家を売ることを、同じマンションの人や近所には知られずに進めたいと考える人もいるでしょう。
近所に知られずに売る方法はありますが、部屋の情報を隠すほど、手元に残るお金は減っていきます。
この記事では、マンションから住み替える人に向けて、知られにくい3つの売り方と手取りの差、「非公開」の落とし穴を解説します。
近所に知られずに売る方法は3段階|知られにくくするほど時間かお金の負担が増える
近所に知られずにマンションを売る方法は、広告を絞った仲介、非公開の仲介、買取の3段階に分けられます。
段階が上がるほど、売りに出していることは近所に知られにくくなります。その代わり、売る人は、売れるまで長く待ったり、手取りが減ったりします。
まず「誰に・何を・いつまで」知られたくないかを決める
誰に・何を・いつまで知られたくないのかを決めておくと、3つの段階のどれを選べばよいかがわかります。
「近所に知られたくない」という気持ちは同じでも、避けたい相手や中身は人によって違います。例えば、同じマンションの住民にだけ知られたくない人もいれば、売値だけは見られたくない人もいます。
3つの問いと答えの例は、次の表のとおりです。
| 問い | 答えの例 |
|---|---|
| 誰に知られたくないか | ・同じマンションの住民 ・近所の人 ・知人や親せき |
| 何を知られたくないか | ・売ること自体 ・売値 ・売る理由 |
| いつまで隠したいか | ・売れるまで ・引っ越すまで |
3つの問いへの答えによって、合う段階は次のように分かれます。
| 知られたくないこと | 合う段階 |
|---|---|
| 同じマンションの住民に、売りに出していること | 段階1 広告を絞った仲介 |
| 広告に出る売値も含めて、売りに出していること | 段階2 非公開の仲介 |
| 見学者の出入りも含めて、売っている様子のすべて | 段階3 買取 |
とにかく早く売り終えたい人にも、段階3の買取が合います。
ただし、どの段階を選んでも、隠しておけるのは売れるまでです。売れた後は、引っ越しのトラックや登記簿の記録から、いずれ周りに知られます。そのため、「いつまで」は売れるまでと考えて、売り方を選ぶとよいでしょう。
段階1 広告を絞った仲介|マンション名や写真を伏せて売り出す
段階1では、不動産会社がふつうの仲介で買い手を探し、広告からは部屋が分かる情報を外します。
仲介とは、不動産会社に買い手を探してもらい、一般の人に売ることです。ふつうの仲介では、不動産会社が物件検索サイト(ポータルサイト)の広告やチラシで買い手を集めます。
売る人が頼めば、不動産会社はマンション名や階数、室内の写真などを伏せて広告を出します。同じマンションや近所へのチラシ配りも、取りやめてもらえます。
こうすれば、同じマンションの人が広告を目にしても、自分の建物の部屋だとは気づきにくくなります。
一方で、情報の少ない広告は、買いたい人の目に留まりにくくなります。そのため、売れるまでの期間がふつうの仲介より長くなることがあります。
また、不動産の広告には、所在地や広さなど、ルールで必ず載せる項目もあります。伏せられる範囲は、売り出す前に不動産会社に確かめておきましょう。
出典: 不動産公正取引協議会連合会「不動産の公正競争規約」(不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則)
段階2 非公開の仲介|広告を出さず不動産会社の顧客に紹介する
段階2では、不動産会社が広告を一切出さずに、限られた相手にだけ部屋を紹介します。
紹介する相手は、「この地域で家を探している」と不動産会社に登録している客や、付き合いのある別の不動産会社です。
部屋の情報が届く先がこうした相手に限られるので、売りに出していることも売値も、近所の人の目に触れにくくなります。広告に出した売り出し価格は売れた後もネットに残ることがありますが、段階2ではその心配も小さくなります。
なお、1社に任せる「専任媒介」の契約を結んだ不動産会社は、物件を「レインズ」に登録する決まりです。ただ、レインズは不動産会社だけが見られる情報網なので、登録しても近所の人に知られる心配は小さいといえます。
ただし、紹介先が限られるぶん、条件の合う買い手は見つかりにくくなります。そのため売る人は、売れるまで長く待ったり、買い手から値下げを求められたりしやすくなります。
