離婚後にひとりでマンション購入できる?審査と資金計画

離婚後にひとりでマンション購入できる?審査と資金計画

離婚を機にマンションから住み替える場合でも、ひとり(子どもと一緒でも)で新しくマンションを買うことはできます。ただし前提があります。住宅ローンは夫婦の合算ではなく、あなた自身の単独名義・単独の返済能力で審査されます。養育費や児童扶養手当は受け取れても、審査のうえでは原則そのまま収入に数えられません。頭金は、財産分与で受け取ったお金や、今の家を売って手元に残ったお金を充てるのが基本になります。

シングルマザー・シングルファザーとして子育てをしながら購入を考える人も少なくありません。ただ、収入や暮らしの拠点が固まる前に急いで買うより、いったん賃貸で仕切り直して待つという道も、同じくらい現実的な選択です。

この記事では、離婚後にマンションを買えるのか(審査)、今買うべきか賃貸で待つべきか(判断)、頭金と資金計画、買うタイミングと名義、そして使える公的支援までを順に整理します。

離婚後のマンション購入は「買う」か「賃貸で待つ」か

離婚直後は、まず「買う」か「賃貸で待つ」かを並べて考えるのが出発点です。

離婚のあとは、世帯の収入も、住む場所も、子どもの育つ環境も変わりやすい時期です。購入を急がず、賃貸で当面を過ごす選択と同じ土俵に並べて、どちらが今の自分に合うかを見比べるところから始めます。

買う・賃貸で待つを分ける判断軸(比較表)

「今すぐ購入」と「賃貸で待つ」は、初期費用・毎月の負担・住み替えのしやすさ・向いている状況で分かれます。

今すぐ購入賃貸で待つ(当面)
初期費用頭金のほかに諸費用。売買価格から見当がつく4費目で、2,000万円なら83.54万円(4.18%)・3,000万円なら116.54万円(3.88%)敷金1か月・礼金1か月・媒介報酬1.1か月・前家賃1か月で家賃の4.1か月分。敷金も礼金もない契約なら1.55〜2.1か月分
毎月の負担ローン返済(完済後は資産が残る)家賃(払い続けても手元には残らない)
住まいの変えやすさ売却の手間があり動きにくい更新や引越しで動きやすい
向いている状況収入と生活拠点が固まった人収入や暮らしがまだ流動的な人

購入側と賃貸側では数えている費目が違います。購入側には登記と税金が入り、賃貸側には入りません。合計額の大小だけで比べず、何を数えた金額かを見てください。

購入側で売買価格から額の見当がつくのは、媒介報酬・印紙税・所有権移転登記と抵当権設定登記の司法書士報酬の4つです。価格が上がるほど比率は下がります。このほかに登録免許税と不動産取得税がかかりますが、これらは固定資産税評価額を課税標準とするため売買価格からは確定しません。住宅ローンの事務手数料・保証料と火災保険料も別にかかります。賃貸側の初期費用は、三大都市圏で民間賃貸住宅に入居した世帯の月額家賃の平均83,381円を基準に置いた月数です。ただし敷金があった世帯は51.9%、礼金があった世帯は43.1%にとどまります。

表の内容はあくまで目安で、物件やエリア、契約条件によって変わります。判断そのものは、次の物差しで整理すると迷いにくくなります。

  • 離婚後の収入の安定度(勤め先・雇用・見込みが落ち着いているか)
  • 今の家の清算が済んでいるか(財産分与や売却のお金がいくら手元に残るか)
  • 子どもの学区や生活拠点が定まっているか
  • 頭金に回せる資金があるか

この4つのうち、まだ固まっていないものが多いほど、購入を急がない方が安全です。逆に、どれも見通しが立っているなら、購入に踏み出してよい状態に近づいています。それぞれの中身は、このあとの章で審査・資金・タイミングの順に掘り下げます。

離婚後しばらくは賃貸で仕切り直すのが無難なケース

収入や生活がまだ落ち着かないうちは、無理に買わず、賃貸で仕切り直してから考える方が堅実です。

たとえば離婚を機に転職したばかりで勤続年数が浅い、パートや契約社員で収入の見込みがまだ読みにくい、といった状況では、返済を長く背負う購入は急がない方が安心です。収入が安定してから改めて審査に臨む方が、無理のない借入額に落ち着きます。

