固定資産税の評価替えで、来年から税金が上がる?マンションは年数千円ずつ

固定資産税の評価替えで、来年から税金が上がる?マンションは年数千円ずつ

来年の固定資産税の評価替えで、マンションの税金が上がるのではと気になっている人も多いでしょう。

上がるのは主に土地にかかる税金で、都心のマンションでも、増える額は1年に数千円ずつです。

この記事では、マンションからの住み替えを考えている人に向けて、3つのモデルケースの試算と、自分の部屋で増える額の出し方を解説します。

2027年度の評価替えで上がるのは土地の税金、マンションなら1年あたり数千円ずつ

2027年度の評価替えでは、マンションの土地にかかる固定資産税が、都心の部屋でも1年に数千円ずつ上がっていきます。

固定資産税は、土地と建物の「評価額」をもとに計算されます。評価額とは、税金を計算するために市区町村が決める、土地や建物の値段のことです。

市区町村は、この評価額を3年に1度まとめて見直します。この見直しを「評価替え」といい、次は2027年度(令和9年度)に行われます。

土地と建物では評価額の決まり方が違うため、税金の上がり方も土地と建物に分けて見ていきます。

地価は5年続けて上昇し、評価替えで土地の評価額は上がる

地価が5年続けて上がっているため、2027年度の評価替えでは、多くの地域で土地の評価額が上がる見込みです。

土地の評価額は、地価の7割程度を目安に決まります。2027年度の評価額のもとになるのは、2026年1月1日時点の地価です。

2026年の地価公示では、住宅地の全国平均が5年続けて上がりました。地域ごとの住宅地の上昇率は、次のとおりです。

地域(住宅地)2026年の地価公示の上昇率
全国平均2.1%
東京圏4.5%
東京都6.5%
東京23区9.0%

東京23区の住宅地の上昇率(9.0%)は、全国平均(2.1%)の4倍を超えています。都市部のマンションほど、土地の評価額も大きく上がると考えられます。

前回の評価替え(2024年度)では、2023年1月1日時点の地価が使われました。そのため2027年度の評価額には、その後3年分の値上がりがまとめて反映されます。

ただし、評価額が上がっても、土地の税額はそれよりゆっくり増えていきます。

出典: 国土交通省「令和8年地価公示の結果」(2026年3月17日)

出典: 東京都財務局「令和8年地価公示価格(東京都分)の概要」

出典: 総務省「令和9年度地方税制改正要望事項(国土交通省)土地に係る負担調整措置及び条例減額制度の延長」

土地の税額は、本来かかるはずの額に届くまで毎年少しずつ上がる

マンションの土地の税額は、評価額が上がった年から、毎年少しずつ増えていきます。

税額の増え方を抑えているのは、「負担調整措置」という仕組みです。評価額が大きく上がった年も、税金をかける元の額(課税標準額)は、1年に決まった幅ずつ増えていきます。

課税標準額が増えていく先の上限を、「本来の額」といいます。マンションの土地では、「小規模住宅用地の特例」により、本来の額が評価額の6分の1になります。

この特例がかかるのは、住宅が建つ土地のうち、1戸あたり200㎡までの部分です。マンションは1戸あたりの土地の持分が小さいので、ほとんどの部屋で土地の全部が特例の対象になります。

負担調整措置のもとで、土地の課税標準額は次のように決まります。

項目決まり方
本来の額評価額×6分の1(都市計画税は3分の1)
毎年の課税標準額前の年の額+本来の額の5%
上限本来の額

つまり土地の税額は、階段を1段ずつ上るように増えていきます。1段の高さは本来の額の5%で、本来の額に届いたところで上がるのが止まります。

上がり続ける年数は、評価額の上がり幅で決まります。例えば評価額が15%上がった土地は評価替えから3年目に、20%上がった土地は4年目に、本来の額に届きます。

出典: 東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」

出典: 総務省「令和9年度地方税制改正要望事項(国土交通省)土地に係る負担調整措置及び条例減額制度の延長」

建物の税金は前の年と同じ額が続き、古くなっても下がりにくい

マンションの建物にかかる税金は、評価替えのあとも、前の年と同じ額が続く見込みです。

市区町村は建物の評価額を、「今同じ建物を建てたらいくらかかるか」をもとに、古くなった分を差し引いて計算します。そのため建築費が上がると、古くなって下がるはずの分が、建築費の値上がりで打ち消されます。

