マンションの一括査定を申し込もうとして、「依頼する不動産会社を選んでください」の画面で手が止まっている方に向けた記事です。先に答えを言うと、マンションなら3社が基本で、条件によっては2社で足り、4社以上に頼んだほうがよい場合もあります。この記事では、3社が基本になる理由、自分の場合に増やすか減らすかの判断基準、どの会社を組み合わせるか、届いた査定をどう比べて絞るかを順に説明します。
マンション一括査定で依頼する社数の目安
依頼する社数は、3社を基本にして、自分の条件しだいで2社へ減らすか4社へ増やすかで考えます。一括査定サイトの最大数まで送る選び方は、比較の精度よりも負担のほうが増えます。この章では次の4つを順に説明します。
- 3社が基本になる理由
- 2社で足りる場合
- 4社以上に頼んだほうがいい場合
- 最大数まで送ると比較の精度より負担が増える
3社が基本になる理由
査定額は「このくらいで売れそう」という会社ごとの予想です。1社だけに頼むと、比べる相手がいないので、その額が高いのか安いのかは受け取った側の感覚で決めることになります。
2社に頼むと、額の「差」が見えます。ただし2社の額が離れたときは、どちらが実態に近いかを決める材料がもう一つ要ります。
3社に頼むと、2社が近い額で1社が離れている、という「多数派」が見えてきます。これが3社を基本にする理由です。
マンションは、この点で有利な物件です。同じ棟や近隣で成約した事例が多いので、会社ごとの査定額がもともと大きく割れにくい傾向があります。戸建てや土地は個別の条件で査定が割れやすく、より多くの社数が要りますが、マンションなら3社で十分な判断材料がそろいます。3社なら、査定書を読み比べる作業も無理なく続けられます。
2社で足りる場合
3社より少なくてもよいのは、「頼みたい会社の候補がすでに1社ある」場合です。
- 同じマンションの売却実績が多い地元の会社を知っている
- 住み替え(買い替え)で次の家を探してもらっている会社がある
- 知人が売却で使って対応がよかった会社がある
この場合、候補の1社に加えて、比較相手を1社選べば足ります。比較相手は、候補と違うタイプの会社にします。候補が地元の会社なら大手を、候補が大手なら地元の会社を入れると、査定額の根拠の違いが見えます。
もう一つ、2社で足りるのは、同じ棟で最近の成約事例が複数あり、相場がはっきりしている場合です。どの会社に頼んでも査定額は近い範囲に収まりやすいので、2社で差を確かめれば十分です。2社で始めて、額が大きく離れたら3社目を足す、という順番でも大丈夫です。
4社以上に頼んだほうがいい場合
逆に、3社より多く頼んだほうがいいのは、査定額が割れやすい条件のときです。
- 成約事例が少ないマンション(戸数が少ない、築年数が古い、駅から遠い)
- 地方や郊外で、候補に出てくる会社の質が読めない
- 大手と地元の会社を2社ずつ見て、それぞれの傾向を比べたい
成約事例が少ないと、参考になる事例が限られ、会社ごとの見方の差が査定額に出やすくなります。4社ほどに頼んで額の幅を見ておくと、あとで売り出し価格を決めるときに迷いが減ります。
地方では、聞いたことのない会社が候補になることがあります。この場合は少し多めに頼み、査定書の根拠と担当者の対応で絞り込みます。
ただし、4社を超えると比較の作業が急に重くなります。5社以上は「どうしても」というときに限るのが安全です。
最大数まで送ると比較の精度より負担が増える
一括査定サイトでは、多くのサイトで最大6社前後まで同時に依頼できます。「せっかくだから全部に送ろう」と考える人は多いのですが、これは避けたほうが賢明です。
理由は仕組みにあります。一括査定に登録している不動産会社は、査定の申し込みが1件届くごとに、サイトの運営会社へ紹介料を払っています。そして各社は「一番早く連絡した会社が話を聞いてもらいやすい」と考えているので、申込直後に電話が集中します。
依頼した社数が、そのまま電話の数になります。
3社なら3社分、6社なら6社分。査定書を読み比べる手間も同じように増えます。
6社に送っても、マンションの査定額は割れにくいので、得られる情報は3社のときとほとんど同じです。社数が増えると根拠の突き合わせが雑になり、結局「一番高い額」だけを見てしまいがちです。
正直に言います。「4〜6社が理想」と書いている記事の多くは、一括査定サイト側のものです。社数が多いほどサイトの収益は増えるので、その視点は割り引いて読みましょう。
