マンション売却期間はどのくらい?平均と日程の立て方

マンション売却の期間は平均82.5日|レインズ登録から成約までと前後の流れ

マンションを売って住み替え(買い替え)を考えるとき、いつ売却を始めれば引っ越しに間に合うのか、気になる方もいるでしょう。

売却にかかる期間は、買主が決まるまでの時間に、売り出す準備や契約後の手続きを加えて考えると、予定を立てやすくなります。

この記事では、マンション売却の平均期間とその数え方を確かめながら、自宅の売却日程の立て方や、予定より長引いたときの見直し方を紹介します。

マンション売却の平均期間と全体の目安

マンションの売却は、数カ月単位で予定を考える必要があります。まず成約までの統計を確認し、その前後にかかる時間を加えて、引き渡しまでの予定を組みましょう。

成約までの平均は統計の集計方法で異なる

首都圏の中古マンションには、レインズ登録から成約まで平均82.6日、約3カ月という統計があります。東日本不動産流通機構が、2025年度、つまり2025年4月から2026年3月までを集計した結果です。レインズは不動産会社が物件情報を共有するシステムで、ここでの成約は売買契約の成立を指します。

一方、東京カンテイの調査では、2025年下期の首都圏の中古マンションは、売り出しから成約まで平均4.48カ月でした。同じ「売却期間」でも、調査によって集める事例や数え始める日が異なります。

調査機関集計期間期間の数え方平均
東日本不動産流通機構2025年度レインズ登録から成約まで82.6日
東京カンテイ2025年下期最初の売り出しから成約まで4.48カ月

東京カンテイは、同じ住戸と特定できる売り出し事例と取引事例を照合し、売り出しから12カ月以内に成約した組み合わせを分析しています。いずれも対象となった成約事例の平均なので、自宅の予定を考える際には、地域や物件条件が近い事例の期間も確認する必要があります。

なお、東日本不動産流通機構の「2025年」の平均は82.5日です。こちらは1月から12月までの集計で、「2025年度」と集計期間が異なります。

出典: 東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2025年度)」9ページ、同「2025年」9ページ、東京カンテイ「中古マンションの価格乖離率&売却期間(首都圏)」

準備と契約後の手続きにも時間がかかる

引き渡しまでの全期間は、売却の準備期間+買主を探す期間+契約後の手続き期間で考えます。不動産会社を選ぶ時間や、契約後に引っ越しを済ませる時間も予定に含めましょう。

東京都の「不動産取引の手引き」では、一般的な売買契約は契約時に手付金を受け取り、数週間から数カ月後に残代金の決済と引き渡しを行うと説明しています。売買契約が成立した後も、まとまった代金を受け取るまでには時間があります。

例えば、準備に1カ月、買主探しに3カ月、契約後に2カ月を取る計画なら、全体は6カ月です。これは日程の計算方法を示す仮定の例です。自宅の予定は、不動産会社や金融機関に必要期間を確かめ、売却が長引く場合の余裕も加えて決めます。

出典: 東京都住宅政策本部「不動産取引の手引き 9 残金支払(決済)と引渡し」

マンション売却の流れと期間の内訳

売却の準備、買主探し、契約後の手続きでは、時間がかかる理由が異なります。予定を立てるときは、それぞれの段階で誰に日程を確認するかも決めておくと、準備を進めやすくなります。

段階期間が変わる主な理由日程の確認先
売り出しまでの準備査定の訪問日、会社選び、資料の取得不動産会社、管理会社
買主探しから契約問い合わせ、内覧、購入条件の交渉仲介を頼んだ不動産会社
契約から引き渡しローン手続き、登記の準備、引っ越し不動産会社、金融機関、司法書士

査定・不動産会社選び・売り出し準備

売り出すまでの準備期間は、査定の訪問日や資料の取得日程、依頼先を決めるまでの時間によって変わります。査定額を比較したうえで、不動産会社に売却の仲介を頼む「媒介契約」を結び、売り出し価格や広告の写真を用意します。

この間に、購入時の資料や、管理費・修繕積立金、長期修繕計画が分かる書類も探しておくとよいでしょう。長期修繕計画は、建物の修繕をいつ行い、どの程度の費用を見込むかをまとめた計画です。管理に関する情報は、購入後の負担を考える買主にとっても必要になります。

手元にある資料を担当者に伝え、追加で取り寄せる資料と取得までの日数を確認しましょう。室内の片付けや写真撮影の準備を並行して進めると、資料がそろった後の売り出しが円滑になります。

出典: 東京都住宅政策本部「不動産取引の手引き 1 不動産を売るときのポイント」、国土交通省「マンション管理」

買主探し・内覧・売買契約

買主を探す段階では、購入希望者の反応によって売却期間が変わります。広告を見た人から問い合わせが入り、実際に部屋を見る内覧を経て、購入の申し込みや条件交渉へ進みます。