また、「非公開で」という頼みが、不動産会社の都合で、他社への紹介を止める口実に使われることもあります。
非公開を頼むときは、不動産会社からレインズの「登録証明書」を受け取っておくと安心です。証明書があれば、ほかの会社への紹介が止められたままになっていることに、売る人が自分で気づけます。
出典: 国土交通省「レインズの『ステータス管理機能』を活用しましょう!」(物件の売主向けリーフレット)
段階3 買取|広告も内覧もなく不動産会社が買い取る
段階3の買取では、一般の買い手を探さずに、不動産会社が部屋を直接買い取ります。
そのため、売る人の家に来るのは不動産会社の担当者くらいです。担当者が部屋を見て、買取の価格を出します。売る人がその価格に合意すれば、売買が決まります。
人の出入りが最も少ないので、買取は3つの段階の中でいちばん近所に知られにくくなります。
売れるまでの期間も、買取のほうが短く済みます。首都圏の中古マンションを仲介で売る場合、レインズへの登録から成約までは平均82.5日(2025年)かかっています。買取なら、価格に合意した時点で買い手が決まります。
そのかわり、買取の価格は相場より低くなるのが一般的です。不動産会社は買った部屋をリフォームして売り直すため、その費用と利益を差し引いて買取の価格を決めます。
一方で、買取には売る人の負担が軽くなる点もあります。買取では、仲介手数料は0円です。
また、売った後に見つかった不具合の責任(契約不適合責任)を負わない約束を、契約に入れられることがあります。ただし、売る人が知っていて伝えなかった不具合は、この約束があっても責任を負います。
出典: 東日本不動産流通機構 2025年の首都圏市場の統計(登録から成約に至る日数)
5,000万円のマンションなら、売り方で手取りはどれだけ変わるか
相場が5,000万円のマンションを相場の8割で買い取ってもらうと、手取りは仲介で売るより約830万円少なくなります。
売値の差は1,000万円ですが、仲介で売ると約172万円の仲介手数料がかかります。買取では仲介手数料が0円なので、手元に残るお金で比べると、差は約830万円に縮まります。
計算に使った値は、次のとおりです。
計算は、次の順番で進めています。
- 仲介手数料を出す(売値×3%+6万円に、消費税10%を足す)
- 仲介の手取りを出す(売値−仲介手数料)
- 買取の手取りを出す(相場×買取の割合)
- 2つの手取りの差を出す(仲介の手取り−買取の手取り)
相場が5,000万円のマンションを3つの段階で売った場合の手取りを比べると、次の表のようになります。
| 段階1 広告を絞った仲介 | 段階2 非公開の仲介 | 段階3 買取 | |
|---|---|---|---|
| 売値 | 5,000万円 | 5,000万円(値下げせずに売れた場合) | 4,000万円(相場の8割) |
| 仲介手数料(上限) | 約172万円 | 約172万円 | 0円 |
| 手取り | 約4,828万円 | 約4,828万円 | 4,000万円 |
| 売れるまでの期間 | 3か月前後(情報を絞るぶん長めになることも) | 段階1より長引きやすい | 仲介より短い |
| 見学者の出入り | あり | あり(少なめ) | ほぼなし |
| 知られにくさ | △ | ○ | ◎ |
※相場・買取の割合は仮定の値です。仲介手数料は、売値が400万円を超える場合の「売値×3%+6万円」に消費税10%を加えた上限額です。登記費用や印紙代など、どの売り方でもかかる費用は省いています。
買取の価格が相場の9割なら、仲介との手取りの差は約330万円です。相場の7割なら、差は約1,330万円に広がります。
上の順番の「売値」と「相場」に、不動産会社が出した仲介の査定額を入れると、自分の部屋での手取りの差がわかります。買取の割合は、買取の査定額を仲介の査定額で割ると出せます。
では、仲介で売れるまでが長引くと、出費はどれだけ増えるのでしょうか。新しい家に移った後も、売る人は今の家のローンや管理費を、売れるまで払い続けることになります。
仮に今の家の費用が、ローンと管理費などで月15万円だとします(仮定の値)。売れるのが3か月遅れると、出費は45万円です。一方、今の家に住みながら売る場合は、売れるまでが長引いても、出費は売る前と同じ額のままです。
