すまいステップの公式サイトには、「売却率No.1」「所有権移転率No.1」「訪問査定率 第1位」という3つの順位が並んでいます。
調べてみると、この3つはいずれも同じ調査元の集計でした。しかもその調査元は、不動産会社向けにテレアポの支援サービスを提供している事業者です。つまりこの順位が測っているのは、不動産会社から見た媒体の成果です。
この記事では、公式サイトとニュースリリースを確認し、運営会社、担当者の条件まで踏み込んだ提携基準、利用する利点と注意点、そして3つのNo.1の中身を確かめます。
すまいステップを運営する会社と依頼先を選ぶ仕組み
すまいステップは、条件に合う不動産会社を紹介するサービスです。査定額を出すのは紹介先の各社。まず、この分担と依頼先の選び方を確認します。
運営は東証スタンダードに上場する会社
すまいステップを運営しているのは株式会社Speeeです。公式のよくある質問には「東京証券取引所 東証スタンダード市場 上場企業の株式会社Speeeが運営しています。」と書かれています。
サービス開始は2020年4月です。同じSpeeeはイエウールも運営しています。
出典: すまいステップ お問い合わせ
出典: 株式会社Speee 会社概要
紹介されるのは最大4社で依頼先は自分で選ぶ
すまいステップの使い方は、公式サイトに4段階で説明されています。
- 種別と住所を選択し、査定フォームに移動
- 査定に必要な情報を入力
- 査定を依頼したい不動産会社を選択
- 一括査定完了
紹介された中から、依頼したい会社を自分で選べます。必ず4社へ頼む必要はありません。
査定は無料で、提携先には審査基準がある
運営費は参画する不動産会社からの広告料でまかなわれ、利用者の査定は無料です。提携基準には資格や売買仲介の経験が含まれます。主な仕様を表にまとめました。
| 項目 | 公式サイトの記載 |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社Speee(東証スタンダード市場・証券コード4499) |
| サービス開始 | 2020年4月 |
| 依頼できる社数 | 紹介は最大4社。その中から自分で選ぶ |
| 提携企業数 | 2,200社以上(2026年6月現在) |
| 買取対応企業数 | 1,800社以上(2026年6月現在) |
| 対応エリア | 全国47都道府県(物件の条件によっては対応できないエリアもある) |
| 査定の費用 | 無料 |
出典: すまいステップ お問い合わせ
すまいステップを使うメリット
担当者の経験を重視して会社を探したい人に向く仕組みです。特に、提携基準を具体的に公開している点が参考になります。
担当者の経験・実績に関する基準を確認できる
公式が公開する基準は、次の2区分です。
経験や実力
- 宅地建物取引士の資格保有者
- 売買仲介営業 5年以上経験
- 累計100件以上の売買仲介実績
- 市場相場より高値で販売した経験有
知識やスタンス
- 報告・連絡・相談を徹底でき、コミュニケーション能力が高い
- 物件の周辺環境について熟知している
- 不動産売却に関しての法律や税金、控除に関しての知識を持っている
- 物件ごとに売却までの道筋を描き、安易な値下げをしない
- ユーザーに対する迷惑行為をしない(過度な電話営業など)
読んで気づくのは、条件の多くが「会社」ではなく「担当者」に向いていることです。資格、経験年数、実績の件数、報告や連絡の取り方。公式も「不動産売却は担当者の力量によって結果が大きく変わります。」と書いています。
この基準は、査定後に担当者へ質問する材料にもなります。たとえば「同じ地域のマンションを最近いくらで売りましたか」「反響が少ない場合、値下げの前に何を見直しますか」。実績と提案を聞けば、自宅を任せたい相手か判断しやすくなります。
匿名のシミュレーションで先に相場を見られる
もうひとつの特徴が、匿名で価格を調べられる仕組みです。公式サイトのよくある質問には「不動産一括査定を匿名でできますか?」という項目があり、その答えは「すまいステップなら匿名で自宅の価格をシミュレーションできます。」と書かれています。
使い方は、マンション名で検索して、部屋の広さ・間取り・階数・方角・位置などを入れるだけです。公式は「入力後、わずか10秒で参考価格を確認できます。」と説明しています。マンション名で見つからない場合は、物件情報を直接入力する方法も用意されています。
算出のもとになるデータについても記載があります。中古売買データ約5,000万件、新築分譲データ約200万件、賃貸データ約5,000万件に地域トレンドなどを加えて価格を算出すること、人口カバー率95%以上のデータを保有していることが公式に書かれています。
公式は「個人情報不要・完全無料」「登録不要」と案内しています。連絡先を渡す前に概算を見たい人には便利です。ただし、AI価格だけで個別の査定額が正しいかは決められません。
会社ごとの口コミを読んでから依頼できる
すまいステップでは、売却を経験した人の口コミを読んでから査定を依頼できます。公式は「売却経験者の口コミを閲覧できるので、安心して不動産会社に査定依頼できます。」と書いていて、トップページには独自に収集した売却の体験談が1,458件あると記載があります。
口コミを見るときは投稿数だけでなく、物件の地域・種類・売却時期を確認します。自宅に近い条件の取引と、担当者の対応が具体的に書かれた内容が参考になります。
申し込む前に知っておきたい注意点
全国対応でも、すべての物件で4社の査定を受けられるわけではありません。
紹介される4社の顔ぶれは物件の条件で決まる
