HOME4Uマンションプライスは、マンション名を入れるだけで、その棟の推定相場価格が「6,770万円〜7,117万円」のように幅で表示されるサービスです。登録は要らず、無料で使えます。
ただ、この幅がどこから来た数字なのか、同じ棟の成約期間をどう読むのかが分からないまま、次の家の予算に当てはめると足をすくわれます。公式は成約期間について「過去の売り出し情報より、HOME4U独自のロジックで算出しています」と注記しています。相場も成約期間も、材料は売り出し側です。上は表示された幅で押さえ、下は公的な成約事例で作り直し、手残り額のシミュレーションで住み替え(買い替え)の予算に落とす。この順番なら、登録なしのまま売る値段と売る時期に根拠が持てます。
この記事では、マンションプライスで確認できる範囲、相場がずれる理由、住み替えの判断に使うコツ、一括査定に進む前の注意点、載っていないマンションの代わりの手段を順に説明します。
HOME4Uマンションプライスで確認できる範囲
HOME4Uマンションプライスは、株式会社NTTデータ・ウィズが運営し、2022年3月8日に始まったサービスです。開始時は全国14万棟以上でしたが、公式は現在「全国に存在する15万棟以上のマンションデータを取得し、マンションやエリア毎の、相場価格、販売価格の推移がわかります」と説明しています。
他のAI査定が「自分の部屋の推定価格」を1つ出す道具だとすると、マンションプライスは棟単位のデータベースです。使う段階は3つあり、不動産会社が関わる線がどこにあるかを先に整理します。
| 段階 | 見られる情報 | 入力 | 不動産会社に渡る情報 | 連絡 |
|---|---|---|---|---|
| 登録なし | 棟の推定相場価格(幅)・㎡単価の推移・売り出し中物件・成約期間別割合・口コミ件数・手残り額のシミュレーション | マンション名 | なし | なし |
| 無料会員登録 | 専有面積・階数・方角を指定した条件別の相場価格・過去の売り出し事例・デメリットの口コミ・相場変動と新規売り出しのメール通知 | メールアドレス | なし | 通知メールのみ |
| 一括査定 | 最大6社の査定価格 | 物件情報・氏名・連絡先 | 依頼した会社に渡る | 依頼した会社から |
マンション名だけで表示される棟の推定相場価格と㎡単価
検索欄にマンション名を入れると、その棟の推定相場価格と価格推移がすぐに表示されます。登録は要りません。
大事なのは、表示されるのが1つの金額ではなく幅だという点です。公式の物件ページでは、ある棟の推定相場価格が「6,770万円〜7,117万円」と2つの数字で示され、その上に「70㎡ /4階 /北西向き の例」と条件が添えられています。つまり最初から、条件を1つ仮に置いた場合の上と下が出ています。
㎡単価は、価格推移の形で年平均が並びます。同じ物件ページには、その棟の平均価格推移が「3年前に比べて 21.6万円アップ(+33.6%)」、町丁目の平均価格推移が「3年前に比べて 4万円アップ(+6.3%)」といった形で、棟と周辺エリアの2本立てで出ます。棟が周辺より伸びているのか、周辺並みなのかが、この2本の差で分かります。
ここに載っている物件情報、売り出し事例、売買価格、口コミのデータは、公式によると「マンションレビュー」から提供されています。
HOME4Uマンションプライスに掲載されている、「物件情報」、「売り出し事例」、「売買価格」、「相場価格に近いエリア」、「マンションの口コミ」のコンテンツ・データは「マンションレビュー」より提供を受けています。
マンションプライスは、そのデータをHOME4Uの画面で見やすくまとめ、成約期間と手残り額の試算を足したものだと考えると分かりやすくなります。
出典: HOME4U マンションプライス「マンション売却・相場価格・一括査定」
出典: HOME4U「マンション売却に特化した『HOME4U マンションプライス』開始」
マンション名と基本情報だけで価格が出る査定は、ほかにもあります。届く数字の性格の違いは、別の記事で整理しています。
同じ棟の売り出し中物件と成約期間
マンションプライスの特徴は、同じ棟でいま売りに出ている部屋と、その棟の成約までの期間が見られる点です。
