住み替えで今のマンションを貸そうか迷っている。あるいは、もう貸していて「売ればよかったかも」と感じている。賃貸に出して後悔するのは、どんなときなのでしょうか。
先に答えを書きます。後悔の理由は、戻りたい時期にも入居者が住み続ける、お金が思ったより残らない、退去時の費用、売るときの価格と税金、サブリースの家賃減額の5つにほぼまとまります。どれも法律やガイドラインに決まった仕組みがあり、契約の選び方と貸す前の確認で多くを防げます。すでに貸している人にも、出口は残っています。
この記事では、後悔する5つの理由、後悔を防ぐ契約の選び方、貸す前に確かめておく項目、貸して後悔しているときの対処法を、借地借家法や国土交通省のガイドラインなどの公表資料をもとに順に見ていきます。
マンションを賃貸に出して後悔する理由
マンションを貸して後悔したという声は、おおむね次の5つにまとまります。
- 戻りたい時期にも入居者が住み続ける
- 家賃より出ていくお金が多い
- 退去時の原状回復で費用がかさむ
- 売りたいときに価格が下がる
- サブリースの家賃が下がる
どれも、貸す前に仕組みを知っていれば多くを避けられます。順に見ていきます。
戻りたい時期にも入居者が住み続ける
いちばん多いのが、「数年で戻るつもりだったのに、入居者が住み続けている」という後悔です。
一般的な賃貸契約(普通借家)で、期間の満了に合わせて契約を終えたいときは、満了の1年前から6か月前までに「更新しない」と入居者へ通知する必要があります(借地借家法26条)。通知を出さずに期間が過ぎると、同じ条件で更新したものとみなされます。しかも貸主からのこの通知や解約の申し入れには、「正当の事由」が求められます(28条)。正当の事由は、次の事情を合わせて判断されます。
- 貸主と入居者のそれぞれが、その建物を使う必要性
- 賃貸借のこれまでの経過
- 建物の利用状況と建物の現況
- 貸主が明け渡しと引き換えに申し出たお金などの給付(いわゆる立退料)
入居者にもそこに住み続ける必要性があるため、「自分が戻りたい」という事情だけでは足りず、立退料の申し出で補うことになる場合があります。国土交通省のパンフレットも、普通借家で持ち家に戻るには入居者の同意が要ると説明しています。戻る予定がある人ほど、最初の契約の選び方が大切です。
出典: e-Gov法令検索 借地借家法(第26条・第28条) 出典: 国土交通省 定期借家制度(定期建物賃貸借制度)をご存じですか
家賃より出ていくお金が多い
「家賃でローンを払えば、持っているだけで得」と考えて貸し、思ったよりお金が残らずに後悔する人も多くいます。
家賃が入る一方で、持ち主には次の支払いが続きます。
- 管理費・修繕積立金、固定資産税
- 管理会社への委託料
- 入居者が入れ替わるときのクリーニングや修繕、募集の費用
- 給湯器やエアコンなど、貸した設備の修理
- 家賃の利益にかかる所得税・住民税
設備の修理は、民法606条1項で貸主の義務とされています。入居者の負担になるのは、入居者の責めに帰すべき事由で修繕が必要になった場合です。給湯器のように年数とともに傷む設備は、貸している間の交換も持ち主の負担になります。家賃は不動産所得として、必要経費を差し引いた額に所得税がかかります。
空室の月は家賃がゼロになっても、これらの支払いは続きます。家賃の額面と手元に残るお金の差は、貸す前に計算しておくのが鉄則です。
出典: e-Gov法令検索 民法(第606条) 出典: 国税庁 No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)
退去時の原状回復で費用がかさむ
入居者が出ていくとき、「部屋を元に戻す費用は入居者が払うもの」と思っていると後悔します。
民法621条は、入居者が元に戻す対象から、通常の使用でできた損耗と経年変化を外しています。国土交通省のガイドラインも同じ考え方で、日照によるクロスの変色、家具の設置による床のへこみ、テレビや冷蔵庫の後ろの壁の黒ずみ(いわゆる電気ヤケ)、下地ボードの張り替えが要らない程度の画鋲の穴などを、貸主の負担としています。
入居者に請求できるのは、不注意や手入れ不足で傷めた分です。それも全額ではなく、年数で価値が下がった分を差し引いて考えます。ガイドラインでは、クロス(壁紙)は6年で残存価値が1円になる直線(または曲線)を想定して、入居者の負担割合を決めます。直線で考えると、入居から3年での張り替えなら入居者の負担はおよそ半分で、6年を過ぎるとほぼゼロに近づきます。入居時にクロスを張り替えていなければ、出発点はさらに下がります。
