「レインズに登録しましたよ」。担当者からそう言われても、売主の手元に残るのは言葉だけです。レインズは不動産会社専用のシステムで、一般の人は中を見られないからです。
先に答えを書きます。専任媒介か専属専任媒介で依頼した売主は、不動産会社から必ず渡される「登録証明書」と、その下部に印字された二次元コードで入る「売主用の確認画面」で、自分の物件がどう登録されているかを自分の目で確かめられます。証明書の欄と、画面の取引状況・図面・価格を事実と突き合わせれば、登録の有無も内容のずれも分かります。
この記事では、確認できる仕組みと対象、登録証明書の見るべき欄、確認画面へのログイン手順、事実と突き合わせる項目、証明書が届かないときの対処、そして画面では分からない範囲の順に整理します。
売主がレインズの登録を確認できる仕組み
レインズは、不動産会社どうしが物件情報を交換するための専用システムです。一般の人が中を見る手段は、機構側で用意されていない状態です。その代わり、売主には「登録証明書」と「売主用の確認画面」という2つの確認手段があります。まず、誰がどの手段を使えるのかを整理します。
専任媒介と専属専任媒介は登録と証明書の交付が義務になる
専任媒介契約または専属専任媒介契約を結ぶと、不動産会社はその物件をレインズ(指定流通機構)に登録する義務を負います。宅地建物取引業法34条の2第5項の定めで、期間は施行規則15条の10が決めています。条文の書き方は「専任媒介契約の締結の日から七日(専属専任媒介契約にあつては、五日)」で、2項に「前項の期間の計算については、休業日数は算入しない」とあります。
東日本レインズのよくあるご質問は、この期間を売主向けに「不動産会社の休業日及びレインズの休止日は除き、専属専任媒介契約の場合は媒介契約締結日の翌日から5日以内、専任媒介契約の場合は媒介契約締結日の翌日から7日以内」と説明しています。数え始めが翌日である点と、除かれる日にレインズの休止日も入る点は、証明書の日付を見るときの前提になります。
| 契約の種類 | レインズ登録 | 登録証明書の交付 | 売主用確認画面 |
|---|---|---|---|
| 専属専任媒介 | 5日以内(義務) | 義務 | 対象 |
| 専任媒介 | 7日以内(義務) | 義務 | 対象 |
| 一般媒介 | 任意 | 任意登録なら受け取れる | 対象外 |
登録が終わると、指定流通機構が登録を証する書面(登録証明書)を発行します。不動産会社は、この書面を遅滞なく依頼者に引き渡す義務を負います(34条の2第6項)。証明書は請求の有無にかかわらず交付するのが決まりで、渡し方は紙のほかにもあります。
交付手段は、書面によるほか電子メール等による交付も認められています。
宅建業法34条の2第12項にも、依頼者の承諾を得て電磁的方法で提供できる旨の定めがあります。PDFがメールで届いたなら、それが正式な交付です。
出典: e-Gov法令検索 宅地建物取引業法 出典: e-Gov法令検索 宅地建物取引業法施行規則 出典: 東日本不動産流通機構 よくあるご質問 出典: 東日本不動産流通機構 売却依頼主物件確認案内書
登録証明書と売主用確認画面の2つで確かめる
売主が使える確認手段は2つあります。1つは登録証明書そのもので、登録された日や価格、図面の有無などが1枚に印字されています。もう1つは、証明書の下部に印字された二次元コードとID・パスワードで入る「売主用の確認画面」です。
確認画面では、レインズに今どう登録されているか(概要・図面・取引状況)を、時点つきで見られます。証明書が「登録された時点の記録」だとすれば、確認画面は「今の登録内容」です。価格を変えた後や、申込みが入った後の状態は、画面のほうで確かめます。
この2つは、国土交通省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」でも売主が使うものとして書かれています。34条の2関係の9(1)には、証明書を交付する際に、ステータス管理機能を通じて取引の申込みの受付に関する状況等の最新の登録内容が確認できることを、依頼者に分かりやすく説明することが望ましい、とあります。契約時に説明がなかった場合でも、この記載を足場にして担当者に確認方法の説明を求められます。
同じ9(1)には、専属専任媒介契約と専任媒介契約でレインズに登録した物件について、取引の申込みの受付に関する状況等の登録内容が事実と異なるときは、法65条1項の指示処分の対象となる旨も書かれています。売主が自分で確かめることが、制度の一部として組み込まれた形です。
なお、国土交通省と4つの流通機構が出した売主向けチラシには、令和7年(2025年)1月から、登録証明書の二次元コードを読み取ることで売主専用画面に簡単にアクセスできるようになる、と案内されています。手元の証明書に二次元コードが載っているのは、この変更の後に発行されたものです。
出典: 国土交通省 宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方 出典: 国土交通省・4不動産流通機構 レインズの「ステータス管理機能」を活用しましょう!