例えば前回(2024年度)の評価替えでは、鉄筋コンクリート造などの建物の建築費が1.07倍に見直されました。

計算し直した評価額が前の年度より高くなったときは、前の年度の評価額がそのまま使われます。そのため、本来なら年々下がっていく建物の税額が、前の年と同じ額のまま続きます。

税金が年々下がると考えていた人にとっては、実質的に負担が重くなっているといえます。

2027年度の建築費の見直し率は、2026年10月時点で未発表です。建築費の高騰が続いているので、2027年度も建物の税額は下がりにくいと考えておくとよいでしょう。

出典: 北九州市「家屋評価のしくみ」

出典: 千葉市「家屋が古くなったのに評価額が下がらないのはなぜですか」

マンション3例で試算した来年からの税金の上がり幅と、自分の部屋での計算方法

評価替えで増える税額は、マンションのある場所と、建ってからの年数で大きく変わります。

3つのモデルケースで、2026年度と比べて増える税額を試算すると次のとおりです。

モデル2027年度に増える税額(1年あたり)上がり続ける期間2029年度に増えている税額(1年あたり)
東京23区の駅近(土地の評価額が20%上昇)約3,400円2029年度まで毎年約1万200円
地価の動きが小さい郊外(土地の評価額が3%上昇)約450円2027年度の1年で止まる約450円
2021年に完成したマンション約7万円減額が終わる2027年度の1回約7万円

※3つとも、評価額や上昇率は仮定の値です。23区と郊外は土地の税額(固定資産税と都市計画税)、2021年に完成したマンションは建物の固定資産税を計算しています。

土地の値上がりで2027年度に増える税額は、都心のマンションでも数千円です。1年に約7万円増えるのは、新築から5年間の税金の減額が終わる部屋に限られます。

都心・駅近のマンションは毎年数千円ずつ、数年かけて上がる

東京23区の駅近のマンションでは、土地の税額が2027年度から1年に約3,400円ずつ上がっていきます。

計算に使った部屋の条件は、次のとおりです。

23区モデルの前提(仮定の値)
  • 土地の持分は25㎡、評価額は2,000万円(1㎡あたり80万円)
  • 2027年度の評価替えで、土地の評価額が20%上がって2,400万円になる
  • 2026年度の土地の税額は、上限(本来の額)まで上がり切っている
  • 税率は固定資産税1.4%、都市計画税0.3%(都市計画税は23区独自の軽減で半分)

計算は、次の順番で進めています。

  • 本来の額を出す(固定資産税は評価額×6分の1、都市計画税は評価額×3分の1)
  • その年の課税標準額を出す(前の年の額+本来の額の5%。本来の額が上限)
  • 税額を出す(課税標準額×税率。23区の都市計画税はさらに半分)
年度土地の税額(固定資産税+都市計画税)2026年度からの増加
2026年度約5万6,700円―
2027年度約6万100円+約3,400円
2028年度約6万3,500円+約6,800円
2029年度約6万6,900円+約1万200円

土地の評価額は2割上がりますが、1年に増える税額は2026年度の税額の6%ほどです。負担調整措置(税額の上がり方を抑える仕組み)で、税金をかける元の額は1年に本来の額の5%分ずつ増えるためです。

このモデルで、税金をかける元の額が本来の額に届くのは、4年目の2030年度です。ただ、2030年度には次の評価替えがあります。そこで地価がさらに上がっていれば、税額はその後も上がり続けます。

2027年度から2029年度までの3年間で、増える税額を合計すると約2万400円です。地価が上がり続ける都心では、税額も評価替えのたびに少しずつ上がると考えて、家計に組み込んでおくとよいでしょう。

なお、この試算で計算したのは土地の税額です。建物の税額は前の年と同じ額が続く可能性が高いので、部屋全体の税額も、ほぼ同じ額ずつ増えると考えられます。

出典: 東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」

地価の動きが小さい郊外のマンションは、数百円上がって止まる

地価の動きが小さい郊外のマンションでは、土地の税額が2027年度に約450円上がり、そこで止まります。

郊外の部屋は、次の条件で計算しました。

郊外モデルの前提(仮定の値)
  • 土地の持分は30㎡、評価額は450万円(1㎡あたり15万円)
  • 2027年度の評価替えで、土地の評価額が3%上がる
  • 2026年度の土地の税額は、上限(本来の額)まで上がり切っている
  • 税率は固定資産税1.4%、都市計画税0.3%

税額が1年で止まるのは、評価額の上がり幅(3%)が、負担調整措置で1年に増える幅(本来の額の5%)より小さいからです。そのため、税金をかける元の額は、2027年度の1回で本来の額に届きます。2028年度以降は、2027年度と同じ税額が続きます。

