3LDKマンションの売却相場は?地域・築年数別の価格と手取りの計算

3LDKマンションの売却相場は?地域・築年数別の価格と手取りの計算

住み替えを考え始めると、まず気になるのが「うちの3LDKは、いくらで売れるのか」です。

2025年度に売れた中古の3LDKは首都圏で平均5,392万円、近畿圏で平均3,150万円でしたが、同じ3LDKでも地域や築年数、駅からの距離で金額は大きく変わります。

公的なデータで自分の部屋の相場を出す方法と、売った後に手元に残る金額の計算を知っておくと、不動産会社の査定額が妥当かを自分で判断できます。

3LDKマンションの売却相場はいくら?エリア別・築年数別の平均価格

同じ3LDKでも、東京23区の平均9,540万円から和歌山県の平均1,171万円まで、地域によって8倍以上の開きがあります。

自分のマンションがある地域の行を見ると、だいたいの水準がわかります。

首都圏の3LDKの成約状況(2025年度)

地域平均成約価格平均専有面積㎡単価
東京23区9,540万円74.06㎡128.82万円
多摩地域4,061万円72.01㎡56.39万円
横浜市・川崎市4,655万円72.77㎡63.97万円
神奈川県(横浜市・川崎市以外)3,262万円72.53㎡44.98万円
埼玉県3,126万円69.92㎡44.71万円
千葉県3,053万円73.82㎡41.36万円
首都圏全体5,392万円72.73㎡74.14万円

近畿圏の3LDKの成約状況(2025年度)

地域平均成約価格平均専有面積㎡単価
大阪市4,635万円71.54㎡64.78万円
大阪府(大阪市以外)2,744万円72.98㎡37.60万円
京都市3,963万円71.50㎡55.43万円
京都府(京都市以外)2,319万円72.19㎡32.12万円
神戸市2,820万円74.25㎡37.98万円
兵庫県(神戸市以外)2,658万円73.89㎡35.97万円
滋賀県2,760万円74.44㎡37.07万円
奈良県1,753万円72.99㎡24.01万円
和歌山県1,171万円69.23㎡16.92万円
近畿圏全体3,150万円72.92㎡43.20万円

2つの表の「3LDK」には、3DKや3SLDKなど、部屋が3つある間取りも含まれます。2025年度は、2025年4月から2026年3月までの1年間です。

首都圏と近畿圏以外の地域は、国土交通省の不動産情報ライブラリで成約価格を調べられます。

築年数による違いは、首都圏の中古マンション全体(間取りを問わない)の数字で見ていきます。㎡単価は築26年を超えたあたりから大きく下がり、築36〜40年でいちばん低くなります。

首都圏の中古マンションの築年数別の成約状況(2025年)

築年数平均成約価格㎡単価平均専有面積
築0〜5年8,666万円143.64万円60.33㎡
築6〜10年8,201万円131.94万円62.16㎡
築11〜15年7,335万円114.11万円64.28㎡
築16〜20年6,709万円99.13万円67.68㎡
築21〜25年6,075万円86.10万円70.56㎡
築26〜30年4,286万円64.45万円66.51㎡
築31〜35年2,638万円44.14万円59.77㎡
築36〜40年2,761万円40.40万円58.13㎡
築41年〜2,558万円47.50万円56.88㎡

この表の数字は、築年数の帯ごとに、2025年に売れた別々の物件を平均した値です。帯ごとに平均の面積も違うので、面積の差をならした㎡単価で比べると、築年数による違いがよくわかります。

では、相場は今、上がっているのでしょうか。

首都圏の中古マンションの成約㎡単価は、2025年まで13年続けて上がり、この13年で117.3%上昇しました。

近畿圏でも、2015年度の27.84万円から2025年度の46.42万円へ上がっています(どちらも間取りを問わない平均)。

ただし2025年は、地域によって動きが分かれました。東京23区の㎡単価が前年より13.2%上がった一方で、埼玉県と千葉県は1.3%下がっています。

同じ首都圏でも、自分の地域の数字で判断しましょう。

出典: 東日本不動産流通機構「年報マーケットウォッチ2025年・年度」表17 中古マンションの間取り別成約件数 出典: 近畿圏不動産流通機構「2025年度年刊市況レポート」表14 中古マンションの間取り別成約件数 出典: 近畿圏不動産流通機構「2025年度年刊市況レポート」表1 中古マンションの基本指標 出典: 東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2025年)」 出典: 東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2025年)」