ただし、年数を過ぎた設備でも、落書きのように故意に傷つけたものを直す工事費などは、入居者の負担になることがあります。鍵の紛失や、通常の清掃をしていなかった場合のクリーニングも、経過年数を考慮しない扱いです。
結果として、ふつうに暮らした部屋の張り替え費用は、退去のたびにその多くを持ち主が負担することになります。
出典: e-Gov法令検索 民法(第621条) 出典: 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について
売りたいときに価格が下がる
貸している途中で「やはり売りたい」となったときも、後悔が生まれやすい場面です。
入居者が住んだまま売ると、買い手は自分で住みたい人より、家賃収入を目当てにする投資家が中心になります。国土交通省の不動産鑑定評価基準でも、入居者がいる「貸家及びその敷地」は、実際の賃料をもとにした収益価格を標準にして評価するとされています。相場より安い家賃で貸していると、その家賃の水準で値段が決まりやすくなり、住む人向けの相場より安くなる傾向があります。
もう1つは税金です。自宅を売ったときの3,000万円の特別控除は、以前住んでいた家なら、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることが条件です。住まなくなった後に貸していても、この期限内なら特例の対象になります。たとえば2026年中に住まなくなった場合、期限は2029年12月31日です。貸しているうちにこの期限を過ぎ、売るときに税金がかかって後悔する人もいます。
出典: 国土交通省 不動産鑑定評価基準(各論第1章第2節Ⅱ 貸家及びその敷地) 出典: 国税庁 No.3302 マイホームを売ったときの特例
サブリースの家賃が下がる
管理会社に部屋を借り上げてもらい、決まった家賃を受け取るサブリースを選んで後悔する人もいます。
サブリースは「空室でも家賃が入る」のが魅力ですが、借り上げの家賃は契約の途中で下がることがあります。持ち主と管理会社の契約も建物の賃貸借なので、借主である管理会社は、経済事情の変動や近くの同じような建物の家賃との比較で家賃が不相当になったとき、契約の条件にかかわらず減額を請求できます(借地借家法32条1項)。最高裁も平成15年10月21日の判決で、家賃を自動で上げる約束のもとで結んだサブリース契約にも、この規定が適用されると判断しています。
さらに、管理会社との契約を持ち主の側から終わらせるには、貸主として更新を断る場合と同じく正当の事由が要ります。国土交通省は、家賃の減額リスクや、持ち主からの解約に正当事由が必要なことを伝えずに、メリットだけを伝える勧誘を、法律で禁じられる行為の例に挙げています。「保証されているから安心」と思い込まず、減額や解約の条件を契約の前に確かめておくことが大切です。
出典: e-Gov法令検索 借地借家法(第32条) 出典: 裁判所 最高裁判所第三小法廷 平成15年10月21日判決(平成12(受)573) 出典: 国土交通省 賃貸住宅管理業法ポータルサイト サブリース業者の方へ
後悔しないための賃貸契約の選び方
貸して後悔する理由の多くは、契約を結ぶ時点で防げます。
この章では、次の3つを見ていきます。
- 戻る予定があるときの契約の種類
- 管理の任せ方
- 入居時の部屋の記録
戻る予定があるなら定期借家契約にする
将来その部屋に戻るつもりなら、期間が来たら終わる「定期借家契約」で貸すのが基本です(借地借家法38条)。更新がないので、期間の満了で契約が終わり、部屋を返してもらえます。期間は、戻る時期に合わせて決められます。
そのかわり、定期借家には法律で決まった手続きがあります。
【定期借家で貸すときの手続き】
- 契約は書面で結ぶ(電磁的記録による契約も書面と同じ扱い)
- 契約の前に、「更新がなく、期間の満了で終わる」ことを書いた書面を、契約書とは別に渡して説明する(入居者の承諾があれば、電子メールなどの電磁的方法で渡すことも可)
- 期間が1年以上なら、満了の1年前から6か月前までに、入居者へ終了を通知する
電磁的記録や電磁的方法が使えるようになったのは、2022年5月18日の改正法の施行からです。それより前は、契約も説明の書面も紙に限られていました。