国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、自分のマンションの近くの地価を年ごとに調べられます。2023年から2026年までの上昇率が5%前後までなら、税額は郊外モデルと同じように1年で止まると考えられます。

出典: 国土交通省「不動産情報ライブラリ」

新築から5年のマンションは評価替えより「減額の終了」で一気に上がる

新築から5年ほどのマンションでは、評価替えよりも、「新築住宅の減額」が終わることで税額が大きく上がります。

3階建て以上の鉄筋コンクリート造などのマンションは、建物の固定資産税が新築から5年度分、半分になります。半分になるのは、1戸あたり120㎡分までです。

この期間が終わると、建物の固定資産税は元の額に戻ります。例えば建物の評価額が1,000万円の部屋では、建物の固定資産税が次のように変わります。

建物の評価額が1,000万円の部屋の場合(仮定の値)
  • 減額中の建物の固定資産税は、年約7万円(1,000万円×1.4%÷2)
  • 減額が終わったあとは年約14万円(1,000万円×1.4%)で、1年に約7万円増える

特に気をつけたいのは、2021年に完成し、2022年度から税金がかかっているマンションです。このマンションの減額は2026年度で終わるので、税額が上がる時期が2027年度の評価替えとちょうど重なります。

この場合、税額が大きく上がっても、原因のほとんどは評価替えではなく減額の終了です。土地の値上がりで増える税額は数千円で、減額の終了で増える約7万円とは桁が1つ違います。

なお、この減額の対象は固定資産税で、都市計画税は最初から対象外です。自分の部屋の建物の評価額は、課税明細書の家屋の行で確かめられます。

出典: 東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」

課税明細書の2つの欄から、自分の部屋で増える税額がわかる

毎年届く「課税明細書」の土地の行にある2つの欄を使うと、自分の部屋で増える税額を計算できます。

計算に使う欄は、次の2つです。

  • 本則課税標準額
  • 課税標準額

本則課税標準額は、税金をかける元の額が増えていく先の上限で、本来の額ともいいます。課税標準額は、その年に実際に税金がかかっている元の額です。

マンションの土地の行には、敷地全体の面積と自分の持分が並んでいることがあります。計算には、自分の持分にあたる額を使います。本則課税標準額の欄が省かれている明細書では、「価格(評価額)×6分の1」で本則課税標準額を出せます。

2つの欄の数字を次の式に当てはめると、増える税額と、上がり続ける年数の目安がわかります。

知りたいこと計算式
1年に増える固定資産税の目安本則課税標準額×5%×1.4%
上がり続ける年数の目安(本則課税標準額-課税標準額)÷(本則課税標準額×5%)

例えば23区モデルの部屋は、2027年度の本則課税標準額が400万円です。1つ目の式に当てはめると、1年に増える固定資産税は約2,800円になります。試算の約3,400円との差は、都市計画税で増える分です。

今の明細書で課税標準額が本則課税標準額より小さい場合、税額は評価替えに関係なく毎年上がっている途中です。2027年度の評価替えで本則課税標準額がさらに上がると、税額が上がり続ける期間も延びます。

正確な増加額は、2027年度の明細書が届いてから、同じ式で計算し直すとわかります。税率が1.4%と違う市町村もあるので、計算には明細書に書かれた税率を使いましょう。

固定資産税評価額の調べ方|書類・役所・ネットで確認する方法 マンションの固定資産税評価額の調べ方|課税明細書の見方と証明書のネット請求

出典: 東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」

12月の税制改正から来年6月の通知まで、2027年度の税額が決まる流れ

2027年度の税額は、2026年12月から2027年6月にかけて、段階を追って決まっていきます。

評価替えの主な日程は、次のとおりです。

時期起きること
2026年12月税制改正大綱で、負担調整措置の延長の有無が決まる
2027年1月1日この日の持ち主に、2027年度の税金がかかる
2027年4月1日ごろ新しい評価額が公表され、ほかの土地や建物の評価額と見比べられる「縦覧」が始まる
2027年4〜6月納税通知書と課税明細書が届く(東京23区は6月)
通知を受け取ってから3か月以内評価額への不服を、審査委員会に申し出られる

このうちマンションの持ち主が自分で動く場面は、届いた課税明細書の確認と、評価額に不服があるときの申し出の2つです。

12月の税制改正大綱で、土地の税金の上がり方を抑える仕組みが続くかが決まる

負担調整措置は2026年度で期限を迎えるため、2027年度以降も続くかは、12月の税制改正大綱(政府・与党が毎年12月にまとめる、翌年度の税の見直し方針)で決まります。

