マンションから戸建てで後悔しやすい点と防ぎ方|買う前にしか防げない後悔は4つ

マンションから戸建てで後悔しやすい点と防ぎ方

マンションから戸建てへ移って後悔しないか、不安に感じている人も多いでしょう。

戸建てでの後悔の多くは、マンションで当たり前だったものが戸建てには無いことから生まれます。

この記事を読めば、契約の前に何を確かめれば後悔を防げるかが分かります。

マンションから戸建てで後悔しやすい8つのことと確かめ方

後悔しやすいことは8つあり、そのうち4つは買う前に防いでおく必要があります。

駅からの距離や土地の条件は、買った後では変えられないからです。寒さや防犯は、物件の選び方や住んでからの工夫で対処できます。

気になる項目から読んでみてください。

後悔しやすいこといつ防げるか契約の前に確かめること
駅から遠くなる買う前平日の朝と夕方に、駅まで歩いてみる
売りにくい買う前土地の境目と、家の前の道
近所付き合いが増える買う前自治会の当番、ゴミ出しの決まり
ローンが二重になる買う前今のマンションがいくらで売れそうか
冬に寒い買った後も対処できる寒い日や夜の見学、窓のガラス
光熱費が上がる買った後も対処できる家の広さと窓を、今の住まいと比べる
防犯を自分で用意する買った後も対処できる窓の位置、夜の人通りと街灯
手入れと修理が自己負担になる買った後も対処できる外壁と屋根を最後に直した時期

マンションから戸建てへ移らないほうがよい人

次のどれかに当てはまる人は、戸建てへ移ると後悔しやすくなります。

  • 駅まで歩いて数分という便利さを手放したくない
  • 家や庭の手入れに、時間もお金もかけたくない
  • 数年のうちに、また引っ越すかもしれない

どれも、戸建てを買った後では避けられないことだからです。

当てはまる人には、別のマンションへ住み替える方法や、今の住まいをリフォームして住み続ける方法をおすすめします。

戸建てを選ばないことも、後悔を防ぐ方法のひとつといえます。

住み替えるならマンションと戸建てはどっち?今の住まいで変わる判断軸 住み替え(買い替え)でマンションと戸建てはどっち?今の住まいで変わる判断軸

マンションから戸建てで、買う前にしか防げない4つの後悔

駅からの距離、売りにくさ、近所付き合い、ローンの重なりの4つは、契約した後では変えられません。

物件を見るときは、この4つから確かめていきましょう。

駅から遠くなり、通勤と買い物が大変になる

同じ予算で探すと、戸建てはマンションより駅から遠くなりがちです。

戸建ては土地が広いぶん、駅の近くでは値段が高くなるからです。

駅からの遠さは、図面や写真を見ているだけでは実感しにくいでしょう。住み始めてから、雨の日の移動や、車がないと買い物に行けない不便さに気づく人もいます。

契約の前に、平日の朝と夕方に、駅まで自分で歩いてみてください。休日の昼に車で案内してもらうだけでは、毎日の大変さまでは見えてこないからです。

「これを毎日続けるのは無理だ」と感じた物件は、見送ることをおすすめします。

戸建てはマンションより売りにくい

戸建ては、売るときにマンションより時間がかかります。

首都圏で2025年に売れた中古物件では、買い手が決まるまでの平均日数は、マンションが82.5日、戸建てが100.9日でした。戸建てのほうが、18日ほど長くかかっています。

この日数は、不動産会社が「レインズ」という物件情報の登録システムに載せた日から数えています。

ほかの記事にある「◯か月で売れる」という数字は、数え始める日が違う場合もあるため、そのまま比べないようにしましょう。

では、売るときの値段は何で決まるのでしょうか。

答えは、建物よりも土地です。木造の戸建ては、築20年を超えると建物にはほとんど値段が付かず、ほぼ土地だけの値段で売ることになります。

つまり、土地の条件が、将来の売りやすさを左右するといえます。次の2つは、契約の前に不動産会社へ聞いておきましょう。

  • 隣の土地との境目は、はっきり決まっているか
  • 家の前の道は、私道(個人が持っている道)にあたるか

境目があいまいな土地や、私道に面した土地は、買い手が見つかりにくくなります。

出典: 東日本不動産流通機構 首都圏不動産流通市場の動向(2025年)(2026年10月11日取得)

