マンション一括査定の営業電話はしつこい?本数と見分け方

マンション一括査定の営業電話はしつこい?本数と見分け方

マンションを売って住み替えるなら、査定は取っておきたいところです。それでも「一括査定は営業電話がしつこい」という話を聞いて、申し込みボタンを押せずにいませんか。

「しつこい」と感じるかどうかを分けているのは、電話が何本、いつまで、誰から来るのかを先に読めているかどうかです。頼んでもいないのに「マンションを売りませんか」という電話を受けたことがある人ほど、その不快感を一括査定と重ねてしまいます。すると、これから来る電話の量を最悪の想定で見積もることになります。

この記事では、一括査定で実際に来る電話の本数と期間、最初の電話の用件、申し込んでいないのに来る電話の正体と見分け方を説明します。そのうえで、電話の量を申し込む前に自分で決める方法もお伝えします。

一括査定の営業電話は、何本・いつまで来るのか

一括査定でかかってくる電話の本数は、依頼した会社の数でほぼ決まります。6社に頼めば6社から、3社なら3社から、まず一度は連絡が来ます。マンションでも戸建てでも、この本数は変わりません。

電話が集中するのは申し込み直後の数日が目安です(会社や時期によって前後します)。数日を過ぎると、残るのは返事をした会社だけ。「しつこい」と感じさせているのは、本数の多さよりも、短い時間に重なることのほうです。

依頼した会社の数だけ、一度は連絡が来る

電話の本数の上限は、申し込むときに自分がチェックを入れた会社の数と同じです。6社を選べば6社分、3社を選べば3社分。それより増えることはありません。

なぜそうなるのでしょうか。一括査定サイトは、自分で査定額を出しているわけではないからです。一括査定サイトがするのは、あなたが入力した部屋の情報を、申込画面で選んだ不動産会社へ渡すところまで。査定額を計算するのも、電話をかけてくるのも、その先の各不動産会社です。だから会社ごとに一度は連絡が入り、選んだ会社が6社なら電話も6社分になります。

つまり、電話は際限なく増えるものではなく、申し込む前に上限を読んでおけます。何社に頼むのがよいかは目的によって変わりますが、選んだ数と連絡の数が一致するという関係は、社数をいくつにしても崩れません。

電話が集中するのは申し込み直後の数日

連絡が重なるのは、申し込みからの数日です。当日から翌日にかけて集中し、数日たつと落ち着いていきます。会社や時期によって前後しますが、そう見ておくと実際に近いでしょう。

なぜ最初に寄るのか。早く連絡が取れた会社ほど、その後の話を進めやすい立場になるからです。だから各社とも一報を急ぎます。

数日を過ぎれば、残るのは返事をして話を進めることにした会社だけです。返事をしなかった会社から何度かかかってくることはあっても、最初と同じ密度がずっと続くわけではありません。期間の見通しが立てば、申し込む日も自分で選べます。休日前の夜に申し込むと、翌日の予定に着信が重なります。落ち着いて対応できる日を選びましょう。

本数より、同じ時間帯に重なることが負担になる

「しつこい」という感覚を作っているのは、電話が同じ時間帯に重なることです。電話の総数ではありません。

1社あたり一度の連絡でも、6社が同じ夕方に集まればどうなるか。着信履歴は知らない番号で埋まり、体感は「鳴り止まない」に変わります。同じ6本でも、3日に分かれるのと1時間に収まるのとでは、受ける側の負担がまるで違うのです。

原因が重なりにあるなら、打つ手は社数を減らすことだけではありません。同じ6社でも、時間帯が分かれていれば一つずつ落ち着いて受けられます。では、そうしてかかってくる電話は、そもそも何の用件なのでしょうか。

最初の電話で聞かれるのは、査定に足りない情報

申し込んだ直後にかかってくる電話は、多くが査定額を出すために足りない情報を確かめる電話です。売り込みの電話ではありません。

なぜ確認が必要なのでしょうか。申込フォームは選択肢から選んで答える項目が中心なので、部屋ごとの細かい条件までは伝わらないからです。そこで最初の電話では、次のようなことを聞かれます。

  • 何階の部屋か
  • バルコニーの向き
  • 角部屋かどうか
  • 室内の状態とリフォームの有無
  • 管理費と修繕積立金の月額

聞かれる内容が先に分かっていれば、身構える必要はありません。管理費と修繕積立金の額が分かる書類と、管理規約を手元に置いておきましょう。それだけで、一度の通話で答え終わります。「出たら売り込まれる」と着信を無視するより、準備して短く済ませたほうが、査定額は早く手元に届くはずです。

