売り出して1か月。ポータルサイトには載っているのに問い合わせはゼロのまま。または、資料請求は数件あったのに内覧の申込がゼロのまま。担当者は「もう少し待ちましょう」と言うものの、何を待てばよいのかが見えないまま日だけが過ぎていきます。
先に答えを書きます。内覧が来ない原因は「閲覧・問い合わせ・内覧」の3段階のどこで数が途切れているかで決まり、その数字は担当者に頼めば出せます。閲覧が少ないなら検索条件の境目、閲覧はあるのに問い合わせがないなら価格と写真、問い合わせはあるのに内覧に進まないなら返信の速さと内覧できる日時。段階が違えば、直す対象も違います。
この記事では、段階の切り分け方、問い合わせが来ない原因、問い合わせはあるのに内覧に進まない原因、そして内覧を増やす対策を順に見ていきます。
内覧が来ない原因を問い合わせの段階で分ける
内覧が来ない、と一口に言っても、状態は2つに分かれます。問い合わせそのものが来ていないのか、問い合わせはあるのに内覧の申込に進まないのか。前者は買主の検索結果で選ばれていない問題、後者は問い合わせ後の対応で落ちている問題で、直し方がまったく違います。
| 止まっている段階 | 原因の候補 |
|---|---|
| 閲覧が少ない | 検索条件の境目の外にいる・掲載媒体が少ない |
| 閲覧はあるのに問い合わせがない | 価格・1枚目の写真と枚数・月々の支払総額 |
| 問い合わせはあるのに内覧に進まない | 返信の速さ・内覧できる日時・販売図面・他社からの希望が止まっている |
この章では、どこで止まっているかを自分で確かめる手順を整理します。
閲覧と問い合わせと内覧の3段階でどこが止まっているかを見る
買主がマンションを買うまでには、ポータルサイトで物件ページを開く(閲覧)、資料請求や質問を送る(問い合わせ)、部屋を見に来る(内覧)という3つの段階があります。内覧が来ないときは、この3段階のどこで数が途切れているかを見ます。
閲覧そのものが少ないなら、買主の検索条件の外にいます。閲覧はあるのに問い合わせが来ないなら、ページは開かれたうえで、価格や写真で「候補から外す」と判断されています。問い合わせはあるのに内覧に進まないなら、返信の速さ、内覧できる日時、送った資料のどれかで落ちています。
段階が分かれば、直す対象が1つに絞れます。閲覧が少ない物件の写真を撮り直しても、見る人は増えないままです。問い合わせで落ちている物件の価格を下げても、対応が変わらなければ内覧はそのままの数で止まります。
ポータルサイトの閲覧数と問い合わせ数を担当者に出してもらう
3段階の数字は、売主が自分で見る手段の外にあります。ポータルサイトの業者向けの管理画面には、物件ごとの閲覧数やお気に入り登録数、問い合わせ数が表示され、担当者はそれを見ています。どの項目がどう出るかはサイトごとに違うので、自分の物件がどのサイトに載っているかも含めて担当者に聞きます。
売主が頼めば、この数字は出せます。専任媒介契約を結んだ不動産会社には、業務の処理状況を2週間に1回以上(専属専任媒介契約では1週間に1回以上)報告する義務があります(宅地建物取引業法34条の2第9項)。報告の中身については、国土交通省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」がこう定めています。
報告すべき事項は、宅地建物取引業者が契約の相手方を探索するために行った措置(指定流通機構への依頼物件の登録、広告等)、引き合いの状況等とする。
「反響はありませんでした」の一言では、行った措置の部分が抜けた報告になります。そこで、頼む項目を5つに決めて伝えます。
- 掲載している媒体の名前
- 各媒体の閲覧数
- お気に入り登録数
- 問い合わせ数
- 内覧の申込数
週ごとに並べてもらうと、どの段階が止まっているか、対策のあとに数字が動いたかが分かります。
出典: e-Gov法令検索 宅地建物取引業法 第34条の2 出典: 国土交通省 宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方
売り出しから2〜4週間で問い合わせがなければ待たずに変える
ポータルサイトは、新着の物件が目立つ作りになっています。売り出し直後は、その条件で探している買主が一通りページを開き、そのあとは新たに探し始めた人が中心になります。目安として、売り出しからの2〜4週間が、いちばん見られる期間だと考えておきます。