今の家の財産分与や売却がまだ終わっていない場合も、賃貸で待つ理由になります。清算のお金がいくら手元に残るかが確定しないうちは、頭金の見当がつかず、資金計画が組みにくいためです。清算が済んでから頭金の額を決める方が、後戻りが少なくなります。

子どもの学校や生活の拠点がこれから変わりそうなときも同じです。住む地域が定まらないまま買うと、通学や職場との折り合いで住み替えが必要になり、せっかく買った家を早く手放すことになりかねません。落ち着く場所が見えてから買う方が、結果として遠回りになりません。

購入をあおる情報は世の中に多いものの、離婚後の再出発では「今は買わない」も立派な判断です。焦って決めるより、暮らしが固まるのを待つ選択を対等に持っておくことが、後悔を減らします。

今マンションを購入する判断が向くケース

離婚後の収入の見通しが立ち、頭金があり、住む地域と暮らしが固まっている人は、購入に進んでよい状態です。

正社員などで収入が安定し、当面の働き方を変える予定がないなら、返済の見通しは立てやすくなります。そこに財産分与や売却で得た頭金があり、住むエリアや子どもの学区も決まっているなら、購入を先送りする理由は薄れます。

賃貸との比較で見ても、家賃を払い続けても手元には何も残らないのに対し、購入なら返済のあとに資産が残ります。同じくらいの月々の支払いで、老後に住まいの負担を減らせる見込みがあるなら、購入が合理的な場面もあります。

ただし、ここで確かめたいのは「進んでよい状況かどうか」までです。いくらまで借りられるか、頭金をどれだけ入れるかといった具体は、次の審査と資金計画の章で自分の数字に当てはめて考えていきます。

離婚後ひとりでマンションを購入できるか=住宅ローン審査

離婚後の購入では、世帯主が自分ひとりになるため、住宅ローンは単独名義・単独の収入で審査されます。

夫婦でいたときのように収入を合算したり、相手を連帯債務者にしたりはできません。この章では、金融機関という「貸す側」が何を見て「買えるか」を判断するのかを分解します。返済を家計としてどう組むか(返す側の話)は、次の資金計画の章で扱います。

審査で見られるのは単独名義・単独の返済能力

審査では、あなたひとりの年齢・収入・勤続・返済負担率などから、最後まで無理なく返せるかが見られます。

金融機関が住宅ローン審査で重く見るのは、主に次の項目です。

  • 完済時の年齢・借入時の年齢(完済時年齢は「80歳未満」を挙げる機関が716と最も多く、借入時年齢は「65歳未満」247機関・「70歳未満」194機関などに分かれます。いずれも複数回答で、「その他」も相当数あります)
  • 年収
  • 勤続年数
  • 返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)
  • 健康状態

国土交通省の令和7年度の調査では、これらの項目を審査で考慮している金融機関の割合が項目ごとに示されています。完済時年齢98.4%、健康状態96.1%、借入時年齢96.2%、年収94.2%、勤続年数93.9%、担保評価91.0%、返済負担率90.9%で、いずれも9割以上の機関が審査項目としています。離婚後は、配偶者との収入合算やペアローンといった二人で組む方法が使えないため、これらをすべて自分ひとりの条件でクリアする必要があります。夫婦のときより審査のハードルが上がって感じられるのは、この単独審査が理由です。

出典: 国土交通省「令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」(令和8年3月・住宅局。調査期間は令和7年10月〜11月)

年収の目安と借りられる額の考え方

借りられる額は、年収と返済負担率からおおよその見当がつきますが、あくまで目安です。

年間の返済額が年収に占める割合を返済負担率といいます。フラット35が定める基準は、年収400万円未満で30%以下、年収400万円以上で35%以下です。

民間の金融機関では基準が機関ごとに分かれます。国土交通省の令和7年度の調査で、返済負担率を審査項目としている機関が挙げた具体的な水準は、「35%以内」が58機関、「40%以内」が74機関、「30%以内」が39機関、「45%以内」が4機関、「50%以内」が2機関、「20%以内」が6機関でした。40%以内とする機関が最も多く、30〜35%が上限とは限りません。

ただし、これは審査に通るかどうかの基準であって、生活が成り立つ水準とは別です。借入額を年収の何倍までにするかという線も、集計されたデータはありません。他の借入(車のローンやカードの分割など)があれば、その分だけ住宅ローンに回せる枠は小さくなります。実際にいくら借りられるかは、購入を具体的に考える段階で金融機関の事前審査を受けて確かめてください。

