結婚でマンションが2つに。片方を売る・貸す判断と、どちらをいつ売るか

結婚でマンションが2つに。片方を売る・貸す判断と、どちらをいつ売るか

結婚してお互いのマンションが2つになると、ローンや管理費を2戸分払い続けるか、片方を売るか貸すかを決める時期がやってきます。

正直に言うと、どれが得かは二人の家の条件しだいです。ただ、どの道を選んでも、家を出てから3年たつ年の年末という、3,000万円特別控除の期限が締め切りになります。

売る・貸すメリットとデメリットから、どちらの家を売るかの5つの基準、売る時期の3つの選択肢まで、二人の家に当てはめながら確かめられます。

結婚で2つになったマンションの片方を売る・貸すメリットとデメリット

売ると毎月の支払いが減り、税金の特例も使えます。貸すと家賃が入る代わりに、住宅ローンの決まりと、家賃から手元に残る額を先に確かめる必要があります。

メリットデメリット
売る・支払いが1戸分になる
・3,000万円特別控除を使える
・売却額がローン残高を下回ると自己資金で埋める
貸す・家賃を受け取りながら、住むか売るかを後で選べる・金融機関の承諾が必要
・家賃の多くが支払いに消える
・入居者がいると売却額が下がりやすい

売ると、ローンと管理費の支払いが1戸分になる

片方を売ると、その家のローン返済、管理費、修繕積立金、固定資産税の支払いが止まり、毎年の固定費が1戸分減ります。

国土交通省の調査では、マンションの管理費は月11,503円(駐車場などの使用料から回す分を除いた平均)、修繕積立金は月13,054円で、合わせて月24,557円です。管理費と修繕積立金だけで、年に約29万円になります。

この支払いは、空室にしていても持ち主に請求され続けます。ローンが残っていれば、そこに返済も加わります。

手放す家の1年分の支払いは、次の3つを足すと出せます。

  • ローン返済・管理費・修繕積立金の月額×12か月
  • 固定資産税・都市計画税(年1回届く納税通知書の額)
  • 火災保険料・地震保険料(1年あたり)

この合計を、貸した場合に入る家賃と並べると、売るか貸すかを比べる材料になります。

出典: 国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果」データ編 出典: 国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果」概要編

売れば、売却益に3,000万円特別控除を使える

住んでいた家を売って出た利益から、最大3,000万円を差し引ける特例があります。利益が3,000万円以下なら、税金は0円です。

利益(売却益)は、売った値段から、買った値段と売るときの費用を引いた額です。

「マンションで、そんなに利益が出るの?」と思う人もいるでしょう。首都圏の買い換え世帯の調査では、築5年超〜10年以内で売った世帯の売却価格が、購入価格を平均2,098.7万円上回っていました(回答23件)。

ただし、配偶者や親子など特別な関係のある人に売ると、特例の対象から外れます。夫婦の一方がもう一方の家を買い取る形も、これに当たります。

特例を使うには、税金が0円でも、売った翌年の確定申告が必要です。売るまでの期限は、「相場を見ながら、3,000万円特別控除の期限内に売る」で説明しています。

出典: 国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」 出典: 不動産流通経営協会「不動産流通業に関する消費者動向調査(2025年度)」概要版 図20

売却額がローン残高を下回ると、差額を自己資金で埋める

売った額がローン残高より少ないと、差額を預貯金などで埋めて、ローンを全額返す必要があります。

理由は、家に付いている抵当権です。抵当権は、返済が止まったときに銀行が家を売ってお金を回収できる権利で、住宅ローンを借りると付きます。買い手は抵当権が外れた家を受け取るため、売り手は引き渡しの日にローンを全額返して抵当権を外します。

一方で、売って損が出たときは、所得税と住民税を減らせる特例もあります。「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」です。

この特例では、損を給与などの所得から差し引けます。差し引ける上限は、売買契約日の前日のローン残高から売った額を引いた額です。その年に引いて余った分は、翌年以後3年間に繰り越せます。