この措置があると、評価額が大きく上がった土地でも、税額は1年に少しずつ増えていきます。国土交通省は2026年8月、措置を2030年3月まで3年延ばすよう要望しました。

例えば東京23区の駅近で、土地の評価額が2,000万円から2割上がる部屋があるとします。この部屋で2027年度に増える税額は、12月の結果によって次のように変わります。

12月の結果2027年度に増える税額(1年あたり)
延長される約3,400円
期限で終わる最大で約1万1,300円(上限の額まで一度に上がった場合)

期限で終わった場合は、税金をかける元の額が上限まで一度に上がり、税額が大きく増えるおそれがあります。ただ、そうなる可能性は低いと考えられます。

負担調整措置は、1997年度に今の仕組みの土台ができてから、中身を少しずつ変えつつ3年ごとに延長されてきました。地価が上がっている今は、措置をやめると税額が急に増える人が多いため、今回も延長される見込みが高いといえます。

税制改正大綱は、12月中旬ごろに公表される見込みです。公表後、この記事にも結果を追記します。

出典: 総務省「令和9年度地方税制改正要望事項(国土交通省)土地に係る負担調整措置及び条例減額制度の延長」

出典: 内閣府 税制調査会「第25回総会 説明資料(固定資産税)」(2015年10月26日)

新しい税額は4〜6月に届く納税通知書で確定する

2027年度の新しい評価額と税額は、2027年の春に届く納税通知書でわかります。

納税通知書が届く時期は、市区町村によって違います。東京23区では都税事務所から6月に届き、2026年度分の発送は6月1日でした。

納税通知書には、土地と建物の評価額や税額が書かれた課税明細書が入っています。届いたら2026年度の明細書と並べて、次の4つを見比べるとよいでしょう。

  • 土地の「価格(評価額)」の上昇率
  • 土地の「課税標準額」の増加額
  • 建物の評価額の変化
  • 税額の増加額

土地の課税標準額は、負担調整措置が続けば、本則課税標準額の5%分ずつ増えているはずです。建物の評価額は、前の年と同じ額か、それより低い額になります。

増えた理由を詳しく知りたいときは、市区町村の固定資産税の窓口(23区は都税事務所)で、計算の中身を聞けます。

4月1日ごろからは、「縦覧」も始まります。縦覧では、同じ市区町村にあるほかの土地や建物の評価額を見て、自分の評価額と比べられます。

自分の土地や建物の評価額だけなら、役所での「閲覧」や評価証明書の取得で、1年中いつでも確かめられます。

出典: 東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」

評価額に不服があれば、評価替えの年の通知から3か月以内に申し出る

評価額に不服があるときは、納税通知書を受け取ってから3か月以内に、市区町村の「固定資産評価審査委員会」へ文書で審査を申し出られます。

大事なのは、この申し出が原則として評価替えの年に限られることです。評価額は3年間据え置かれます。そのため2028年度と2029年度は、土地の地目(宅地や田など、土地の使いみちの区分)の変更や家屋の改築などがあったときだけ申し出られます。

2027年度は、評価額に意見を言える貴重な年です。ただし、審査委員会への申し出の対象は評価額で、「税金が高すぎる」という理由は対象外です。

マンションの評価額は、市区町村が建物全体を一度に評価してから、各部屋に割り振って決めます。そのため、1部屋だけ評価額が間違っていることは少ないと考えられます。面積の登録の間違いのような計算の誤りがあれば、評価額は見直されます。

まずは市区町村の窓口で評価額の計算の中身を聞いておくと、面積などの登録に間違いがあったときに見つけられます。説明を聞いても不服が残るなら、そこから申し出の準備に入るとよいでしょう。

出典: 鹿児島市「納税通知書の内容に疑問があるのですが。」

出典: 東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」

評価替えの前に売り急ぐのは損になりやすい、住み替えの時期は相場で決める

評価替えの前に売ろうとして価格を下げると、浮く税金より大きな損になりやすいといえます。

住み替えを考えている人の中には、「税金が上がる前に、年内に売ったほうがいいのでは」と考える人もいるでしょう。この章では、年内に売って浮く税金の額と、評価額と売却相場の関係を見ていきます。

