省エネ住宅の優遇まとめ|補助金・減税・ローンを等級別に解説

省エネ住宅の優遇まとめ|補助金・減税・ローンを等級別に解説

省エネ住宅を建てたり買ったりすると、補助金や減税、住宅ローンの優遇が受けられます。ただ制度の種類が多く、いまマンションに住んでいて次もマンションを買う人にとっては、自分がどれを使えるのかがつかみにくいものです。この記事では、住み替えのトビラが、省エネ住宅で受けられる優遇を「補助金・減税・ローン優遇」の3つに整理し、買い替え先が新築(分譲)マンションや中古マンションになる人に、どれが効いてどれが関係ないのかまで含めて解説します。2026年(令和8年度)時点の制度をもとに、要件と期限も添えて解説します。

省エネ住宅の優遇は「補助金・減税・ローン優遇」の3種類

省エネ住宅で受けられる優遇は、大きく「補助金」「税の軽減」「住宅ローンの優遇」の3つに分けられます。

いずれも住宅の省エネ性能が高いほど手厚くなります。性能のランクは、省エネ基準に適合した住宅を土台に、ZEH水準、認定長期優良・認定低炭素、さらにその上のGX志向型へと上がっていきます。ここではまず、優遇の対象になる住宅の等級と、3つの優遇を合わせるとどれくらいの差が出るのかを見ていきます。

優遇の対象になる「省エネ住宅」の4つの等級

優遇の大きさは、住宅の省エネ性能ランクで決まります。代表的な区分は次の4つです。

等級(呼び方)性能のイメージ優遇の厚さ
省エネ基準適合住宅国の省エネ基準を満たす標準的な省エネ住宅土台
ZEH水準省エネ住宅断熱等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上やや厚い
認定長期優良住宅・認定低炭素住宅自治体の認定を受けた長持ち・低炭素の住宅厚い
GX志向型住宅断熱・省エネ・創エネを高い水準で満たす住宅もっとも厚い

下にいくほど性能が高く、受けられる優遇も大きくなります。2025年4月からは新築住宅に省エネ基準への適合が義務づけられたため、これから建てる家や新築の分譲マンションは、少なくとも一番上の区分に入ります。そのうえで、断熱や設備をどこまで高めるかで、上の等級に手が届くかどうかが変わります。

検討中の住宅がどの等級に当たるかは、図面や仕様だけでは判断が難しい部分もあります。省エネ計算や認定の申請は、注文住宅なら住宅会社が、新築の分譲マンションなら分譲事業者が行うため、その物件がどの区分になりそうかは、早い段階で確認しておくと安心です。

補助金・減税・ローン優遇を合算した等級別の見取り早見

3つの優遇は基本的に併用でき、合わせると等級によって得られる差が大きくなります。

下の表は、等級ごとに3つの優遇がどのくらい厚くなるかの方向感をまとめたものです。個々の金額は要件や入居時期で変わるため、ここでは大まかな目安として捉えてください。

等級補助金(新築の定額)住宅ローン控除の借入限度額(令和8年入居・子育て世帯等以外)フラット35Sの金利引下げ
省エネ基準適合対象外(設備補助は可)2,000万円(令和8・9年入居限り)対象外
ZEH水準35〜40万円3,500万円当初5年 年▲0.75%(ZEH)
認定長期優良・低炭素75〜80万円4,500万円当初5年 年▲0.5%(金利Aプラン)
GX志向型110〜125万円4,500万円(認定を受けた場合)当初5年 年▲0.75%(ZEH)

等級を一段上げるだけで、補助金・住宅ローン控除・金利引下げの合計が大きく動くことがわかります。ただし、この早見はあくまで新築で等級を自分で選べる場合の方向感です。マンションを買う人に3つのうちどれが効くのかは、次で整理します。