主な要件は次のとおりです。

  • 売った年の1月1日時点で、所有期間が5年を超えている
  • 売買契約日の前日に、返済期間10年以上の住宅ローンが残っている
  • 住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る
  • 配偶者や親子など、特別な関係のある人以外に売る
  • 2027年12月31日までに売る
  • 繰り越す年の合計所得金額が3,000万円以下

出典: 国税庁「No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)」

貸せば、家賃を受け取りながら住むか売るかを後で選べる

貸すと毎月家賃が入り、家を持ち続けられます。子どもが生まれて広い家が必要になったら戻って住む、相場が上がったら売る、という判断を後に回せます。

しかも、貸している途中でも3,000万円特別控除は使えます。条件は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることです。国税庁は、住まなくなった後にその家をどう使っていても、この期限内に売れば特例の対象になるとしています。

つまり「1〜2年貸して様子を見て、期限内に売る」という進め方もできます。

ただし、入居者が住んでいる家は、売るときの値段が下がりやすくなります。貸す期間と契約の種類は、売る予定の時期から逆に考えて決めておきましょう。

出典: 国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」

住宅ローンのまま貸すには、金融機関の承諾が必要になる

住宅ローンは、借りた本人が住むことを条件に、低い金利で貸すローンです。そのため人に貸す前に、借入先の金融機関に相談して承諾を得る必要があります。

例えばフラット35は、転勤などのやむを得ない事情で一時的に家を離れ、戻ることを前提にする場合に、賃貸を認めています。その場合も、金融機関の窓口で住所変更の手続きをします。投資用に使うなど目的外の利用が分かると、全額を一括で返すよう求められることがあります。

結婚で相手の家に移り、そのまま住み続ける予定で貸せるかは、金融機関が判断します。断られたら、ローンを完済するか、一般に金利が高めの賃貸用ローンへ借り換えることになります。

貸すと決める前に、結婚で相手の家に移ることを借入先へ伝え、貸せるかと、その条件を聞いておきましょう。

出典: 住宅金融支援機構「返済中に融資住宅を賃貸にしてもいいですか。」(Q&A 3149)

家賃収入の多くが、ローンと管理費の支払いに消える

家賃からローン返済や管理費、修繕積立金を払うと、手元に残る額は家賃よりずっと少なくなり、赤字になる月もあります。

家賃から出ていくお金は、次のとおりです。

  • ローン返済、管理費、修繕積立金
  • 管理会社への委託料(入居者の募集や家賃の集金を任せる場合)
  • 固定資産税・都市計画税、火災保険料
  • 空室の期間に途切れる家賃
  • 退去後のクリーニングや、給湯器など設備の交換費用

さらに、家を出た年から、その家の住宅ローン控除は止まります。家賃から経費を引いた所得が年20万円を超えると、会社員でも確定申告が必要になります。

不動産会社の中には、管理の仕事を請け負いたくて、貸すことを勧める会社もあります。判断に使うのは家賃の額より、出ていくお金を全部引いて残る額です。1年に残る額は、次の式で出せます。

家賃×入居している月数−出ていくお金の合計

例えば家賃が月12万円の場合(仮の例です)

家賃を月12万円、ローン返済と管理費・修繕積立金を合わせて月10.5万円と仮定します。満室なら(12万円−10.5万円)×12か月で、1年に残るのは18万円です。空室が2か月出ると家賃が12万円×2か月で24万円減り、18万円−24万円で6万円の赤字になります。固定資産税や火災保険料、管理会社に任せる場合の委託料は、ここからさらに払います。

自分の場合は、上の式に、近所の似た部屋の募集家賃、返済予定表の返済額、管理組合から請求される管理費と修繕積立金を入れます。

出典: 国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」 出典: 国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」

入居者がいると、売却額が下がりやすくなる

入居者がいる家を買うのは、主に家賃収入を目当てにする投資家です。自分で住みたい人が買い手の候補から外れるため、売却額が下がりやすくなります。

投資家は、家賃から得られる利回りで価格を決めます。

例えば年間の家賃が144万円の家の場合(仮の例です)