返済負担率から借入額の上限を出すこともできます。年収400万円なら「400万円 × 35% ÷ 12 = 月116,666円」が返済額の上限です。この返済額で借りられる額は金利と期間で決まります。【フラット35】2026年8月適用の金利 年3.290%(借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付き)で見ると、借入1,000万円あたりの毎月返済額は35年で40,122円、30年で43,740円です。金利は毎月変わるため、実際の借入時の金利で確認してください。審査上の上限まで借りるかどうかは別の判断です。手元にいくら残るかで決めてください。

ここで見当をつけているのは、あくまで「審査のうえでいくらまで借りられそうか」という貸す側の上限です。家計として無理なく返せる安全な額は、これとは別の物差しで考える必要があり、次の資金計画の章であらためて扱います。

雇用形態・勤続年数が審査に与える影響

同じ年収でも、雇用形態や勤続年数によって審査での見られ方は変わります。

正社員は収入の安定度が高く見られやすい一方、契約社員・派遣・パートやアルバイト、自営業では、収入の継続性をより慎重に確認される傾向があります。国土交通省の令和7年度の調査では、雇用形態を審査項目とする機関のうち「派遣社員は対象外」とする機関が368、「契約社員は対象外」とする機関が312ありました(複数回答)。自営業者を対象外とする機関は10です。自営業なら直近数年の確定申告の内容が見られるなど、立場によって求められる材料も変わってきます。

勤続年数が浅い場合、たとえば離婚を機に転職した直後などは、収入がまだ安定していないと見られ、審査で不利に働きやすくなります。国土交通省の令和7年度の調査で、勤続年数を審査項目としている機関が求める年数は、「1年以上」が612機関で最も多く、「3年以上」が128機関、「2年以上」が53機関でした。多くの機関は1年を一つの線にしており、転職後1年の実績を作ってから申し込むと通りやすくなります。

離婚後に働き方を変える予定がある人ほど、注意が必要です。今の収入で審査に通っても、その後に収入が下がれば返済が重くのしかかります。働き方が固まる前の早すぎる借入は避け、収入の見通しが立ってから購入に動く方が安全です。

養育費・児童扶養手当は審査上の収入に入るか

養育費や児童扶養手当は受け取れても、住宅ローンの審査では原則そのまま安定収入として扱われません。

金融機関が審査で重く見るのは、給与や事業所得など、本人の働きによって継続的に入る収入です。養育費は相手の支払いに左右され、児童扶養手当も子どもの成長や所得の状況で変わるため、審査のうえでは自分の給与収入とは別のものとして見られるのが通常です。つまり、これらを当てにして借入額を大きく見積もることはできないと考えておく方が安全です。

なお、これはあくまで「審査に算入されるか」という貸す側の話です。家計のなかでこれらをどう扱うか、制度そのものの中身や受け取れる条件は、また別の問題です。それぞれこのあとの資金計画・公的支援の章で角度を変えて取り上げます。

児童扶養手当の制度は、現在はこども家庭庁が所管しています。支給額と所得制限限度額は改定されることがあり、額そのものも年度ごとに見直されます(具体的な額はあとの公的支援の章で扱います)。住宅ローンの審査で収入として見てもらえるかは金融機関によって扱いが違うため、申し込む先に確かめてください。

出典: こども家庭庁 児童扶養手当について

頭金と資金計画:財産分与を購入資金にどう充てるか

離婚後の購入で使える頭金は、今の家をどう清算したかで大きく決まります。

財産分与や売却で得たお金を、次の住まいの頭金に橋渡しする視点で資金計画を立てます。この章は、貸す側の審査ではなく、自分の家計として無理なく続けられるかという「返す側」の話です。

頭金の原資は財産分与や今の家の売却で得たお金

離婚後の購入では、財産分与で受け取った現金や、今のマンションを売って手元に残ったお金が頭金の原資になります。

婚姻中に築いた財産を分ける財産分与で受け取った現金は、そのまま次の住まいの頭金に回せます。今のマンションを売る場合は、売却額から住宅ローンの残りや売却の費用を差し引いて手元に残ったお金が、頭金に充てられる目安です。

つまり、いくらの頭金を用意できるかは、清算がどう決着したかで決まります。だからこそ、清算のお金がいくら残るかが見えてから、購入の予算を組む順番になります。清算が固まる前に物件を先に決めてしまうと、頭金の前提が崩れて計画を立て直すことになりかねません。