マンションを買う人は、3つの優遇のどれが自分に効くか

いまマンションに住んでいて、次もマンションを買う場合、3つの優遇の効き方は次のように分かれます。

  • 補助金|主に戸建て・注文住宅を建てる/買う人向け。分譲マンションを買う個人が直接もらう場面は少ない
  • 減税(住宅ローン控除・贈与税・登録免許税など)|新築・中古のマンション購入でも対象になりうる本体
  • 住宅ローンの優遇(フラット35S)|マンションでも使えるが、物件が基準に適合するかの確認が要る

つまり、マンションを買う人がまず押さえるべきは減税です。補助金は自分で建てる/買う施主向けに設計されたものが多く、分譲マンションを買う人には直接は効きにくいためです。以降では、この効き方に沿って補助金・減税・ローン優遇の順に見ていきます。

補助金:新築・購入でもらえる支援と、マンション購入者への効き方

2026年(令和8年度)は「住宅省エネ2026キャンペーン」として複数の補助事業が動いており、省エネ住宅の新築では等級に応じて数十万〜100万円超の定額補助が受けられます。

ただし補助金には予算の枠があり、枠に達すると年度の途中でも受付が終わることがあります。そしてここで押さえておきたいのは、これらの補助の多くが「自分で建てる/買う施主」を主な対象にしている点です。マンションを買う人への効き方も合わせて見ていきます。

新築でもらえる補助(みらいエコ住宅2026事業)は主に戸建て・注文住宅向け

新築の主力になるのが「みらいエコ住宅2026事業」で、住宅の等級ごとに1戸あたりの定額補助が決まっています。

等級補助額(5〜8地域・一般)補助額(1〜4地域・寒冷地)古家除却(建替)加算対象世帯
GX志向型110万円125万円なし(対象外)全世帯
認定長期優良75万円80万円+20万円子育て・若者夫婦世帯
ZEH水準35万円40万円+20万円子育て・若者夫婦世帯

対象になるのは、2025年11月28日以降に基礎工事へ着手した住宅です。GX志向型は全世帯が対象で、長期優良とZEH水準は子育て世帯(18歳未満の子がいる世帯)または若者夫婦世帯(夫婦のいずれかが39歳以下の世帯)に限られます。長期優良とZEH水準は、要件を満たす古家の除却をともなう場合、それぞれ20万円が上乗せされます。

ただし、これは施主が自分で建てる/買う新築、つまり注文住宅や建替えが主な対象です。新築分譲マンションを買う人は、この種の新築補助は分譲事業者側が使う枠にあたることが多く、購入者個人が直接受け取るものではありません。分譲マンションの価格に事業者の補助活用が反映されることはあっても、買う人が自分で申請してもらう補助ではない、と切り分けておくと混乱しません。

出典: 国土交通省 報道発表「みらいエコ住宅2026事業」の創設(2025年11月28日)みらいエコ住宅2026事業(新築・公式)環境省 みらいエコ住宅2026事業

設備の入れ替えでもらえる補助(給湯省エネ等)

住宅本体の等級とは別に、高効率な設備を入れることでも補助を受けられます。代表になるのが「給湯省エネ2026事業」で、エコキュートやハイブリッド給湯機、エネファームといった高効率給湯器の設置に補助が出ます。窓の断熱改修を対象にする補助もあります。

マンションを買う人にとっては、中古マンションを買ってリフォームで高効率給湯器や窓の断熱改修をする場合に、こうした設備の補助が対象になりうる部分です。ただしマンションは、給湯器の設置スペースや、窓や玄関など共用部にかかる工事の管理規約の制約で、選べる機器や工事が限られることがあります。使えるかどうかは物件と工事の内容しだいのため、リフォーム会社や管理組合に確認しておくと安心です。