紹介先は物件の種別・所在地などによって変わり、最大4社です。希望する会社が候補に出るとは限らないため、申込画面で実際の依頼先を確認します。
全国対応の表示と実際に使えるかは別に決まる
公式サイトには「対応エリア 全国47都道府県」と大きく出ています。ところが、その注記にはこう書かれています。
※物件の条件によっては対応できないエリアもございます。
全国47都道府県という表示は、自宅で必ず査定を受けられるという保証ではありません。
出典: すまいステップ 公式サイト
公開基準に加え、実際の担当者の提案を比べる
提携基準が公開されていても、担当者との相性や自宅の売却価格まで保証されるわけではありません。査定後は、価格の根拠や販売方法、連絡の取り方を比べましょう。
公式が掲げるNo.1が何を測った順位か
3つのNo.1は同じ調査元によるものです。当サイトで公式の注記を確認し、調査対象と期間を整理しました(2026年9月10日確認)。
| 公式の表示 | 調査元と期間 |
|---|---|
| 売却率No.1(2年連続) | 不動産会社のミカタ「都道府県別」一括査定「売却率 × 媒体」レポート(調査期間2023年2月1日〜2025年1月31日) |
| 所有権移転率No.1 | 不動産会社のミカタ 一括査定サイト毎の所有権移転率について調査してみました(2024年) |
| 訪問査定率 第1位 | 不動産会社のミカタ「一括査定サイト媒体別の通電率・訪問査定率レポート」(2026年4月度) |
調査元は、不動産仲介会社向けの支援サービスを提供する「不動産会社のミカタ」です。これらは媒体経由の売却や訪問査定などを評価した実績で、利用者の満足度や自宅が高く売れる確率とは異なります。
出典: すまいステップ 2026年4月の訪問査定率ランキングで第1位を獲得
訪問査定率33.7%と通電後訪問査定率は別の指標
2026年4月の発表では、訪問査定率33.7%が主要14媒体で1位とされています。同じ発表にある「通電後訪問査定率」は、電話がつながった件数のうち訪問査定へ進んだ割合です。33.7%を、その電話がつながった人だけの割合として読むことはできません。
どちらも調査対象の実績です。匿名査定の満足度や、申込者全体の売却成功率を示す数字ではありません。
出典: すまいステップ 2026年4月の訪問査定率ランキングで第1位を獲得
価格の満足度86%は自社のアンケート
同じ画面には、性格の違う数値も並んでいます。「価格に対する満足度86%」という表示です。
こちらの注記は「すまいステップによるアンケート調査」で、集計期間は2020年4月〜2026年6月、集計数は1,431名。自社が行った調査です。
他の数値も、母数と時期がそれぞれ違います。「3社以上に査定依頼をした人は全体の74.8%」は調査期間2022年1月28日〜5月22日、有効回答数131名。「査定額以上で売却に成功した人が、会社を選んだ理由」はすまいステップ利用者399名への調査(調査期間2020年4月〜2025年8月)です。
調査時期・対象者は指標ごとに異なります。価格満足度の調査と、訪問査定のランキングは分けて読みましょう。
出典: すまいステップ 公式サイト
今の価格と、売り方の提案を比べる
1社の査定だけでは、見逃す価格の可能性があります。 すまいステップなら、候補の中から依頼先を選び、価格と担当者の提案を比べられます。売却時期が未定なら、そのまま伝えて相談しましょう。
先に概算だけ見たい人はAIシミュレーションを使えますが、査定前の必須作業ではありません。依頼時には希望する連絡方法・時間帯を伝え、送信前に会社名を確認します。
査定額の根拠を同じ質問で聞く
査定額が返ってきたら、高い順に並べるのではなく、根拠で並べます。同じ質問を全社に投げると、差がはっきり見えてきます。
採用した成約事例は、同じ棟か、近隣の別の棟か
平米あたりの単価はいくらで計算しているか
想定している売り出し期間はどれくらいか
売れ行きが鈍いとき、価格を見直す時期をいつに置くか
金額が近いときほど、この差で会社を選ぶことになります。提携の基準に「安易な値下げをしない」が入っていたことを思い出すと、4つ目の質問への答え方は特に見どころです。
買取も比べたい場合は、その希望も伝えます。買取対応企業は公式で1,800社以上とされていますが、自宅の対応可否や条件は個別に確認してください。
まとめ:3つのNo.1は不動産会社から見た成果を測った順位
いちばんお伝えしたいのは、公式が掲げる3つのNo.1が、同じ調査元の集計から出ているという点です。しかもその調査元は、すまいステップ自身のニュースリリースが「不動産仲介会社向けテレアポ支援サービスを提供する」と紹介している媒体でした。順位が測っているのは、不動産会社から見て成果につながる媒体かどうかであって、売主の満足度は別のところで測られています。順位を否定する話ではなく、誰の視点で測ったのかを知って読む、という話です。
次の一歩は、今の価格を知りたいという希望を伝え、紹介先の査定と提案を比べることです。先に概算だけ見たい場合は、個人情報不要・無料のシミュレーションも使えます。ただし、その金額だけで各社の査定の妥当性を判断することはできません。
そのうえで、公式サイトに並ぶ9つの提携基準を、自分の目で読んでみましょう。資格、経験年数、実績の件数、そして「ユーザーに対する迷惑行為をしない(過度な電話営業など)」まで、担当者に向けた条件が具体的に並んでいます。住み替えのトビラでは、一括査定サイトの実績表示の読み方も含めて、住み替えで悩むあなたに信頼できる情報を提供しています。
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