なお、マンションは同じ建物や同じ間取りの取引事例を使えるため、会社が電話をかける前から持っている情報が多く、聞き取りは短くなりやすい傾向があります。ただし、どこまで聞かれるかは会社によって違います。細かく順に聞く会社もあれば、二つ三つの確認で終わる会社もあるでしょう。どちらであっても用意しておくものは変わらないので、さきほどの書類を手元に置いて着信に出れば、そのまま答えられます。

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申し込んでいないのに来る電話は、一括査定とは別物

一括査定に申し込んでいないのに、「マンションを売りませんか」「お持ちの部屋を探している方がいます」という電話がかかってくることがあります。実はこれ、一括査定に入れた情報が漏れたわけではありません。まったく別のルートで、あなたが持ち主だと分かっているのです。

この2つを同じものとして数えていると、「一括査定を使うと電話が増える」と思い込んでしまいます。すると、査定そのものを避けることになります。分けて考えれば、一括査定をやめる理由にはならないと分かるはずです。

登記記録は誰でも取れるため、所有者は特定できる

不動産には「登記記録」という公式の記録があります。その部屋を誰が持っているかを、国が記録したものです。そしてこの記録は、持ち主本人でなくても取れます。

法律にもそう書かれています。不動産登記法第119条第1項は、「何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面(以下「登記事項証明書」という。)の交付を請求することができる」と定めています。「何人も」とは、誰でも、という意味です。持ち主の許可も、代理を頼む書類もいりません。手数料さえ払えば、他人の部屋の記録でも見られます。

登記記録には、持ち主の名前と住所が載ります。だから、どこにも登録した覚えがなくても、その部屋の持ち主が誰かは外から分かります。しかも法務局まで出向く必要はありません。インターネットで登記情報を見られる仕組みまで用意されているのです。

ただし、登記記録に電話番号は載りません。ではなぜ電話がかかってくるのか。名前と住所が分かったあと、別の方法で番号が調べられていると考えられます。つまり原因は「一括査定に入れた情報が漏れた」ことではなく、誰でも登記記録を取れるという仕組みのほうにあります。

出典: e-Gov法令検索 不動産登記法(第119条 登記事項証明書の交付等) 出典: 法務省 登記情報提供制度の概要について

同じ棟に売却の動きが出ると、その棟の所有者に営業が向かう

ここまでは、マンションだけの話ではありません。戸建ても土地も同じで、持ち主は外から分かります。マンションが違うのは、一つの建物の中に、部屋ごとに別の持ち主が何十人、何百人といる点です。

同じマンションで売り出しや売買の成立があると、その建物を扱いたい会社が増えます。「この建物の部屋を預かりたい」と考えた会社が声をかける相手は、その建物の持ち主たち。その中に、あなたが入ることもあります。一つの建物にこれだけ持ち主が並んでいるので、その建物に動きが出ると営業が集まりやすくなります。ここがマンションならではのところでしょう。

ただし、これは登記の仕組みから考えた推測です。公的な資料で裏づけられたものではありません。登記記録は部屋ごとに分かれていて、一度調べるだけで建物全体の持ち主が分かる公的な方法はありません。建物ごとの名簿が手に入るわけではないので、声をかける側も部屋ごとに一件ずつたどることになります。それでも記録そのものは誰でも取れるため、動きのあった建物ほど、あくまで「営業が集まりやすい」という傾向として受け取るのが正確です。

一つ、自分で確かめられることがあります。電話が増えた時期と、自分が査定を申し込んだ時期です。この2つが重なっていないなら、原因はあなたの行動ではなく、建物の動きのほうにあるのかもしれません。

申し込んでいなくても電話が来るのは、この経路があるから

誰でも登記記録を取れること。建物に動きが出れば営業が集まりやすくなること。この2つを自分に当てはめると、一括査定を一度も使っていない人にも売却の電話は届く、ということになります。だから電話が来たこと自体は、一括査定を使ったせいだとは限りません。前に受けた「売りませんか」を一括査定と結びつけていたなら、その考えは手放して構わないでしょう。

とはいえ、反対に振り切るのも違います。一括査定に申し込めば、頼んだ会社の数だけ連絡は来ます。申し込んで来る連絡と、登記記録をたどった勧誘は、出どころが違う2つ。分けて数えれば、一括査定で自分が受ける電話は、頼む会社の数という自分で決められる数に戻ります。