新築でこの設備補助を使うのは主に自分で建てる人の話です。分譲マンションを買う人は、買ったあとのリフォーム時の選択肢として押さえておけば十分です。

出典: 住宅省エネ2026キャンペーン

補助金は予算枠と締切で早期に終わりうる

補助金には予算の枠と締切があり、必ず受けられる前提にはできません。

実際、前年度(令和7年度)の補助事業では、もっとも人気の高かったGX志向型向けの補助が、予算の上限に達して交付申請の受付を早期に終了しています。省エネ性能の高い住宅ほど補助額が大きく申請も集中するため、年度の後半に検討を始めると、枠が残っていないこともあります。

申請の手続きにも注意が必要です。これらの補助金は、多くの場合、施主本人ではなく登録した施工業者を通して申請します。もっとも、新築分譲マンションを買う人は、これらの新築補助を自分で申請する場面は少なく、補助金の締切に自分の資金計画を左右される心配は小さくなります。

出典: 子育てグリーン住宅支援事業 GX志向型の交付申請受付終了(国土交通省 報道発表)

減税:マンションを買っても効く優遇の本体

省エネ住宅は税の面でも優遇されます。一般の住宅より軽くなるのは、住宅ローン控除、親からの資金援助にかかる贈与税、そして取得や保有にかかる登録免許税・不動産取得税・固定資産税です。

これらは、補助金と違って新築・中古のマンションを買う場合でも対象になりうる、優遇の本体です。こちらも性能が高いほど優遇の器が大きくなります。行動の場面ごとに、借りるとき・もらうとき・買って持つときの3つに分けて見ていきます。

住宅ローン控除は省エネ等級で借入限度額が変わる(新築分譲マンション)

住宅ローン控除は、住宅の省エネ性能が高いほど、控除の対象になる借入額の上限が大きくなります。

等級借入限度額(右記以外)借入限度額(子育て世帯等)控除率・期間
認定長期優良住宅・認定低炭素住宅4,500万円5,000万円0.7%・13年
ZEH水準省エネ住宅3,500万円4,500万円0.7%・13年
省エネ基準適合住宅2,000万円3,000万円0.7%・13年

この借入限度額は、令和8年から令和12年に入居する場合のものです。省エネ基準適合住宅の枠は令和8年・令和9年入居に限られます(令和10年以降に入居する新築の省エネ基準適合住宅は控除の対象外になります)。子育て世帯等とは、19歳未満の子がいる世帯、または夫婦のいずれかが40歳未満の世帯を指します。

控除額は「年末のローン残高×0.7%」で計算し、最大13年間受けられます。限度額が大きいほど控除される額も増えるため、等級の差がそのまま控除額の差につながります。省エネ基準を満たさない一般の新築住宅は、原則としてこの控除の対象外です。この扱いは2024年(令和6年)以降に強化されたもので、省エネ性能のない新築は控除の対象から外れています。

子育て世帯と若者夫婦世帯には、借入限度額の上乗せがあります。令和6・7年入居の場合、認定住宅で5,000万円、ZEH水準で4,500万円、省エネ基準適合で4,000万円まで枠が広がりました。小さな子どものいる世帯などが高性能な住宅を取得しやすいよう配慮された措置です。

新築分譲マンションを買う場合も、この借入限度額は物件の省エネ等級で決まります。ただし戸建てを自分で建てる人と違い、等級を自分で高めることはできません。等級はできあがる物件で決まっているため、契約前に「その物件がどの省エネ区分か(認定住宅・ZEH水準・省エネ基準適合のどれか)」を分譲事業者に確認しておくことが、控除額を取りこぼさないための要点です。等級を上げる工夫は自分で建てる人の話で、分譲マンションを買う人は区分を確認する側にまわります。

ここで示した金額は、令和8年3月31日に公布された改正法(令和8年法律第12号)による令和8年から令和12年入居分のものです。なお国税庁のタックスアンサーは「令和7年4月1日現在法令等」の表示のままで、この改正がまだ反映されていない場合があります。国税庁のページと金額が食い違うときは、財務省「令和8年度 税制改正の解説」を確認してください。

出典: 国税庁 No.1211-1 住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)