とくに2の説明を欠くと、「更新がない」という定めは無効になり(38条5項)、普通借家と同じ扱いになります。最高裁は平成24年9月13日の判決で、この説明の書面は、入居者が更新のないことを分かっていたかどうかにかかわらず、契約書とは別個独立の書面であることを要すると判断しています。契約書の条文に「更新しない」と書いてあるだけでは足りないということです。管理会社に任せる場合も、別紙の説明書面を渡して説明したかを、控えで確かめておきます。3の通知が遅れたときは、通知の日から6か月が過ぎてから終了を主張できる扱いです(38条6項)。
また、床面積200㎡未満の住まいでは、入居者は転勤・療養・親族の介護などやむを得ない事情があれば、期間の途中でも解約を申し入れることができ、申し入れから1か月で契約が終わります(38条7項)。
定期借家は、借りる側にはなじみの薄い契約でもあります。国土交通省の令和7年度住宅市場動向調査では、民間賃貸住宅に入居した世帯のうち定期借家を利用した世帯は2.0%で、制度を「知らない」人が54.4%でした。募集に時間がかかったり、家賃の設定を見直したりする場合も、収支に入れておきます。
転勤で家を空ける場合に、売るか貸すかを比べる方法は次の記事にまとめています。
出典: e-Gov法令検索 借地借家法(第38条) 出典: 法務省 借地借家法改正(定期借地権、定期建物賃貸借関係)の概要 出典: 裁判所 最高裁判所第一小法廷 平成24年9月13日判決(平成22(受)1209) 出典: 国土交通省 令和7年度住宅市場動向調査報告書(6.1.3 定期借家制度)
管理委託とサブリースの違いを確かめる
管理を任せる方法には、主に2つあります。
| 管理委託 | サブリース | |
|---|---|---|
| 入居者との契約 | 持ち主が結ぶ | 管理会社が結ぶ |
| 家賃 | 入居者の家賃から手数料を引いて受け取る | 管理会社から決まった額を受け取る |
| 空室の月 | 家賃は入らない | 家賃は入る |
| 注意点 | 空室のリスクは持ち主 | 家賃の減額・持ち主からの解約に正当の事由 |
サブリースの契約を結ぶ前には、管理会社が契約の内容を書面で説明することが、賃貸住宅管理業法30条で義務づけられています。説明する項目は施行規則45条で決まっていて、持ち主に払う家賃の額とその変更に関する事項、契約の更新と解除に関する事項、借地借家法などの法令の概要が含まれます。
あわせて、家賃などについて著しく事実と違う広告や、実際より有利だと誤認させる広告(28条)、判断に影響する重要な事実を故意に告げない勧誘(29条)も禁じられています。説明を受けたら、減額の条件と、持ち主から解約するときの条件を、説明の書面と契約書の両方で確かめます。
出典: e-Gov法令検索 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(第28条〜第30条) 出典: e-Gov法令検索 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律施行規則(第45条)
入居時の部屋の状態を記録に残す
退去のときの原状回復でもめないために、入居者が入る前の部屋の状態を記録しておきます。
国土交通省のガイドラインには、「入退去時の物件状況及び原状回復確認リスト(例)」が載っています。入居時に部屋と部位ごとに損耗の有無へ印を付け、設備の交換年月を書き込み、写真も添えます。退去時は同じリストをもとに、損耗の状況と修繕の要否を確かめます。
交換年月を残しておくのには、もう1つ理由があります。入居者の負担は経過年数で小さくなるので、クロスや設備をいつ替えたかが分かれば、負担割合の出発点を入居者と決めておけます。ガイドラインも、出発点は契約の当事者が確認して前もって協議して決めるのが適当としています。
こうしたリストは、後日トラブルになったときの証拠資料にもなるとされています。入居者と一緒に確かめ、日付の分かる形で双方が控えを持っておきます。
ハウスクリーニング代などを入居者の負担にしたいときは、特約として契約書に書きます。ガイドラインは、特約が有効になる要件として、特約の必要性があり暴利的でないなどの合理的な理由があること、入居者が通常の原状回復を超える負担を認識していること、入居者が負担の意思表示をしていることの3つを挙げています。
出典: 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について
マンションを貸す前に確かめておく項目
契約の前に、確かめておきたい項目が3つあります。
- 住宅ローンの金融機関の承諾