一般媒介は登録義務がなく確認画面の対象外になる
一般媒介契約は、レインズへの登録が任意です。登録証明書の交付義務もなく、売主用の確認画面も専任・専属専任の物件だけを対象にしています。東日本レインズの案内書には、確認できる対象物件の注記としてこう書かれています。
※一般媒介契約の売却依頼物件につきましては対応しておりません。
ただし、一般媒介でも不動産会社がレインズに登録することはあります。東日本レインズのよくあるご質問によれば、媒介契約書に標準媒介契約約款を使っている場合、契約書の「指定流通機構への登録の有無」欄が「有」となっていればレインズに登録することになります。まず自分の契約書のこの欄を見るのが早道です。
登録されていれば登録証明書も受け取れます。東日本レインズは「一般媒介契約も含めて必ず登録証明書を受け取り、登録内容を確認しましょう」と案内しています。確認画面が使えない代わりに、機構の事務局に問い合わせて、本人確認のうえ登録状況を回答してもらう道もあります(5章で説明します)。
なお、レインズは全国に4つの機構(東日本・中部圏・近畿圏・西日本)があり、物件の所在地でどこに登録されるかが決まります。
出典: 東日本不動産流通機構 売却依頼主物件確認案内書 出典: 東日本不動産流通機構 よくあるご質問 出典: 東日本不動産流通機構 媒介契約制度について
登録証明書で確かめる欄
登録証明書はA4で1枚です。欄が多く見えますが、売主が見るべき場所は限られています。東日本レインズが案内書3ページに載せている登録証明書のサンプルをもとに、欄を4つの群に分けて見ていきます。
| 群 | 欄 | 見る点 |
|---|---|---|
| 日付 | 登録年月日・最新更新年月日・最新変更年月日・媒介契約年月日 | 登録が期限内か、変更が反映されたか |
| 契約 | 取引態様・取引状況 | 契約の種類と登録時点の状態 |
| 販売条件 | 価格・専有面積・面積計測方式・所在階・部屋番号・管理費・修繕積立金・現況・引渡時期・図面 | 売り出し条件と一致するか |
| 入口 | 二次元コード・登録内容確認URL・確認用ID・パスワード | 確認画面に入る鍵 |
登録年月日と媒介契約年月日の差が期限内か
証明書には「登録年月日」と「媒介契約年月日」の欄が並びます。この2つの差が、専任媒介なら7日、専属専任媒介なら5日に収まっているかを見ます。数え始めは媒介契約を結んだ日の翌日で、会社の休業日とレインズの休止日は日数から除きます。
サンプルでは媒介契約年月日と登録年月日がどちらも令和6年11月28日で、契約当日に登録された形になっています。差が10日以上あれば、期限を過ぎて登録された疑いが出てきます。登録が遅れた分だけ、他社が物件を知る時期も遅れます。
「最新更新年月日」「最新変更年月日」の欄もあります。登録した内容を後から変えると、ここに日付が入ります。サンプルでは最新更新年月日に登録と同じ日付が入り、最新変更年月日は空欄です。価格の変更などをした後に証明書を見直すときは、この欄で反映の有無が分かります。
出典: 東日本不動産流通機構 売却依頼主物件確認案内書 出典: e-Gov法令検索 宅地建物取引業法施行規則
取引態様と取引状況の欄が契約どおりか
「取引態様」の欄には、媒介契約の種類が入ります。サンプルでは「専属」と印字されています。専任で結んだのに専属と登録されていれば、登録の誤りです。契約書の種類と読み比べます。
「取引状況」の欄には、登録時点の状態が入ります。サンプルの表記は「公開中」で、これは他の不動産会社から問い合わせを受け付けている状態を指します。登録直後から「売主都合で一時紹介停止中」になっていて、自分に覚えがなければ、その理由を担当者に聞きます。
取引状況はその後も変わるので、証明書の欄は「登録時点の記録」として見ます。今の状態は、後述する確認画面で確かめます。
価格と面積と図面の有無が売り出し条件と一致するか