つまり多くの場合、売れるまでが長引いて増える出費より、買取で減る手取りのほうがずっと大きくなります。
「早く静かに終えたいから買取」と決める前に、不動産会社の査定額をもとに、仲介と買取の手取りの差を計算しておきましょう。
出典: 国土交通省「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」(令和6年7月1日施行)
期間を区切って売り方を切り替えれば、手取りが減るのを抑えられる
最初から買取に決めず、期限を区切って売り方を切り替えていけば、手取りが大きく減るのを防げます。
よく使われるのが、非公開から広告への切り替えです。例えば最初の1〜2か月は、不動産会社が非公開で買い手を探します。反応が少なければ、マンション名などを伏せた広告に切り替えます。
もう1つのやり方は、「買取保証」の付いた仲介です。決めた期限を過ぎても仲介で売れ残ったときは、前もって約束した価格で不動産会社が買い取ります。
新しい家の引き渡し日が決まっている人は、その日から逆算して、売り方を切り替える時期を決めておくとよいでしょう。
買取保証を付けるときは、保証される価格を、媒介契約(不動産会社に売却を頼むときに結ぶ契約)を結ぶ前に書面で出してもらうと安心です。保証価格が相場の8割なら、相場5,000万円の部屋で、仲介との手取りの差は約830万円になるからです。
売ることはどこから近所に知られるのか|売り出し前から売れた後までの経路
マンションを売ることが近所に知られるきっかけは、売り出す前から売れた後まで、時期ごとに違います。
時期ごとの主なきっかけは、次の表のとおりです。
| 時期 | 知られるきっかけ |
|---|---|
| 売り出す前 | 査定や写真撮影のための訪問 |
| 売り出し中 | ・ネットの広告 ・チラシ |
| 見学(内覧)のとき | 見学者や不動産会社の担当者の出入り |
| 契約のころ | 管理会社への書類の依頼 |
| 売れた後 | ・引っ越し ・売り出し履歴のサイト ・登記簿 |
実は、多くの人が心配する管理会社より、ネット広告や売れた後の記録から知られることのほうが多いといえます。
売り出し中に最も知られやすいのはネット広告とチラシ
売り出し中は、物件検索サイトなどのネット広告とチラシから、売っていることが最も知られやすくなります。
ネット広告には、ふつうマンション名や階数、室内の写真などが載ります。同じマンションの住民なら、これだけで「あの3階の角部屋だ」とすぐに分かります。自分の住むマンションの名前で検索して、売りに出ている部屋をのぞく住民もいます。
チラシにも注意が要ります。不動産会社は、同じマンションや近所の家に「この建物の部屋が売りに出ました」というチラシを配ることがあります。
売る人が見落としやすいのが、頼んだ会社とは別の不動産会社が出す広告です。不動産会社どうしは、レインズという業者専用の情報網で物件の情報を共有しています。その情報を見た別の会社が、自社の広告に部屋を載せることがあります。
複数の会社に同時に頼む「一般媒介」の契約では、それぞれの会社が広告を出します。広告の数が多いぶん、部屋の情報も近所の人の目に触れやすくなります。
内覧や撮影のときは、人の出入りで気づかれる
住みながら売る場合は、見学者や不動産会社の担当者の出入りから、売っていることに気づかれることもあります。
売れるまでには、ふつう何組もの人が「内覧」(買いたい人が部屋を見に来ること)に訪れます。そのたびに、住民にとって初めて見る家族連れと不動産会社の担当者が、エントランスやエレベーターを通ります。
特に目立つのが、不動産会社の担当者です。担当者がスーツ姿で資料を抱え、エントランスで見学者を待つ姿は、住民の目に留まります。「どこかの部屋が売りに出ているな」と気づく住民もいるでしょう。
売り出す前の査定や、広告用の写真撮影のときも同じです。カメラや照明の機材を抱えた人が出入りすれば、住民は何の撮影かと気にかけます。
人の出入りから気づかれるのを防ぐには、広告とは別の工夫が要ります。例えば見学の時間帯や担当者の服装は、不動産会社に頼めば変えてもらえます。
管理会社・管理組合から住民に売却が伝わる心配は小さい
管理会社や管理組合から、売ることがほかの住民に伝わる心配は小さいといえます。
