住み替えで住宅ローン控除は使える?2回目の条件と2026年改正を自己判定

住み替えで住宅ローン控除は使える?2回目の条件と2026年改正を自己判定

いまのマンションを売って新居を買う住み替えで、「2回目でも住宅ローン控除は使えるのか」「前の家のローンはどうなるのか」と不安になる人は少なくありません。

2026年(令和8年)の改正で中古への優遇も広がり、自分のケースに当てはまるかは余計に分かりにくくなっています。しかも制度そのものにも入居の期限があり、間に合うかどうかも判断のうちに入ります。

この記事では、いまマンションを持ち住み替えを考える方に向けて、住み替えのトビラが住み替えの住宅ローン控除を整理します。読み終えるころには、使えるか・いつまでか・いくら戻るかを自分で判定でき、取りこぼしなく控除を受けられます。

住み替えで住宅ローン控除は使える?適用判定の全体像と分岐

住み替えで購入した新居でも、要件を満たせば住宅ローン控除は受けられます。

使えるか・いくら戻るかは、自分の状況を順に当てはめれば自己判定できます。回数制限はなく2回目でも対象になり、まず確かめるのは「いつまでの入居が対象か」という制度の期限です。売却で利益が出る場合だけ、控除か売却側の特例かという別の判断が加わります。

適用判定マップ

令和12年(2030年)12月31日までの入居が対象

↓ 住み替え・2回目でも対象(回数制限なし)

↓ 新居が要件を満たすかを自己判定 ↓ 売却で利益が出る?

No → 新居の控除をそのまま判定 / Yes → 控除か譲渡特例かを選択

住宅ローン控除はいつまで使える?令和12年(2030年)12月31日入居まで|令和8年度改正で5年延長

いまの住宅ローン控除は、令和12年(2030年)12月31日までに新居へ入居した人が対象です。

この入居期限は、令和8年度税制改正で5年延長されました。改正により、令和8年(2026年)1月1日から令和12年(2030年)12月31日までに入居する住宅が制度の対象になります。改正の話題は床面積や控除期間の拡充に集まりがちですが、まず押さえるべきは「いつまでに入居すれば使えるのか」という期限そのものです。

住み替えでこの期限が効いてくるのは、新居の購入と前の家の売却を並行して進めるためです。入居のタイミングは前の家の引き渡しや資金の段取りに左右され、初めての購入より遅れやすくなります。「まだ先の話」と構えていると、入居年が期限をまたぐこともあるので、住み替えの計画は期限から逆算して組んでおくと安心です。

なお、制度の期限や借入限度額などの細目は改正で動くことがあります。自分が対象になる年かどうかは、最新の内容を国税庁または国土交通省で確かめてください。

出典: 国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」国土交通省「住宅ローン減税等の延長・拡充が閣議決定されました(令和7年12月26日報道発表)」

住み替え(2回目)でも住宅ローン控除は使える|回数制限はない

住宅ローン控除に利用回数の制限はなく、住み替えで購入した2軒目の新居でも対象になります。

1軒目の購入時に住宅ローン控除を受けていても、住み替え後の新居で改めて適用を受けられます。制度に生涯の利用上限は設けられておらず、要件を満たすたびに使えるためです。住み替えで多い「一度使うともう受けられないのでは」という心配は、ここでは当てはまりません。

ただし控除の対象は、主として住む1軒に限られます。別荘やセカンドハウスのように主たる住まいといえない家は対象外です。住宅ローンも原則1本のため、前の家と新居で同時に控除を受けることはできません。

そのため住み替えでは、前の家のローンを完済または売却で清算し、新居を主に住む家にできているかが起点になります。初めての購入と違い、前の家の処理と並行して進める点に注意が必要です。

出典: 国税庁「No.1210 マイホームの取得等と所得税の税額控除」国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」

自己判定チェックリスト|あなたの住み替えで控除を受けられるか

新居が控除の対象になるかは、住み替えでつまずきやすい順に並べた下のリストで確かめられます。

このチェックリストは、控除を受けられるかを左右する条件を一つにまとめた現在地マップです。上から当てはめると、自分がどの条件を満たし、どこに不安が残るかが見えてきます。