年間の家賃を144万円(月12万円)、投資家が求める利回りを5%、自分で住む人向けの相場を3,200万円と仮定します。投資家は144万円÷5%で2,880万円と考えるため、3,200万円−2,880万円で、320万円安く売ることになります。

自分の場合は「年間の家賃÷利回り」で投資家の見る価格を出し、同じマンションの成約価格と比べます。成約価格は、国土交通省の不動産情報ライブラリで調べられます。

それなら先に退去してもらおう、と考える人もいるでしょう。ところが普通の賃貸借契約では、貸主から更新を断るには正当な理由が必要です。売りたいという理由だけで退去を求めるのは難しく、入居者が住み続けることになりやすいです。

後で売る予定があるなら、期間が来たら契約が終わる「定期借家契約」で貸しておきましょう。定期借家契約では、期間が来たら契約が終わることを、契約書とは別の書面で入居者に前もって説明する必要があります。

出典: e-Gov法令検索「借地借家法」第28条・第38条

2戸のうち、どちらのマンションを売るかの判断基準

どちらを売るかは、二人の暮らしに合うか、お金の面で得か、売りやすいかの3つの面から比べます。最初の基準は残す家を選ぶ条件で、残りの4つは売る家を見分ける条件です。

基準売る家になりやすいほう
広さと通勤単身向けの間取り、通勤が長い
ローン売却代金でローンを完済できる
住宅ローン控除控除の残り年数が短い
毎月の支払い管理費・修繕積立金・金利が高い
売りやすさ駅に近い、築年数が浅い

二人で暮らせる広さと通勤の便があるか

広さと間取りに余裕があり、二人とも通いやすいほうを住まいとして残すと、もう片方が売る家になります。

1LDKなど単身向けの間取りは、二人分の家具や服を収めにくく、在宅勤務の部屋も取りにくくなります。子どもを考えているなら、子ども部屋に使える部屋があるかも比べておきましょう。

通勤は、二人の勤務先までの時間を、朝の時間帯の条件で地図アプリで調べると比べやすくなります。片方だけが長い通勤を続ける形になると、毎日の負担がその人に偏ります。

例えば1LDKと3LDKを1戸ずつ持つ二人の場合(仮の例です)

夫が駅近の1LDK、妻が駅から少し離れた3LDKを持っていたとします。夫が3LDKに移っても通勤が片道1時間以内に収まるなら、子ども部屋を取れる3LDKを残し、1LDKを売る形が考えられます。

二人で住める広さのある家は、将来売るときにも家族世帯が買い手の候補に入ります。

売却額でローンを返し切れるか

売却代金だけでローンを完済できる家を売ると、預貯金はそのまま手元に置いておけます。

比べ方は、次の3段階です。

  1. ローン残高を、返済予定表か金融機関のネットの画面で確かめる
  2. 同じマンションや近所の似た部屋の成約価格を、国土交通省の不動産情報ライブラリで調べる
  3. 成約価格から仲介手数料などの売る費用を引いた額と、ローン残高を比べる

成約価格は、実際に売れた価格のことです。

売却代金がローン残高より少ない家を売るなら、差額を預貯金で埋めることになります。そのとき損が出ていれば、所得税と住民税を減らせる特例があります。要件は「売却額がローン残高を下回ると、差額を自己資金で埋める」で説明しています。

出典: 国土交通省「不動産情報ライブラリ」

住宅ローン控除の残り年数が長いか

住宅ローン控除の残りが長い家に、その名義人が住み続けるほうが、これから戻る税金は多くなります。

住宅ローン控除は、名義人本人がその年の12月31日に住んでいることが条件です。相手の家に移ると、移った年から控除は止まります。

比べるときは、二人それぞれの源泉徴収票で「住宅借入金等特別控除の額」の欄を見ます。これは、その年に所得税から差し引かれた控除の額です。この額に控除の残り年数をかけると、これから戻る税金の目安が出ます。

例えば控除の額が年20万円、残りが8年の場合(仮の例です)