マンションを売るときは、不動産会社が管理会社に「重要事項調査報告書」を頼みます。この報告書は、管理費の額や修繕の予定など、買い手に説明する情報をまとめた書類です。そのため、管理会社は、部屋が売りに出ていることを知ることになります。
それでも、管理会社は、国の標準管理委託契約書で、住民の個人情報を適切に扱う決まりになっています。住民の情報を、本人の了解なしにほかの住民へ伝えることは、極めて不適切とされています。
管理組合(マンションの持ち主たちでつくる組織)へは、持ち主が変わった後に届け出るのが基本です。国が示す管理規約のひな形(標準管理規約)の第31条で、持ち主が変わったときに届け出る決まりになっています。
ただし、規約の中身はマンションごとに違います。届け出の時期は、自分のマンションの管理規約で確かめておきましょう。
出典: 広島市「マンション管理のQ&A 管理委託契約編」(2020年 分譲マンション管理運営講座)
出典: 国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」(令和7年改正版)
見落としやすい売れた後の記録|売り出し履歴のサイトと登記簿
売れた後も、ネットに残る売り出し価格や登記簿の記録から、近所の人に売ったことを知られる場合があります。
まず、ネットの売り出し履歴です。マンションの情報を集めたサイトの中には、過去の売り出し価格をもとに、部屋ごとの相場を載せているところがあります。
次に、登記簿です。登記簿とは、土地や建物の持ち主を記録した国の帳簿で、手数料を払えば誰でも証明書を取れます。部屋を売ると、登記簿には、売買で持ち主が変わったことや、新しい持ち主の名前と住所が載ります。
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」でも、取引の価格が公開されています。ただ、このサイトの取引価格は、個別の物件が特定できないように加工して公開されています。
最後は引っ越しです。引っ越しのトラックが来れば、売ったことはいずれ近所に知られます。
つまり、隠しておけるのは売れるまでです。売値まで知られたくない人には、初めから広告を出さずに売る、非公開の仲介や買取がおすすめです。
「非公開で売りましょう」に潜む落とし穴|囲い込みで売る人が損をする仕組み
不動産会社の「非公開で売りましょう」という提案に乗ると、売る人が損をすることがあります。
不動産会社が自社の都合で、ほかの会社からの買い手の紹介を止めてしまうことがあるためです。
近所に知られたくないと相談すると、不動産会社からこの提案を受けることがあります。売る人の希望に沿った提案に見えるので、そのまま任せてしまう人もいるでしょう。
レインズの「一時紹介停止」は、売る人の希望で紹介を止められる
売る人が希望すれば、不動産会社はレインズで、ほかの会社からの買い手の紹介をいったん止められます。
レインズとは、不動産会社どうしが物件の情報を共有する、業者専用の情報網です。売却を1社に任せる契約(専任媒介・専属専任媒介)を結んだ不動産会社は、法律で物件をレインズに登録する決まりです。
レインズには物件の今の状態を登録する欄があり、不動産会社は次の3つから選びます。
| 状態 | 意味 |
|---|---|
| 公開中 | ほかの不動産会社も買い手を紹介できる |
| 書面による購入申込みあり | すでに買いたい人から申し込みが入っている |
| 売主都合で一時紹介停止中 | 売る人の事情で、紹介をいったん止めている |
「一時紹介停止中」は、例えば売る人が「家族の事情で、しばらく見学を断りたい」と希望したときに使われます。
レインズには、ほかの会社が自社の広告にこの物件を載せてよいかを決める欄(広告転載の可・不可)もあります。「可」以外にしておくと、ほかの会社が広告を出すには、登録した不動産会社の書面による承諾が要ります。
どちらの設定も、近所に知られたくない人の役に立ちます。ただし、不動産会社が自社の都合でこの2つを使うと、売る人が損をすることになります。
出典: 国土交通省「レインズの『ステータス管理機能』を活用しましょう!」(物件の売主向けリーフレット)
出典: 不動産流通推進センター「レインズに登録した売買情報を他業者が広告するときは売主の承諾は必要か」
一時紹介停止は、囲い込みを隠すのに使われることがある
一時紹介停止や広告転載「不可」の設定は、不動産会社が「囲い込み」を隠すために使うことがあります。