同じ3LDKでも売却価格に差がつく要因

買い手は、住宅ローンで払える範囲の中で、似た物件と見比べて買う部屋を決めます。

そのため売却価格は、建物と部屋の条件、毎月かかる管理費などの負担、同じ時期に売りに出ている物件の数によって上下します。

築年数と耐震基準

築年数は、売れる値段と売れやすさの両方に関わります。

首都圏で2025年に新しく売りに出された中古マンションの件数に対して、成約した件数の割合は、築11〜15年が40.9%でいちばん高く、築31〜35年は19.6%でした。

古いマンションでは、建てられた時期が買い手の税金にも関わります。

耐震基準は、1981年6月1日に今の基準へ改められました。買い手が中古マンションで住宅ローン控除を受けるには、登記上の建築日付が1982年1月1日以後であるか、耐震基準に合うと証明された建物であることが条件です。

建築日付が1981年以前のマンションを売るなら、管理組合が耐震診断をしたことがあるかを確かめておきましょう。耐震基準に合う証明があれば、買い手は住宅ローン控除を受けられます。

2021年までに入居した場合の条件との違い

2021年までに入居した場合、マンションで住宅ローン控除を受ける条件は、建ってから買うまでの期間が25年以下であることでした(耐震基準に合う証明などがある場合を除く)。

2022年以降に入居する買い手には、建築日付で判断する今の条件が使われます。

築25年を超えたマンションでも、建築日付が1982年1月1日以後なら、買い手は住宅ローン控除を受けられます。

出典: 東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2025年)」図表5 出典: 国土交通省「住宅・建築物の耐震化について」 出典: 国税庁「No.1211-3 中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」 出典: 国税庁「No.1214 中古住宅を取得し、令和3年までに居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」

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駅からの距離と学区・生活施設

駅に近いほど㎡単価は高く、首都圏では徒歩10分以内の物件が、徒歩11〜20分の物件の約1.7倍でした。

駅からの距離成約㎡単価(首都圏・2025年度)
徒歩10分以内102.50万円
徒歩11〜20分60.29万円
徒歩21分以上36.34万円
バス便29.11万円

駅に近い物件は都心に多いので、この差には地域の違いも入っています。それでも駅からの距離は、買い手が物件を探すときに絞り込みに使う条件のひとつです。

3LDKは家族で住むための広さなので、小学校までの距離や学区、スーパーや病院の近さも見比べられます。

学区は、国土交通省の不動産情報ライブラリで、小学校区と中学校区を地図で確かめられます。自分の部屋の学区を調べておくと、買い手からの問い合わせにすぐ答えられます。

出典: 東日本不動産流通機構「年報マーケットウォッチ2025年・年度」表21 中古マンションの駅からの交通別成約状況 出典: 国土交通省「不動産情報ライブラリ」紹介資料

専有面積

同じ3LDKでも、専有面積が違えば価格は変わります。

価格を面積で割った㎡単価に直すと、広さの違う部屋どうしでも比べられます。

ここで気をつけたいのが、比べる相手の間取りです。首都圏の2025年度の成約㎡単価は、2LDKが102.51万円だったのに対し、3LDKは74.14万円でした。

広いほうが㎡単価は安い。なぜでしょうか。

理由のひとつは、3LDKが郊外に多いことです。成約した中古マンションのうち3LDKが占める割合は、地域で大きく違います。

地域成約した中古マンションのうち3LDKの割合(2025年度)
東京23区29.6%
埼玉県63.5%
千葉県63.1%

地域の平均㎡単価には、都心に多い1LDKや2LDKも混ざっています。自分の3LDKの相場を出すときは、同じ地域の3LDKの事例の㎡単価を使うと、実際の価格に近づきます。