- 管理規約と管理組合への届出
- 家賃の相場と手残りの見込み
住宅ローンの金融機関の承諾
住宅ローンは、本人や家族が住む家のための融資です。住宅ローンが残っている部屋を貸すときは、借りている金融機関に前もって相談し、貸してよいかと必要な手続きを確かめます。
たとえばフラット35は、転勤などやむを得ない事情で一時的に住めない場合に、戻ることを前提に貸すことを認め、金融機関の窓口で住所変更の手続きをするよう求めています。一方で、投資用物件の取得資金に使うなどの目的外の利用が分かった場合は、借入れの全額を一括で返済することになる場合があるとしています。
また、住宅ローン控除は、控除を受ける年の12月31日まで引き続き住んでいることが要件です。家族ごと引っ越して貸せば、その年の分から控除の対象から外れます。
承諾の取り方や、承諾が出ないときの選択肢は、住宅ローン中のマンションを貸す・売る|承諾の取り方と転勤特例で詳しくまとめています。貸しながら新居のローンも組む場合は、マンションを貸して新居購入|ローンの組み方とダブルローン審査もあわせて読んでおくと安心です。
出典: 住宅金融支援機構 フラット35 よくある質問(返済中に融資住宅を賃貸にしてもいいですか) 出典: 国税庁 No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)
管理規約と管理組合への届出
マンションには管理規約があり、部屋を貸すときのルールも決まっています。
国土交通省のマンション標準管理規約(単棟型)19条では、部屋を貸すとき、持ち主は次のことを行うとしています。
- 入居者に、規約と使用細則を守らせる
- 賃貸借契約に規約と使用細則を守る旨の条項を入れ、入居者から管理組合へ誓約書を出してもらう
- 入居者から管理組合へ、部屋を借りた旨の届出を出してもらう
駐車場を借りている場合は注意が要ります。標準管理規約15条3項は、部屋を他人に貸したときは、持ち主の駐車場使用契約は効力を失うと定めています。空き待ちが長いマンションでは、戻ったときに改めて順番を待つことになる場合があります。
民泊(住宅宿泊事業)を認めるか禁じるかも、12条で規約ごとに定める形です。実際の規約はマンションごとに違うので、貸す前に自分のマンションの規約と使用細則を一通り読んでおきます。
出典: 国土交通省 マンション標準管理規約(単棟型)及び同コメント(令和7年10月17日改正)(第12条・第15条・第19条)
家賃の相場と手残りの見込み
最後に、いくらで貸せるのか、そこから手元にいくら残るのかを確かめます。
家賃は、賃貸の管理会社や仲介会社に査定してもらいます。1社で決めず2社以上に頼み、近くで募集している似た部屋の家賃とも比べます。
手残りは、自分の数字を次の式に入れて出します。
【1年の手残りの出し方】
1年の手残り=月の家賃×(12−空室の月数)−管理委託料−管理費・修繕積立金の1年分−固定資産税−修繕のための積立−ローン返済の1年分−家賃の利益にかかる税金
空室の月数は、まず年1か月などと仮に置き、査定を頼んだ会社に地域の空室期間を聞いて置き換えます。
売る場合と比べた損得の出し方は、マンションは売るか貸すかどっちが得?10年の収支シミュレーションで試算しています。
貸して後悔しているときの対処法
すでに貸していて後悔している場合も、出口はあります。入居者の権利を守りながら選べる道は、主に4つです。
| 対処法 | 速さ | 注意点 |
|---|---|---|
| 入居者がいるまま売る | 早い | 価格は家賃と利回りで決まりやすい |
| 退去を待ってから住み戻るか売る | 入居者しだい | 貸主からの解約には正当の事由が要る |
| 次の入居者から定期借家にする | 次の入れ替えから | 2000年3月1日より前の居住用の契約は切り替え不可 |
| 管理会社を見直す | 契約の予告期間しだい | サブリースは解約に正当の事由が要る |
入居者がいるまま売る
入居者が住んだまま売ることはできます。いわゆる「オーナーチェンジ」で、買った人が貸主の立場を引き継ぎ、入居者はそのまま住み続けます。民法605条の2により、敷金を返す義務も新しい持ち主へ移るので、売買の契約で敷金の額と精算のしかたを買主と取り決めておきます。
ただ、買い手は投資家が中心になるので、価格は家賃と、投資家が求める利回りから決まりやすくなります。住む人向けの相場より安くなりやすいので、空室にしてから売る場合の価格と比べてから決めます。
