した場合、この制度は適用されず、後から契約を解除するのは困難です。いったん売買が成立すれば、「やはりやめたい」と思っても簡単には取り消せません。契約を解除しようとすれば、違約金などの負担を求められる場合もあります。
こうした事情があるからこそ、勧誘が迷惑だと感じたらきっぱり断り、その場で契約せずに持ち帰って検討することが大切です。口頭の説明と契約書の記載が一致しているかを一つずつ確かめ、少しでも疑問があれば署名を急がない姿勢が、後戻りできないトラブルを防ぎます。
相続人や親族に相談せず進めて揉める
自宅の売却を家族に相談しないまま進めると、後になって相続人や親族との間で揉めることがあります。
自宅は、本人にとっての住まいであると同時に、将来家族が受け継ぐことを見込んでいる資産でもあります。本人が単独で売却を決めてしまうと、相続を予定していた家族が「知らないうちに実家がなくなっていた」と受け止め、感情的な対立につながりかねません。特に高齢の親が業者の勧誘で契約した場合、子ども世代が後から気づいて驚くという流れは起こりがちです。
売却で得た資金の使い道や、家賃を払い続けられるかどうかは、家族の生活にも関わってきます。契約を進める前に、同居していない家族も含めて事情を共有しておくと、認識のずれや後々の反発を避けやすくなります。判断に迷う場合は、資金計画についてはファイナンシャルプランナー、相続や名義に関わる点については司法書士に相談しておくと、家族全員が納得したうえで進めやすくなります。
修繕費・原状回復・諸費用の負担で揉める
リースバック後の修繕費や、退去・買い戻し時の原状回復、契約時の諸費用をめぐっても、負担の範囲で揉めることがあります。
一般的な賃貸では、建物の大きな修繕は貸主が負担することが多いものの、リースバックの契約では借りる側に修繕の負担を求める特約が付いていることがあります。設備が壊れたときの費用を誰が持つのかは、契約書の特約の書き方しだいで変わります。退去や買い戻しのときに、どこまで元の状態に戻す必要があるのか、その費用を誰が負うのかも同様です。
マンションの場合は、専有部分と共用部分で管理の責任が分かれ、リフォームや設備交換に管理規約の制限がかかることもあります。所有者だったときと、借主になった後とで、どこまで自分の判断で手を入れられるのかが変わる点も、契約前に確かめておきたいところです。契約時の事務手数料や諸費用が思ったより高く、内訳がはっきりしないまま請求されたという声もあります。どの費用がいつ、いくらかかるのかを、契約前に書面で確かめておくことが欠かせません。負担の範囲は口頭の説明ではなく、契約書にどう書かれているかで決まります。
後悔しないための契約前チェックと向き・不向き
リースバックで後悔しないためには、契約前に条件を書面で確かめ、複数社を比べ、自分の事情に合う手段かを見極めることが大切です。
ここまで見てきた損や揉め事の多くは、契約前の確認と他の手段との比較で避けやすくなります。何を書面で確かめ、どう相場をつかみ、どんな人に向く選択肢なのかを順に整理します。
契約前に書面で確認すべき項目
リースバックの契約前には、口頭の説明ではなく契約書の記載を一つずつ確かめることが欠かせません。
国土交通省は「住宅のリースバックに関するガイドブック」を公表し、契約内容や将来の収支計画を消費者が十分に理解しないまま契約してトラブルになる例があるとして、事前の確認を促しています。特に買い戻しについては、当然の権利ではなく、口約束ではなく契約書に具体的な条件が書かれているかを確かめ、その価格が自分の払える額かどうかを冷静に検討するよう求めています。
出典: 国土交通省 「住宅のリースバックに関するガイドブック」を公表しました
契約書で確かめておきたい項目は、次のとおりです。
- 賃貸借契約の種類(普通借家か定期借家か、期間は何年か)
- 家賃の額と、値上げや改定の条件
- 管理費・修繕積立金が家賃にどう織り込まれ、今の負担と比べてどうなるか
- 買い戻しの可否、価格、期限、条件
- 修繕費や原状回復の負担がどちらにあるか(マンションは専有部分と共用部分の扱い)
- 契約後に第三者へ再売却された場合の取り扱い
- 中途解約の可否と、その際の条件や費用
大切なのは、これらが口頭でどう説明されたかではなく、契約書に何と書いてあるかを確かめることです。書面に定めがなければ、いくら「大丈夫」と言われても将来の保証にはなりません。読んで分からない条項があれば署名を急がず、宅地建物取引士など専門家に内容を確認してもらうと安心です。