依頼する社数を増やすか減らすかの判断基準
3社を基準に、自分の場合はどう調整するかを決める基準が5つあります。この章では次の5つを順に説明します。
- 売却時期が半年以内に決まっているか
- 平日の日中に電話へ対応できるか
- 同じ棟や近隣に最近の成約事例が多いか
- 頼みたい不動産会社の候補がすでにあるか
- 住み替えで購入を頼む会社に売却も任せるか
| 基準 | 減らす(2社) | 基本(3社) | 増やす(4社) |
|---|---|---|---|
| 売却時期 | 未定・1年以上先 | 半年以内 | ― |
| 平日日中の電話 | 出られない | 出られる、または備考欄で調整 | ― |
| 成約事例 | 同じ棟に多い | ふつう | 少ない |
| 会社の候補 | 1社ある | ― | まったく無い |
| 住み替えの段取り | 購入側の会社に売却も任せる | ― | ― |
売却時期が半年以内に決まっているか
一番大きな基準は、売る時期です。半年以内に売ると決まっているなら、3社に頼んで比べる価値があります。会社は「近いうちに売る人」と分かれば本気で動き、査定も具体的な売り出し価格の提案まで進みます。
一方、売却が1年以上先、あるいは時期が未定なら、社数を減らすか、今は一括査定を使わずに相場だけを掴む方法を選びます。時期が未定の申し込みを何社にも送ると、各社にとって「いつ売るか分からない人」への営業になり、しつこい電話だけが残ります。
住み替えを考えている方は、この基準で「未定」側に入りやすい立場です。次の家が決まってから売る、という順番なら、今のマンションを売る時期は購入先次第で動きます。
購入先の候補が絞れて、売る時期が半年以内に見えてきた段階で、3社に頼む。それまでは、匿名の査定や公的な成約データで相場の目安を掴んでおく。この順番が無理のない進め方です。
平日の日中に電話へ対応できるか
一括査定を申し込むと、不動産会社からの連絡は主に電話で、平日の日中にかかってきます。仕事中に出られない人にとっては、社数がそのまま負担になります。
平日の日中に電話へ出られないなら、2社に絞るのが一つの答えです。2社なら、折り返す相手も2社で済みます。
3社に頼みたい場合は、申し込みの備考欄に希望を書いておきます。
備考欄の記入例
「連絡はメールでお願いします。電話は平日18時以降のみ可能です。まずは机上査定を希望します」
不動産会社は、備考欄に書かれた希望を守る傾向があります。守らない会社は、その時点で候補から外す判断材料にもなります。備考欄がないサイトを使うなら、社数を減らすほうが安全です。電話への対応力は、社数を決めるうえで意外と大きな要素です。
同じ棟や近隣に最近の成約事例が多いか
査定額がどれくらい割れるかは、成約事例の多さでほぼ決まります。同じ棟で最近1〜2年のうちに複数の成約があれば、どの会社もその事例を見て査定するので、額は近い範囲に収まります。この場合、2〜3社で十分です。
成約事例は、誰でも無料で調べられます。
- 国土交通省「不動産情報ライブラリ」: 実際の取引価格を地域・築年数・広さで絞り込める
- 「レインズ・マーケット・インフォメーション」: 不動産会社が使う成約情報の一部を、最寄り駅や間取りで絞って見られる
自分のマンション名や最寄り駅で絞って、直近の成約がいくつあるかを見てみましょう。事例が少ない場合は、会社ごとの見方の差が査定額に出やすくなるので、4社ほどに頼んで額の幅を確かめておきます。
申し込む前に成約事例の数を見ておくと、社数を決める材料になり、届いた査定額が妥当かどうかを測る基準にもなります。
頼みたい不動産会社の候補がすでにあるか
会社の候補が頭にあるかどうかでも、社数は変わります。
- 候補が1社ある → 比較相手を1〜2社選べば足りる
- 候補がまったく無い → 3〜4社に頼んで候補を集める段階から始める
候補がある場合、比較相手は候補と違うタイプの会社にすると、根拠の違いが見えて判断しやすくなります。
候補が無い場合は、一括査定の一覧が入口として役立ちます。自分では名前を知らない地元の会社が、同じマンションの実績を多く持っていることもあります。
候補の会社が一括査定サイトに登録していないこともあります。その場合は、会社のサイトから直接頼んで、比較相手を一括査定で選ぶ、という組み合わせで進めます。
住み替えで購入を頼む会社に売却も任せるか