年内に引き渡して浮く税金は、日割りで数か月分

年内に引き渡して売主が節約できる税金は、2027年度分のうち数か月分です。

固定資産税は、毎年1月1日の持ち主に1年分まとめてかかります。そのため2026年中に買主へ引き渡せば、2027年度の税金は買主にかかります。

ただ、マンションの売買では、引き渡しの日を境に、固定資産税を売主と買主で日割りにして分けるのが一般的です。年明けに引き渡す場合も、売主は1年分を払ったうえで、引き渡し後の分を買主から受け取れます。

日割りを始める日は、1月1日とする取り決めのほか、4月1日とする取り決めもあります。

例えば、評価替えで2027年度の税額が1年に約3,400円増える部屋で比べると、次のようになります。

評価替えで税額が1年に約3,400円増える部屋の場合(日割りは1月1日から)
  • 2026年12月に引き渡すと、2027年度の税金は全額が買主の負担になる
  • 2027年3月末に引き渡すと、売主の負担は1〜3月の3か月分になる
  • 3か月分のうち評価替えで増えた分は、約850円(3,400円×3か月÷12か月)

年内に引き渡して浮く税金のうち、評価替えで増えた分は約850円です。一方、年内に売るために売り出し価格を50万円下げると、損はその約590倍になります。

日割りの分け方は、法律ではなく慣習で決まります。日割りを始める日と精算の方法は、売買契約書の固定資産税の項目で確かめておくと安心です。

税金が上がる地域では、持っているマンションの土地も値上がりしている

評価替えで税額が上がる地域では、マンションを売る人に追い風が吹いていると考えられます。

土地の評価額は地価の7割程度を目安に決まるので、評価額が上がる地域では、地価そのものが上がっています。例えば東京23区の住宅地は、2026年の地価公示で1年に9.0%上がりました。

ただし、固定資産税の評価額と実際に売れる値段は、別の基準で決まります。建物の評価額は建て直す費用をもとに計算され、土地の評価額も地価より低めに決まります。

実際に売れる値段は、駅からの距離や眺め、マンションの管理の状態、周りの売り出し物件の数などで決まります。自分の部屋の売れそうな値段は、不動産会社の査定や、同じマンションの成約事例を見るとわかります。

マンションの固定資産税評価額は売却価格の何倍?1.4倍が外れる理由と目安 マンションの固定資産税評価額は売却価格の何倍?1.4倍が外れる理由と目安

出典: 東京都財務局「令和8年地価公示価格(東京都分)の概要」

出典: 総務省「令和9年度地方税制改正要望事項(国土交通省)土地に係る負担調整措置及び条例減額制度の延長」

新居が決まるまで持ち続けるなら、増える税額を毎年の費用に足しておく

今のマンションをしばらく持ち続ける人は、評価替えで増える税額を、毎年の費用に足して見込んでおくと安心です。

見込む額は、持ち続ける年数分の増加額を足して出します。例えば東京23区の駅近で土地の評価額が2割上がる部屋なら、2027年度から3年間で約2万400円です。

地価の動きが小さい郊外の部屋なら、3年間でも約1,350円です。どちらも、マンションの売却価格と比べればわずかな額です。

気をつけたいのは、新築から5年間の税金の減額がちょうど終わるマンションです。例えば建物の評価額が1,000万円の部屋では、減額が終わると、建物の固定資産税が1年に約7万円増えます。

持ち続ける間の費用は、この増加分も入れて計算し直す必要があります。

住み替えの時期は、税金よりも、売却相場の動きや新居探しの進み具合、住宅ローンの段取りに合わせて決めるとよいでしょう。

マンションの売り時2026|成約単価は5月から下落中 マンションの売り時2026|成約単価は5月から下落中

まとめ:評価替えで上がるのは主に土地の税金、都心のマンションでも1年に数千円ずつ

2027年度の評価替えで上がるのは主に土地にかかる税金で、都心のマンションでも増える額は1年に数千円ずつです。建物の税金は前の年と同じ額が続くため、部屋全体で見ても税額はゆっくり増えていきます。

まずは手元の課税明細書で、土地の行の本則課税標準額と課税標準額を確かめておきましょう。この2つを見ずにニュースの印象だけで動くと、数千円の税金を避けるために売り出し価格を下げてしまうおそれがあります。下げた額は、浮く税金よりはるかに大きな損になります。

あわせて、12月の税制改正大綱で負担調整措置が延長されるかも確かめておくと安心です。住み替えのトビラでは、固定資産税の評価替えで増える税額と住み替えの時期への影響も含めて、住み替えで悩むあなたに信頼できる情報を提供しています。