源泉徴収票の控除の額を年20万円、控除の残りを8年と仮定すると、20万円×8年で、これから戻る税金の目安は160万円です。名義人がこの家を出て相手の家に移ると、この160万円分の控除を手放すことになります。

自分の場合は、源泉徴収票の「住宅借入金等特別控除の額」に、控除期間から住んだ年数を引いた残りの年数をかけます。控除の額は年末のローン残高から計算され、残高が減るにつれて下がることがあるため、この目安は多めに出ます。

控除期間は、住み始めた年や住宅の種類で決まります。残り年数は、住み始めた年の制度で確かめておきましょう。

引っ越す時期でも、受けられる控除が変わります。12月に相手の家へ移ると、その年の分から控除は止まります。年が明けてから移れば、引っ越す前の年の分までは控除を受けられます。

出典: 国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」 出典: 国税庁「No.1211-3 中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」

管理費・修繕積立金とローン金利が高いか

毎月の支払いが重いほうを売り、軽いほうを残すと、結婚後の毎月の固定費を抑えられます。

比べるのは、管理費と修繕積立金の月額、ローンの金利、金利が変動か固定かです。変動金利のローンは、金利が上がると返済額も増えます。

国土交通省の調査では、2015年以降に完成したマンションの修繕積立金は平均月11,405円で、1995〜2004年完成の平均月14,317円より低くなっています。

ただ、新しいマンションには、最初の額を低く抑えて段階的に上げる計画が多くあります。築浅の家ほど、今の額に加えて値上げの時期と額も比べておくと安心です。

値上げの予定は、マンション全体の修繕の時期と費用を見通した「長期修繕計画」に載っていて、管理組合の総会資料で確かめられます。

出典: 国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果」概要編

買い手がつきやすいか

駅からの距離、築年数、間取りで買い手のつきやすさが変わり、つきやすい家ほど早く、相場に近い価格で売れやすくなります。

首都圏の中古マンションで、2025年に新しく売り出された件数に対して成約した件数の割合は、次のとおりです。

築年数成約した件数の割合(首都圏・2025年)
築11〜15年40.9%
築21〜25年32.1%
築31〜35年19.6%

築31〜35年の割合は、築11〜15年の半分ほどです。

1981年以前に建てられたマンションは、買い手が住宅ローン控除を使うのに、地震に対する安全の基準に合うことの証明が必要です。登記上の建築日付が1982年1月1日以後の家は、その日付で基準に合うものとして扱われます。

不動産会社の査定額は、各社の見込みの価格です。実際に売れる額は、買い手との交渉で決まります。売れる額を見積もるときは、査定額より同じマンションの成約価格を使うと、実際の売れ値に近づきます。

出典: 東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2025年)」図表5 出典: 国税庁「No.1211-3 中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」

片方のマンションを売る時期の選択肢

売る時期によって、2戸分を払う期間、住みながら売るか空室で売るか、使える税金の特例、入籍後の登記の手続きが変わります。主な選択肢は3つです。

同居を始める前に、住みながら売る

同居を始める前に売ると、ローンや管理費の支払いが2戸分に重なる期間をなくせます。

家を売るときは、登記に書かれた持ち主の住所・氏名が、今の住所・氏名と一致している必要があります。違っていれば、買い手へ名義を移す前に、変更の登記を申請することになります。入籍と住民票の移動より前に売れば、登記は今のままで一致するので、この手続きと費用を省けます。

一方で、住みながら売ると、内覧のたびに部屋を片付け、週末の予定を買い手の希望に合わせることになります。売れて引き渡しの日が決まると、その日までに相手の家へ移るため、引っ越しの時期も買い手の都合で決まります。結婚式の準備と重なって期限が迫ると、値下げの交渉にも応じてしまいやすくなります。

相手の家にすぐ移れて、2戸分の支払いを避けたい二人におすすめの時期です。

出典: 法務省「住所等変更登記の義務化について」

同居を始めてから、空室にして売る

先に相手の家へ移り、空室にしてから売ると、内覧の日時を買い手に合わせやすく、家具を運び出した広い部屋を見せられます。売り出す前に、クリーニングや小さな修繕もできます。

