子どもが増えた、上の子が大きくなった、在宅勤務で1室が仕事場になった。きっかけは違っても、マンションで「子ども部屋が足りない」と感じたとき、頭に浮かぶのは「部屋数の多い家に住み替えるしかないのか」という不安です。
先に答えを書きます。足りない部屋の数は、子どもの人数ではなく「同時に個室が要る人数」で数えます。3人でも3部屋が同時に要る期間は年齢差で1年から7年まで変わり、同性なら1室を2人で使えるので、今の間取りで足りることがあります。
この記事では、足りなくなる原因を4つに分け、同時数の数え方、今のマンションで増やす方法と成立する条件、そして住み替えで部屋数を増やすときの中古市場の現実まで、順に見ていきます。
マンションで子供部屋が足りなくなる原因
マンションの居室の数は、買ったときに決まっています。それが足りなくなる原因は、大きく4つに分かれます。
人数が増えた、同室が続かなくなった、大人が1室を使っている、渡す順番を間違えた。後ろの2つは、住み替えずに解ける原因です。
3人目の誕生で子どもの人数が居室の数を超える
最初の原因は、子どもの人数が居室の数を超えることです。3LDKなら居室は3つで、夫婦が1室を使うと、子どもに回せるのは2室になります。子どもが3人なら、1室は2人で使う形です。
2LDKなら、夫婦が1室を使って子どもに回るのは1室です。3人目が生まれた時点で、子ども3人が1室を共有します。小さいうちは寝る場所と物の置き場が足りていれば回りますが、上の子が高学年になる頃から、誰と誰を同室にするかで悩みが出ます。
ただし、3人だからといって3部屋が長く要るかどうかは、年齢差で決まります。年齢差によっては、上の子が家を出る直前の1年ほどだけ3部屋が重なり、それ以外の年は2部屋で足ります。この数え方は次章で扱います。人数を数える前に同時数を数えるのが、足りない部屋数を見る第一歩です。
異性の兄弟で同室が高学年で続かなくなる
2つ目の原因は、同室の限界です。同性の兄弟なら、1室を仕切って中学まで一緒に使う形が続きます。兄と妹、姉と弟のように異性の組み合わせだと、上の子が小学校高学年になる頃に、着替えと寝る場所を分けたいという要望が出ます。時期は小学4〜5年生頃が目安で、それより早い家庭も遅い家庭もあります。
同室が続かなくなると、子ども2人に1室ずつ要ります。2LDKなら夫婦の寝室が子ども部屋に変わり、3LDKなら3人目の子どもに回す部屋が消えます。人数は変わらないのに、要る部屋数が1つ増える。これが異性の兄弟で起きる「足りない」です。
この原因は、下の子が何歳かで続く期間が変わります。上の子が家を出るまでの数年なら、仕切りや親の寝室の移動でしのげることもあります。下の子が小さいと、個室が2つ要る期間が10年近く続きます。
在宅勤務で1室が仕事部屋に変わる
3つ目は、大人が1室を使っている場合です。在宅勤務が続いて居室の1つが仕事部屋になると、その分だけ子どもに回せる部屋が減ります。
3LDKで夫婦の寝室と仕事部屋に2室を使うと、子どもに回るのは1室です。子どもが2人いれば、その時点で「子ども部屋が足りない」になります。原因は子どもの人数ではなく、大人の使い方の側にあります。
在宅勤務に要るのは、扉を閉められる寝室ほどの広さより、机と椅子が置けて音を遮れる場所です。LDKの一角を可動間仕切りで区切る、リビングに隣接する洋室の引き戸を閉めて使う、といった形でも成り立つ場合があります。仕事部屋を居室の外へ出せれば、子ども部屋は1つ戻ります。この原因は、住み替えの前に見直す価値があります。
親の寝室を先に渡して最後に親の場所がなくなる
4つ目は、部屋を渡す順番です。子どもが部屋を欲しがるたびに順に渡していくと、最後に親の寝る場所が残らなくなります。
子ども2人に1室ずつ渡し、夫婦はリビングで寝る。この状態を「子ども部屋が足りない」と感じている家庭がありますが、起きているのは「親の寝室が足りない」状態です。原因は部屋数より、割り振りの順番の側にあります。
部屋割りは、親の寝る場所を先に決めてから、残りを子どもに割ります。親の寝室をLDKに隣接する洋室へ移し、引き戸を閉めれば寝室になる形を先に確保する。そのうえで、残った居室を子どもの同時数に合わせて割ります。順番を変えるだけで、同じ部屋数でも「足りない」が「足りる」に変わることがあります。
同時に必要な子供部屋の数え方
「子ども3人だから3部屋」と数えると、必要以上に大きな家を探すことになります。個室が要るのは、子ども1人あたり11年ほどです。
兄弟の年齢差があれば、その期間の重なり方が変わります。要る部屋数は、年表で重ねた「最大の同時数」で数えます。手順は3つです。
- 個室が要る年と家を出る年を子どもごとに書き出す
- 年ごとに重ねて最大の同時数を出す
- 年齢差と性別で調整する
個室が要る年と家を出る年を子どもごとに書き出す
まず、子ども1人ずつについて、個室が要り始める年と、家を出る年を書き出します。
個室が要り始めるのは、小学5年生前後、11歳になる年が目安です。それまでは寝る場所と物の置き場があれば回り、勉強はリビングで済ませる家庭もあります。家を出る年は、大学進学や就職の22歳になる年と置きます。進学先や就職で前後しますが、計算の起点としてはこの2つで足ります。