鳴っている電話がどちらかは、最初のやり取りで分かる

鳴っている電話が、自分の頼んだ査定の連絡なのか、頼んでいない勧誘なのか。それは、最初のやり取りで見分けられます。不動産の売買を扱う会社(宅地建物取引業者)は、勧誘の前に会社名・担当者名・勧誘目的を告げなければならないと決められているからです。手がかりは次の3つ。どれか1つで決めるのではなく、3つを合わせて見ます。

手がかり自分が頼んだ査定の連絡頼んでいない勧誘
最初の名乗り会社名と担当者名を言い、査定の件だと先に伝える名乗らないまま、または名乗りがあいまいなまま用件に入ることがある
話の入り方申し込んだサイトの名前や、入力した部屋の内容に触れる地域の話や物件一般の話など、自分が出していない内容から始まる
切り出しの言葉査定額や、確かめたい項目から入る「同じマンションで買いたい人がいる」から入ることが多い

どちらの電話かが分かれば、話を続けるか切るかを、その場で決められます。

先に会社名と用件を名乗るのが、正規の連絡

会社名と担当者名、そして何のための電話かを先に言うかどうか。これが最初の手がかりになります。

そう決めているのは法律です。宅地建物取引業法施行規則第16条の12は、会社の商号または名称、勧誘を行う人の氏名、勧誘が目的であることを告げずに勧誘を行うことを禁じています。平成23年10月1日に施行された改正で、この禁止が規則に書き込まれました。

ただし、名乗りの有無で分かるのは、この規則が守られているかどうかまでです。それだけで、どちらの電話かが決まるわけではありません。名乗りに続く話が、自分の依頼した内容に触れるかどうか。この2つを合わせて判断しましょう。

名乗らずに「マンションをお持ちですよね」から入る電話もあります。かけてきたのが宅地建物取引業者とは限らず、別の業種ということもあるでしょう。その場合は規則の対象外ですから、名乗らないというだけで違法だとは言い切れません。かけてきたのが宅地建物取引業者であれば、名乗らずに用件へ入ることは、規則が禁じている行為に当たります。

対応は、どちらであっても同じです。相手が名乗るのを待ち、名乗らなければ会社名を聞き返しましょう。名乗らない相手と話を続ける理由はありません。だから、最初の一言に身構えなくて大丈夫です。

出典: 国土交通省 宅地建物取引業法施行規則の一部改正について

頼んだ査定なら、自分の依頼内容に触れる

自分が申し込んだ査定の連絡なら、相手は自分が出した内容に触れます。「○○(サイト名)からご依頼いただいた件で」「入力いただいた△△マンションの査定で」といった入り方です。申し込んだ内容が、その会社の手元に届いているからです。

一方、頼んでいない勧誘は、こちらが何を申し込んだかを知りません。だから話は「この地域で探している方がいまして」「マンションの価格が上がっていまして」といった一般論から始まります。

ここで助けになるのが、自分の控えです。どのサイトに、いつ、どの部屋で申し込んだか。これを書き留めておけば、自分の記憶と突き合わせるだけで見分けられます。複数のサイトへ申し込んだときほど、控えが役に立つはずです。

「買いたい人がいる」から入るのは、勧誘側の話法

「同じマンションで買いたい人がいる」という切り出しは、頼んでいない勧誘に多い入り方です。査定を頼んだ相手なら、まず査定の話から入ります。買い手の存在から始めるのは、売却を持ちかけるときの言い方。だからこの一言は、どちらの電話かを推し量る手がかりになります。

ただし、本当に購入を希望する人がいることもあります。この一言だけで悪質だと決めつけられるものではなく、あくまで手がかりの一つ。話を聞くなら、会社名と担当者名に加えて、宅地建物取引業の免許番号を控えておきましょう。免許番号とは、不動産の売買を扱う許可を受けた会社に与えられる番号です。控えておけば、電話を切ったあとで相手をたどる材料が手元に残ります。

電話の量は、申し込む前に自分で決められる

電話の量は、自分で決められます。決め手は3つ。依頼する会社の数、連絡手段と時間帯の指定、そして電話番号を渡さない方法です。どれも申し込む前に自分で選べるので、受ける電話の量はそこで決まります。

3つに優劣はありません。今すぐ売りたいのか、相場を知りたいだけなのか。自分の状況に合うものを選びましょう。

依頼する会社数を絞る

連絡の上限は依頼した会社の数と同じなので、社数を絞れば電話の本数もそのまま減ります。6社を3社にすれば、最初の数日に受ける電話も半分です。

とはいえ、複数の会社に頼む目的は、査定額と担当者を比べることにあります。社数を減らせば電話は減ります。同時に、比べる材料も減るのです。比較の精度と連絡の手間は、同じ一つの数で決まります。どちらをどれだけ取るかは、自分の判断になるでしょう。