その代わり、売れるまでは2戸分を払い続けます。首都圏の中古マンションは、レインズ(不動産会社が物件情報を共有する仕組み)に登録してから成約するまで、平均82.5日でした(2025年・専任媒介などの物件)。

例えば売る家の支払いが月15万円の場合(仮の例です)

ローン返済と管理費・修繕積立金を合わせて月15万円、売り出しから成約までを平均の82.5日に近い3か月、成約から引き渡しまでを1か月と仮定します。15万円×(3か月+1か月)で、60万円を2戸目の分として払うことになります。

自分の場合は、返済予定表の返済額と、管理費・修繕積立金の月額を足し、売れるまでと引き渡しまでの月数をかけます。

住民票を移したり、入籍で名字が変わったりしたら、登記の住所・氏名の変更登記が必要です。これまで任意だったこの登記は、2026年4月1日から、変わった日から2年以内の申請が義務になりました。売る場合は、引き渡しの日に名義を移す登記と合わせて、司法書士に変更の登記も頼めます。

部屋をよい状態で見せて売りたい二人におすすめの時期です。

出典: 東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2025年)」 出典: 法務省「住所等変更登記の義務化について」

相場を見ながら、3,000万円特別控除の期限内に売る

相場を見て売る時期を選ぶ場合、待てる期間の上限は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までです。この日が、3,000万円特別控除と、損が出たときの特例を使える最後の日です。

例えば2026年5月に相手の家へ移った場合(仮の例です)

住まなくなってから3年たつのは2029年5月です。期限はその年の12月31日なので、2029年12月31日までに売れば特例を使えます。

自分の場合は、相手の家に移った年に3を足した年の12月31日が期限です。移った日は、住民票の異動日などで確かめられます。

待つことで税金が減るのは、3,000万円を引いても利益が残る場合です。売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超えると、税率はおよそ半分になります。

区分所有期間(売った年の1月1日時点)所得税復興特別所得税住民税合計
長期譲渡所得5年超15%所得税額の2.1%5%20.315%
短期譲渡所得5年以下30%所得税額の2.1%9%39.63%

合計の欄は、内訳から計算した値です。

例えば2022年3月に買った家の場合(仮の例です)

2027年中に売ると、2027年1月1日時点の所有期間は4年9か月余りで、短期譲渡所得の税率がかかります。2028年に入ってから売れば、2028年1月1日時点で5年9か月余りとなり、長期譲渡所得の税率になります。

自分の場合は、購入時の売買契約書で買った時期を確かめ、売る年の1月1日までの年数を数えます。

期限と税率の境目を先に知っておくと、値下げの提案を受けたときも、応じるかを落ち着いて決められます。

相手の家に移った後も家計に余裕があり、売り値を優先したい二人におすすめの時期です。

出典: 国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」 出典: 国税庁「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」 出典: 国税庁「No.3211 短期譲渡所得の税額の計算」 出典: 国税庁「No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき」

まとめ:片方を売るなら、3,000万円特別控除の期限から逆に計画する

いちばん大きな分かれ目は、3,000万円特別控除の期限です。家を出てから3年たつ年の年末までに売れば、利益から最大3,000万円を差し引けます。貸して様子を見る場合も、売る時期をこの期限から逆に決めておくと、税金で損をしにくくなります。

最初の一歩は、二人それぞれの家について、ローン残高と同じマンションの成約価格を調べることです。これを飛ばして査定額だけで売る家を決めると、売れた額がローン残高を下回り、引き渡しの日に差額を預貯金から出すおそれがあります。

残高と成約価格を比べたら、源泉徴収票で住宅ローン控除の額を、管理組合の長期修繕計画で修繕積立金の値上げの予定を確かめておきましょう。住み替えのトビラでは、結婚で2つになったマンションのどちらを、いつ売るかの判断も含めて、住み替えで悩むあなたに信頼できる情報を提供しています。