IESHIL(イエシル)に表示されたマンションの価格を見て、実際にもその金額で売れるのか気になっていませんか。
参考相場価格は売却を考える材料になりますが、公表されている誤差率から、自分の部屋が売れる価格の範囲を決めることはできません。
この記事では、3種類の価格の違いと誤差率の意味を整理し、表示価格から一歩進んで「自分の部屋はいくらで売れそうか」を確かめる方法と、無料面談の利用条件を説明します。
IESHILで分かる3つの価格
IESHILでは、画面に表示される参考相場価格と、アドバイザーや不動産会社が出す価格を区別して見る必要があります。
| 価格 | 誰が出すか | 利用する段階 |
|---|---|---|
| 参考相場価格 | AIの価格推定システム | サイトでマンションの相場を調べる |
| 成約妥当価格 | IESHILのアドバイザー | 申し込み・電話確認の後、無料面談を受ける |
| 不動産会社の査定価格 | 紹介先の不動産会社 | 希望して会社を紹介してもらう |
参考相場価格は、過去の契約事例などから推定した価格です。成約妥当価格は、物件の状況を聞いたアドバイザーが提示する、売却価格の見込みを指します。どちらも、買主との間で実際に決まった「成約価格」とは異なります。
イエシル査定の面談は、東京・神奈川・埼玉・千葉のマンションが対象です。サイトで相場を調べることと、電話確認のある面談を申し込むことは、別の手続きです。
出典: IESHIL「イエシル査定とは」
公表されている誤差率はどう読む?
IESHILは、参考相場価格が実際の成約価格からどの程度ずれたかを公表しています。見るべき点は、数字の大きさと、その数字をどう計算したかです。
中央値12.73%は、誤差を小さい順に並べた真ん中
誤差率の中央値は、調べた物件を誤差の小さい順に並べたときの中央の値です。IESHILが公表する2026年8月31日時点の数値は、次のとおりです。
| 対象 | 誤差率の中央値 | 誤差10%以内の物件割合 | 誤差20%以内の物件割合 |
|---|---|---|---|
| 東京23区・1980年以降築 | 12.73% | 38.45% | 72.28% |
| 1都3県・1980年以降築 | 11.63% | 43.21% | 74.52% |
たとえば東京23区では、誤差が10%以内だった物件は約4割です。すべての物件で、小さな誤差に収まったという結果ではありません。
これは表に示した条件の物件をまとめた結果です。自分の部屋の誤差が12.73%になるわけではなく、面談で出る成約妥当価格の精度を示す数字でもありません。利用する際は、自宅の所在地と築年が集計対象に含まれるかも確認しましょう。
1979年築以前を含む集計では、誤差率の中央値は東京23区13.52%、1都3県12.44%です。これは古い建物だけの精度を示す値ではありません。築年の古い自宅でも、いずれの集計値からも個別の売却価格は決められません。
なお、1980年はこの集計で使われている区分です。この表で個々の建物の耐震基準を判断することはできません。
誤差率を掛ける相手は、実際に売れた価格
公式の誤差率は、推定価格との差を、実際の成約価格で割って計算しています。
誤差率(%) = 推定価格と成約価格の差額の大きさ ÷ 成約価格 × 100
仮に、4,000万円で売れた部屋の推定価格が4,500万円だった場合、差額は500万円です。誤差率は500万円÷4,000万円×100=12.5%になります。これは式を説明する仮の例で、実際の売却事例ではありません。
画面に出た推定価格は、この式の「成約価格」ではありません。そのため、表示額に約13%を掛けて、売れる価格の上限・下限を求める使い方はできません。中央値だけでは、高くずれる場合と安くずれる場合の確率も分かりません。
公表値は、推定には誤差があると理解するために使い、自分の売却価格は物件の条件や成約事例から別に確かめる必要があります。
参考相場価格と自分の部屋に差が出る理由
参考相場価格には、部屋の設備やリフォームの有無が考慮されていないと、IESHILは説明しています。面談前に電話で状況を聞くのは、こうした情報を補うためです。
たとえば同じ面積でも、水回りを交換した部屋と、修理が必要な部屋では、買主が購入後に負担する費用が違います。表示価格だけで判断せず、工事の時期・内容や設備の状態を伝えましょう。リフォーム代がそのまま売却価格に上乗せされるわけではないため、どの程度評価されるかも確認が必要です。
また、IESHILは、部屋情報の不足が大きい物件や、周辺と比較しにくい特徴を持つ物件では、精度が下がる場合があるとしています。自宅に特別な設備や間取りがある場合は、その条件が査定に反映されているかをアドバイザーへ確認するとよいでしょう。
出典: IESHIL「イエシル査定とは」
住み替えの予算を決める前に確認すること
住み替えでは、売れそうな価格に加えて、ローン返済や費用を引いた後にいくら残るかを確認します。参考相場価格を見たら、近い条件の取引と、自分の部屋の資料を調べていきましょう。
近い条件の成約事例と比べる
比較する事例は、地域・取引時期・築年・面積が自宅に近いものを選びます。広告の「売り出し価格」は売主が希望する価格なので、実際に取引が決まった「成約価格」と分けて見ましょう。
国土交通省の不動産情報ライブラリでは、取引価格や成約価格を検索できます。ただし、個別の物件を特定できないよう加工されているため、同じマンションの同じ条件の部屋だと断定はできません。周辺の価格を知る材料として使い、自宅との違いは不動産会社に確認します。