「価格」「専有面積」「面積計測方式」「所在階」「部屋番号」「管理費」「修繕積立金」「現況」「引渡時期」といった欄は、売り出しの条件そのものです。担当者と決めた売り出し価格、登記や販売図面の面積、引き渡しの時期と読み比べます。
他社の担当者は、この登録内容を見て買主に紹介するかを決めます。価格や面積に誤りがあれば、紹介されにくくなったり、内覧で「話が違う」となったりします。
「図面」の欄は「有」か「無」です。図面とは、間取りや設備、写真を載せた販売用の資料を指します。図面が「無」のままだと、他社は買主に物件を説明しづらくなります。登録の後から図面が追加されることもあるので、売り出しから2週間ほど(目安)経った時点で「無」のままなら、担当者に登録の予定を聞きます。
下部の二次元コードと確認用IDが確認画面への入口になる
証明書のいちばん下に、二次元コード、登録内容確認URL、確認用ID、パスワードが印字されています。サンプルには「本物件の登録内容(変更を含む)を左記二次元コードによりご確認頂けます」という案内文も付いています。
このIDとパスワードは物件ごとに発行されます。同じ売主でも、物件が違えば別のIDになります。証明書そのものが確認画面の鍵になるので、紙なら保管し、メールで受け取ったならPDFを保存しておきます。
証明書は不動産会社が機構から取得して渡す書類なので、機構によって欄の並びや名称が少し違う場合があります。ここで挙げた欄名は東日本レインズのサンプルに基づいています。
売主用確認画面にログインする手順
登録証明書を受け取ったら、確認画面で今の登録内容を見ます。手順は3ステップで、スマートフォンでも可能です。
- 証明書下部の二次元コードを読み取る(またはURLから「売却依頼主向けログイン」へ)
- 証明書に印字された確認用IDとパスワードを入力する
- 表示された時点を確かめてから、概要・図面・取引状況を見る
二次元コードか登録内容確認URLからログイン画面を開く
いちばん簡単なのは、証明書下部の二次元コードをスマートフォンのカメラで読み取る方法です。案内書の手順では、読み取るとそのままログイン画面に進みます。
パソコンで見る場合は、証明書に印字された登録内容確認URLをブラウザに入力します。機構のページが開いたら「売却依頼主向けログイン」を選び、説明画面の「ログイン画面はこちら」に進む流れです。
機構は4つありますが、入口はおおむね共通です。中部圏・近畿圏・西日本の3機構は、自サイトの「売却依頼主向けログイン」「売却依頼主用物件確認画面」から同じログイン画面(system.reins.jp の売却依頼主向けログイン)へ案内しています。東日本レインズは自サイトの売却依頼主確認画面のページから進みます。証明書に印字されたURLから入れば、自分の物件が登録された機構の画面にたどり着きます。
出典: 東日本不動産流通機構 売却依頼主物件確認案内書 出典: 中部圏不動産流通機構 出典: 近畿圏不動産流通機構 出典: 西日本不動産流通機構
物件ごとに発行される確認用IDとパスワードを入力する
ログイン画面で、証明書に印字された確認用IDとパスワードを入力します。いずれも物件ごとに発行されたもので、証明書に印字された文字列をそのまま入れます。
家族が代わりに確認する場合も、証明書があれば同じように入れます。逆に、証明書を紛失するとIDとパスワードも分からなくなります。その場合は不動産会社に再度の交付を依頼します(5章)。
確認画面で見られる項目と図面表示ボタン
ログインすると「売却依頼主用 物件確認」の画面が開きます。上部には「11月28日17時41分時点の東日本レインズ登録内容は以下の通りです」のように、いつ時点の内容かが表示されます。この時点表示を見てから中身を読みます。
案内書が挙げる確認できる登録内容は、次の3つです。
- レインズに登録されている主な物件情報(概要)