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中古マンションを買う場合の住宅ローン控除

中古マンションを買う場合も住宅ローン控除は受けられますが、新築とは枠組みが変わります。

区分借入限度額(右記以外)借入限度額(子育て世帯等)控除率・期間
認定長期優良住宅・認定低炭素住宅3,500万円4,500万円0.7%・13年
ZEH水準省エネ住宅3,500万円4,500万円0.7%・13年
省エネ基準適合住宅2,000万円3,000万円0.7%・13年
その他の住宅(認定住宅等以外)2,000万円上乗せなし0.7%・10年

中古(既存住宅)も、令和8年入居分からは省エネの区分ごとに借入限度額が分かれます。控除期間が10年になるのは「その他の住宅」だけで、認定住宅等にあたれば新築と同じ13年です。「新築は13年、中古は10年」という覚え方は、令和8年入居分からは当てはまりません。

もう一つ中古で大切なのが、建築された年の要件です。昭和57年(1982年)1月1日以後に建築された住宅であれば、原則として控除の対象になります。それより古いマンションでも、耐震基準に適合していることの証明があれば対象になりえます。中古マンション選びでは、この建築年が控除を受けられるかどうかの分かれ目になります。

ここで示した金額は、令和8年3月31日に公布された改正法(令和8年法律第12号)による令和8年から令和12年入居分のものです。なお国税庁のタックスアンサーは「令和7年4月1日現在法令等」の表示のままで、この改正がまだ反映されていない場合があります。国税庁のページと金額が食い違うときは、財務省「令和8年度 税制改正の解説」を確認してください。

出典: 国税庁 No.1211-3 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)

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親からの資金援助が省エネ住宅なら最大1,000万円まで非課税

親や祖父母から住宅取得の資金援助を受けるとき、省エネ等住宅なら1,000万円まで贈与税が非課税になります。

一般の住宅だと非課税の枠は500万円ですが、省エネ等住宅なら1,000万円まで広がります。対象は令和6年1月から令和8年12月末までの贈与です。ここでの省エネ等住宅とは、断熱等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上の住宅を指し、耐震等級2以上や免震建築物、高齢者に配慮した等級を満たす住宅も含まれます。

ひとつ気をつけたいのは、この非課税の要件が、住宅ローン控除の等級区分とは別の基準で決まる点です。住宅ローン控除は認定住宅やZEH水準といった区分で判断しますが、贈与の非課税は上の要件で判断するため、頭のなかで混ぜないよう分けて考えると混乱しません。

この非課税は、自分で建てる場合に限らず、新築マンション・中古マンションを買うための資金援助でも対象になりうるものです。ただし、非課税枠が1,000万円に広がる「省エネ等住宅」に当たるかは物件で決まります。中古マンションでは省エネ等住宅の要件を満たさないこともあるため、援助を受ける前に、対象の物件がどの区分かを確認しておくと計画が立てやすくなります。

出典: 国税庁 No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税

登録免許税・不動産取得税・固定資産税も軽くなる

認定長期優良住宅と認定低炭素住宅は、取得や保有にかかる税も一般の住宅より軽くなります。これらの認定は、戸建てだけでなく分譲マンション(共同住宅)でも受けられます。

税の種類一般住宅認定長期優良住宅適用期限
登録免許税(保存登記)0.15%0.1%令和9年3月31日
登録免許税(移転登記)0.3%0.2%(マンション0.1%)令和9年3月31日
不動産取得税(控除額)1,200万円1,300万円令和13年3月31日
固定資産税(減額期間)戸建3年・マンション5年戸建5年・マンション7年令和13年3月31日

不動産取得税と固定資産税の特例は、令和8年度の税制改正で5年間(令和8年4月1日から令和13年3月31日まで)延長されました。あわせて、対象になる住宅の床面積要件の下限が原則50㎡から40㎡へ緩和され、一定のハザードエリア内にある住宅は対象外になりました。