購入希望者が現れたら、売却価格に加えて、引き渡し時期や残す設備などを話し合います。申し込みを受けた段階では条件の調整が続いており、売買契約の締結まで日程を取っておく必要があります。

住みながら売る場合は、内覧に対応できる曜日や時間帯を担当者へ伝えておきましょう。希望を受けるたびに家族の予定を調整するより、候補日時を用意しておく方が案内を進めやすくなります。価格や引き渡し日についても、どこまで相談できるかを家族で話し合っておくと、申し込み後の返答が円滑です。

出典: 東京都住宅政策本部「不動産取引の手引き 1 不動産を売るときのポイント」

ローン手続き・引っ越し・決済と引き渡し

売買契約後は、買主の住宅ローン手続きや、売主の引っ越し、登記の準備を進めます。残代金を受け取る決済日と、部屋や鍵を渡す引き渡し日は、契約を結ぶ前に双方の準備に必要な期間を確認し、契約で決めます。

売主に住宅ローンが残っている場合は、金融機関へ完済の手続きを確認し、司法書士と抵当権を消す登記の準備を進めます。抵当権は、返済が滞った際に金融機関が住宅を売って貸したお金を回収するための権利です。

登記の書類がそろわなければ、決済が延期になる場合があります。契約を結ぶ前に金融機関と司法書士に必要な日数を確認し、合意した日程に合わせて引っ越しを手配しましょう。

出典: 東京都住宅政策本部「不動産取引の手引き 9 残金支払(決済)と引渡し」

住み替えの日程に合わせた売却の始め方

住み替えでは、売却代金を受け取る日と、今のマンションを退去する日が、新居の支払いや入居の予定に関わります。希望する日付を先に並べ、自宅の販売期間を確かめてから、売却の着手日を考えましょう。

売却代金が必要な日と退去できる日を決める

まず、新居の代金をいつ支払うかと、今のマンションからいつ退去できるかを別々に確認します。売却代金を新居の購入に使う場合は、売却の決済日が新居の支払日に間に合う必要があります。

先に今のマンションを売る「売り先行」では、売却額が決まってから新居の購入予算を考えられます。ただし、新居への入居が引き渡しより後になる場合は、仮住まいと、その費用を予定に加えます。

先に新居を買う「買い先行」では、売却代金を受け取る前の支払資金を用意できるかが判断の中心です。新旧の住居費が重なる期間も確認しましょう。新居の完成後に退去する予定なら、その時期を不動産会社へ早めに伝え、買主に提示する引き渡し条件へ反映させます。

自宅に近い成約事例で販売期間を確かめる

自宅の販売期間を考える際は、同じマンションや近隣で、広さや築年数が近い物件の成約事例を担当者に確認しましょう。売れた価格と、売り出しから契約までの期間を一緒に見ると、どの条件で売れたのかを検討できます。

あわせて、今売り出されている競合物件の価格や件数も確認します。同じマンション内に似た部屋が複数あれば、買主は階数、室内の状態、価格などを比較できます。築年数だけから期間を決めず、管理費・修繕積立金など購入後の負担も含め、自宅がどう比較されるかを担当者と話し合うとよいでしょう。

事例の日数を聞くときは、最初の売り出しから数えたのか、レインズへの登録から数えたのかも確認します。数え方がそろった事例を参考に、自宅の価格設定でどの程度の期間を予定するかを相談します。

引き渡し希望日から売却の着手日を逆算する

売却に着手する日は、引き渡し希望日から、契約後の手続き、買主探し、売り出し準備にかかる期間を引いて考えます。売却が長引いた場合に備える余裕期間も、別に加えます。

例えば、2027年3月末に引き渡すと仮定し、準備に1カ月、買主探しに3カ月、契約後に2カ月を取ると、次の日程になります。各期間は計算方法を示すための仮定で、統計の平均や売却の約束とは区別して考えましょう。

予定する段階仮の時期
査定や会社選びに着手2026年9月末
売り出し開始2026年10月末
売買契約2027年1月末
決済・引き渡し2027年3月末

この例では、1カ月+3カ月+2カ月で6カ月を使い、余裕期間はゼロです。買主探しが延びても対応できるようにするなら、その分だけ着手を早めます。

自分の日程へ置き換えるときは、次の式で考えられます。

着手日=引き渡し希望日−契約後の期間−買主探しの期間−準備期間−確保したい余裕期間

各期間は担当者や金融機関に確認した日数を使います。また、新居の支払日が売却の決済より早ければ、別に支払資金を用意するか、売却の入金日や新居の支払日を調整できるかを確認する必要があります。退去の予定と資金の予定を両方並べて、日程を決めましょう。

売却が長引いたときの見直し方

売り出しから時間がたっている場合は、問い合わせ、内覧、申し込みのどこで止まっているかを確認します。経過した月数に加えて、買主の反応と引き渡し希望日までの余裕を見ながら、見直す対象を決めましょう。

問い合わせが少ないとき

問い合わせが少ない場合は、広告の掲載状況と内容、周辺の売り出し物件に対する価格を確認します。担当者には、どの媒体に掲載し、閲覧や問い合わせがどう推移しているかを説明してもらうとよいでしょう。

