築40年マンション売却の相場|首都圏の目安と売り方

築40年マンション売却の相場|首都圏の目安と売り方

築40年のマンションを売ろうとすると、「この古さで本当に値がつくのか」という不安が先に立ちます。まず答えを言えば、築40年でも売れます。ただし同じ築40年でも、耐震・管理・立地によって売れ方は大きく変わります。

この記事では、首都圏の相場の目安から、旧耐震と新耐震の”境目”の見分け方、買い手層と住宅ローンの制約、管理状態が価格に与える影響、そして納得して売るための進め方まで、築40年帯に特有の判断材料を順にたどります。

築40年マンションの売却相場はいくら|首都圏の目安

築40年前後の中古マンションの首都圏の成約価格は、2025年(暦年)の平均で築36〜40年が2,761万円、築41年〜が2,558万円でした。ただし「いくらか」は一つの金額ではなく幅で捉えるのが現実的です。

同じ築40年でも、管理状態・耐震・立地によって成約価格の差が大きく出ます。まずは築年帯別のおおよその水準をつかみ、そのうえで自分の物件の相場を個別に当てていきます。

築年帯別の成約価格の目安(早見表)

首都圏の中古マンションの築年帯別の成約価格は、東日本不動産流通機構が毎年公表しています。2025年(暦年)の実額は次のとおりです。

築年帯成約価格成約㎡単価成約専有面積
築21〜25年6,075万円86.10万円/㎡70.56㎡
築26〜30年4,286万円64.45万円/㎡66.51㎡
築31〜35年2,638万円44.14万円/㎡59.77㎡
築36〜40年2,761万円40.40万円/㎡58.13㎡
築41年〜2,558万円47.50万円/㎡56.88㎡

ここで、表を上から下へ読むときに気をつけたいことがあります。築31〜35年(2,638万円)より築36〜40年(2,761万円)のほうが高く、順番が入れ替わっています。㎡単価でも、築41年〜(47.50万円/㎡)が築36〜40年(40.40万円/㎡)を上回ります。これは集計の誤りではなく、公表されている一次情報がそうなっています。

理由の一つは面積です。成約専有面積が築21〜25年の70.56㎡から築41年〜の56.88㎡まで縮んでおり、価格の比較には広さの違いが混ざっています。価格と㎡単価は分けて見てください。

もう一つ、この表は別々の物件が同じ年に成約した結果を並べたものです。同じ物件が年を追ってどう下がったかを示す表ではありません。エリア・駅からの距離・広さ・管理状態によって、同じ築年帯でも大きく上下します。近畿圏など首都圏以外では水準が変わる点にも注意してください。

出典: 東日本不動産流通機構 REINS TOPIC「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2025年)」(2026年2月25日公表)

築40年の相場は幅が大きく下げ止まりの帯に入る

同じ物件が新築時の何割になったかを示す統計はありません。 レインズが公表しているのは、その年に成約した別々の物件を築年帯ごとに並べた横断面です。それでも水準の見当をつけたい方のために、築0〜5年の平均を100としたときの各帯の位置を書いておきます。

築年帯成約価格(築0〜5年=100)成約㎡単価(同)
築21〜25年70.159.9
築26〜30年49.544.9
築31〜35年30.430.7
築36〜40年31.928.1
築41年〜29.533.1

これは同じ物件の下がり方ではなく、別の物件群どうしの比較です。 立地も広さも違う物件を並べているため、「自分の家が新築時の3割になる」と読まないでください。

そのうえで表を見ると、下落が最もきついのは築21〜25年から築26〜30年にかけてです。㎡単価で59.9から44.9へ、15ポイント落ちています。この記事が扱う築40年帯は、㎡単価で見れば築36〜40年の28.1が底で、築41年〜は33.1へ戻ります。つまり「築40年帯は下げ止まりの帯」という見方は、㎡単価で見るかぎり一次情報と合っています。ただし、築41年〜で㎡単価が持ち直す理由(都心の建て替え・再開発期待のある物件が母集団に入る等)を説明した一次情報はないため、ここでは断定しません。

一方で、同じ築40年でも成約価格の幅は大きく開きます。この差が生まれる背景には、管理状態・新旧耐震・立地・リノベーションの有無といった、物件ごとに異なる条件があります。つまり築40年の相場は、平均値を一つ見るよりも「自分の物件がその幅のどこに入るか」で考える方が実態に近くなります。

自分のマンションの相場を自分で調べる方法

自分の物件の相場は、同じマンションや近隣で最近売れた住戸の成約価格を調べるのが近道です。

  • 同じマンション内で最近売れた住戸の価格を調べる
  • 近隣の似た築年・広さ・駅距離の成約価格を確認する
  • 不動産取引情報提供サイト(通称レインズ・マーケット・インフォメーション)で類似条件の成約価格を見る

ここで見るべきは、売り出し中の「募集価格」ではなく、実際に取引が成立した「成約価格」です。募集価格には売り主の希望が乗っているため、そのまま参考にすると高めに見誤りやすくなります。似た条件の成約事例を数件並べると、自分の物件が入りそうな価格の幅が見えてきます。