住み替えの場合、次の家を探してもらう仲介会社に、今のマンションの売却も任せる方法があります。同じ会社が売却と購入の両方を見れば、売れる時期と買える時期の調整を一社の中で進められるからです。
この進め方を選ぶなら、社数は自然に減ります。購入を頼む会社を1社として、比較相手を1〜2社選べば十分です。比較相手は、その会社の査定額が妥当かを確かめるためのものなので、購入側の会社と違うタイプを選びます。
売却をA社、購入をB社に頼むと、「A社は早く売りたい、B社はいい物件が出るまで待ちたい」と方向がずれ、時期の調整を自分でやることになりがちです。
一社にまとめると、売却の代金が入る前に購入の契約を進める段取りや、今の家が売れなかったときに購入を白紙にできる特約についても、まとめて相談できます。
住み替えなら、社数を増やすより、この1社をどう選ぶかに力を使ったほうが結果はよくなります。
依頼する不動産会社の組み合わせ方
社数が決まったら、次はどの会社を入れるかです。同じタイプの会社を3社並べると、査定の根拠が似通って比較の意味が薄れます。この章では、会社の組み合わせ方を次の5つに分けて説明します。
- 大手1社と地元の会社1〜2社を組み合わせる
- 同じマンションで売却実績がある会社を優先する
- 一括査定に登録していない大手は直接依頼で加える
- 住み替えなら購入を頼む会社を1社入れる
- 同じ系列の会社を重ねて選ばない
| 枠 | 入れる会社 | 見る点 |
|---|---|---|
| 大手 | 1社 | 広域の相場・集客力 |
| 地元 | 1〜2社 | 同じ棟の実績・細かい事情 |
| 住み替え | 購入を頼む会社を1社 | 売却と購入の段取り |
大手1社と地元の会社1〜2社を組み合わせる
基本形は、大手の仲介会社を1社、地域に根ざした会社を1〜2社という組み合わせです。
大手は、広い範囲の相場に強く、購入希望者を集める力があります。自社のサイトや店舗網で買い手を探せるので、売り出しの間口が広くなります。
地元の会社は、同じ棟や周辺の細かい事情に強い傾向があります。過去にその棟で成約した実績があれば、どの階のどの向きがいくらで売れたかを把握しています。査定書の根拠も、より近い事例で組まれます。
両方を入れておくと、査定額が割れたときに「大手は広域の相場、地元は棟の実績」と根拠の違いが見え、どちらが実態に近いかを判断できます。1社だけ飛び抜けて高い額が出たときも、他のタイプの会社の額と比べれば、その額が現実的かどうかが分かります。
同じマンションで売却実績がある会社を優先する
会社を選ぶとき、一括査定の一覧で「対応エリアに入っているか」だけを見ると、マンションの売却に弱い会社が混ざります。見るべきは、同じマンション、または同じ地域でのマンションの売却実績です。
一括査定サイトの会社紹介欄には、「マンション売却の実績」や「得意な物件」が書かれていることが多いので、そこを確認します。
もう一つの手がかりは、マンションの掲示板や郵便受けに入るチラシです。
「このマンションで成約しました」
「同じ棟の◯階が売り出し中です」
こうしたチラシを何度も出している会社は、その棟を得意にしています。何度も見かける会社名があれば、候補に入れる価値があります。
同じ棟の実績がある会社は、査定の根拠がより近い事例で組まれます。さらに、買い手の側にも「この棟を探している人」の情報を持っていることがあります。
一括査定に登録していない大手は直接依頼で加える
大手の仲介会社の中には、一括査定サイトを通さず、自社のサイトでしか査定を受け付けていない会社があります。「大手を1社入れたいのに、一括査定の候補に出てこない」ときは、この事情が理由です。
その場合は、その会社のサイトから直接査定を頼んで、比較相手に加えます。一括査定で地元の会社を2社、直接依頼で大手を1社、という組み合わせは、実際によく使われる形です。
直接頼む利点は、会社が払う紹介料が0円になる点にもあります。回収すべき紹介料がないので、契約を急がせる圧力が弱く、査定の姿勢が素直になりやすい傾向があります。
一括査定と直接依頼を組み合わせても、合計の社数は3社を基準にします。経路が違っても、電話と査定書の対応は社数の分だけ発生します。
住み替えなら購入を頼む会社を1社入れる
住み替えで次の家を探しているなら、その仲介会社を売却の候補に1社入れます。前の章で説明したとおり、売却と購入を一社にまとめると、時期の調整が楽になります。