写真に室内の明るさや広さが伝わっているか、間取りや管理費などの情報がそろっているかを、実際の広告で確かめます。他の不動産会社から購入希望者を紹介してもらえる状態かも、確認する項目です。

広告の情報がそろっていても反応が乏しいなら、似た物件と価格や条件を比較します。購入希望者が自宅を選ぶ理由が価格に見合っているかを担当者と検討し、販売を続けられる期間に合わせて、価格の変更も相談しましょう。

内覧があっても申し込みに進まないとき

内覧後に申し込みが続かない場合は、購入を見送った理由を担当者に聞き、どの条件が合わなかったのかを確かめます。価格のほか、室内の状態、管理費などの毎月の負担、引き渡し時期が理由になる場合もあります。

例えば、写真より暗く感じたという反応なら、内覧時の照明や案内する時間帯を見直せます。修繕積立金の負担を気にしている人には、現在の金額に加え、変更予定など、確認できる管理情報を伝えることが大切です。

大きな工事を考える前には、どの不満が購入判断に関わったのか、得られた反応を担当者と整理しましょう。費用をかけて直すか、現状を説明して価格で調整するかを比較してから決めると、売却のために使う時間と費用を検討できます。

出典: 国土交通省「マンション管理」

申し込み後の条件調整が止まっているとき

申し込み後に進展がない場合は、価格、住宅ローン、引き渡し日、残す設備など、どの条件の確認を待っているのかを担当者に聞きます。未合意の条件と返答予定日が分かれば、売主として返答する内容も整理できます。

例えば、価格は合っていても、買主が希望する入居日と売主の退去日が合わず、契約日を決められない場合があります。双方が調整できる日付を担当者に伝え、合意できる予定を探しましょう。

すでに売買契約を結んでいて、融資や引き渡しの予定が遅れている場合は、契約書で約束した期限や条件の確認が必要です。契約を続けるか解除するかに関わる判断は、不動産会社の宅地建物取引士に契約内容を説明してもらったうえで進めます。

売却期限が迫ったときの選択肢

引き渡し希望日までの余裕が小さくなったら、売却価格と入金日の両方を比較して、売り方を考えます。仲介を続ける場合も買取を利用する場合も、手元に残る金額で住み替えを進められるかを確認しましょう。

価格を見直して仲介での売却を続ける

仲介で買主を探し続けるなら、売り出し価格を見直し、購入を検討する人を増やす方法があります。希望する価格を維持するか、期限を優先して価格を調整するかを、残りの日程と反響から考えます。

値下げを決める際は、売却額から住宅ローンの残債や仲介手数料などの費用を引き、新居に使える資金を計算し直しましょう。自己資金や新居の住宅ローンと合わせて、購入に必要な金額を用意できるかを確認します。売却代金から充てる予定だった金額に手取りが届かない場合は、売り出し価格と住み替え予算を一緒に見直す必要があります。

価格を変えた後も、買主探しと契約後の手続きに時間がかかります。担当者と反響を確認する日を決め、その時点で引き渡し希望日までの予定が成り立つかを再確認すると、待ち続けるか売り方を変えるかを判断できます。

不動産会社による買取を比較する

不動産会社による買取は、会社自体が買主になるため、一般の購入希望者を探す時間を省けます。査定や物件調査、契約、決済はあるので、提示された価格と、実際に代金を受け取れる日を一緒に確認しましょう。

買取会社は再販売にかかる費用や利益などを見込んで価格を決めるため、仲介で個人へ売る場合より価格が低くなる傾向があります。期限に間に合うかと、その金額でローンを返して住み替え費用を用意できるかが、比較する際の要点です。

なお、一定期間は仲介で販売し、条件に合えば会社が買い取る「買取保証」は、最初から買取を依頼する方法と日程が異なります。利用する場合は、仲介で販売する期間、買取へ移る条件、買取価格、決済日まで確認して比較しましょう。

出典: 不動産適正取引推進機構「RETIO 第96号」買取制度・買取業者の紹介に関する記述(70ページ)、大京穴吹不動産「買い取り保証サービス」

まとめ:売却期間は入金と引き渡しまで見込む

マンション売却の日程は、成約までの平均を参考にしながら、準備と契約後の手続きにかかる時間も加えて考える必要があります。自宅に近い物件の販売期間を確認し、売却代金の入金と引き渡しまで予定に入れましょう。

まずは、新居の支払日と今のマンションを退去できる日を、同じ予定表に書き出すとよいでしょう。この確認を後回しにすると、購入希望者が見つかってから、資金や引き渡し時期の調整に時間がかかる場合があります。

希望日までにどの程度の余裕を取れるか、不動産会社と日程を確かめてみましょう。住み替えのトビラでは、マンション売却にかかる期間や日程の立て方も含めて、住み替えで悩むあなたに信頼できる情報を提供しています。