この期間に問い合わせが1件もなければ、条件で探している買主の多くが「候補から外した」か、そもそも検索結果に出ていない状態だと考えられます。「もう少し待ちましょう」で待った場合、見る人の集団は同じままです。売り出し1か月で問い合わせゼロは、待つのではなく、何かを変える合図として受け取ります。
変えるのは価格、写真、掲載媒体のどれか1つで、変えてから2週間の閲覧数と問い合わせ数を見ます。売れない期間ごとの判断は、別の記事で扱っています。
問い合わせが届いていない可能性も確かめる
もう1つ、確かめておきたいのは「問い合わせが来ていない」のではなく「届いていない」可能性です。
専任媒介契約や専属専任媒介契約では、不動産会社は物件をレインズ(指定流通機構の物件情報システム)に登録する義務を負います。期間は専任媒介契約で締結の日から7日、専属専任媒介契約で5日以内で、この日数に休業日数は算入しません(宅地建物取引業法34条の2第5項・同法施行規則15条の10)。登録された物件は他の不動産会社も見て、自社の買主に紹介します。他社の買主が内覧を希望したときに、自社の買主で決めたい会社がそれを断り、売主には「反響なし」と報告する行為が囲い込みです。国土交通省は売主向けのチラシで、囲い込みをこう説明しています。
「囲い込み」とは、一部の宅建業者が自社の利益のため、売主・買主双方の媒介を行うことを目的として、故意に物件の取引状況を隠し、売主の意向に反して物件の紹介を行わないような行為を指します。
同じチラシによると、令和7年(2025年)1月から、登録証明書に印字された二次元コードを読み取ることで、売主専用画面に簡単にアクセスできるようになりました(確認用IDとパスワードが要ります)。画面で見られる取引状況は「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」の3種類です。内覧がないのに、覚えのないまま「公開中」以外の表示になっていれば、担当者に理由を聞く手がかりになります。この画面を使えるのは専任媒介契約と専属専任媒介契約の売主で、一般媒介契約の場合は別の確かめ方になります。
ただし、この画面で見られるのは登録内容と取引状況までです。他社からの問い合わせ件数や閲覧数、そして断られた問い合わせは、画面の外に残ります。そこで、業務報告に「他社からの問い合わせ件数」を項目として入れてもらい、画面と報告の両方で確かめます。確認の手順は別の記事で扱っています。
出典: e-Gov法令検索 宅地建物取引業法 第34条の2 出典: e-Gov法令検索 宅地建物取引業法施行規則 第15条の10 出典: 国土交通省・4不動産流通機構 レインズの「ステータス管理機能」を活用しましょう!
問い合わせが来ない原因
閲覧が少ない、または閲覧はあるのに問い合わせが来ないときの原因を4つに分けます。どれも、自分の物件を買主の側から見ると確かめられます。
- 買主の検索条件の境目から外れている
- 1枚目の写真と掲載枚数で選ばれていない
- 掲載している媒体が少なく他社に図面が回っていない
- 月々の支払総額が同じ価格帯の競合より重い
買主の検索条件の境目から外れている
ポータルサイトで買主は、価格の上限、駅からの徒歩分数、築年数、専有面積を絞り込んで検索します。「5,000万円以下」「徒歩10分以内」「築25年以内」「60㎡以上」のような条件です。
自分の物件がこの境目のすぐ上にあると、条件が良くても表示の外に置かれます。5,080万円の物件は「5,000万円以下」で探す人の画面の外にあり、徒歩11分の物件は「徒歩10分以内」で探す人の画面の外にあります。徒歩分数と築年数は動かせない条件ですが、価格は変えられます。
確かめ方は、自分で買主としてポータルサイトを開き、自分の駅・価格帯で検索して、自分の物件が何ページ目に出るかを見ることです。出てこないなら、条件の境目を1つ越えるだけで、見る人の集団が入れ替わります。
1枚目の写真と掲載枚数で選ばれていない
検索結果に出ていても、一覧で目に入るのは1枚目の写真と価格だけです。1枚目が外観の暗い写真や、生活感の強い部屋の写真だと、ページを開いてもらう前に飛ばされます。