- 図面(確認画面右上の「図面表示」をクリックして表示)
- 「取引状況」および「取引状況の補足」
概要の欄には、データ種類・物件番号・登録年月日・取引態様・価格・管理費・修繕積立金・専有面積・面積計測方式・所在地・マンション名・所在階・部屋番号・沿線名・最寄駅などが並びます。図面表示ボタンは、販売図面が登録されているときだけ表示されます。図面が登録されていない場合はボタン自体が出ないので、ボタンの有無がそのまま図面登録の有無を示します。
取引状況は「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」の3種類で、補足欄には売却条件や、書面受領日、紹介停止の具体的内容・期間や売主の意向や了解を得た日などが記載されます。
取引状況の反映には2日程度かかる場合がある
確認画面を見るときに知っておきたいのは、反映の遅れです。案内書には、反映タイミングとしてこう書かれています。
実際に取引の状況が変更されたときからレインズ上の「取引状況」欄が更新されるまでシステム等の都合により2日程度要することがあります。
同じ記載は中部圏不動産流通機構の案内書にもあり、機構をまたいで共通の説明になっています。
担当者から「申込みが入りました」と連絡があった直後に画面を見たら、まだ「公開中」のままだった。これは反映の遅れの範囲で、正常な動きです。逆に、担当者から何も聞いていないのに「申込みあり」になっている場合は、反映の遅れでは説明がつかないので、担当者に確認します。
確認は1回で終わらせず、業務報告を受けるたびに行います。専任媒介なら2週間に1回以上、専属専任媒介なら1週間に1回以上の報告が義務(34条の2第9項)なので、そのタイミングで画面を開き、報告の内容と見比べる習慣にします。
出典: 東日本不動産流通機構 売却依頼主物件確認案内書 出典: 中部圏不動産流通機構 売却依頼主物件確認案内書 出典: e-Gov法令検索 宅地建物取引業法
登録内容と事実を突き合わせる項目
確認画面が開いたら、次の4項目を事実と突き合わせます。
| 項目 | 見る欄 | 一致させる相手 |
|---|---|---|
| 取引状況と補足 | 取引状況・取引状況の補足 | 自分が了解した内容 |
| 価格変更の反映 | 価格・画面上部の時点表示 | 担当者と決めた最新の価格 |
| 図面 | 図面表示ボタン・図面の中身 | 現物の間取りと設備 |
| 物件情報 | 専有面積・面積計測方式・所在階・部屋番号など | 登記事項証明書・管理組合の通知・販売図面 |
取引状況と補足欄が自分の了解した内容と一致するか
取引状況は3種類です。「公開中」は他の不動産会社から問い合わせを受け付けている状態、「書面による購入申込みあり」は不動産会社が書面による購入申込みを受けた状態、「売主都合で一時紹介停止中」は売却依頼主の事情により一時的に物件を紹介できない状態を指します。
見るべきは、この表示が自分の了解した内容と一致しているかです。海外出張で内覧を止めてほしいと頼んだなら「紹介停止中」で正しく、補足欄にその期間が入っているはずです。逆に、何も頼んでいないのに「紹介停止中」になっている、申込みの報告を受けていないのに「申込みあり」になっている場合は、登録内容が事実とずれています。
補足欄には「売主の意向や了解を得た日」が入ることになっているので、その日付に覚えがあるかどうかが手がかりになります。ずれを見つけたら、担当者に画面の表示の理由を書面で聞き、是正を求めます。国土交通省と4機構のチラシも、覚えがないのに紹介停止になっていたら依頼した宅建業者に問い合わせる、という流れを示しています。このずれが囲い込みの痕跡になる場合の見抜き方と対処は、別の記事で整理しています。
出典: 東日本不動産流通機構 売却依頼主物件確認案内書 出典: 国土交通省・4不動産流通機構 レインズの「ステータス管理機能」を活用しましょう!