  • [ ] 新居への入居が令和12年(2030年)12月31日までに収まる見込み
  • [ ] 新居に取得後6か月以内に入居し、その後も住み続けている
  • [ ] 床面積・借入期間(10年以上)・合計所得(2,000万円以下)の要件を満たす
  • [ ] 前の家のローンを完済、または売却して清算できている
  • [ ] 新居の省エネ性能や新築・中古の別で、戻る金額の枠を確認した
  • [ ] 共働き・子育て世帯として控除を増やせる余地を確認した

すべてに当てはまれば、新居で住宅ローン控除を受けられる可能性は高いといえます。空欄が残った項目は、見落とすと控除が減りやすい注意ポイントです。

売却で利益が出る人は併用の選択が必要|判断の入り口

売却で利益が出る場合は、新居の住宅ローン控除と売却側の特例のどちらを使うかという選択が加わります。

住宅ローン控除は、売却益にかかる税を抑える3,000万円特別控除・特定居住用財産の買換え特例・10年超所有の軽減税率とは同時に使えません。この3つはいずれも売却益が出たときに使う特例で、どれか一つでも売却側で使うと、新居の控除は受けられなくなります。

併用できなくなる期間には幅があります。新居へ入居した年に加え、その前2年と後3年を合わせた計6年の間にこれらの売却側特例を受けると、住宅ローン控除が認められません。入居より後の3年も対象に入るため、先に新居へ入って控除を受けても、あとから前の家を売って特例を使うと控除が消えることがあります。

どちらを選ぶかで戻る額・納める税額は変わるため、利益が出そうな人は新居の控除に進む前に方針を決めておくと安全です。一方、売却で損失が出る場合や、もともと売らない住み替えでは、この二者択一は起こりません(売却損のときに使う譲渡損失の特例は、住宅ローン控除と併用できます)。

出典: 国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」国税庁「No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)」

マイホーム売却の3000万円特別控除|要件・節税額・住宅ローン控除との比較 マイホーム売却の3000万円特別控除|要件・節税額・住宅ローン控除との比較

住み替え(2回目)で住宅ローン控除の対象になる条件を自己判定

住み替えの新居は、初めての購入にはない確認ポイントを越えれば住宅ローン控除の対象になります。

新居が対象になるかは、入居の時期・床面積や所得・借入期間・前の家の処理という順で確かめられます。住み替えで引っかかりやすい条件ほど先に並べ、満たさないと控除がゼロや減額になる影響も確認できます。

新居に取得後6か月以内に入居して住み続けているか

控除を受ける大前提は、新居を取得してから6か月以内に入居し、その後も住み続けていることです。

入居日は住民票の異動日で確認され、取得から6か月を過ぎると控除そのものが受けられません。さらに控除を受ける各年の12月31日まで、その家に住み続けている必要があります。

住み替えで起きやすいのが、新居を買ってもしばらく前の家に残る買い先行のケースです。入居が遅れると6か月の起算でつまずくうえ、前章で見た令和12年(2030年)12月31日までという入居期限にも近づきます。引っ越しと住民票の異動を計画的に進めておくと安心です。

出典: 国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」

床面積・借入期間・合計所得は要件を満たすか|マンションは内法面積に注意

面積・ローンの返済期間・所得という3つの数値要件を満たすかどうかで、控除を受けられるかが決まります。

床面積は登記事項証明書に記載された面積で判断し、2026年の改正で原則50㎡以上から40㎡以上に緩和されました。ただし40㎡以上50㎡未満の場合は、合計所得が1,000万円以下の年だけ控除を受けられます。50㎡以上の住宅なら、合計所得金額が2,000万円以下であることが条件です。

ここでマンション特有の落とし穴になるのが、面積の測り方です。マンションの床面積は建物の専有部分で見ますが、登記面積は壁の内側で測る内法面積で、販売図面の壁芯面積より小さく出ます。図面上は50㎡や40㎡を超えていても、登記面積では要件を割り込むことがあるため、40㎡前後・50㎡前後のコンパクトな住戸ほど、登記事項証明書の面積を先に確かめておく必要があります。