登録免許税は登記のときの税率が下がり、認定を受けたマンションの移転登記は0.1%まで下がります。不動産取得税は、課税のもとになる額から差し引ける控除が100万円上乗せされます。この「課税のもとになる額」は売買価格ではなく、市町村が定める固定資産税評価額です。税率は住宅と土地について本則4%が3%に下げられていますが、この特例は令和9年3月31日までの取得に限られます。固定資産税は、新築後に税額が半分になる期間が、認定を受けたマンションでは5年から7年へと長くなります。

自分の物件の評価額は、固定資産税の課税明細書か固定資産評価証明書で確認できます。購入前で手元に明細がない段階では、仲介する不動産会社に確認してください(登記費用の見積りに必要なため、会社側が把握しています)。

表の戸建ての値は、戸建てを取得する人向けのものです。マンションを買う人は、表の「マンション」に当たる欄を見れば、自分に効く軽減がわかります。なお、これらの軽減は主に認定長期優良住宅と認定低炭素住宅が対象です。ZEH水準や省エネ基準適合の住宅は、これらの上乗せ軽減の対象にはならないため、同じ省エネ住宅でも税目によって対象になる等級が違う点に注意してください。

出典: 国土交通省 固定資産税・登録免許税・不動産取得税の優遇措置

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住宅ローンの優遇:フラット35の金利引下げ

省エネ住宅は、全期間固定金利の【フラット35】を使うと、当初の一定期間だけ金利が引き下げられます。引下げの大きさは住宅の性能で決まり、性能が高いほど引下げ幅が大きく、期間も長くなります。

性能に応じてフラット35Sの金利が下がる仕組み

フラット35Sは、住宅の性能に応じて当初の金利が引き下げられる仕組みです。住宅金融支援機構が示している引下げのメニューは次の3つです。

プラン引下げ幅期間
【フラット35】S(ZEH)年▲0.75%当初5年間
【フラット35】S(金利Aプラン)年▲0.5%当初5年間
【フラット35】S(金利Bプラン)年▲0.25%当初5年間

このほか、子育て世帯向けや地域連携型など、フラット35には別枠の金利引下げメニューがあり、条件を満たせば重ねられる場合があります。引下げ幅と期間は組み合わせで変わるため、自分の場合にいくら下がるかは、住宅金融支援機構の金利引下げ内容の確認ページで組み合わせを入れて確かめてください。

例えばZEH水準の住宅なら、当初5年間は金利が年0.75%下がります。金利そのものは市場の動きで毎月変わるため、ここでは引下げの「幅」で捉えておくと分かりやすくなります。全期間固定の安心感に加えて、当初の返済負担を抑えられるのが省エネ住宅の利点です。

フラット35(S)は、新築分譲マンション・中古マンションを買う場合でも使えます。ただし対象になるのは、住宅金融支援機構が定めるフラット35の技術基準に適合する物件です。新築分譲マンションがフラット35Sの水準に当たるかは分譲事業者に、中古マンションは適合証明が取れるかを確認する必要があります。すべての中古マンションで使えるわけではない点に注意してください。

なお、フラット35Sのポイントには、住宅性能のほかに、子育て世帯や地域の子育て支援・移住支援などの地域連携、長期優良住宅の維持保全といった加点もあります。これらは自分で建てる人や地方に移り住む人で効きやすく、都市部のマンションを買う人には効きにくい部分です。マンションを買う人は、まず物件がフラット35Sの性能水準に当たるかを見ておけば十分です。

出典: 住宅金融支援機構 【フラット35】S住宅金融支援機構 【フラット35】金利引下げ内容確認

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省エネ住宅の優遇を使うときの判断ポイント

3つの優遇は基本的に併用できます。ただしマンションを買う人にとって大切なのは、「等級をどこまで上げるか」ではなく、「使える優遇を取りこぼさないか」です。等級は物件で決まっているため、上げ下げの余地がないからです。