価格変更が最新変更年月日と価格欄に反映されているか
売り出しから時間が経つと、価格を見直すことがあります。価格を下げたのにレインズの登録が旧価格のままだと、他社の担当者は古い価格で買主に案内し続けます。値下げの効果が出にくくなる原因です。
価格を変えたら、数日後に確認画面を開き、概要の「価格」の欄が新しい価格になっているかを見ます。画面上部には時点が表示されるので、いつ時点の内容を見ているかもあわせて確かめます。反映されていなければ、担当者に登録の変更を依頼します。
登録証明書の側には「最新変更年月日」の欄があり、登録内容を変えるとここに日付が入ります。変更の後に証明書をもう一度受け取れば、いつ変更が登録されたかを書面で残せます。価格以外にも、引渡時期や現況(居住中か空室か)を変えたときは同じように見ます。登録内容の変更は担当者がレインズ上で行う作業なので、頼まなければ古いままということがあります。
図面が登録され内容が正しいか
確認画面の右上に「図面表示」ボタンがあれば、販売図面が登録されています。ボタンを押して図面を開き、中身を見ます。
見る点は、間取りと専有面積が現物と一致しているか、設備(浴室乾燥機や食洗機など)の記載が正しいか、写真が今の室内か、価格が最新かです。古い図面がそのまま残っていると、他社の担当者は古い情報で買主に説明します。
図面表示ボタンが出ていない場合は、図面が未登録です。売り出しから2週間ほど(目安)経ってもボタンが出なければ、担当者に図面の登録予定を聞きます。図面は他社が買主に紹介するときの資料なので、登録が遅れるほど紹介の優先度が下がります。
面積や階数などの物件情報に誤りがないか
専有面積、所在階、部屋番号、築年月、管理費、修繕積立金、駐車場の有無といった欄は、単純な入力ミスが起こりやすい場所です。
登録証明書と確認画面には「専有面積」とは別に「面積計測方式」の欄があります。マンションの面積は、登記事項証明書の内法と販売図面の壁芯で数字が違うので、どちらの方式で登録されているかをこの欄で確かめ、図面と揃えます。所在階や部屋番号の誤りは、他社が現地を訪ねたときに部屋を間違える原因になります。管理費と修繕積立金は、管理組合からの直近の通知と読み比べます。
誤りを見つけたら、書面で訂正を頼み、訂正後にもう一度画面を開いて反映を確かめます。
登録証明書がもらえない・確認できないときの対処
証明書が届かない、紛失した、一般媒介で画面が使えない、といった場合の対処を整理します。順番は「担当者に頼む→機構に聞く→行政に相談する」です。最初から行政に持ち込まず、まず担当者に求めます。
- 担当者に登録証明書の交付を書面で求める
- 証明書を紛失したら再交付を依頼する
- 一般媒介は機構事務局に本人確認のうえ問い合わせる
- 不動産会社が応じないときは流通機構の消費者相談室に相談する
担当者に登録証明書の交付を書面で求める
登録証明書の交付は、専任・専属専任媒介では宅地建物取引業法34条の2第6項に定められた義務です。まだ受け取っていなければ、メールなど記録に残る形で「登録証明書をお送りください」と頼みます。電子メール等での交付が認められているので、PDFで送ってもらう形で足ります。
登録期限(専任は7日・専属専任は5日)を過ぎても証明書が来ない場合は、登録自体が済んでいない可能性があります。「レインズへの登録日と、登録証明書の交付日を教えてください」と書面で聞きます。東日本レインズのよくあるご質問も、登録の有無や登録時期は依頼した不動産会社へ問い合わせ、不明点があれば機構事務局へ、という順番を示しています。
多くの場合、頼めばすぐに届きます。届かない、はぐらかされる、という場合は次の段階に進みます。
出典: e-Gov法令検索 宅地建物取引業法 出典: 東日本不動産流通機構 よくあるご質問
証明書を紛失したら再交付を依頼する