住宅ローンは、10年以上にわたり分割して返済する契約であることが要件です。返済期間を10年未満にしたローンや、親族からの借入などは対象になりません。共働きで2人がそれぞれローンを組む場合は、面積や所得の要件を一人ずつ判定します。面積や借入期間は契約前に確かめておくと、取りこぼしを防げます。

出典: 国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」国土交通省「住宅ローン減税等の延長・拡充が閣議決定されました(令和7年12月26日報道発表)」

前の家のローンは完済・売却できているか

住み替えでは、前の家のローンを完済または売却で清算できているかが、新居で控除を受ける条件になります。

住宅ローン控除の対象は主に住む1軒に限られ、前の家と新居で同時に受けることはできません。前の家を売って引き渡すか、ローンを完済して住まいを新居に移しておく必要があります。

売却前に新居を買うと、一時的に2本のローンを抱えるダブルローンの状態になります。また、残債のあるマンションを売るときは、売却代金での残債完済と抵当権の抹消が引き渡しの前提になります。この期間の返済負担や資金繰りは住み替え特有の論点なので、控除の判定とは分けて考えておくと混乱しません。残債と手取りの詳しい組み立ては、資金計画の別記事に譲ります。

ここまでの条件を満たせば新居は控除の対象になり、年末のローン残高の0.7%が戻る金額の基礎になります。上限や戻り方は、新居の性能や納める税額によって変わります。

出典: 国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」

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新築・中古・性能で住宅ローン控除はいくら変わる?2026年改正で広がった住み替えの選択肢

戻る金額は、新居が新築か中古か、そして省エネ性能のどの区分かで大きく変わります。

借入限度額は住宅の性能区分で段階的に決まり、2026年の改正で中古の優遇が新築並みに広がりました。住み替えでどんな新居を選ぶかが、控除の総額を左右します。

新築に住み替えるなら省エネ性能で借入限度額が決まる

新築の新居では、省エネ性能の区分が上がるほど控除の対象になる借入限度額が大きくなります。

借入限度額は、認定住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅の順に下がります。認定住宅(長期優良・低炭素)は4,500万円、ZEH水準は3,500万円、省エネ基準適合は2,000万円が一般世帯の上限です。

住宅の性能区分一般世帯子育て・若者夫婦世帯
認定住宅(長期優良・低炭素)4,500万円5,000万円
ZEH水準省エネ住宅3,500万円4,500万円
省エネ基準適合住宅2,000万円3,000万円
その他の住宅対象外対象外

(控除率0.7%・控除期間13年。2026年に入居する新築の場合)

控除率は0.7%、控除期間は13年で、限度額に残高が近いほど戻る額は増えます。たとえば限度額4,500万円なら、初年度は最大で約31万円が所得税などから差し引かれる計算です。

2026年の改正では、省エネ基準適合住宅の限度額が前年から1,000万円引き下げられました。さらに2028年4月以降に建てる省エネ基準適合の新築は対象外になるため、これから新築を選ぶなら実質的にZEH水準以上が前提になります。ここに挙げた限度額は世帯や住宅性能で変わるため、自分の枠は最新の内容を国税庁または国土交通省で確かめてください。

出典: 国土交通省「住宅ローン減税等の延長・拡充が閣議決定されました(令和7年12月26日報道発表)」国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」

中古に住み替えるなら2026年改正が追い風|控除期間・限度額が拡充

中古に住み替える人は、2026年の改正で控除期間と借入限度額が広がり、新築との差がほぼ埋まりました。

これまで中古は控除期間が10年で、対象も床面積50㎡以上に限られていました。改正後は、性能の高い中古の控除期間が新築と同じ13年に延び、床面積も40㎡以上に緩和されています。

項目2025年まで2026年〜(性能の高い中古)
控除期間10年13年
床面積要件50㎡以上40㎡以上(内法・所得1,000万円以下)
借入限度額3,000万円3,500万円(子育て・若者夫婦4,500万円)