複数社の条件を比べ、相場を自分で把握する
リースバックを検討するなら、1社の提示だけで決めず、複数社の条件を比べることが後悔を避ける近道です。
買取価格も家賃も、会社によって設定の考え方が異なります。同じ自宅でも、ある会社は買取価格を高くする代わりに家賃も高く、別の会社は買取価格を抑えて家賃を低くする、といった違いが出ます。複数社から見積もりを取れば、提示された条件が妥当な水準かどうかを判断しやすくなります。
あわせて、その家を通常の仲介で売った場合にいくらになりそうかも把握しておきたいところです。市場価格の目安が分かっていれば、リースバックの買取価格がどれくらい低いのか、その差が自分にとって許容できる範囲かを見極められます。相場を自分の手元に持っておくことが、条件交渉や最終判断のよりどころになります。
リースバックが向く人・向かない人
リースバックは、まとまった資金が今すぐ必要で、なおかつこの立地・この部屋にどうしても住み続けたい事情がある人には、選択肢になり得ます。
例えば、通院している病院や子どもの学区、長年の地域のつながりなど、どうしても今の場所を離れたくない理由があり、その一方で老後の生活資金や医療費をまとまって用意したいという場合です。自宅を手放さずに現金化でき、住み慣れた家に残れる点は、通常の売却にはない特徴です。
ただ、ここはマンションを持つ人にこそ立ち止まって考えてほしいところです。マンションは戸建てと違って土地に縛られず、同じような間取りや条件の住まいが周辺にも見つけやすいため、住み替え先の選択肢が広いのが特徴です。「どうしてもこの家でなければ」という強い理由が薄いのであれば、リースバックよりも、通常の売却で高く売って住み替えたほうが、手元に残るお金は多くなりやすいといえます。管理費・修繕積立金が家賃に上乗せされる分、住み続けるほどコストがかさみやすいことも、通常の売却と比べて考える理由になります。
逆に、長く安い費用で住み続けたい人にとっては、割高な家賃が続くリースバックは向かないことが多いといえます。家族の同意が得られていない場合や、将来の家賃負担に不安がある場合も、慎重になったほうがよい状況です。住み続けることにこだわらず高く売りたいなら通常の仲介での売却が、今の自宅に住み続けながら資金を得たいなら自宅を担保に借りるリバースモーゲージなど、目的の近い他の手段と比べたうえで判断すると、自分に合う方法が見えてきます。
困ったときの相談先
リースバックで迷ったり困ったりしたときは、内容に応じて公的な窓口や専門家に相談できます。
- 消費生活センター・消費者ホットライン「188」(勧誘や契約トラブルの相談)
- 宅地建物取引士(契約内容や不動産取引に関する確認)
- ファイナンシャルプランナー(資金計画や家賃負担の見通し)
強引な勧誘を受けた、契約内容に納得できないといった場合は、全国共通の消費者ホットライン「188」に電話すると、身近な消費生活センターにつながります。契約書の中身に不安があるときは宅地建物取引士、売却後の家計や資金計画が心配なときはファイナンシャルプランナーに相談すると、判断の助けになります。
まとめ:リースバックの後悔を防ぐなら、住み替えのトビラ
リースバックのデメリットとトラブルは、お金の面での不利、住み続けられるとは限らない居住の不安定さ、そして勧誘や手続きに潜むリスクという3つに整理できます。相談が高齢の契約者に集中し近年増えていることも、公的な注意喚起で示されています。マンションでは、所有者でなくなっても管理費・修繕積立金が家賃に姿を変えて残る点も、見落とせない負担です。
もっとも、こうした損や揉め事の多くは、あなたが契約前に準備しておくことで避けやすくなります。契約書の種類や家賃、買い戻しの条件を書面で確かめ、複数社を比べて相場を把握し、家族とも事情を共有しておくことが、後悔を減らす手立てになります。マンションを持っている方は特に、住み替え先の選択肢が広いという強みを踏まえ、通常の売却で住み替える場合と手取りを比べてから判断すると、後悔を減らせます。
リースバックは、事情に合えば役立つ選択肢ですが、条件しだいで負担も大きくなります。焦らず内容を確かめ、通常の売却など他の手段とも見比べたうえで、自分にとって納得できる方法かどうかを落ち着いて検討してください。
住み替えのトビラは、不動産仲介を持たない中立の立場です。『今は売らない』という選択肢も含めて、あなたにとって後悔のない判断をお手伝いします。
住み替えのトビラ 