具体的には、次の家を探してもらっている担当者に「今のマンションの査定もお願いします」と頼みます。その会社の査定額と、一括査定で選んだ1〜2社の査定額を比べれば、購入側の会社の査定が妥当かどうかも確かめられます。
購入側の会社を売却の候補に入れる利点は、もう一つあります。住み替えに慣れた会社なら、売却が先か購入が先か、資金の段取りをどう組むか、今の家が売れなかったときの特約をどうするか、といった住み替え特有の相談に乗ってくれます。
一括査定だけで会社を選ぶと、売却は上手でも住み替えの段取りに慣れていない会社に当たることがあります。購入側の会社を1社入れておくことは、その保険にもなります。
同じ系列の会社を重ねて選ばない
一括査定の一覧には、同じ系列や同じ本部の会社が別の店舗名で並ぶことがあります。たとえば、同じフランチャイズの加盟店が2店舗、といった形です。
こうした会社を2社選ぶと、査定の根拠が同じデータベースで組まれ、額も近い範囲に収まります。せっかく2つの枠を使っても、比べられるのは実質1社分です。会社名の一部が同じ、ロゴが同じ、といった場合は系列の可能性が高いので、どちらか1社にします。
あわせて、会社を選ぶ前の最低限の確認として、免許番号と行政処分歴を見ておくと安心です。
- 免許番号: かっこ内の数字が更新回数。宅地建物取引業の免許は有効期間が5年で、更新のたびに数字が増えるので、大きいほど営業年数が長い
- 行政処分歴: 国土交通省の「ネガティブ情報等検索サイト」で誰でも無料で調べられる
免許番号そのものは、国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」でも確認できます。候補に入れる前に、この2点だけは確かめておきましょう。
出典: e-Gov法令検索 宅地建物取引業法(第3条第2項)
出典: 国土交通省 建設業者・宅建業者等企業情報検索システム
複数社の査定を比べて絞り込む手順
3社に頼んで査定が届いたら、次は比べて絞る作業です。見る順番は「額→根拠→対応」で、最後は媒介契約の決め方まで続きます。この章では次の6つを順に説明します。
- 机上査定の額と根拠を並べて比べる
- 飛び抜けて高い査定額を出した会社を疑う
- 担当者が住み替えの予定まで聞いてくるかで比べる
- 訪問査定は1〜2社に絞ってから頼む
- 選ばなかった会社には連絡停止まで一度に伝える
- 1社に絞れないなら一般媒介で2社に任せる
机上査定の額と根拠を並べて比べる
最初の査定は、書類や事例だけで価格を出す「机上査定」で頼みます。マンションは同じ棟の成約事例が多いので、机上でも精度の高い額が出やすい物件です。
3社の査定が届いたら、額と根拠を並べて置きます。査定書には、同じマンションや近隣の成約事例、いま売り出し中の物件の価格が載っています。その事例が、自分のマンションと条件(階数、向き、広さ、築年数)が近いかを見ます。
自分で比較表を作るのがおすすめです。
| 会社 | 査定額 | 根拠の事例(数・近さ) | 連絡の希望を守ったか | 担当者の印象 |
|---|---|---|---|---|
| A社 | ||||
| B社 | ||||
| C社 |
3社なら1枚に収まります。この表を作ると、「一番高い額の会社」ではなく「一番根拠がしっかりした会社」が見えてきます。
飛び抜けて高い査定額を出した会社を疑う
3社の額を並べたとき、例えば1社だけ他より2割も3割も高い額が出ることがあります。うれしく感じるかもしれませんが、ここは一度立ち止まりましょう。
マンションは成約事例が多く、本来は査定額が大きく割れにくい物件です。それでも1社だけ飛び抜けているなら、その額は「売れる価格」ではなく「契約を取るための価格」の可能性があります。
一括査定に登録している会社は、紹介料を回収するために媒介契約を取りたい立場です。高い額を見せて契約を取り、売り出してから「反応が薄いので値下げしましょう」と持ちかける流れは、後悔につながるよくある形です。
高い額を出した会社には、「この額の根拠になった事例を教えてください」と聞いてみます。近い条件の事例をすぐ出せるなら本物、出せないなら営業用の額と考えるのが安全です。
担当者が住み替えの予定まで聞いてくるかで比べる
査定額と根拠を比べたら、次は担当者の対応です。電話やメールでのやり取りの中に、その会社がどう売却を進めるかが表れます。
見分けるポイントは、担当者が何を聞いてくるかです。
| 聞いてくる内容 | 読み取れる姿勢 |
|---|---|