近隣の広告価格から一律に5%を引く、といった方法では、その部屋が売れる価格は求められません。事例と自宅の条件が違う場合は、価格差の理由を聞くことが大切です。
部屋の状態と売却後に残るお金を確認する
面談や査定では、画面に出た価格に加えて、部屋の状況と売却に必要なお金を伝えます。資料があると、記憶だけで説明するよりも条件を正しく共有できます。
| 用意するもの | 確認すること |
|---|---|
| 間取り図・購入時の資料 | 面積、階、向き、部屋固有の条件 |
| リフォームの記録・設備の写真 | 工事の時期と内容、修理が必要な箇所 |
| 管理組合からの資料 | 管理費、修繕積立金、修繕予定 |
| 金融機関の返済予定表 | ローン残高と、売却時に返す額 |
売却後に残るお金は、売却代金からローンの返済額と売却費用を引いて考えます。返済額は金融機関へ、仲介手数料などの費用は不動産会社へ確認しましょう。税金が生じる場合は、その支払いも必要です。
その残額をすべて次の家の頭金に回せるとは限りません。引っ越し代や購入時の費用、売却代金を受け取る前に必要な支払いも含めて計算すると、追加で必要な現金が分かります。
イエシルの評判を見る前に、登録・面談・紹介を分ける
イエシルを使う際は、「画面で価格を見る」「アドバイザーに相談する」「不動産会社を紹介してもらう」の3段階を分けると、使い方を選びやすくなります。
会員登録で見られる情報と、査定の申込みは別
公式の無料会員案内では、全ての部屋の参考相場価格や売買履歴・将来予測、条件の絞り込みなどを会員向け機能として挙げています。登録せずに見える情報だけで、自分の部屋の情報まで確認できるとは限りません。
会員登録だけで成約妥当価格の面談を申し込んだことにはなりません。公式は、売買を迷っている人の会員登録も案内し、許可なく第三者へ登録情報を提供しないと説明しています。メール配信の希望も登録時に確認しましょう。
「連絡なし」の対象を確認する
「不動産会社からの連絡なし」と、イエシル自身からの確認電話がないことは別です。会員登録・査定面談・会社紹介のどこまで申し込むかで、連絡の相手や目的が変わります。面談前の電話確認と紹介の条件は、次の章で説明します。
評判は、どの機能を利用した話かを見る
「価格が違った」という感想なら、参考相場価格・面談での価格・実際の成約額のどれを比べたのかを確認します。「電話が来た」という話なら、会員登録だけか、査定面談や会社紹介まで申し込んだかで意味が変わります。
これは当サイトが、公式の利用手順をもとに整理した確認方法です。口コミの件数を集計して、不満の多さや原因を調査した結果ではありません。投稿時期・利用した機能・比較相手が分からない感想だけで、自分の使い方まで決めないことが大切です。
自宅の価格が気になったら、表示額の先にある根拠も確かめましょう。 価格を調べる段階から、売却を検討して面談を利用する段階へ進むときは、次の利用条件も確認してください。
無料面談を申し込む前に知っておくこと
「この価格なら売りたい」と思えるか、まず確かめてみませんか。 無料面談では、部屋の状態を踏まえた価格と、その根拠を聞けます。電話確認はありますが、不動産会社の紹介を受けるかは自分で選べます。
電話確認があり、不動産会社の紹介は任意
イエシル査定は、申し込み後にIESHILから電話があり、その後にアドバイザーとの無料面談へ進みます。公式には、確認電話で本人につながらない場合、価格の提示を控えると記載されています。
面談の後、不動産会社の紹介を受けるかどうかは自分で選べます。売却や会社紹介を検討している途中でも相談できますが、売買を検討していない人の価格算出依頼は受け付けていません。
利用者の面談費用は無料です。運営費は加盟店からの紹介料と広告収益で賄われているため、紹介された会社についても、査定の説明や対応を確認してから依頼するとよいでしょう。
出典: IESHIL「イエシル査定とは」
価格の根拠と売却期限を質問する
面談では「いくらか」だけで終わらず、どの事例からその価格を出したのかを聞くと、自分の売却計画に使える情報が増えます。
- 比較した物件は、いつ、いくらで売れたか
- 自宅の設備やリフォームは、価格にどう反映したか
- 希望する売却期限に合わせると、価格や売り方はどう変わるか
- ローン返済と費用を引くと、いくら残る見込みか
紹介をすぐに受けない場合は、その希望も伝えましょう。たとえば「価格と根拠を家族で確認したいので、会社紹介は検討後に連絡します」という伝え方があります。これは編集部が作成した文例で、連絡停止の効果を検証した実例ではありません。
電話を受けずに相場を調べる方法と、不動産会社に査定を依頼する方法は、次の記事で比較できます。売却を考えているなら、1社の価格だけで決めず、複数社の査定額と根拠を比べましょう。
まとめ:参考相場価格から売却の根拠を確かめる
IESHILの参考相場価格は、売却を考える材料です。誤差率の中央値を使って、自分の部屋の売却下限を求めることはできません。
表示価格だけで、自宅の価値を決めないことが大切です。 リフォームや設備の状態を伝え、どこが価格に反映されるのかを確かめましょう。売却を判断する材料が増えます。
売却を考え始めたら、まずは今の自宅の価格を確かめましょう。 IESHILの無料面談で価格の根拠を聞く方法も、不動産会社の査定を比べる方法もあります。売るかどうかは、その結果を見て判断できます。
住み替えのトビラ 