| 情報 | 画面での出方 | 住み替えでの使い道 |
|---|---|---|
| 売り出し中物件 | 「販売中の物件数」と各部屋の価格・間取り。売り出しがなければ「ただいま売り出し中物件はございません」と出る | 自分の売り出し価格の上限 |
| 成約期間別割合 | 〜30日/〜60日/〜90日/〜120日/〜180日/180日〜の6区分の割合と、90日以内の割合、その根拠になったデータ件数 | 売り先行か買い先行かの判断 |
成約期間が平均値ではなく割合の分布で出るところが要点です。公式の物件ページの例では、その棟の「売却成約期間が90日以内の割合は 49%(データ件数:35件)」と表示され、すぐ下に同じエリアの割合とデータ件数(9,924件)が並びます。自分の棟が周辺より早いのか遅いのかを、同じ画面で比べられます。
過去の売り出し事例そのものは、会員登録をしてから見る形です。物件ページには「114件の売り出し事例を見る」というリンクがあり、そこに「売り出し事例の確認は無料会員登録が必要です」と添えられています。いま売りに出ている部屋は登録なしで見られ、過去の履歴は登録してから見る、という線引きです。
出典: HOME4U マンションプライス「マンション個別ページ(表示例)」
無料会員登録で使える相場シミュレーションと通知
無料の会員登録をすると、3つの情報が増えます。1つ目は、条件を指定した相場価格です。物件ページの相場価格シミュレーションには専有面積・階数・主要採光(東西南北と北東・北西・南東・南西)の選択肢が並び、公式は「HOME4U会員登録で条件別の相場価格を確認できます」と書いています。登録なしの状態では、代表的な1条件の例が表示されるだけです。
2つ目は過去の売り出し事例と、棟のデメリットの口コミです。公式は会員登録のメリットとして「過去の売り出し情報や、マンションに対するデメリットの口コミ、相場価格シミュレーションなど、会員限定の情報や機能が利用できます」と説明しています。自分の棟が買い手からどこを弱点と見られているかを、売り出す前に読めます。
3つ目はメール通知です。公式は「マンションをお気に入り・オーナー登録すると新しい売り出し物件や、最新の相場情報をメールで受け取ることができる」と書いています。登録したマンションで新しく売り出しが出たとき、相場が動いたときに知らせが届きます。
会員登録の段階で不動産会社に渡る情報はゼロです。公式コラムも「登録は無料で、個人情報が不動産会社に渡ることはないので、営業電話がかかってくることはありません」と書いています。会社が関わるのは、一括査定を申し込んでからです。
出典: HOME4U マンションプライス「マンション売却・相場価格・一括査定」
出典: HOME4U「自宅のマンションの売却相場を調べるには?マンション名から、すぐ検索できる裏ワザ」
HOME4Uマンションプライスの相場がずれる理由
表示された推定相場価格と、不動産会社の査定額や実際の売却価格が違うことは、よくあります。これは仕組みから来る自然なずれです。原因は大きく4つあります。
- 算出のロジックが公開されていない
- 材料が売り出し事例なので、成約価格とは別の水準になる
- 室内の状態とリフォームが、条件別の相場にも入らない
- 事例の少ない棟では、推移と成約期間が数件で動く
算出方法が公開されていない前提
最初に押さえておきたいのは、推定相場価格と成約期間がどう計算されているか、公式が中身を説明していない点です。公式が書いているのは、独自のロジックを使っている事実までです。
(※1)売却成約期間は、あくまで参考データとなります。過去の売り出し情報より、HOME4U独自のロジックで算出しています。また、売り出し価格の設定により、成約までの期間が大きく変わる可能性があります。
成約期間別割合の下にも「※売り出し物件データなどを元に独自のロジックで算出しています。」という注記が置かれています。AIなのか統計なのか、誤差がどのくらいかは書かれていません。
だから、マンションプライスの数字は「信じる・信じない」で判断する代わりに、材料が何かを見て使い道を決めます。公式が書いた材料は、売り出し情報です。