ここでは、併用の仕方と手続きの主体、そしてマンションを買う前に確認しておくことを整理します。

補助金・減税・ローン優遇は併用でき、順序と主体が決まる

3つの優遇は基本的に併用でき、使う場面と手続きの主体は、それぞれ次のように分かれます。

  • 補助金:着工前に申請することが多く、施工業者を通して手続きする
  • 住宅ローン控除:入居した翌年に、自分で確定申告して受ける
  • 贈与税の非課税:贈与を受けた翌年に、自分で申告して受ける
  • フラット35S:住宅ローンを申し込むときに、金融機関を通して手続きする

新築分譲マンションを買う場合、省エネ等級や認定は分譲事業者があらかじめ用意していることが多く、購入者が自分で動くのは、住宅ローン控除と贈与税の非課税の申告、そしてフラット35Sの申込みが中心です。控除と贈与は入居や贈与の翌年に自分で申告しないと受けられないため、この2つを忘れないことが大切です。

一方、「着工前に施工業者を通して申請する補助金」の手続きは、自分で建てる施主や注文住宅の話で、できあがった分譲マンションを買う人には基本関係ありません。なお、国の補助金は同じ工事に複数の事業から重ねて受け取れない場合があります。中古マンションのリフォームで設備補助を使うときは、どの補助を組み合わせられるかをリフォーム会社に確認しておくと安心です。

マンションを買う前に確認しておくこと

自分で家を建てる人なら、等級を上げるための建築費の増加と、得られる優遇額を見比べる判断が必要になります。数十万円の上乗せで届く等級もあれば、太陽光発電や蓄電池まで求められて数百万円かかる水準もあるためです。

ただしこれは、等級を自分で選べる注文住宅の話です。できあがった分譲マンションや中古マンションを買う人は、等級を上げ下げする余地がないため、この費用対効果の天秤は基本関係ありません。マンションを買う人にとっての判断は、優遇を取りこぼさないよう、買う前に次を確認しておくことに変わります。

  • 新築分譲マンション:省エネ区分(認定住宅・ZEH水準・省エネ基準適合のどれか)と認定の有無、住宅ローン控除の借入限度額の区分、フラット35Sの性能水準に当たるかを分譲事業者に確認する
  • 中古マンション:省エネ性能や認定・適合証明の有無、昭和57年(1982年)1月1日以後の建築か(住宅ローン控除の対象になるか)を確認する
  • 共通:親からの資金援助を受けるなら、その物件が贈与非課税の「省エネ等住宅」に当たるかを確認する

これらは、物件の資料や重要事項の説明で確認できます。優遇の合計額や資金計画への影響を具体的に試算したいときは、住宅ローンに詳しいファイナンシャルプランナーに相談すると、納得して選びやすくなります。あわせて、省エネ性能の高いマンションは光熱費が下がる分も、長い目で見れば負担の軽さにつながります。

まとめ:省エネ住宅の優遇なら、住み替えのトビラ

省エネ住宅の優遇は、補助金・減税・住宅ローンの3つに整理できます。このうちマンションを買う人にとっての本体は減税です。住宅ローン控除・贈与税の非課税・登録免許税や不動産取得税・固定資産税の軽減は、新築・中古のマンション購入でも対象になりうるためです。

一方、新築でもらえる補助金の多くは、自分で建てる/買う施主向けに設計されており、分譲マンションを買う人が直接もらう場面は多くありません。どの優遇が自分に効くのかを、買う前に切り分けておくことが、取りこぼしを防ぐことにつながります。

補助金の予算枠や税制の金額、適用期限は年度ごとに変わります。この記事の内容は2026年(令和8年度)時点のものです。実際に申請や契約を進めるときは、国土交通省や国税庁、住宅金融支援機構など、それぞれの公式の案内で最新の情報を確認してください。

住み替えを取り巻く状況は変わり続けます。住み替えのトビラは、そのときの最新の情報を正確に、わかりやすくお届けし続けます。