リースバックで後悔した相談事例|契約前の確認と契約後にできること

リースバックで後悔した実例と原因|後悔しない契約前の手順と契約後に取れる手

リースバックを候補に入れたら、「後悔した」という声が目に入って手が止まった。あるいは、もう申し込みや契約をしてしまい、早まったかもしれないと感じている。

公的な相談事例には、強引な勧誘や、説明と契約内容の理解に食い違いがある例が載っています。契約後でも検討できる対応はありますが、解除できるかは進み具合や契約の条件によって異なります。

この記事では、一次資料にある後悔の実例、後悔が生まれる原因、後悔しないための契約前の手順、そして契約後に後悔したときに取れる手を、マンションからの住み替え(買い替え)を考えている方の立場で順に説明します。

リースバックで後悔した相談事例から、確認点を知る

国民生活センターは、2025年5月にリースバックの相談事例を公表しています。以下はその要約です。当サイトの利用者への取材や、ワケガイなど特定サービスの事例ではありません。

長時間の勧誘で契約し、解約時の負担に困った例

自宅マンションの売却契約後、取り消したいと相談した例です。事業者から、受け取った50万円を返すだけでなく、さらに50万円を払うよう求められています。

確認したいのは、契約をやめる際の費用と条件です。この請求だけを見て、法的に支払義務がある、あるいは必ず解除できるとは判断できません。

強い勧誘に応じ、家賃や違約金の大きさに困った例

怖くなってマンションの売却に応じた相談では、売却額3,000万円に対し家賃が月25万円、解約の申し出に600万円を請求されたと報告されています。

売却代金が大きくても、毎月の生活が楽になるとは限りません。請求された違約金がそのまま有効と確定した事例でもないため、契約書と勧誘の経緯を確認する必要があります。

家賃が上がり、支払いが難しくなった例

マンションを売った後、約6万円だった家賃が3年後に約11万円となり、支払えなくなった相談です。最初の家賃だけでなく、変更時期と変更後の金額も確かめる大切さが分かります。

これらの相談には、強引な勧誘や説明の問題があります。利用者の確認不足だけを原因と決めつけることはできません。

出典:国民生活センター「強引に勧められる住宅のリースバック契約にご注意!」

契約前に、価格・毎月の収支・契約条件をそろえる

通常売却の査定を取り、提示額を比べる

自宅の価格を知らないまま、売却額を決めない。 通常の仲介で売れる見込み額が分かれば、リースバックで住み続けるために受け入れる価格差を考えられます。

査定額は売却の保証額ではありません。近隣の成約事例、売れるまでの期間、売却費用も聞いておきます。査定を頼んでも、その段階で売却契約を結ぶ必要はありません。

電話が難しければ、連絡可能な時間やメール希望を伝えます。ただし、備考に書くだけで電話が一切来なくなる保証はありません。

家賃を払った後の生活費まで計算する

売却後の手取りは、売却代金から住宅ローンの返済や諸費用を引いて計算します。そのお金から家賃だけを引くと、使える生活費が見えにくくなります。

確認する数字仮の計算例分かること
1年分の家賃月13万円×12=156万円毎年の固定支出
5年分の家賃156万円×5=780万円長く住む負担
手取りから家賃を引いた額1,800万円−780万円=1,020万円他の支出を引く前の残額
月の収支収入25万円−家賃13万円−生活費15万円=マイナス3万円年36万円の取り崩しが必要

上の手取り残額と月の収支は、それぞれの見方を示した例です。同じ家賃を二重に差し引かないようにします。修繕費、医療費、家賃の変更なども別に見込みます。

複数の提示は、同じ居住期間と負担範囲で比べる

買取価格が高い会社でも、家賃や退去費用が高い場合があります。「何年住むか」「家賃の上限」「設備故障の負担」をそろえて提示を受けましょう。

通常売却で引渡し時期を調整する方法や、転居する方法も比較対象です。住み続ける必要がある期間を先に決めると、不要な契約を選びにくくなります。

出典:国土交通省「住宅のリースバックに関するガイドブック」

契約書は、売買と賃貸借の両方を事前にもらう

売る契約だけを見ても、売却後の暮らしは分かりません。契約当日より前に、売買契約書と賃貸借契約書の案を受け取ります。

確認する欄聞いておくこと
借家の種類・期間普通借家か定期借家か。希望する時期まで住めるか
再契約合意が必要か。再契約料や審査はあるか
家賃の変更いつ、何を理由に、どう変更するか
解約・違約金売買をやめる場合と、借家を退去する場合の違い
修繕・原状回復給湯器などの故障や退去時の費用を誰が負担するか
買戻し権利の有無、期限、価格、追加費用