何社がよいかは、売る時期や、比較にかけられる時間によって変わります。ここでは、社数と電話の本数が同じ数で動くという関係だけを覚えておきましょう。

連絡手段と時間帯を備考欄で指定する

申し込み画面にある備考欄や要望欄に、連絡の条件を書いておきましょう。書いた内容は、部屋の情報と一緒に各社へ渡ります。そこから先、目を通すかどうかは相手しだいです。文章は短くて構いません。

  • 連絡はメールでお願いします。電話は平日19時以降にお願いします
  • 最初の連絡はメール希望です。電話は、メールで日時を相談したうえでお願いします

「しつこい」という感覚は同じ時間帯に重なることから生まれるので、時間帯を分けるだけで負担は下がります。社数を減らさずに済むぶん、比べる材料を手放したくない人に合う方法でしょう。

ただし、備考欄の指定を各社が守るとは限りません。読まれたとしても、そのとおりに動くかどうかは会社しだいです。逆に言えば、指定を無視して電話をかけてきた会社は、その対応そのものが判断材料になります。この会社に任せて大丈夫か。そこを見る材料として使いましょう。

電話番号を渡さずに相場だけ見る

相場の見当をつけたいだけなら、不動産会社に査定を頼まないという選び方もあります。物件の条件を入れると概算の価格が出てくる匿名の査定や、過去に売買が成立した事例から相場を見る方法です。どちらも、電話番号を渡さずに済みます。

ただし、こうして分かるのは概算です。部屋の状態も、売り出す時期も反映されていません。実際に売れる価格とは別のものとして受け取りましょう。

売ると決めていないのに電話が来るのが嫌なら、順番を組み替えられます。まず電話番号を渡さずに相場を見ます。売る意思が固まってから、会社と話せばよいのです。この順番なら、迷っている間に営業の電話を受けずに済みます。

匿名査定と一括査定の違い|いつ連絡先を渡すかで決める進め方 匿名査定と一括査定の違い|いつ連絡先を渡すかで決める進め方

断ったあとに続く電話は、法律で止められる

断ったのに電話が続くなら、我慢して受け続けなくて大丈夫です。法律が、止める側に立っています。

宅地建物取引業法施行規則第16条の12は、宅地建物取引業者に対して、相手が契約を結ばない意思(これ以上勧誘を受けたくないという意思を含みます)を示したにもかかわらず勧誘を続けることを禁じています。迷惑を覚えさせるような時間の電話や、訪問による勧誘も同じく禁止です。

売る意思はない、これ以上の連絡は不要。そう一度伝えれば、相手が宅地建物取引業者である限り、それ以降の勧誘は規則で禁じられた行為に当たります。

もっとも、伝えれば全ての電話が止まると約束されているわけではありません。それでも続く場合には相談できる窓口があるので、一人で受け続けずに済みます。だから「際限なく続くかもしれない」という心配は、規則の上では成り立たないのです。一括査定に申し込むかどうかを決めるとき、この最悪の想定は材料から外して構わないでしょう。

出典: 国土交通省 宅地建物取引業法施行規則の一部改正について

一括査定の営業電話の断り方と止め方|文例つき 一括査定の営業電話の断り方と止め方|文例つき

まとめ:電話の本数は自分で決められる

一括査定でかかってくる電話は、依頼した会社の数だけ、申し込み直後の数日に集中して来ます。頼んでいないのにかかってくる「売りませんか」の電話は、登記記録をたどった別の経路のもの。一括査定に申し込んだせいではないので、これを理由に査定そのものを避けなくて構いません。

次の一歩は、自分の状況に合う申し込み方を選ぶことです。相場の見当だけ知りたいなら、電話番号を渡さずに概算を見る方法から。売る方向が決まっていて比べたいなら、社数を絞り、備考欄で連絡手段と時間帯を指定して申し込みましょう。すでに電話が鳴っているなら、断り方と止め方から確かめます。ここを飛ばして電話の量を最悪の想定のまま置いておくと、査定はいつまでも先延ばしになり、住み替えの計画そのものが止まったままです。

まずは、自分が何社に頼み、どの手段で連絡を受けたいかを決めるところから確かめましょう。住み替えのトビラでは、一括査定の営業電話の本数と見分け方も含めて、住み替えで悩むあなたに信頼できる情報を提供しています。