マンション相場の調べ方|無料で成約価格を自分で調べる手順 マンション相場の調べ方|無料で成約価格を自分で調べる手順

築40年は旧耐震と新耐震の”境目”|まず自分の物件を確認する

築40年帯は旧耐震と新耐震が混ざる”境目”なので、相場を見る前に、自分の物件がどちら側かを先に確認しておく必要があります。

1980年代前半に完成したマンションは、新耐震基準が始まる前後にまたがっています。築30年ならほぼ新耐震、築50年なら多くが旧耐震と見当がつきますが、築40年はどちらもあり得ます。ここが築30年・築50年と決定的に違う点です。

新耐震基準は1981年6月1日から

新耐震基準は1981年(昭和56年)6月1日から適用されています。

旧耐震基準は「震度5程度の地震で倒壊しない」ことを想定していましたが、新耐震基準は「震度6強から7でも倒壊しない」ことを目標にしています。想定する地震の強さそのものが引き上げられており、買い手にとっては安心感に関わる大きな違いです。

出典: 国土交通省 マンションの耐震性等についてのQ&A

自分の物件がどちらかは「建築確認日」で確認する

新耐震か旧耐震かは、完成した年ではなく「建築確認を受けた日」で決まります。

建築確認は着工前に受けるため、完成はそこから1〜2年後になります。そのため1982年や1983年に完成した物件でも、建築確認が1981年5月以前なら旧耐震ということがあります。逆も起こり得るため、完成年だけで判断すると取り違えます。次の方法で建築確認日を調べます。

  • 検査済証・確認済証に記載された日付を見る
  • 管理組合または管理会社に建築確認日を問い合わせる
  • 売却を依頼する不動産会社に調べてもらう

築40年帯はこの取り違えがもっとも起きやすい年代です。売り出し前に建築確認日をはっきりさせておくと、買い手や金融機関からの問い合わせにもすぐ答えられます。

旧耐震かどうかで売りやすさ・買い手が変わる

旧耐震だった場合は、買い手の住宅ローンや控除に影響し、買い手層が狭まりやすくなります。

  • 住宅ローンの審査が通りにくい買い手が出る
  • 住宅ローン控除を受けるのに追加の書類が必要になる
  • 価格交渉が入りやすく、現金やリノベ前提の買い手に寄る

買い手が絞られるということは、売り主にとっては売却にかかる期間や成約価格に影響が及ぶということです。旧耐震だからといって売れないわけではありませんが、どんな買い手が付くのかを前提に売り方を考える必要が出てきます。

築40年マンションの買い手層と住宅ローンの制約

築40年の売りやすさは、どんな買い手がいて、その人が住宅ローンを組めるかで決まります。

新築同様の実需層が中心の築浅とは違い、築40年では買い手の顔ぶれが変わります。買い手のローン事情まで知っておくと、後の売り方の選び方も見えてきます。

買い手はリノベ前提層・現金購入層・投資家に寄る

築40年の主な買い手は、自分でリノベーションする実需層・現金や少額ローンで買う層・賃貸に回す投資家の3つに寄ります。

  • 中古を安く買って自分好みにリノベーションする実需層
  • 現金や少額のローンで購入する層
  • 賃貸に回して家賃収入をねらう投資家

いずれの買い手も、価格を重視し、設備の古さを織り込んだうえで現状のまま引き渡す前提で交渉に入りやすくなります。新築や築浅で見られる「多少高くても状態の良い住まいを」という買い方とは、価格へのこだわり方が違うと考えておくとよいでしょう。

買い手の住宅ローンは借入年数に制約が出やすい

築古のマンションでは、買い手が組める住宅ローンの年数が短くなりやすい傾向があります。

金融機関は担保としての建物の評価や、完済時の年齢をもとに融資年数を判断します。築年数が古いほど借入年数を抑える扱いになりやすく、その分だけ毎月の返済額が重くなります。これは原則としての傾向で、実際の条件は金融機関によって異なります。

売り主の側から見ると、これは「ローンで無理なく買える人が絞られる」ことを意味します。買い手の候補が少なくなれば、売却にかかる期間が延びたり、価格の交渉余地が生まれやすくなったりします。だからこそ、買い手が付きやすい売り方を選ぶことが大切になります。

住宅ローン控除が使えるかは建築年で決まる

中古マンションの住宅ローン控除は、登記簿上の建築日が1982年(昭和57年)1月1日以降であれば、耐震の書類がなくても対象になります。

登記簿上の建築日が1981年(昭和56年)12月31日以前の場合でも、取得日前2年以内に発行された耐震基準適合証明書などがあれば、控除の対象になり得ます。控除を受けられるかどうかは買い手にとって購入判断に関わるため、売りやすさにも影響します。

ここで取り違えないでほしいのが、2つの区切りが別物だという点です。耐震基準そのものの区切りは「1981年6月1日・建築確認日で判定」、住宅ローン控除で新耐震とみなす区切りは「1982年1月1日・登記簿上の建築日で判定」であり、基準となる日付も、判定に使う書類も別です。前の章で見た1981年6月と、この控除の1982年1月を混同しないようにしてください。控除額や併用の可否など細かな条件は、税理士や購入する買い手側で個別に確認する内容になります。