開いてもらえたあとは、写真の枚数と明るさ、間取り図の見やすさ、紹介文の具体性で決まります。写真が5枚しかない物件と15枚ある物件が同じ価格帯に並べば、買主は多いほうから見ていきます。
自分の物件の掲載を、同じ駅・同じ価格帯の競合と並べて開いてみます。1枚目がリビングの明るい写真になっているか、枚数は競合と比べてどうか、紹介文が「南向き」「駅徒歩8分」の羅列で終わっていないか。写真の撮り直しと紹介文の修正は、媒介契約の範囲の作業で、追加費用なしに頼めます。
掲載している媒体が少なく他社に図面が回っていない
問い合わせが来ない原因が、掲載の範囲にあることもあります。大手のポータルサイトに載せているつもりが、会社の自社サイトと1つのポータルだけ、ということがあります。
もう1つは、他社への情報の流れです。レインズに登録された物件は、他の不動産会社が自社の買主に紹介できます。ただし、その情報を他社が自社の広告やホームページに載せる場面には、別の条件があります。中部圏不動産流通機構のレインズ利用ガイドラインには、登録された物件情報の広告掲載・宣伝告知等は、売主・貸主の了解を前提に、元付(登録)業者の書面による承諾を得た場合(物件情報の広告転載区分が「可」である場合を含む)に限り認められる、と書かれています。
つまり、広告転載区分が「可」で登録されていれば他社はそのまま広告に載せられ、「可」以外なら他社は元付業者の書面による承諾を得る一手間を挟むことになります。その一手間の有無が、他社のサイトに図面が回る速さに関わってきます。担当者には、掲載している媒体の一覧と、レインズの広告転載区分の設定を確かめます。媒体の追加と区分の変更は、売主が頼めば見直せる設定です。
出典: 公益社団法人中部圏不動産流通機構 レインズ利用ガイドライン
月々の支払総額が同じ価格帯の競合より重い
価格は同じ価格帯に入っているのに問い合わせが来ない場合、買主は物件価格に加えて別の数字を見ています。管理費と修繕積立金です。
買主はローンの返済額に管理費と修繕積立金を足した「月々の支払総額」で比べます。
仮の数字で置いてみます。同じ4,800万円の2物件があり、一方は管理費と修繕積立金の合計が月1万5千円、もう一方が月3万5千円だとします。差は月2万円なので、2万円×12か月=24万円が1年の差、24万円×10年=240万円が10年の差です。買主はこの差を物件価格に換算して比べます。自分の物件で計算するときは、管理費と修繕積立金の合計の実額を管理規約や重要事項調査報告書で確かめ、競合の図面に載っている合計額と引き算します。
積立金が高い物件は、検索結果には出ても、ページの中で候補から外れることがあります。対策は2つです。1つは、その積立金が長期修繕計画に基づく額であることを図面と紹介文に書くこと。「長期修繕計画あり・大規模修繕は実施済み」は不安を減らします。もう1つは、価格の側で支払総額の差を埋めることです。積立金が高い物件は、その分だけ価格を競合より下に置く形になります。
問い合わせはあるのに内覧に進まない原因
問い合わせが数件あったのに、内覧の申込はゼロのまま。この状態の原因は、物件そのものより、問い合わせ後の対応にあります。
- 問い合わせへの返信が遅く他の物件に先を越されている
- 内覧できる日時の幅が狭い
- 販売図面の情報が少なく資料請求で終わっている
- 他社からの内覧希望が自社で止められている
問い合わせへの返信が遅く他の物件に先を越されている
買主の多くは、複数の物件に同時に問い合わせています。たとえば同じ条件で数件に資料請求し、返信が来た順に検討を進める買い方です。返信が翌日以降になった物件は、先に返信のあった物件の内覧が決まったあとに回されがちです。
返信の速さは、売主からは見えにくい項目です。担当者の対応を確かめるには、業務報告に「問い合わせを受けた日時」と「内覧の日程を提示した日時」を入れてもらいます。一般的な目安としては、問い合わせから日程提示まで当日中に収まっていれば速い側で、翌日以降が続いているなら、そこで落ちている可能性を考えます。
改善を頼むときは、「問い合わせには当日中に内覧候補日を3つ提示する」と具体的に書きます。売主側でも、候補日をあらかじめ担当者に渡しておけば、担当者はすぐに提示できます。
内覧できる日時の幅が狭い