登録証明書を紛失すると、確認画面に入るためのIDとパスワードも分からなくなります。この場合は、不動産会社に再度の交付を依頼します。東日本レインズの媒介契約制度ページには「レインズへの登録完了後、不動産会社はレインズからこの証明書を取得し、依頼主へお渡しします」とあり、証明書を機構から受け取る立場にあるのは不動産会社です。売主から機構へ直接請求する手続きは案内されていないため、窓口は依頼先の担当者になります。
メールで受け取った場合はPDFを探します。紙で受け取った場合は、媒介契約書と一緒に保管しているのが通常です。
依頼するときは、「確認画面に入りたいので、登録証明書を再度お送りください」と用途を添えると話が早くなります。再度交付された証明書のIDとパスワードは、同じ物件のものです。
一般媒介は機構事務局に本人確認のうえ問い合わせる
一般媒介で依頼している売主は、売主用の確認画面の対象外です。その代わり、東日本レインズは「一般媒介契約でも機構事務局にお問い合わせいただき、本人確認を実施させていただいた上で、登録状況等をご回答することは可能です」と案内しています。よくあるご質問にも同じ内容が載っています。
つまり、自分の物件がレインズに登録されているか、どんな内容で登録されているかは、機構に直接聞けば教えてもらえます。問い合わせの前に、媒介契約書の「指定流通機構への登録の有無」欄が「有」になっているかを見ておくと、話が早く進みます。
一般媒介は複数の会社に依頼できる契約なので、各社に登録の有無を聞き、登録している会社が1社もなければ、登録を頼むか専任媒介への切り替えを検討します。
出典: 東日本不動産流通機構 媒介契約制度について 出典: 東日本不動産流通機構 よくあるご質問
不動産会社が応じないときは流通機構の消費者相談室に相談する
担当者に頼んでも証明書が来ない、登録内容の説明に応じない、という場合は、機構の相談窓口を使います。東日本レインズの案内書には、不動産会社に登録内容や利用方法について問い合わせても対応してもらえない場合等の連絡先として、消費者相談室が記載されています。他の機構にも窓口があります。
| 機構 | 窓口 | 電話 | 受付時間 |
|---|---|---|---|
| 東日本不動産流通機構 | 消費者相談室 | 03-5296-4113 | 9時30分〜17時30分(土日祝日、年末年始を除く) |
| 中部圏不動産流通機構 | 事務局 | 052-521-8589 | 9時〜17時(平日のみ) |
| 近畿圏不動産流通機構 | 事務局 | 06-6943-5913 | 9時30分〜12時、13時〜17時30分(土日祝祭日、年末年始を除く) |
| 西日本不動産流通機構 | 機構代表 | 082-568-5850 | 各機構サイトの案内による |
相談するときは、媒介契約書(契約日と契約の種類が分かるもの)と、担当者とのやり取り(メール)を手元に置きます。
機構に相談しても不動産会社が登録や交付に応じない場合は、免許行政庁(都道府県知事免許なら都道府県の宅地建物取引業を担当する課、国土交通大臣免許なら地方整備局)に相談します。登録と証明書の交付は法律上の義務なので、行政が指導する根拠があります。
出典: 東日本不動産流通機構 売却依頼主物件確認案内書 出典: 中部圏不動産流通機構 売却依頼主物件確認案内書 出典: 近畿圏不動産流通機構 各種お問い合わせ先一覧 出典: 西日本不動産流通機構
売主用確認画面で分からない範囲
ここまでの手順で、登録内容は自分で確かめられます。一方で、確認画面に映らないこともあります。安心しすぎないために、分からない範囲を先に知っておきます。
- 他社からの問い合わせ件数と閲覧数は表示されない
- 広告転載の可否は売主用確認画面に出ない
- 営業の実態は業務報告と別の確認方法で補う
他社からの問い合わせ件数と閲覧数は表示されない
確認画面に出るのは、案内書が挙げる3群(概要・図面・取引状況と補足)です。他の不動産会社がその物件を何回閲覧したか、何件の問い合わせが依頼先の会社に入ったかは、この3群の外にあります。