一方で、不動産鑑定評価基準は、入居者本人が買い取る場合には、自分で住む家に戻ることで市場性が回復し、価値が増える場合があることに留意するとしています。入居者に買う意思があるかを、管理会社を通じて聞いてみる道もあります。
売る前には、3,000万円の特別控除の期限内かどうかも確かめておきます。
出典: e-Gov法令検索 民法(第605条の2) 出典: 国土交通省 不動産鑑定評価基準(各論第1章第2節Ⅱ 貸家及びその敷地)
退去を待ってから住み戻るか売る
入居者が自分から出ていくのを待ち、空室になってから住み戻るか売る方法です。普通借家の場合、貸主からの更新拒絶や解約の申し入れには正当の事由が要るので、基本は入居者からの解約を待つことになります。期間の定めのない契約で貸主が解約を申し入れ、正当の事由が認められた場合でも、契約が終わるのは申し入れから6か月後です(借地借家法27条)。
急ぐ場合は、入居者と話し合い、合意のうえで退去してもらう方法もあります。正当の事由の判断には貸主が申し出たお金などの給付も考慮されるので(28条)、引っ越し費用などを含む立退料を示して交渉することが多くなります。立退料の額は、入居者の事情やそれまでの経過などで個別に決まります。
話し合いは、管理会社や弁護士に間に入ってもらうと進めやすくなります。合意できたら、退去の日と立退料の支払い時期を書面に残しておきます。
出典: e-Gov法令検索 借地借家法(第27条・第28条)
次の入居者から定期借家契約に切り替える
今の入居者との普通借家を途中で定期借家に変えるには、入居者の合意が要ります。さらに、定期借家制度が始まった2000年3月1日より前に結んだ居住用の普通借家は、国土交通省の案内で、貸主と入居者の双方が合意しても定期借家へ切り替えられない扱いとされています。入居者が制度を十分理解しないまま切り替えて、不利益を受けることを防ぐためです。
現実的なのは、今の入居者が出ていった後、次の入居者から定期借家で貸す方法です。そのときは、前の章で見た説明の書面・書面での契約・終了の通知の手続きを一から行います。そうすれば、次の契約の期間が終わったときに、戻るか売るかを選べます。期間が終わった後も貸し続けたいときは、入居者と合意すれば再契約できます。
出典: 国土交通省 定期借家制度(定期建物賃貸借制度)をご存じですか
管理会社を見直す
「管理会社の対応が遅い」「空室が長引いても動いてくれない」という後悔なら、管理会社を変える道があります。
管理委託契約には、解約するときの予告期間などの条件が書かれています。国土交通省の賃貸住宅標準管理受託契約書は、「少なくとも〇か月前に文書で解約を申し入れる」形と、「〇か月分の管理報酬に当たる額を払って随時に解約する」形を示し、月数は契約ごとに決める形です。まず自分の契約書で月数を確かめ、他の管理会社から見積もりと提案を取って比べます。管理会社を変えても入居者との契約の貸主は持ち主のままなので、入居者への連絡先の案内と、敷金や鍵の引き継ぎを新しい会社と確かめます。
サブリースの場合は、持ち主が貸主として管理会社に部屋を貸している形なので、持ち主からの更新拒絶や解約には正当の事由が要ります。サブリースをやめたいときは、契約の解約条項を確かめ、必要なら弁護士などの専門家に相談すると安心です。
出典: 国土交通省 賃貸住宅標準管理受託契約書(第21条) 出典: 国土交通省 賃貸住宅管理業法ポータルサイト サブリース業者の方へ
まとめ:後悔の多くは貸す前の契約で防げる
いちばん重いのは、普通借家で貸すと、戻りたい時期が来ても入居者が住み続けられることです。貸主から更新を断るには正当の事由が要り、立退料の交渉になることもあります。戻る予定があるなら定期借家で貸し、契約書とは別の説明の書面を渡して説明する手続きまで済ませておくことが、後悔を防ぐいちばんの備えです。
次の一歩は、管理会社に相談する前に、戻る予定の時期と、売るならその時期を家族で決めておくことです。ここを飛ばして普通借家で貸し始めると、戻るか売るかの判断が入居者の退去しだいになり、3,000万円の特別控除の期限を過ぎてしまうこともあります。
まずは住宅ローンの契約書と管理規約を手元に出し、貸すときの決まりを確かめてみましょう。住み替えのトビラでは、マンションを貸すときの契約の選び方や原状回復、貸した後の出口も含めて、住み替えで悩むあなたに信頼できる情報を提供しています。
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