(性能が基準にとどまる中古や一般の中古は、従来並みの限度額・期間)

長期優良住宅やZEH水準などの中古では、借入限度額が3,500万円(子育て・若者夫婦世帯は4,500万円)に引き上げられました。この拡充は性能の高い中古が条件で、性能が基準にとどまる中古や一般の中古は対象になりません。

床面積40㎡以上という条件は登記の内法面積で見るため、合計所得1,000万円以下の年に限られます。コンパクトな中古マンションを選ぶ単身や少人数の住み替えでも控除を受けやすくなりましたが、内法面積は図面より小さく出る点は変わらないので、登記面積での確認は欠かせません。

出典: 国土交通省「住宅ローン減税等の延長・拡充が閣議決定されました(令和7年12月26日報道発表)」

住み替えは中古・新築どっち?価格・税制・将来の売りやすさで選ぶ 住み替えは中古・新築どっち?価格・税制・将来の売りやすさで選ぶ

自分の新居がどの枠に入るかの確かめ方

自分の新居がどの限度額になるかは、住宅の性能を示す証明書類で確かめられます。

認定住宅やZEH水準に当てはまるかは、住宅性能評価書や認定通知書、建設住宅性能評価書などで確認できます。中古では、不動産会社や売主に省エネ性能の証明書類があるかを早めに尋ねておくと安心です。

証明書類がそろわないと、性能による上乗せを受けられず限度額が下がることがあります。省エネ改修で性能を満たせる場合もあるため、購入前に性能区分と必要書類をセットで確かめておくと取りこぼしを防げます。

共働き・子育て世帯の住み替えで住宅ローン控除を増やせるか

共働きや子育て世帯の住み替えでは、控除を増やせる仕組みが2つあります。

夫婦で組むペアローンや連帯債務と、子育て世帯・若者夫婦世帯への上乗せが、控除の総額を押し上げます。自分の世帯が増額の対象になるかを順に確かめます。

ペアローン・連帯債務なら夫婦それぞれ控除を受けられるか

夫婦がそれぞれローンを負担するペアローンや連帯債務なら、2人とも住宅ローン控除を受けられます。

ペアローンは夫婦が別々にローンを契約し、連帯債務は1本のローンを2人で負う形です。どちらも、それぞれの持分とローン残高に応じて2人分の控除枠を使えます。

控除を受けられるかは、面積や合計所得の要件を一人ずつ判定します。片方の所得が2,000万円を超える年は、その人だけ控除が止まる点に注意が必要です。

片働きで1人が組む場合と比べ、夫婦で組むと残高を分けても2人分の限度額を使えるため、控除の総額は増えやすくなります。ただし持分とローンの負担割合がずれると贈与とみなされることがあるため、契約前に配分を整理しておくと安心です。

出典: 国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」

子育て世帯・若者夫婦世帯の借入限度額の上乗せに該当するか

子育て世帯や若者夫婦世帯に当てはまると、借入限度額が上乗せされ控除の総額が増えます。

対象は、19歳未満の子を扶養する世帯か、夫婦のどちらかが40歳未満の世帯です。該当するかは入居した年の12月31日時点で判定するため、その年に40歳になる人がいても、年末の時点で要件を満たせば対象になります。

該当すると、新築のZEH水準では一般の3,500万円が4,500万円に、性能の高い中古でも同じ4,500万円まで上限が上がります。年末時点の年齢や扶養の状況で決まるので、入居の時期を選べるなら年末の状況を見て判断すると有利になりやすいです。

出典: 国土交通省「住宅ローン減税等の延長・拡充が閣議決定されました(令和7年12月26日報道発表)」国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」

住み替えで住宅ローン控除を受ける手続きと、戻る金額の確かめ方

条件を満たしたら、初年度の確定申告で住宅ローン控除の手続きを始めます。

初年度は確定申告、会社員なら2年目以降は年末調整で手続きします。戻る金額は、年末のローン残高に0.7%を掛けた額を基本に、借入限度額と納める税額で頭打ちになります。