| 「いつ売りますか」「いくらなら売りますか」だけ | 契約を取ることが先 |
| マンションの状態、売る理由、次の家の予定や時期まで | 売却を最後まで伴走する |
住み替えを考えている方にとって、この違いは大きな意味を持ちます。売却と購入の時期をどう合わせるかは、住み替えで一番の悩みです。そこまで聞いてくる担当者なら、売却の代金が入る前に購入を進める段取りや、売れなかったときの特約についても相談できます。
備考欄に書いた連絡方法の希望を守ったかどうかも、対応を測る材料です。守らない会社は、契約後の対応も雑になりがちです。
訪問査定は1〜2社に絞ってから頼む
机上査定で3社を比べたら、その中から1〜2社に絞って訪問査定を頼みます。訪問査定は、担当者が家まで来て室内を見たうえで価格を出すもので、売却を任せる会社を決める段階で必要になります。
最初から3社全部に訪問査定を頼むのは避けます。担当者ごとに日程を合わせる手間がかかるうえ、家で顔を合わせると断りにくくなります。会社側も訪問した以上は契約を取りたいので、その場で媒介契約を勧められることもあります。
机上の段階で、額と根拠と対応を比べて絞り込む。絞った1〜2社にだけ家を見てもらう。この順番なら、余計な営業を受けずに、正確な査定にたどり着けます。
訪問査定の額が机上査定の額と大きく違う場合は、その理由を担当者に聞きます。室内の状態を見て下げたのか、上げたのか、説明できる会社が信頼できます。
選ばなかった会社には連絡停止まで一度に伝える
訪問査定を頼まなかった会社には、きちんと断りを入れます。曖昧にしたり電話を放置したりすると、会社側は「まだ売る可能性がある」と判断して、連絡を続けます。
断り方は短くて大丈夫です。
理由を細かく説明する必要はなく、「査定額が低かったので」と言うと、より高い額での再提案が来るので避けます。「今後の連絡は不要です」まで一度に言い切ることで、担当者が変わったときの再度の電話も止められます。メールで断ると記録が残るので、あとで「断ったはず」と確かめられます。
申し込み完了メールに載っている依頼先の一覧を保存しておくと、どの会社に断ったかを管理できます。3社なら、この作業も数分で終わります。
1社に絞れないなら一般媒介で2社に任せる
比べても1社に絞れない、というときは、無理に1社に決めなくても大丈夫です。「一般媒介契約」を使えば、複数の会社に同時に売却を任せられます。
| 契約の種類 | 頼める会社 | 有効期間 |
|---|---|---|
| 一般媒介 | 複数社 | 法律の定めなし(慣例として3か月が多い) |
| 専任媒介 | 1社 | 最長3か月 |
| 専属専任媒介 | 1社 | 最長3か月 |
一般媒介なら、大手と地元の会社に同時に任せて、どちらが先に買い手を見つけるかを競わせる形にできます。
住み替えを考えている方には、一般媒介の柔軟さが向く場面があります。売る時期が購入先次第で動くとき、専任媒介だと1社に3か月縛られますが、一般媒介なら状況に応じて動きやすくなります。
ただし、一般媒介は会社側の力の入れ方が弱くなることもあります。2社に任せて反応が薄ければ、根拠と対応がよかった1社に絞って専任に切り替える、という進め方でも大丈夫です。社数の判断は、査定の段階で終わりではなく、売り出しの段階まで続きます。
出典: e-Gov法令検索 宅地建物取引業法(第34条の2第3項)
まとめ:マンションの一括査定は3社が基本、増減は5つの基準で決める
マンションの一括査定は、3社が基本です。1社では査定額を測る物差しを持てず、2社では額の差までしか見えず、3社そろってはじめて「多数派の額」と「離れている額」が分かります。マンションは同じ棟や近隣の成約事例が多く、査定額がもともと割れにくいので、社数を増やしたときに増えるのは、電話と査定書を読み比べる手間のほうです。
次の一歩は、申し込む前に自分の売却時期をはっきりさせることです。半年以内に売ると決まっているなら3社、時期が未定なら2社に絞るか、まずは公的な成約データで相場を掴むところから始めます。ここを飛ばして「とりあえず最大数に送る」と、売る時期が固まらないうちに各社からの電話が始まり、査定書を比べる前に気力を使い切ってしまいます。
社数が決まったら、次はどの会社を組み合わせるか、届いた査定をどの順番で比べるかを確かめてみてください。住み替えのトビラでは、一括査定を何社に頼むかも含めて、住み替えで悩むあなたに信頼できる情報を提供しています。
住み替えのトビラ 