頭金をいくら入れ、手元にいくら残すか

頭金は多く入れるほど返済が軽くなりますが、離婚後は手元の生活防衛資金を厚めに残すことが大切です。

頭金を多く入れれば、借入額が減り、毎月の返済も軽くなります。ここだけを見れば、手元のお金をできるだけ頭金に回したくなります。

一方で、離婚後のひとり世帯では、いざというときに使えるお金を厚く持っておく必要があります。子どもの教育費、当面の生活費、病気やケガで収入が途切れたときの備えなどです。頭金を入れすぎて手元が薄くなると、収入が一時的に減っただけで暮らしが立ち行かなくなる恐れがあります。

そのため、頭金は「入れられるだけ入れる」のではなく、当面の生活費や急な出費に耐えられる資金を手元に残したうえで、残りを充てるという順番で考えます。手元に残す額の目安は家庭ごとに違いますが、収入が途切れても数か月から半年ほど暮らせる資金を確保しておくと安心です。

毎月の返済は自分の給与で無理なく返せる額に

毎月の返済は、審査で借りられる上限ではなく、自分の給与だけで無理なく返せる額に抑えます。

前の章で見た「審査でいくらまで借りられそうか」は、あくまで貸す側の物差しです。それと、家計として安全に返し続けられる額は別の話で、後者の方が現実の暮らしを守る基準になります。借りられる上限まで借りると、収入が少し下がっただけで家計が苦しくなります。

とくに離婚後は、返済の原資を自分の給与で組むのが安全です。養育費や児童扶養手当は、相手の事情や子どもの成長、所得の変化によって、途中で減ったり止まったりすることがあります。これらを毎月の返済にあてにすると、入ってこなくなったときに返済が行き詰まります。手当や養育費は生活の余裕分と考え、返済そのものは給与で回せる範囲に収めておくと、暮らしが揺らぎにくくなります。

離婚前に買うか、離婚後に買うか=タイミングと名義の注意点

購入する時期を離婚成立の前にするか後にするかで、財産分与の対象・名義・ローンの可否が変わります。

原則としては、離婚が成立し、財産の清算が確定し、収入が固まってから買う方が、権利関係がすっきりします。急ぐなら賃貸で待つ選択があるのは前の章で触れたとおりで、ここでは時期そのものの注意点にしぼります。

離婚前に買うと財産分与や名義でこじれやすい

離婚の成立前に買うと、購入資金や物件が財産分与の対象になりやすく、後で揉める火種になります。

婚姻中に買った家は、たとえ自分ひとりの名義にしても、婚姻期間中に築いた財産として財産分与の対象と扱われやすくなります。頭金に使ったお金の出どころも問われ、清算のときに「これは共有の財産だ」と主張が食い違うことがあります。せっかく買った家をめぐって、離婚の話し合いが長引く原因になりかねません。

こうした揉めごとを避けるには、離婚が成立してから、単独名義で買う方が権利関係を整理しやすくなります。清算が終わって自分の財産がはっきりしてからの購入なら、後から分与の対象かどうかで争う余地が小さくなります。今の家が夫婦の共有名義になっている場合の整理は、購入の前にひととおり片づけておくと安心です。

住宅ローンは「自分が住む」ことが前提

住宅ローンは、契約した本人がその家に住むことが前提の商品です。

自分が住まずに、別居中の相手や親族を住まわせる目的や、人に貸して収益を得る投資目的では、住宅ローンは原則として使えません。これらの目的には、金利の高い別のローンを使うのが通常です。住宅ローンは、居住用だからこそ低い金利が認められている、という前提があるためです。

注意したいのは、自分が住むと偽って申し込むことです。実際には住んでいないと後から発覚した場合、契約違反として借りたお金の一括返済を求められることがあります。目先の金利の低さにひかれて居住実態を偽るのは、大きなリスクを抱えることになります。購入するなら、自分が実際に住む家として、正直に申し込むことが大前提です。

離婚後のマンション購入で使える公的支援・制度

離婚後は、生活を支える公的支援と、購入後の税負担を軽くする制度を分けて押さえておくと、判断がしやすくなります。

家計を支える支援と、税金を軽くする制度は目的が違います。買う・賃貸で待つのどちらを選ぶ場合でも、使える制度を知っておくと生活設計が立てやすくなります。

ひとり親が受けられる経済的支援

ひとり親家庭には、児童扶養手当やひとり親家庭の医療費助成など、生活を支える公的な支援があります。

児童扶養手当は、ひとり親家庭などの生活の安定と自立を支えるための手当で、所得に応じて支給額が変わります。このほか、ひとり親家庭やその子どもの医療費の自己負担を軽くする医療費助成が、多くの自治体で用意されています。