近所付き合いと地域の決まりが増える

戸建てに住むと、自治会の当番や地域の掃除、ゴミ出しの決まりに、自分で参加することになります。

マンションでは、こうした住民同士の調整を管理組合が引き受けていました。戸建ての多い地域では、それを住民が自分たちで分担します。

付き合いの深さは地域によって大きく違い、住み始めてからは変えにくい点といえます。

見学のときに、自治会の掲示板とゴミ置き場を見ておくと、地域の様子がつかめます。当番が回ってくる回数は、不動産会社に聞けば教えてもらえるでしょう。

はっきりした答えが返ってこないときは、近所の人に直接たずねてみてください。

マンションから戸建てへ 町内会は入るべき?費用と役員 マンションから戸建てへ 町内会は入るべき?費用と役員

売る前に買うとローンが二重になる

今のマンションを売る前に戸建てを買うと、2つの家のローンを同時に返すことになります。

マンションが思ったより安くしか売れず、戸建ての代金が足りなくなる例もあります。

これを防ぐ方法が、マンションを先に売ってから戸建てを買う「売り先行」です。

売り先行で進めるには、今のマンションがいくらで売れそうかを先に調べておきましょう。

売れる値段の見積もり(査定額)は、不動産会社によって違います。1社の数字だけで戸建ての予算を決めると、資金が足りなくなるおそれがあります。

戸建ては1軒ごとの違いが大きいので、将来売るときは、査定額の差がマンションよりも大きくなります。

売り先行・買い先行はどちら?住み替えで損しない選び方と実践テクニック 売り先行・買い先行はどちら?住み替え(買い替え)で損しない選び方と実践テクニック ダブルローンは組むべき?避けるべき?自分の状況で判断する5つの基準 ダブルローンは組むべき?避けるべき?自分の状況で判断する5つの基準 不動産売却の一括査定サイトおすすめ7選|選び方と組み合わせ方 不動産一括査定サイトのおすすめを「元・査定サイトの中の人」が徹底比較してみた

マンションから戸建てで、買った後でも対処できる4つの後悔

寒さ、光熱費、防犯、手入れの4つは、物件の選び方や住んでからの工夫で対処できます。

契約の前に知っておくと、対処はぐっと楽になります。

冬は床や廊下が冷える

木造の戸建ては、鉄筋コンクリートのマンションより冬に寒く感じます。

マンションの部屋は、上下左右をほかの部屋に囲まれているので、温度が下がりにくくなっています。

戸建ては、壁も床も屋根も外の空気に触れています。そのため、玄関や窓のそば、北側の部屋、浴室、脱衣所がとくに冷えます。

暖かいリビングから寒い浴室へ移ると、急な温度差が体の負担になります。高齢の家族がいる場合は、とくに気をつけておきたい点です。

寒さは、寒い日や夜に見学すると確かめられます。見学は晴れた昼に案内されることが多いので、日時は自分から希望を伝えてみてください。

窓のガラスの枚数も、寒さを見分ける手がかりになります。2枚重ねのガラスは、1枚のものより寒さを防げます。

中古の戸建てには、築年数が新しくても冬に寒い家があります。

国が決めた省エネの基準を守ることが義務になったのは、2025年4月以降に工事を始めた家に限られます。つまり、それより前に建った家は、寒さへの強さが1軒ごとに大きく違います。

出典: 国土交通省 建築物省エネ法 省エネ基準適合義務の対象拡大について(2026年10月11日取得)

光熱費がマンションのときより上がる

戸建てに移ると、冷暖房にかかるお金が増えます。

理由は次の3つです。

  • 家が広くなり、暖めたり冷やしたりする空間が増える
  • 2階建てや3階建てでは、暖かい空気が上の階へ逃げる
  • 古い家ほど、外の暑さ寒さが室内に伝わりやすい

「戸建てに移ると何倍になるのか」を調べた統計は、今のところありません。

そのため、候補の家の広さと窓のガラスを、今の住まいと比べてみてください。

家が今よりずっと広く、窓のガラスも1枚であれば、冬の暖房費は今より上がると考えられます。上がる分を毎月の予算に入れておくと、住み始めてからあわてずにすみます。

防犯を自分で用意する

戸建てでは、防犯を自分で用意することになります。

マンションにあったオートロックや防犯カメラ、管理人の見回りが、戸建てには無いからです。1階の大きな窓や庭、ベランダなど、外から入りやすい場所もマンションより多くなります。

ただし、防犯の道具は後から付けられます。窓に付ける補助の鍵、人が近づくと光るセンサーライト、防犯カメラなどがあります。

後から変えにくいのは、窓の位置と家の周りの環境です。

見学のときは、道路から見えにくい窓の場所を確かめておきましょう。夜にもう一度行ってみると、人通りと街灯の明るさも分かります。

家と庭の手入れ・修理がすべて自己負担になる

戸建てでは、外壁や屋根、庭の手入れと修理を、すべて自分で業者に頼み、自分でお金を払うことになります。

「管理費と修繕積立金が無くなるから得をする」と考える人もいるでしょう。ところが、支払いは無くなるのではなく、形が変わるといえます。

マンションの持ち主は、1戸あたり平均で月に約2万4,500円を払っています。内訳は管理費が約1万1,500円、修繕積立金が約1万3,000円で、1年にすると約29万円です(令和5年度)。

戸建てでは、この支払いの代わりに、修理のたびにまとまったお金が必要になります。外壁や屋根の修理は何年かおきに必要で、1回の金額も大きくなります。

おすすめは、今払っている管理費と修繕積立金と同じ金額を、戸建てに移った月から修理用に貯めていく方法です。毎月の出費が今と変わらないので、無理なく続けられます。

中古の戸建てを買うときは、外壁と屋根を最後に直した時期を、売主(家を売る人)に聞いてみてください。何年も直していない家は、買ってすぐに大きな修理代がかかる場合があります。

庭の草取りや階段の上り下りは、年を取るほど大変になります。長く住むつもりであれば、庭が広すぎない家を選んでおくと安心です。

出典: 国土交通省 令和5年度マンション総合調査結果〔概要編〕(管理費と修繕積立金は、駐車場代などからの充当を含まない金額。2026年10月11日取得)


2026年10月に更新しました。8つの後悔を「買う前にしか防げないもの」と「買った後でも対処できるもの」に分けて並べ直し、マンションの管理費と修繕積立金の平均額を追記しています。