出典: 東日本不動産流通機構「年報マーケットウォッチ2025年・年度」表17 中古マンションの間取り別成約件数

階数・向き・角部屋

同じマンションの中でも、階数、部屋の向き、角部屋であるかで、売却価格に差が出ます。

不動産会社の査定では、同じマンションで売れた部屋を基準にして、階数や向き、位置の違いを上下に補正して価格を出します。一般に、高い階、南向き、窓の多い角部屋は、日当たりや眺めのよさから高く評価されやすくなります。

ただ、この差は建物ごとに違います。目の前に建物が迫っている部屋や、専用の庭が付いた1階のように、条件しだいで評価が入れ替わることもあります。

同じマンションの過去の成約事例と比べるときは、階数や向きが自分の部屋に近い事例を選びましょう。

例えば事例と自分の部屋の条件が違う場合(仮の例です)

自分の部屋が10階の南向きで、手に入った事例が3階の北向きだけだったとします。

事例の㎡単価をそのまま当てはめると、自分の部屋の相場は低めに出ます。

反対に、事例のほうが条件のよい部屋なら、相場は高めに出ます。

出典: 不動産流通推進センター「価格査定マニュアル」

管理費・修繕積立金と長期修繕計画

管理費や修繕積立金が高いマンションと、次の工事に向けた積立金の残高が少ないマンションは、売却価格が抑えられやすくなります。

買い手は、住宅ローンの返済に管理費と修繕積立金を足した額を、毎月の支払いとして考えます。国土交通省の調査では、管理費と修繕積立金の合計は、1戸あたり平均で月24,557円でした(駐車場などの使用料から回す分を除いた額)。

外壁の塗装や屋上の防水などの大規模修繕工事は、国のガイドラインで12〜15年程度の周期が目安です。

工事の前に積立金が少ないと、一時金の徴収や値上げにつながり、買い手が値下げを求める理由になります。

売る前に、管理組合の長期修繕計画と、最近の総会の議事録をそろえておきましょう。積立金の残高や次の工事の予定を聞かれたときに、すぐに答えられます。

出典: 国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果」データ編 出典: 国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果」概要編 出典: 国土交通省「長期修繕計画作成ガイドライン」

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売り出し時期と競合物件

売り出してから売れるまでが長引くほど、売り出し価格からの値下げ幅は大きくなります。

東京カンテイの調べでは、2025年の首都圏の中古マンションで、売り出しから1か月以内に売れた物件は、売り出し価格から平均2.32%下がって成約していました。

成約まで8か月以上かかった物件では、値下げ幅がどれも10%を超えています。

同じマンションや近くで、似た3LDKが同じ時期に売りに出ていると、買い手は安いほうから先に見に行きやすくなります。あとから売り出した部屋や、高めの部屋は、値下げを求められやすくなります。

売り出す前に、不動産ポータルサイトで、同じマンションで売り出し中の部屋を確かめておきましょう。似た部屋が出ていれば、売り出しの時期をずらすか、その部屋の価格を見て自分の売り出し価格を決められます。

出典: 東京カンテイ「中古マンションの価格乖離率&売却期間(首都圏)」

自分の3LDKマンションの相場を調べる方法

相場の基準になるのは、実際に売れた成約価格です。

公的なデータで成約価格を調べて自分の部屋の価格に直し、売り出し中の物件と不動産会社の査定で確かめると、根拠のある金額になります。

不動産情報ライブラリで成約価格を調べる

国土交通省の不動産情報ライブラリでは、実際に売れた価格を、会員登録なしで無料で調べられます。

載っている価格は、次の2種類です。

価格の種類もとになるデータ
不動産取引価格情報国土交通省が取引をした人に行ったアンケート
成約価格情報レインズに登録された成約価格

レインズは、不動産会社どうしが物件情報を共有するシステムです。

レインズの成約価格を一般向けに公開していた不動産取引情報提供サイト(通称レインズ・マーケット・インフォメーション)は、メンテナンスのため休止中です。同じ情報は、不動産情報ライブラリで見られます。

調べ方は次の3ステップです。

  1. トップ画面の「不動産価格の情報をご覧になりたい方へ」から「データの検索・ダウンロード」を開く
  2. 物件の種類、地域、取引の時期を指定して検索する
  3. 一覧の見出しの「▼」で絞り込み、最寄駅や建築年、面積が自分のマンションに近い事例を探す