不動産会社の収入は、主に仲介手数料です。売る人と買う人の両方を自社で見つければ、会社は両方から手数料を受け取れます。他社が買い手を連れてくると、受け取れるのは売る人の分に限られます。
そこで一部の会社は、他社から「買いたい客がいます」と問い合わせが来ても、「もう申し込みが入っています」などと断ります。このように、両方から手数料を受け取るために他社の客を断ることを「囲い込み」といいます。
売る人が「非公開で」と頼んでいれば、紹介が止まっていても、本人も他社も希望どおりの対応だと受け止めます。そのため、「非公開で」という頼みは、囲い込みを隠す口実に使われやすくなります。
囲い込みをされると、買い手の候補が減ります。その結果、売る人は売れるまで長く待たされ、値下げに応じて相場より安く手放すおそれもあります。
出典: 国土交通省「レインズの『ステータス管理機能』を活用しましょう!」(物件の売主向けリーフレット)
2025年からは、売る人がレインズでの物件の状態を自分で確かめられる
2025年からは、売る人がレインズでの物件の状態を、「登録証明書」を使って確かめられるようになりました。
囲い込みを防ぐため、国はルールを強めました。物件の今の状態を登録する仕組みは2016年に始まり、2025年1月からは、不動産会社による登録が義務になりました。
登録証明書は、不動産会社がレインズに物件を登録したときに、売る人へ渡す書類です。2025年1月4日以降の証明書には、二次元コードが付いています。売る人がそのコードを読み取り、確認用のIDとパスワードを入れると、専用の画面で物件の今の状態を見られます。
非公開で売ると決めたら、登録証明書と専用の画面で、次の4点を見ておくとよいでしょう。
- 登録証明書を受け取っている
- 物件の状態が、頼んだ内容と合っている
- 「一時紹介停止中」は、頼んだ期間だけになっている
- 広告転載の「不可」は、自分が頼んだ設定である
画面に出る状態が頼んだ内容と違っていたら、担当者に理由を尋ねると、囲い込みに早く気づけます。
不動産会社には、売る人に販売活動を報告する義務もあります。報告の頻度は、専任媒介なら2週間に1回以上、専属専任媒介なら1週間に1回以上です。
報告を受けるときは、ほかの会社から何件の問い合わせがあったかも、担当者に聞いておきましょう。答えがあいまいなときは、専用の画面で物件の状態をもう一度見ておくと安心です。
出典: 国土交通省「レインズの機能強化について、物件の売主向けのリーフレットを作成しました!」(2024年12月24日)
知られずに売るための不動産会社への頼み方|会社選びから内覧まで
近所に知られずに売るには、会社選びから内覧までの時期ごとに、不動産会社へ頼むことを前もって決めておきましょう。
各見出しの箇条書きは、担当者と話すときのメモとしてそのまま使えます。
不動産会社は、近くで家を探す客の多さと買取への対応で選ぶ
近所に知られずに売りたい人には、近くで家を探している客を多く抱え、買取にも対応できる不動産会社がおすすめです。
広告を絞るほど、不動産会社は、もともと抱えている客の中から買い手を探すことになります。そのため、会社を選ぶときは、査定の金額に加えて、近くで家を探している客の数も確かめておきたい点です。
地元に店舗があり、その地域での取引が多い会社ほど、条件の合う客を抱えていると考えられます。
買取や買取保証にも対応できる会社なら、売る人は、仲介で売れ残ったときも会社を替えずに買取へ切り替えられます。
査定の前に、担当者には次のことを聞いておくと安心です。
- このマンションの近くで家を探している登録客の組数
- 広告を出さずに売った実績
- 買取や買取保証の対応と、価格の目安
- 広告やチラシを控える希望への対応
組数や実績を具体的に答えられる会社なら、広告を絞っても買い手を見つけられる見込みが高いといえます。
査定のときに「近所に知られたくない」と伝える
「近所に知られたくない」という希望は、査定を頼む最初の連絡のときに、不動産会社へ伝えておきましょう。
査定で担当者が家に来るときから、近所の目に触れる場面は始まります。担当者が社名入りの車を建物の前に停めたり、エントランスで売却の話をしたりすれば、それだけで目立ちます。
また、不動産会社は、査定の結果と一緒に売り出し方を提案します。最初に希望を伝えておけば、広告の範囲や、非公開から広告への切り替えの時期まで含めた提案を受けられます。