内覧の日程は、買主の希望と売主の都合が合った日に決まります。売主側の都合が「土日の午後だけ」「平日は不可」「必ず在宅」だと、買主の候補日と合う確率が下がります。
買主の多くは土日に複数の物件を回り、平日の夜に仕事帰りで見に来る人もいます。土日の午前と午後、平日の夜の枠があるかどうかで、内覧の入りやすさは変わります。
幅を広げる方法は、順に3つあります。
- 平日夜の枠を作る
- 在宅せずに担当者だけで案内できる日を作る
- 住み替え先に移って空室にし、鍵を預ける
下に行くほど、買主の希望日にそのまま案内できる日が増えます。空室にして鍵を預けた物件は、売主の予定に左右されずに日程を入れられるため、内覧が入りやすい状態になりやすいと考えられます。
販売図面の情報が少なく資料請求で終わっている
問い合わせの多くは、資料請求です。買主は届いた資料を見て、内覧に進むかを決めます。ここで見られるのが販売図面(マイソク)です。
販売図面は、物件の間取り、価格、管理費、築年、写真を1枚にまとめた資料で、他社の担当者が自分の買主に見せるときにも使います。写真が外観1枚だけ、間取り図が小さい、管理の情報がない図面は、資料を見た段階で「他の物件を先に見よう」と後回しにされがちです。
売主は、自分の物件の販売図面を担当者に見せてもらえます。写真を室内の明るいものに差し替える、管理費と修繕積立金の合計と長期修繕計画の有無を載せる、リフォーム履歴を書く。図面の作り直しも、媒介契約の範囲で頼めます。
他社からの内覧希望が自社で止められている
問い合わせが自社の買主からしか来ていない、または報告に他社からの問い合わせがまったく出てこない場合、他社の内覧希望が届く前に止められている可能性があります。
囲い込みは、自社で買主も見つけて売主と買主の双方から報酬を得ることを目的として、他社からの紹介を故意に止める行為です。売主には「反響が少ない」と報告されるため、売主の側からは見えにくい状態になります。特定の会社を疑ってかかるという話ではなく、売主が持っている情報だけでは判定できない仕組みだ、という話です。
疑う手がかりは2つです。1つは、レインズの売主専用画面で取引状況が「公開中」になっているか。もう1つは、業務報告に「他社からの問い合わせ件数」が出ているか。売主専用画面には他社からの問い合わせ件数が表示されないので、この2つは組み合わせて見ます。両方に気になる点がなくても囲い込みが起きる手口は残るため、まずこの2つを当てて、次の確かめ方に進みます。見抜き方と対処は別の記事で扱っています。
出典: 国土交通省・4不動産流通機構 レインズの「ステータス管理機能」を活用しましょう!
内覧を増やす対策
原因が分かったら、対策を1つずつ試します。同時に複数を変えると、どれが効果を出したか分からなくなります。変えてから2週間の閲覧数と問い合わせ数の変化を報告してもらい、次の対策に進みます。
| 止まっている段階 | 先に試す対策 |
|---|---|
| 閲覧が少ない | 価格を境目の下へ・掲載媒体の追加 |
| 閲覧はあるのに問い合わせがない | 写真と紹介文と図面の作り直し・価格 |
| 問い合わせはあるのに内覧に進まない | 日時の幅を広げる・返信の基準を文書で |
| 1か月以上変化がない | 掲載を止めて出し直す |
価格を検索の境目の下に置き直す
閲覧が少ない、または閲覧はあるのに問い合わせがないときの中心の対策は価格です。ただし「いくら下げるか」より「どの境目の下に置くか」で決めます。
自分の物件の価格が5,180万円なら、5,000万円の境目の下(4,980万円など)に置くと、「5,000万円以下」で探している買主の画面に初めて表示されます。小刻みに5,080万円へ下げた場合は、同じ集団の中で順位が少し動くだけで終わります。
下げる前に、担当者に直近半年の成約事例を3件出してもらい、境目の下に置いた価格が成約事例と離れていないかを確かめます。宅地建物取引業法は、不動産会社が売買すべき価額または評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならないと定めています(34条の2第2項)。値下げのタイミングは、別の記事で詳しく扱っています。
写真と紹介文と販売図面を作り直してもらう
費用がかからず、閲覧から問い合わせへの落ちを直せるのが、写真と紹介文と販売図面の作り直しです。