価格の情報は、個別の取引が特定されないように加工されています。同じマンションの事例は、建築年や最寄駅からの距離、面積の組み合わせから見当をつけられます。

出典: 国土交通省「不動産情報ライブラリ 価格情報検索ガイド」 出典: 国土交通省「不動産情報ライブラリ」紹介資料 出典: 指定流通機構「RMI(REINS Market Information)」

㎡単価で自分の部屋の価格に換算する

成約事例の価格を専有面積で割って㎡単価を出し、自分の部屋の面積を掛けると、おおよその相場が出ます。

自分の部屋の相場=事例の成約価格÷事例の専有面積×自分の部屋の専有面積

例えば同じマンションで3LDKが2件売れていた場合(金額と面積は仮の例です)

事例成約価格専有面積㎡単価
事例A3,600万円72㎡50.0万円
事例B3,500万円70㎡50.0万円
自分の部屋(75㎡)3,750万円(50.0万円×75㎡)75㎡50.0万円

事例の数字は不動産情報ライブラリで、自分の部屋の専有面積は購入時の売買契約書で確かめられます。

この計算で出るのは、自分の部屋が事例と同じ条件だったときの価格です。条件が違うところは、次のように上下に見直しましょう。

自分の部屋と事例の違い見直し方
自分の部屋のほうが高い階・南向き・角部屋高めに見る
事例が売れた後に、地域の相場が上がった古い事例は低めに出ているとみる
築年数が違う築年数別の㎡単価の差を参考にする

事例は、同じマンションのものがいちばん参考になります。その次に使えるのは、近くで築年数と駅からの距離が似た3LDKの事例です。

いくつかの事例で計算して、いちばん高い額と低い額を出しておくと、査定額と比べやすくなります。

出典: 国土交通省「不動産情報ライブラリ 価格情報検索ガイド」 出典: 東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2025年)」

不動産ポータルサイトで売り出し価格を確かめる

不動産ポータルサイトに載っているのは売り出し価格で、実際に売れる価格はそれより低くなるのが一般的です。

東京カンテイは、同じ部屋の最初の売り出し価格と成約価格を突き合わせて調べています。首都圏の中古マンションでは、両者の差は2025年上期が平均6.14%、下期が平均6.22%でした。

売り出し価格5,000万円の部屋なら、300万円ほど下がって売れた計算です。

それでも、売り出し価格は見ておく価値があります。買い手も同じサイトで部屋を見比べるので、近くで売りに出ている似た3LDKの価格が、自分の部屋が売れる価格の上限になりやすいからです。

マンションごとの相場を表示するサイトの価格は、各社が独自の方法で計算した推計値です。成約価格のデータと照らし合わせる参考として使いましょう。

出典: 東京カンテイ「中古マンションの価格乖離率&売却期間(首都圏)」

不動産会社に査定を依頼する

最後に、不動産会社の査定額を、自分で出した相場と照らし合わせましょう。

査定には、次の2種類があります。

査定の種類価格の出し方
簡易査定(机上査定)物件の情報とデータだけで出す
訪問査定担当者が部屋を見て出す

室内の状態や眺めは訪問査定で価格に反映されるので、売る時期が近いなら訪問査定を選ぶとよいでしょう。

査定額を伝えるときのルールは、宅地建物取引業法第34条の2第2項で決まっています。

宅地建物取引業者は、前項第二号の価額又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。

「前項第二号の価額又は評価額」は、売り出す価格やその評価額のことです。査定額を聞いたら、どの成約事例を選び、どう補正したかを尋ねられます。

一括査定サイトで複数の会社に頼むと、各社は売却の依頼(媒介契約)を取り合う立場になります。査定額は、各社が見込んだ売れそうな価格です。金額の高さより、根拠の確かさで比べましょう。