出典: HOME4U マンションプライス「マンション個別ページ(表示例)」
AI査定の数字がどこまで当たるのかという考え方は、別の記事で整理しています。
売り出し事例をもとにした相場が高めに寄る余地
売り出し価格と成約価格が別物であることは、公式が自分で注記しています。物件ページの売り出し事例の下に、こう書かれています。
売り出し事例は、現在売り出し中のマンションも含まれます。売り出し価格は、実際に売買された価格とは異なる場合があります。
売り出し価格は、いくらで売りに出したかの記録です。値下げ交渉の余地を見込んで高めに設定されるのが通常で、売れ残っている部屋の価格もそのまま含まれます。成約期間も「過去の売り出し情報より」算出されたものなので、同じ材料から作られています。
住み替えの予算を組む立場としては、表示された幅を高めに寄った数字として扱う方が安全です。下限は、公的な成約事例で自分で作ります。
出典: HOME4U マンションプライス「マンション個別ページ(表示例)」
室内の状態とリフォームが条件別の相場に入らない仕組み
会員登録をすると、専有面積・階数・主要採光の3つは指定できます。同じ棟でも、1階と最上階、北向きと南向きで違う相場価格が出ます。ここまでは棟の平均より一歩踏み込んだ数字です。
入らないのは、その先です。室内の状態、リフォームやリノベーションの履歴、角部屋かどうか、眺望が抜けているか、水回りの交換時期。相場価格シミュレーションの選択肢に、これらの入力欄はありません。こうした条件は、実際の売却価格を数百万円動かすことがあります。
裏を返せば、部屋の強みは相場価格の外にあります。不動産会社に査定を頼むときに自分で伝える余地が、ここに残っています。
出典: HOME4U マンションプライス「マンション個別ページ(表示例)」
事例の少ない棟で推移と成約期間がぶれる原因
価格の推移や成約期間は、その棟で過去に売り出された部屋の記録から作られます。マンションプライスは、その記録が何件あったかを画面に出します。成約期間別割合には「データ件数」が併記され、公式の物件ページの例では棟が35件、同じエリアが9,924件でした。
35件の棟で1件だけ長く売れ残った部屋があれば、90日以内の割合は数ポイント動きます。総戸数が少ない棟や、売買がめったにない棟では、この動きがもっと大きくなります。エリア側の件数は桁が違うので、棟の割合が信用できるかどうかは、エリアの割合と並べて見当をつけられます。
自分の棟のデータ件数が二桁前半なら、推移と成約期間は参考にとどめ、公的な成約事例とAI査定で補います。
出典: HOME4U マンションプライス「マンション個別ページ(表示例)」
HOME4Uマンションプライスを住み替えの判断に使うコツ
住み替えでは、売却額が次の家の購入予算、住宅ローンの残債の返済、諸費用の原資になります。マンションプライスの相場・売り出し事例・成約期間・通知を、この判断に使う手順は5つです。
- 同じ棟の売り出し中物件を、売り出し価格の上限として読む
- 公的な成約事例で下限を作り、手残り額のシミュレーションに入れる
- 90日以内の割合から、売り先行か買い先行かを決める
- 通知を、同じ棟に競合が出た合図として使う
- 買い替え先の候補も、棟の相場で値付けを確かめる
同じ棟の売り出し事例を売り出し価格の上限として読む
同じ棟で売りに出ている部屋の価格は、自分の部屋を売り出すときの上限の目安です。買い手は同じ棟の部屋を横に並べて見るので、競合より高く出せば売れにくく、低く出せば早く売れます。
同じ広さの部屋が4,500万円で出ているなら、自分の部屋の売り出し価格は4,500万円前後が上限になります。競合が長く売り出しに残っているなら、その価格では買い手がつきにくい、という情報でもあります。
売り出し中の部屋が1つもない棟もあります。その場合は会員登録をして、過去の売り出し事例で同じ広さ・同じ向きの部屋がいくらで出ていたかをたどります。表示された推定相場価格の上端も、同じ役割の数字として使えます。
ここで押さえておくのは1つです。売り出し価格は、売れた価格とは別物です。上限を決める材料であって、予算を組む材料とは分けて考えます。