他社からの問い合わせは、依頼した不動産会社の電話やメールに届きます。それにどう応対したかは、レインズに記録されずに終わります。取引状況が「公開中」であっても、問い合わせが断られている可能性は画面の外に残ります。
この部分を補うのが、業務報告です。専任媒介では2週間に1回以上、専属専任媒介では1週間に1回以上の報告が義務なので、報告に「他社からの問い合わせ件数と応対」を書いてもらうよう頼みます。東日本レインズも、業務報告ではレインズへの登録状況や広告などの販売活動の内容、引き合い(問い合わせ)の状況などが報告されると説明しています。
出典: 東日本不動産流通機構 売却依頼主物件確認案内書 出典: 東日本不動産流通機構 媒介契約制度について
広告転載の可否は売主用確認画面に出ない
レインズの登録項目には「広告転載区分」があります。中部圏不動産流通機構のレインズ利用ガイドラインには、こう書かれています。
レインズに登録された物件情報を広告・宣伝等に利用する場合、物件情報の広告転載区分が「可」である場合を除き、元付(登録)業者の書面による承諾を得る必要があります。
同じガイドラインは、広告掲載や宣伝告知が「売主・貸主の了解を前提に」認められるものだとも書いています。つまり、他社が自社サイトやポータルに物件を載せられるかどうかは、この区分と元付会社の承諾しだいで、その前提には売主の了解があります。
売主用の確認画面に表示されるのは概要・図面・取引状況の3群なので、この区分は画面の外です。どう設定されているかは、担当者に直接聞く形になります。「広告転載区分はどう登録していますか」「他社から広告掲載の承諾を求められたらどう対応していますか」と聞き、返答を記録に残します。
転載を可としない理由には、売主が広範囲の広告を望まないなど正当なものもあります。自分が了解していない設定になっていれば、変更を頼みます。
出典: 中部圏不動産流通機構 レインズ利用ガイドライン 出典: 近畿圏不動産流通機構 広告承諾書のダウンロード
営業の実態は業務報告と別の確認方法で補う
確認画面は「登録内容の証拠」であり、営業活動の実態そのものとは別です。登録内容が正しくても、他社への応対や内覧の受け入れ方は画面の外にあります。
補う方法は2つあります。1つは業務報告の中身を具体的にしてもらうこと。他社からの問い合わせ件数、内覧の申込み数と内訳(自社の顧客か他社の顧客か)、それぞれの結果を書いてもらいます。もう1つは、内覧に立ち会って買主側の担当者の会社名を見る、別の不動産会社に物件確認をしてもらう、といった外側からの確認です。
登録の確認は、売却が正しく進んでいるかを知るための出発点です。囲い込みのサインと対処までは、別の記事で整理しています。
まとめ:レインズの登録は登録証明書と売主用確認画面で売主自身が確かめられる
専任媒介か専属専任媒介で依頼した売主は、担当者の口頭の報告を待たずに、自分で登録を確かめられます。不動産会社には登録を証する書面を遅滞なく引き渡す義務があり、その証明書に印字された二次元コードとIDで売主用の確認画面に入れば、今の概要・図面・取引状況が時点つきで見られるからです。ここが、売主が持っている確認手段の中心です。
次の一歩は、手元の登録証明書を探し、登録年月日と媒介契約年月日、取引態様、価格、図面の欄を読むことです。証明書が見当たらなければ、その場でメールで交付を頼みます。この一歩を飛ばすと、価格を下げても旧価格のまま案内され続けたり、覚えのない「紹介停止中」に気づかないまま売り出し期間が過ぎたりします。
確認画面を開いたら、取引状況と補足欄、価格、図面表示ボタン、面積や階数を、自分の了解した内容と読み比べてみましょう。住み替えのトビラでは、レインズの登録証明書の見方や売主用確認画面の使い方も含めて、住み替えで悩むあなたに信頼できる情報を提供しています。
住み替えのトビラ 