出典: e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」第34条の2第2項

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3LDKマンションの売却価格から手取り額を計算する手順

住み替えの予算に使えるのは、売却価格から費用や税金、住宅ローンの残高を引いた手取り額です。

手取り額は、次の式で計算できます。

手取り額=売却価格−諸費用−税金−住宅ローンの残高+戻ってくるお金

仮の条件のマンションを例に、順番に計算していきます。

相場をもとに売却価格を見込む

売却価格は、調べた成約価格をもとに、売り出し価格や査定額より少し低めに見込んでおきましょう。

東京カンテイの調べでは、2025年の首都圏の中古マンションで、売り出しから3か月以内に売れた物件でも、売り出し価格から平均3.57%下がって成約していました。

査定額や売り出したい価格をそのまま予算に入れると、手取りを多く見積もることになります。

この章では、次の条件のマンションが3,000万円で売れると見込んで計算します。

例えば次の条件のマンションを売る場合(仮の例です)
  • 2011年7月1日に3,200万円で購入(うち建物1,600万円)
  • 2026年7月1日に3,000万円で売って引き渡し(所有期間15年)
  • 引き渡しの日の住宅ローンの残高は1,200万円
  • 固定資産税と都市計画税は年12万円

自分の数字は、この章の最後の表の確かめ先で集められます。

出典: 東京カンテイ「中古マンションの価格乖離率&売却期間(首都圏)」

仲介手数料・印紙税・登記費用を差し引く

売却価格3,000万円なら、仲介手数料、印紙税、抵当権を消す登記の費用で、合わせて約108.5万円かかります。

費用計算例の金額
仲介手数料(上限)3,000万円×3%+6万円に消費税10%105.6万円
印紙税(売買契約書)1,000万円超5,000万円以下の軽減税率1万円
抵当権抹消の登録免許税不動産1個につき1,000円2,000円(2個の場合)
抵当権抹消の司法書士報酬全国平均17,470円
合計約108.5万円

仲介手数料の「3%+6万円」は、売却価格が400万円を超えるときに使える計算式で、国の告示が決めた上限額です。自分の売却価格を入れて計算し、予算は上限で見ておくと安心です。

印紙税の軽減税率は、2027年3月31日までに作る契約書が対象です。登録免許税は、登記事項証明書に載っている不動産の数で決まります。

司法書士の報酬は事務所ごとに決まり、表の額は日本司法書士会連合会の調査による全国平均です。実際の額は、司法書士の見積もりで確かめられます。

出典: 国土交通省「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」(告示第1552号) 出典: 国税庁「No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」 出典: e-Gov法令検索「登録免許税法」別表第一 出典: 日本司法書士会連合会「報酬に関するアンケート」結果

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譲渡所得税がかかるか確かめる

売った利益(譲渡所得)が3,000万円以下なら、3,000万円の特別控除を使うと税金は0円になります。

譲渡所得は「売却価格−取得費−譲渡費用」で計算します。取得費は、購入代金や購入時の手数料などの合計から、建物が古くなった分(減価償却費)を引いた額です。

マンション(鉄筋コンクリート造)の減価償却費は、次の式で出します。

建物の購入代金×0.9×0.015×持っていた年数

項目計算例の金額
建物の減価償却費1,600万円×0.9×0.015×15年324万円
取得費3,200万円−324万円2,876万円
譲渡費用仲介手数料105.6万円+印紙税1万円106.6万円
譲渡所得3,000万円−2,876万円−106.6万円17.4万円

例では、取得費を購入代金だけで計算しています。年数の端数は、6か月以上を1年とし、6か月未満は切り捨てます。

建物の購入代金は、購入時の売買契約書で確かめられます。契約書をなくしていると、取得費は売却価格の5%(例では150万円)として計算され、利益が大きく出ます。

あわせて押さえておきたい点は、次の3つです。

  • 3,000万円の特別控除は、確定申告をして受ける
  • 先に新居へ移ったら、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る
  • 特別控除を使わないときの税率は20.315%(所有期間5年超の場合。所得税15%・住民税5%・復興特別所得税の合計)
新居で住宅ローン控除を使うときは、どちらを選ぶか

住宅ローン控除と、3,000万円の特別控除・10年超所有の軽減税率の特例は、どちらか一方を選ぶ決まりです。

選ぶことになるのは、新居に入居した年とその前2年・後3年の計6年間に、元の家を売った場合です。2020年3月31日以前に売った場合は、入居した年とその前後2年の計5年間でした。