出典: HOME4U マンションプライス「マンション個別ページ(表示例)」
公的な成約事例で相場の下限を作る
予算を組む材料は、実際に売れた価格です。
| 材料 | 提供元 | 分かること |
|---|---|---|
| 不動産情報ライブラリ | 国土交通省 | 地域・築年・面積帯ごとの成約価格 |
| レインズマーケットインフォメーション | 不動産流通機構 | 直近の成約価格の分布 |
どちらも無料で、登録なしで見られます。マンション名は伏せられていますが、自分の部屋に近い条件の成約価格が分かります。
下限が決まったら、マンションプライスの物件ページにある売却時の手残り金額シミュレーションに入れます。公式はこの機能を「売却希望価格や、売却価格の下限値の検討にご利用ください」と説明していて、売却価格とローン残債を入れると諸経費と手元に残る金額が出ます。諸経費の内訳として画面に示されているのは、仲介手数料(物件価格×3%+6万円+消費税)、売買契約書印紙代1万円、抵当権抹消費用5万円の3つです。
同じ棟の売り出し4,500万円・近い条件の成約事例4,100万円・ローン残債3,000万円の場合(金額はすべて仮の値です)
下限の4,100万円で計算します。仲介手数料は4,100万円×3%+6万円=129万円、消費税10%を加えて141.9万円。印紙代1万円と抵当権抹消費用5万円を足した諸経費は147.9万円です。手元に残るのは4,100万円−3,000万円−147.9万円=952.1万円になります。
上限の4,500万円で計算すると、仲介手数料は141万円、消費税込みで155.1万円。諸経費161.1万円を引いて、手元に残るのは1,338.9万円です。上限と下限の差は386.8万円で、住み替えの頭金がこの幅だけ動きます。
住み替えの予算は952.1万円で組みます。1,338.9万円で組むと、下振れしたときに次の家の頭金が足りなくなります。
自分の数字に置き換えるときは、売却価格の欄に公的な成約事例で作った下限を、残債の欄に住宅ローンの残高を入れます。残債の実額は、金融機関から届く残高証明書または返済予定表で確かめます。売却益が出た場合は税金が別にかかるので、この試算はその前の金額です。
表示された推定相場価格の幅が、上限と下限のどこにあるかも見ておきます。上端寄りなら、売り出し事例の影響が強く出ていると分かります。
出典: HOME4U マンションプライス「マンション個別ページ(表示例)」
出典: 不動産流通機構「レインズマーケットインフォメーション」
成約期間から売り先行か買い先行かを決める
成約期間は、住み替えのスケジュールを決める材料です。住み替えには、先に売って資金を確定させてから買う「売り先行」と、先に買ってから売る「買い先行」があります。
平均何か月という数字は表示されないので、90日以内の割合を読みます。
| 見る数字 | 公式の物件ページでの例 | 住み替えでの読み方 |
|---|---|---|
| 棟の90日以内の割合 | 49%(データ件数35件) | 半分は3か月以内に決まる棟。売り先行なら計画が立つ |
| 同じエリアの90日以内の割合 | 49%(データ件数9,924件) | 棟とエリアが同じ水準なら、棟の事情による遅れは小さい |
| 6区分の分布 | 〜30日/〜60日/〜90日/〜120日/〜180日/180日〜 | 180日〜が厚い棟は、売り先行で資金を確定させてから買う |
棟の割合がエリアより低い棟は、周辺より売れるまでに時間がかかっています。この場合は売り先行を選び、資金が確定してから次の家を決めます。棟の割合がエリアより高く、180日〜の区分が薄いなら、買い先行も現実的な選択肢になります。
数字は棟ごとの実測ではなく、売り出し情報から算出された参考値です。公式も「売り出し価格の設定により、成約までの期間が大きく変わる可能性があります」と添えています。高く出せば長引き、相場に寄せれば短くなる、という前提で読みます。成約のあとに引き渡しまでの手続きが続くので、次の家の引き渡し日から逆算するときは、その分の余裕も見ておきます。
出典: HOME4U マンションプライス「マンション個別ページ(表示例)」
通知を同じ棟に競合が出た合図として使う