出典: 国税庁 No.1211-3 中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)

管理状態と修繕積立金が築40年の価格を分ける

築40年帯は、管理状態の良し悪しが価格にはっきり表れる年代です。

この時期は大規模修繕をすでに2〜3回終えているころです。国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインは、外壁の塗装や屋上防水などを行う大規模修繕工事の周期を「一般的に12〜15年程度」としており、築40年なら計算上は2〜3回にあたります。手入れの行き届いた物件と、修繕が後回しにされてきた物件との差が広がるのがこの時期です。買い手も、目に見える古さ以上に管理の状態を重く見ます。

周期は部材や工事の仕様によって変わるため、実際に何回終えているかは長期修繕計画書と修繕の履歴で確かめてください。長期修繕計画そのものは「30年以上で、かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上」で作り、5年程度ごとに見直すのが原則です。築40年の物件では、新築当時の計画期間(30年)をすでに超えているため、見直し後の計画があるかどうかが管理の良し悪しを見る手がかりになります。

出典: 国土交通省「長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント」(令和6年6月7日改定)

大規模修繕2〜3回目・管理の良し悪しが価格に出る

修繕と管理がきちんと続いてきた物件は、同じ築40年でも価格を保ちやすくなります。

  • 大規模修繕の履歴と長期修繕計画の有無
  • 外壁・エントランス・廊下など共用部の維持状態
  • 管理組合がきちんと運営されているか
  • 耐震診断や耐震改修を実施したか

買い手が管理を重く見るのは、購入後にかかる修繕費や、住み続けたときの資産価値の維持に大きく関わるからです。売り主の側は、修繕履歴や長期修繕計画といった「良好な管理を続けてきた証拠」を示せると、古さへの不安をやわらげて価格を支えやすくなります。

修繕積立金・管理費の負担と積立不足リスク

築40年帯では修繕積立金や管理費が上がりやすく、積立金の不足は買い手の判断材料になります。

将来の大規模修繕に備える積立金が足りていないと、いずれ一時金の徴収や借入が必要になる可能性があり、買い手はそこを警戒します。だからこそ、売り主は現在の管理費・修繕積立金の額と、積立金がどれだけ貯まっているかを正直に示す前提で売り出すことが大切です。負担額が相場より高めでも、その理由が計画的な修繕のためだと説明できれば、買い手の受け止め方は変わります。

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築40年マンションを納得して売るための進め方

築40年は「一括査定で高値を競わせる」という前提が崩れやすいため、買い手層に合わせて売り方を選ぶのが現実的です。

現金・リノベ・投資家が中心となるこの帯では、仲介と買取を使い分ける発想が役立ちます。売り出し前に情報を備えておくことも、買い手の不安をやわらげて売りやすさにつながります。

買い手層に合わせて仲介と買取を使い分ける

時間をかけて実需・リノベ層に売るなら仲介、早さと現状渡しを優先するなら買取が向いています。

  • 仲介:時間をかけて相場に近い価格をねらう。実需・リノベ層向け
  • 買取:不動産会社に直接売る。早く現状のまま手放せるが、価格は下がりやすい

築40年で買取が現実的な選択になるのは、住み替え先の入居時期が決まっていて売却を急ぐ場合や、居住中で内覧の対応が難しい場合などです。「必ず仲介で高く売る」が正解とは限らず、自分の事情と買い手層に合う方を選ぶことが、納得して手放すことにつながります。

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売り出し前に管理・耐震の情報をそろえる

建築確認日・耐震・修繕・管理費の情報を先にそろえておくと、買い手の不安をやわらげて売りやすくなります。

  • 建築確認日・検査済証
  • 耐震診断や耐震改修の記録
  • 大規模修繕の履歴・長期修繕計画
  • 管理費・修繕積立金の現況と積立残高

これらは、ここまで見てきた買い手の3つの不安、すなわち耐震・住宅ローン・管理に、あらかじめ答えを用意しておく材料になります。問い合わせを受けてから慌てて集めるのではなく、売り出し前に手元にそろえておくと、内覧や交渉の場面で買い手に安心感を与えられます。

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まとめ:築40年でも「境目・買い手・管理」を押さえれば売り方は選べる

築40年のマンション売却は、相場を一つの金額ではなく幅で捉えること、自分の物件が新耐震と旧耐震のどちらかをまず確認すること、そして買い手層に合わせて売り方を選ぶこと、この3点を押さえると見通しが立ちやすくなります。

古さそのものよりも、耐震・管理・修繕積立金といった中身の状態が価格を分けます。売り出し前に情報をそろえ、買い手の不安に先回りして答えを用意しておくことが、納得のいく売却への近道です。住み替えのトビラでは、相場や税制のように変わり続ける情報を、そのつど最新の内容でお届けしています。

住宅ローン控除の適用や譲渡所得の税金、媒介契約の結び方など、個別の判断が必要な場面では、税理士・宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナーといった専門家に相談しながら進めると安心です。