例で特別控除を使わないと、税金は約3.5万円(17.4万円×20.315%)です。住宅ローン控除で戻る見込みの額のほうが大きければ、税金を払って住宅ローン控除を受けるほうが得になります。

出典: 国税庁「No.3252 取得費となるもの」 出典: 国税庁「No.3258 取得費が分からないとき」 出典: 国税庁「No.3261 建物の取得費の計算」 出典: e-Gov法令検索「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」別表第七 出典: 国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」 出典: 国税庁「No.1211-3 中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」 出典: 国税庁「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」

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住宅ローンの残高を差し引く

売却代金は引き渡しの日に買主から受け取り、その場で住宅ローンを全額返すのが一般的な流れです。

ローンを返し終えて抵当権を消すことが、引き渡しの条件になるからです。残高は、引き渡し予定日の時点の額を金融機関に確かめておきましょう。一括で返すときに手数料がかかる金融機関もあるので、あわせて聞いておくと安心です。

例では、3,000万円から諸費用約108.5万円と住宅ローンの残高1,200万円を引いて、約1,691.5万円が残ります。

売却価格から諸費用を引いた額がローンの残高より少ないときは、差額を自己資金で払うか、新居のローンに上乗せして借りる住み替えローンを検討することになります。

査定を受けた段階で、残高と見込みの手取りを比べておくと、住み替えの進め方を早めに決められます。

出典: 法務局「住宅ローン等を完済した」

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固定資産税の清算金とローン保証料の返戻金を足す

売った後に戻ってくるお金には、固定資産税の清算金とローン保証料の返戻金があり、どちらも手取りに足せます。

固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に、その年の1年分がかかります。売買では、引き渡し日以降の分を買主から日割りで受け取るのが一般的です。

清算金=年税額×引き渡し日から12月31日までの日数÷365日

例では、1月1日から数える取り決めで7月1日に引き渡すと、12万円×184日÷365日で約6万円です。

住宅ローンの保証料を借りたときにまとめて払っている場合は、途中で全額を返すと、残りの期間に応じた一部が保証会社から戻ることがあります。戻る額は保証会社ごとに決まるため、表とは別に、返済の手続きのときに確かめましょう。

項目例の金額
売却価格3,000万円
仲介手数料・印紙税・登記費用−約108.5万円
譲渡所得税0円(3,000万円の特別控除を使う場合)
住宅ローンの残高−1,200万円
固定資産税の清算金+約6万円
手取り額約1,697.5万円

自分の手取りは、次の確かめ先の数字を上の表に入れると出せます。

項目自分の数字の確かめ先
売却価格成約事例の㎡単価から出した相場
仲介手数料売却価格×3%+6万円に消費税(上限)
印紙税・登記費用不動産会社と司法書士の見積もり
譲渡所得税購入時の売買契約書(取得費)
住宅ローンの残高引き渡し予定日の残高を金融機関に聞く
固定資産税の清算金固定資産税の納税通知書の年税額

引っ越しや仮住まいの費用も、この表とは別に見込んでおきましょう。

出典: 総務省「固定資産税の概要」

まとめ:3LDKの相場は、条件の近い3LDKの成約㎡単価から出す

3LDKの相場を出すときに頼りになるのは、実際に売れた成約価格です。同じマンションか近くで条件の近い3LDKの成約価格を㎡単価に直し、自分の部屋の面積を掛けると、査定を待たずに相場の目安がわかります。地域の平均㎡単価には都心の1LDKや2LDKも混ざるので、比べる相手は3LDKにそろえておきましょう。

最初の一歩は、不動産情報ライブラリで自分のマンションに近い3LDKの成約事例を2〜3件探し、売れそうな価格のいちばん高い額と低い額を出すことです。この一歩を飛ばして査定額や売り出し価格をそのまま予算に入れると、手取りを多く見積もり、住み替え先の予算があとから削られることになります。

相場が出たら、住宅ローンの残高と購入時の売買契約書をそろえ、手取りの式に自分の数字を入れて確かめておきましょう。住み替えのトビラでは、3LDKのマンションの相場の調べ方と売った後の手取りの計算も含めて、住み替えで悩むあなたに信頼できる情報を提供しています。