希望を伝えるときは、誰に何を知られたくないのかを具体的に話すとよいでしょう。例えば「同じマンションの人には知られたくない」と伝えれば、不動産会社は広告を伏せる範囲を決められます。
査定で家に来てもらうときは、担当者に次のことも頼めます。
- 社名の分かる車や持ち物を避けた訪問
- こちらの都合に合わせた電話やメールの時間と方法
- 知られたくない希望をふまえた売り出し方の提案
電話の時間を合わせてもらえば、来客中や玄関先で売却の話が聞こえてしまうことも防げます。
広告に出す範囲は売り出す前に決め、媒介契約書に書いてもらう
広告に出す範囲を媒介契約書に書いてもらえば、担当者が替わっても、決めた条件のまま売り出してもらえます。
不動産会社に売却を頼むときは、「媒介契約」という契約を結びます。この契約を結ぶまでに決めておきたい項目は、次のとおりです。
- 物件検索サイトへの掲載
- マンション名と階数の表示
- 室内や窓からの眺め、外観の写真
- 同じマンションと近所へのチラシ
- 他社の広告への転載(レインズの広告転載の可・不可)
- 「一時紹介停止」を使う期間
広告に載せる写真のうち、窓からの眺めや外観は階や向きが分かるので、外してもらうと部屋を特定されにくくなります。
知られずに売るなら、契約の種類は、1社に任せる専任媒介か専属専任媒介がおすすめです。複数の会社に頼む一般媒介では、会社ごとに広告が出るぶん、部屋の情報が人目につきやすくなります。
ただし、ほかの不動産会社への紹介を止めるほど、買い手の候補は減ります。レインズの「一時紹介停止」や広告転載の「不可」を使うときは、いつまで使うかの期限も決めておくとよいでしょう。
決めた項目は、媒介契約書の特約の欄に書いてもらうか、別の書面に残してもらいましょう。
内覧の人目を減らす頼み方と、空室にしてから売る方法
住みながら売る場合も、内覧の日時や担当者の服装を不動産会社に頼んで変えてもらえば、住民に見られる場面をかなり減らせます。
不動産会社には、次のようなことを頼めます。
- 住民の出入りが少ない平日の昼間の見学
- 1回1組までの案内
- 住宅ローンの事前審査を済ませた人など、買う気の高い人への案内
- スーツや社名入りの物を避けた担当者の服装
- 建物の前を避けた、近くの駅や店での待ち合わせ
- エントランスや廊下で売買の話を控える配慮
見学を1回1組にすれば、何組もの家族連れが続けて出入りする場面を避けられます。待ち合わせを近くの駅や店にすれば、担当者がエントランスで見学者を待つ姿を、住民に見られずに済みます。
ただし、買いたい人の中には、見学できるのが土日に限られる人もいます。平日に絞りすぎると見学の機会が減るので、平日と土日の割り振りは担当者と相談しておくと安心です。
もう1つの方法は、先に新しい家へ引っ越し、空室にしてから売ることです。見学は不動産会社に任せられるので、売る人が住民と顔を合わせる場面がぐっと減ります。
空室にして売るには、新しい家に先に移れることが条件になります。売る人は空室の間も、換気や郵便物の確認など、部屋の管理を続ける必要があります。
空室にしても、売れるまでは今の家のローンや管理費を払い続けることになります。その費用が月15万円なら、3か月で45万円です。この費用と、早く売るために値下げする額を比べてから、空室にする時期を決めるとよいでしょう。
まとめ:近所に知られずに売るなら、非公開の仲介から始めて期限で売り方を切り替える
近所に知られずにマンションを売る方法は、広告を絞った仲介、非公開の仲介、買取の3つです。いちばん知られにくい買取は、相場5,000万円の部屋を相場の8割で売ると、仲介より手取りが約830万円少なくなります。そのため、非公開の仲介から始め、期限を決めて売り方を切り替えていくと、手取りが大きく減るのを防げます。
まずは査定を頼むときに「近所に知られたくない」と伝え、仲介と買取の両方の査定額を出してもらいましょう。2つの額を比べずに「早く静かに」と買取を選ぶと、数百万円単位で手取りを減らしてしまうおそれがあります。
非公開で売り出したら、レインズの登録証明書で、物件の状態が頼んだ内容と合っているかも確かめておくと安心です。住み替えのトビラでは、近所に知られずにマンションを売る方法と売り方ごとの手取りの差も含めて、住み替えで悩むあなたに信頼できる情報を提供しています。
住み替えのトビラ 