「大丈夫」「ずっと住める」という説明は、どの条項に書いてあるかを確認します。口頭の約束にも意味はありますが、後から証明する負担を減らすために書面に残します。

その場で決めず、信頼できる人にも見てもらいます。何日待てば安全という決まった基準はありません。内容が分からない、相談する時間を与えられない場合は、契約を急がないことが大切です。

デメリット全体の整理と、事業者調査の読み方はこちらで確認できます。

リースバックのデメリットは本当にやばい?実態調査で測り、契約で消せるかを分ける リースバックのデメリットは?実態調査で分かる条件と契約前の判断ポイント

契約後に困ったら、進み具合に応じて相談する

自宅を事業者に売るリースバックでは、宅地建物取引業法のクーリング・オフは使えません。一方、別の解除・取消し・無効などを検討できる場合があります。「契約したから何もできない」と決めず、早めに資料をそろえます。

手付解除は「決済前なら必ずできる」わけではない

民法557条では、相手方が履行に着手する前なら、売主が手付の倍額を現実に提供して解除できる仕組みがあります。履行への着手とは、契約を実行する具体的な行為を始めることです。

判断の境目は単に決済日ではありません。手付の性質、契約条項、相手方がすでにしたことを確認します。自分で送金や解除通知をする前に、契約書を専門家に見せると進め方を判断しやすくなります。

高額な違約金や強引な勧誘は、別に確認する

消費者契約に当たる場合、平均的な損害を超える違約金などの部分が無効になる可能性があります。また、帰ってほしいと伝えたのに帰らないなど、法律の要件を満たす勧誘では取消しが問題になります。

「高いから全部無効」「押しが強かったから必ず取り消せる」とは言えません。日時、相手の発言、自分が断った内容、メールや録音などを保存して相談します。権利を行使できる期間にも制限があります。

契約時に意思能力がなかった場合も、無効を検討する余地があります。ただし、認知症の診断があることだけで、すべての契約が自動的に無効になるわけではありません。契約時の状態が大切です。

出典:民法・第3条の2、第557条消費者契約法・第4条、第9条

売却後の家賃や住む期間も、契約を持って相談する

家賃の減額や再契約は、契約内容や法令に応じて検討します。定期借家では賃料改定の特約によって扱いが変わる場合があり、普通借家と同じ説明だけでは判断できません。

買戻しを希望しても、新たに合意が得られる保証はありません。住宅の所有者、借家の契約期間、支払い状況を確認し、転居も含めた選択肢を整理します。相談中だからと自己判断で家賃を止めると、別の問題につながるおそれがあります。

出典:借地借家法・第32条、第38条

相談先には、契約書とやり取りの記録を持っていく

最初の相談先が分からなければ、消費者ホットライン「188」で地域の消費生活センター等につながります。相談は無料ですが、接続後の通話料はかかります。

準備するものは、次のとおりです。

  • 売買契約書・賃貸借契約書・重要事項説明書など、受け取った書類
  • 査定書、広告、メール、メッセージ、録音
  • 手付や代金を支払った日と金額、次の決済日や期限
  • どの説明と実際の条件が違うのかをまとめたメモ

無理に全部そろうまで待つ必要はありません。強引な勧誘や目前の期限があるときは、手元の資料で先に相談します。契約解除など法的な交渉が必要な場合は、弁護士や法テラスにつないでもらう方法もあります。法テラスの無料法律相談等には収入・資産などの条件があります。

出典:消費者庁「消費者ホットライン」

まとめ:契約前は条件を比較し、契約後の不安は早めに相談する

公的な相談事例からは、価格、家賃の変更、勧誘、解約条件を確認する大切さが分かります。トラブルを利用者の確認不足だけで説明することはできません。

契約前は通常売却の査定と家賃の収支を比べ、売買・賃貸借の契約案を確認します。その場で決めず、分からない条件を残さないよう相談しましょう。

契約後に困った場合は、決済前後だけで自己判断せず、契約書とやり取りを持って早めに相談します。188は相談無料ですが、接続後の通話料はかかります。