会員登録で受け取れる通知は、「同じ棟に新しい売り出しが出た」「相場が動いた」を知らせてくれます。この通知を、売り出しのタイミングを決める合図として使います。
同じ棟に新しい売り出しが出たら、選択肢は2つです。競合より先に出して買い手を取りに行くか、競合が売れるのを待ってから出すか。競合の価格が自分の想定より高ければ、待つ間に上限の目安が上がる可能性もあります。
相場変動の通知は、上昇が止まった局面を知る材料になります。数か月分の通知を並べれば、売り出しを急ぐか、待てるかが見えてきます。買いたいマンションを登録しておけば、そちらの売り出しも同じ通知で追えます。
出典: HOME4U「自宅のマンションの売却相場を調べるには?マンション名から、すぐ検索できる裏ワザ」
買い替え先の候補も棟の相場で値付けを確かめる
マンションプライスは、自分のマンションに加えて、買いたいマンションの棟も見られます。全国15万棟以上が対象なので、買い替え先の候補の棟名を入れれば、その棟の推定相場価格、売り出し中の他の部屋、成約期間別割合、価格推移が分かります。
候補の部屋の売り出し価格が、表示された推定相場価格の上端より高ければ、強気の値付けです。同じ棟の他の売り出しより高ければ、値引き交渉を持ちかける根拠になります。90日以内の割合が低い棟なら、売主が長く待たされている可能性もあります。
住み替えは「売る」と「買う」の両方で価格の判断が必要です。同じ画面で両方の棟を見られるところが、棟単位のデータベースならではの使い道です。
出典: HOME4U マンションプライス「マンション売却・相場価格・一括査定」
HOME4Uマンションプライスから一括査定に進む前の注意点
相場と売り出し事例で幅を作ったら、次は不動産会社の査定です。マンションプライスからは、HOME4Uの一括査定にそのまま進めます。進む前に知っておきたい点は4つです。
- 会員登録と一括査定で、不動産会社に渡る情報の線引き
- 依頼した会社から、確認の連絡が来る前提
- 依頼する会社を2〜3社に絞る基準
- 依頼時に伝えておく条件
会員登録と一括査定で不動産会社に渡る情報の線引き
会員登録の段階で不動産会社に渡る情報はゼロです。公式コラムはオーナー登録についてこう書いています。
登録は無料で、個人情報が不動産会社に渡ることはないので、営業電話がかかってくることはありません。
一括査定を申し込んで初めて、物件情報と氏名・連絡先が、依頼した会社に渡ります。相場を調べる段階と、会社に連絡先を渡す段階は、はっきり分かれています。まだ売ると決めていないなら、会員登録と通知までで止めておけば、会社からの連絡はゼロのままです。
出典: HOME4U「自宅のマンションの売却相場を調べるには?マンション名から、すぐ検索できる裏ワザ」
依頼した会社から確認の連絡が来る前提
HOME4Uの一括査定は、2001年11月に始まった日本初のインターネット不動産一括査定サービスで、累計の売却査定数は75万件、提携するのは全国約2,500社です。査定依頼は最大6社まで出せます。連絡について、公式は2つのことを書いています。
もちろん依頼した会社以外からの連絡は一切ありません
より正確な査定を行うために、査定結果の連絡の前に、不動産会社から確認の連絡が入る場合があります
依頼していない会社からの連絡は仕組みの上で起こりませんが、依頼した会社からは、査定額を出す前に電話やメールで確認が入る前提です。6社に依頼すれば、最大6社から連絡が来ます。
これは営業というより、査定の精度を上げるための確認です。ただ、6社分の対応は時間を取られるので、社数は自分で絞ります。
出典: HOME4U「不動産一括査定・不動産売却ならHOME4U」
まだ売ると決めていない段階で査定だけを受け取りたいときの進め方は、別の記事でまとめています。
依頼する会社を2〜3社に絞る基準
依頼する会社は、6社全部ではなく2〜3社に絞ります。マンションプライスの画面に不動産会社の社名は出ないので、絞る材料は会社側ではなく、自分が読み取った棟の数字です。
2つ目が要点です。「この棟は90日以内に決まった割合が49%で、周辺エリアと同じ水準でした。御社ならどう見ますか」と聞けば、その棟を知っている会社かどうかが返答で分かります。棟の事情を知らない会社は、エリアの一般論しか返せません。