写真は、1枚目をリビングの明るい写真にし、枚数を競合と同じかそれ以上にします。撮影は晴れた日の午前中、照明を全部つけ、窓を開けて撮ります。紹介文は、条件の羅列に加えて、その部屋で暮らす場面が浮かぶ1文を入れます。販売図面は、室内写真と管理の情報(管理費・修繕積立金の合計、長期修繕計画の有無、大規模修繕の実施年)を載せます。
これらは媒介契約の範囲の作業で、担当者に頼めば追加費用なしで行われます。頼んだ日と反映された日を控え、反映後2週間の閲覧数を前と比べます。
掲載媒体の追加と報告の項目を文書で頼む
掲載の範囲と報告の中身は、口頭ではなくメールで頼み、記録を残します。頼む内容は3つです。
- 掲載媒体の追加(主要なポータルサイトへの掲載とレインズの広告転載区分の見直し)
- 報告の項目(掲載媒体・閲覧数・お気に入り登録数・問い合わせ数・内覧申込数・他社からの問い合わせ件数・問い合わせから日程提示までの時間)
- 写真と図面の作り直しの期限
文書で頼むと、2週間後に「頼んだことが行われたか」を確かめられます。行われていれば数字で効果を測り、行われていなければ、会社の売り方を変える判断の根拠になります。改善が見られないときの会社の変え方は、別の記事で扱っています。
内覧できる日時を広げて鍵を預ける
問い合わせはあるのに内覧に進まないときは、内覧できる枠を広げます。
まず、土日の午前・午後と平日の夜に、あらかじめ内覧できる候補日を担当者に渡します。問い合わせが来たとき、担当者がその場で日程を提示できます。次に、在宅せずに担当者だけで案内できる日を作ります。買主は売主が在宅していると遠慮しがちなので、担当者だけの案内のほうが部屋をゆっくり見てもらいやすくなります。
住み替え先に移っている場合は、鍵を担当者に預けます。預けるときは、鍵の保管方法、立会いなしで案内する合意、案内後の報告のしかたを、書面にして取り決めておきます。空室で鍵を預けた物件は、買主の希望日にそのまま案内できるため、内覧が入りやすい状態になります。内覧当日の準備と対応は、別の記事で扱っています。
いったん掲載を止めて新着として出し直す
売り出しから1か月以上経ち、価格と写真を変えても閲覧が戻らないときは、いったん掲載を止めて出し直す方法があります。
長く掲載されている物件は、同じ条件で探し続けている買主に「見たことがある物件」として飛ばされがちです。掲載を止めて数週間置き、価格か写真を変えて再登録すると、ポータルサイトでもレインズでも新着として扱われ、いちばん見られる2〜4週間がもう一度来ます。
ただし、同じ価格・同じ写真で出し直した場合は、同じ買主に同じ判断をされます。出し直しは、価格を境目の下に置き直す、写真を差し替える、掲載媒体を増やす、のどれかとセットで行います。売れない期間が延びたときの判断と、対策の全体像は別の記事で扱っています。
まとめ:内覧が来ない原因は、閲覧・問い合わせ・内覧のどこで止まったかで決まる
いちばん重いのは、「内覧が来ない」を1つの問題として扱わないという点です。閲覧が少ないのか、閲覧はあるのに問い合わせがないのか、問い合わせはあるのに内覧に進まないのか。この3つは原因も直し方も別で、段階を取り違えたまま写真を撮り直したり値下げしたりすると、手間と売却代金だけが減っていきます。
次の一歩は、担当者に数字を出してもらうことです。掲載媒体の名前、各媒体の閲覧数、お気に入り登録数、問い合わせ数、内覧の申込数の5つを、週ごとに並べてもらいます。専任媒介契約なら2週間に1回以上、専属専任媒介契約なら1週間に1回以上の業務報告の義務があり、報告すべき事項には買主を探すために行った措置と引き合いの状況が含まれます。ここを飛ばして先に価格を動かすと、原因が閲覧の側にあった場合、下げた分だけ損をしたまま同じ状態が続きます。
数字が出たら、レインズの売主専用画面で取引状況が「公開中」になっているかと、業務報告に他社からの問い合わせ件数が書かれているかを合わせて確かめます。住み替えのトビラでは、マンションの内覧が来ないときに段階ごとに原因を切り分ける方法も含めて、住み替えで悩むあなたに信頼できる情報を提供しています。
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