ここで押さえたいのは、これらが生活を支える公的な制度として存在する、という点です。前の章では、審査の収入に入らない(貸す側)、家計であてにしすぎない(返す側)と述べましたが、それとは別に、暮らしを下支えする仕組みとしての価値があります。

令和8年度(2026年4月から)の額は、児童1人の場合で全部支給が月48,050円、一部支給が所得に応じて月48,040円から11,340円までです。児童が2人目以降は1人につき、全部支給で月11,350円、一部支給で月11,340円から5,680円が加算されます。

全部支給か一部支給かは前年の所得で決まります。受給資格者本人・扶養親族等が1人(2人世帯)の場合、収入ベースで190万円までが全部支給、385万円までが一部支給です。支給は1月・3月・5月・7月・9月・11月の年6回です。

手当額は年度ごとに改定されます(令和7年度の全部支給は月46,690円で、令和8年4月から48,050円になりました)。所得制限限度額の引上げと第3子以降の加算額の増額は、令和6年11月分の手当から実施されています。最新の金額や受け取れる条件は、こども家庭庁の公式情報とお住まいの自治体の窓口で確認してください。

出典: こども家庭庁 児童扶養手当について

単独名義でも住宅ローン控除は使える

離婚後に単独名義で買った場合も、条件を満たせば住宅ローン控除の対象になり得ます。

住宅ローン控除は、住宅ローンを組んでマイホームを買った人の税負担を軽くする制度です。単独名義であっても、居住用の住宅を一定の条件で購入し、要件を満たせば利用できます。控除額は年末のローン残高に0.7%を掛けた額で、令和8年〜令和12年入居の場合、既存(中古)住宅なら認定長期優良住宅・ZEH水準省エネ住宅が借入限度額3,500万円、省エネ基準適合住宅が2,000万円、それ以外の住宅も2,000万円です。控除期間は13年(認定住宅等以外の「その他の住宅」は10年)で、合計所得金額2,000万円以下という要件があります。購入後の税金を軽くする仕組みとして、押さえておく価値があります。

ただし、対象になる住宅の条件や上限額は制度改正で変わります。自分が対象になるか、いくら軽くなるかは、購入を具体的に考える段階で、国税庁の最新情報や税理士に確認しましょう。

自治体のひとり親向け住宅支援

自治体によっては、ひとり親向けの家賃補助や住宅の入居支援がありますが、内容は地域ごとに大きく異なります。

家賃の一部を補助する制度、公営住宅への入居で優先的に扱う仕組み、保証人の確保を助ける入居支援など、住まいに関わる支援を設けている自治体があります。ただし、支援の有無や内容、所得の要件は、自治体ごとにまちまちです。

そのため、こうした支援を当てにする場合は、住む予定の自治体の公式サイトや窓口で確認しておくと安心です。ここで特定の自治体名や金額を挙げても、あなたの地域に当てはまるとは限りません。賃貸で待つにしても購入するにしても、地元の制度を一度調べておくと、生活設計の助けになります。

まとめ:離婚後の購入は「買えるか」より「今買うべきか」

離婚後でも、ひとりでマンションを買うことはできます。ただ、より大切なのは「買えるか」よりも「今、自分が買うべきか」を落ち着いて見極めることです。まずは買うか賃貸で待つかを並べて考え、収入や暮らしがまだ流動的なら、無理に急がない選択も対等に持っておきます。

買うと決めたら、住宅ローンは単独名義・単独の収入で審査され、養育費や児童扶養手当は原則そのまま収入に数えられない点を踏まえます。頭金は財産分与や売却で得たお金を原資にしつつ、手元の生活防衛資金を厚めに残し、毎月の返済は自分の給与で無理なく返せる額に抑えます。買う時期は、離婚成立と清算の確定を待つ方が、名義や財産分与でこじれにくくなります。

住宅ローンや資金計画で迷うときはファイナンシャルプランナー、税金の扱いは税理士、名義や共有の整理は司法書士と、要所で専門家に相談すると安心です。住み替えのトビラは、仲介を持たない中立の立場で、今は買わないという選択も含めて、離婚後の住まいの判断に役立つ情報を届けていきます。