査定額の高さより、根拠を説明できるかで会社を見るのは、他の査定と同じです。何社に依頼するかの考え方は、別の記事で詳しく書いています。
依頼時に伝えておく条件
一括査定を申し込むときは、自分の状況と希望を先に伝えておくと、確認の連絡が短く済みます。申込フォームに要望を書ける欄があればそこへ入れ、無ければ最初の返信でそのまま伝えます。
最初に伝える内容の文例
「住み替えを検討中で、時期は未定です。まずはメールで、査定の根拠となる事例を添えて机上査定をお願いします。訪問査定は会社を絞ってから依頼します」
こう伝えておけば、最初の連絡がメールで、根拠つきで来る可能性が高くなります。訪問査定は、机上査定の説明に納得した1〜2社にだけ頼めば足ります。室内の状態やリフォームの履歴が価格に乗るのは、この訪問査定からです。
HOME4Uマンションプライスに載っていないマンションと代わりの選択肢
15万棟以上といっても、全棟ではありません。載っていない、または事例が少ない場合は、別の手段で幅を作ります。
掲載のない棟と事例の少ない棟
総戸数の少ないマンション、地方のマンション、築年数の古いマンションは、載っていないか、載っていても材料が薄いことがあります。材料が薄い棟は、画面の出方で見分けられます。
- 売り出し中物件の欄に「ただいま売り出し中物件はございません」と出て、販売中の物件数が空欄になっている
- 成約期間別割合のデータ件数が二桁前半にとどまる
- 価格推移の比較期間が短く、棟とエリアの動きが大きく食い違う
このどれかに当てはまる棟で作れるのは、エリア単位の相場までです。棟の数字が薄いときは、次の2つの手段で補います。
出典: HOME4U マンションプライス「マンション個別ページ(表示例)」
部屋単位のAI査定で補う
棟単位のデータが薄くても、部屋単位で推定価格を出すAI査定なら、住所と部屋の条件から価格が出ます。マンションプライスとは材料の集め方が違うので、載っていない棟でも数字が出ることがあります。
サービスによって、使っているデータも公開している情報も違います。査定額と成約価格の誤差率を公開しているサービスなら、1つの査定額からでも自分で価格の幅を作れます。
AI査定のサービスごとの違いは、別の記事で比べています。
公的な成約事例と机上査定で補う
もう1つは、公的な成約事例と、絞った会社の机上査定です。不動産情報ライブラリとレインズマーケットインフォメーションで近い条件の成約価格を確認し、そのうえで地元の会社2〜3社に机上査定を頼みます。
1社だけの査定は高くも低くも寄るので、複数で見ます。事例の少ない棟ほど、その棟や近隣で実際に売った経験のある会社の机上査定が、AIの数字より実勢に近いことがあります。
出典: 不動産流通機構「レインズマーケットインフォメーション」
匿名で相場を知る方法の全体は、別の記事にまとめています。
まとめ:上限は表示された幅、下限は公的な成約事例で作り直す
マンションプライスに出る推定相場価格も成約期間別割合も、材料は売り出し情報です。公式が「過去の売り出し情報より、HOME4U独自のロジックで算出しています」と書き、「売り出し価格は、実際に売買された価格とは異なる場合があります」とも書いています。表示された幅は売る側が付けた値札の集まりなので、住み替えの予算はその幅の上端では組めません。
次の一歩は、国土交通省の不動産情報ライブラリと不動産流通機構のレインズマーケットインフォメーションで、自分の部屋に近い条件の成約価格を数件そろえることです。そこで作った下限を、マンションプライスの手残り金額シミュレーションに入れれば、諸経費を引いた後に手元へ残る金額が出ます。この裏取りを飛ばして表示された幅の上端で予算を組むと、売却が下振れしたときに次の家の頭金が足りなくなります。
そのうえで、90日以内の割合をエリアの割合と並べて売り先行か買い先行かを決め、通知で同じ棟の競合を見張り、一括査定は2〜3社に絞って進めます。住み替えのトビラでは、棟単位の相場データの読み方も含めて、住み替えで悩むあなたに信頼できる情報を提供しています。
住み替えのトビラ 