初年度は確定申告、2年目以降は年末調整(会社員の場合)

会社員の場合、控除を受ける初年度だけ確定申告が必要で、2年目以降は年末調整で済みます。

初年度は、入居した翌年の2月中旬から3月中旬に確定申告します。登記事項証明書や売買契約書、年末残高証明書などをそろえ、税務署かe-Taxで申告します。

会社員は2年目以降、勤務先に書類を出せば年末調整で控除が続きます。自営業など給与所得者でない人は、毎年の確定申告が必要です。

出典: 国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」

自分はいくら戻る?年末残高×0.7%と上限の確かめ方

戻る金額の目安は、年末のローン残高に0.7%を掛けて求められます。

各年の控除額は、12月末のローン残高の0.7%です。残高3,000万円なら21万円、4,000万円なら28万円が、その年の控除額の目安になります。

年末のローン残高年間の控除額の目安(0.7%)
2,000万円約14万円
3,000万円約21万円
4,000万円約28万円

(借入限度額と、その年に納める税額の範囲内で控除)

ただし残高には性能区分ごとの借入限度額があり、それを超える部分は計算に含まれません。限度額3,500万円の住宅なら、残高が4,000万円あっても3,500万円分までが対象です。

もう一つの上限は、その年に納める所得税などの額です。控除額が納税額を上回っても差額は戻らないため、共働きで所得を分けると使い切りやすくなります。資金計画は今の家がいくらで売れるかが起点になるので、先に相場を把握しておくと、新居の予算と戻る額をまとめて見通せます。

出典: 国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」

マンションは売却益が出るか出ないかで、控除か特例かの判断を早く固められる

売却で利益が出る住み替えでは控除か特例かの二者択一が待っていますが、マンションはこの判断を早い段階で固めやすい住まいです。

先に見たとおり、住宅ローン控除と売却側の特例は二者択一になります。この判断の分かれ目は、自分の売却で利益(譲渡益)が出るか出ないかです。利益が出るなら控除か特例かを選び、損失なら譲渡損失の特例と控除の両方を使える道が開けます。どちらの土俵に立つかを早く見極めるほど、住み替えの段取りを迷わず組めます。

ここでマンションが有利なのは、相場が収れんしやすい点です。同じマンションや近隣の似た住戸で成約事例が多く、査定額が近い値に揃いやすいため、売却見込み額を早めに固められます。個別性が高く相場が出にくい戸建てに比べ、利益が出そうか損失になりそうかの見当をつけやすいのがマンションの特徴です。

売却見込み額から取得費や諸費用を引けば、譲渡益の当たりがつきます。その見込みが早く固まるほど、新居で住宅ローン控除を狙うのか、売却側で特例を使うのかを、新居を探し始める段階から方針として決めておけます。二者択一を先送りにせず、売り出す前に方向を固めておくと、あとから片方を失う失敗を避けやすくなります。

ここで示したのは傾向で、同じマンションでも住戸や時期によって結果は変わります。実際の売却見込み額は、複数社の査定を比べて確かめるのが確実です。

まとめ:住み替えの住宅ローン控除なら、住み替えのトビラ

住み替えでも住宅ローン控除に回数の制限はなく、新居が条件を満たせば2回目から受けられます。まず押さえるのは、令和12年(2030年)12月31日までの入居が対象という制度の期限で、令和8年度改正で5年延長されています。

2026年の改正で中古や小さな住まいへの優遇も広がり、選べる新居の選択肢が増えました。売却で利益が出る人は、控除と売却側の特例(3,000万円特別控除・買換え特例・軽減税率)が二者択一になるため、どちらを選ぶかも合わせて考えておくと安心です。

戻る金額は新居の性能やローン残高で変わり、その判断の起点はいまの家がいくらで売れるかです。マンションは相場が収れんしやすく売却見込みを早く固められるので、まず相場を知れば、控除を含む住み替えの資金計画を落ち着いて描けます。

住み替えを取り巻く状況は変わり続けます。住み替えのトビラは、そのときの最新の情報を正確に、わかりやすくお届けし続けます。