たとえば2026年に上の子が10歳、真ん中が8歳、下の子が3歳なら、個室が要り始める年は上の子が2027年、真ん中が2029年、下の子が2034年です。家を出る年は、それぞれ2038年、2040年、2045年になります。この6つの年を書き出しておきます。
11歳と22歳は、この記事で置いた仮定の値です。子どもの学年や進路の見込みに合わせて、自分の家の年に置き換えます。
年ごとに重ねて最大の同時数を出す
次に、書き出した年を1本の年表に重ねます。各年に「個室が要る子」が何人いるかを数え、その最大値が要る部屋数です。
| 兄弟の構成(2026年の年齢) | 同時に個室が要る最大の人数 | 3部屋が同時に要る期間 |
|---|---|---|
| 2歳差ずつ(10・8・6歳) | 3人 | 7年(2031〜2037年) |
| 上2人が2歳差・下が5歳下(10・8・3歳) | 3人 | 4年(2034〜2037年) |
| 5歳差ずつ(10・5・0歳) | 3人 | 1年(2037年) |
※個室が要り始める年を11歳になる年、家を出る年を22歳になる年と置き、22歳になる年は家を出た後として数えた仮定の計算です。2026年の年齢を起点にしています。
3人とも個室が要る年は、どの構成でも来ます。違うのは、その状態が続く年数です。2歳差ずつなら7年、5歳差ずつなら1年。年齢差が開くほど、上の子が家を出る年と下の子の個室が要る年が近づき、3部屋が同時に要る期間は短くなります。
「3人だから3部屋」と決めて、郊外の4LDKに住み替えた家庭がありました。
上の子が家を出たのは住み替えの6年後で、その翌年に真ん中の子も出ました。家に残ったのは夫婦と高校生の末っ子で、4室のうち2室は物置になりました。
年表で数えていれば、3部屋が同時に要るのは4年だけだと分かり、その4年は同性の下2人を1室で過ごす形にすれば、元の3LDKで足りた計算でした。
同じ「子ども3人」でも、3部屋が要る期間が7年か1年かで、住み替えの要否も、探す間取りも変わります。
年齢差が大きいほど3部屋が同時に要る期間は短くなる
表から読み取れるのは、個室が要る期間が1人あたり11年ほど(11歳になる年から22歳になるまで)と長いため、同時数そのものは人数分になりやすい、ということです。同時数が人数より減るのは、上の子と下の子の年齢差が11年以上あるときに限られます。
そのかわり、年齢差が大きいほど、3部屋が同時に要る期間は短くなります。5歳差ずつの3人なら、3部屋が要るのは上の子が家を出る直前の1年です。この1年のために住み替えるより、その年だけ親の寝室をLDK側へ移す、同性の2人を1室にする、といった手でしのぐほうが現実的です。
逆に2歳差ずつなら、3部屋が要る期間が7年続きます。7年を仕切りや親の移動でしのぐのは無理があり、住み替えの検討に値します。「何部屋要るか」に加えて「何年要るか」を出すと、「3人だから4LDK」と決める前に立ち止まれます。
同性の2人は1室を仕切って同時数を減らせる
最後に、性別で同時数を調整します。同性の2人なら、1室を仕切って共有することで、2人を1部屋に数えられます。
仕切りは、本棚や収納家具で視線を切る方法と、天井まで届く可動式の間仕切りで区切る方法があります。8畳(12.96㎡)以上の部屋なら4畳(6.48㎡)ずつに分けてベッドと机が入り、中学まで共有する形が成り立ちます。同性の2人を1部屋と数えれば、3人兄弟でも要る部屋数は2で収まります。
異性の組み合わせは、この調整が利きにくい組み合わせです。上の子が高学年になった時点で、それぞれに閉じられる部屋が要ります。子どもの性別の組み合わせを年表に当てはめると、自分の家の要る部屋数が出ます。この数が今の居室数(夫婦の寝室を除く)を超え、その期間が数年続くなら次章の増やす方法へ、収まっていれば割り振りの見直しで足ります。
今のマンションで子供部屋を増やす方法
要る部屋数が今の居室数を超えていても、住み替えの前に試せる手が3つあります。
納戸を使う、大人が使っている1室を回す、壁を足す。この順に、費用が小さく、元へ戻しやすい方法です。
- サービスルームを子ども部屋にする
- 在宅勤務と親の寝室をLDK側へ移して1室空ける
- 間仕切り壁の工事は管理組合の承認と設備の増設が要る
- 居室を割る条件とLDKから切り出す条件
サービスルームを子ども部屋にする
間取り図に「S」「N」「納戸」「サービスルーム」と書かれた部屋があるなら、そこは子ども部屋の候補です。住むことを禁じられた部屋ではなく、広告で「居室」と表示できない部屋という意味です。
建築基準法第28条第1項は、住宅などの居室に採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積を、居室の床面積に対して5分の1から10分の1までの間で居室の種類に応じ政令で定める割合以上とすることを求めています。住宅の居住のための居室について政令が定めた割合は、建築基準法施行令第19条第3項の表で7分の1です。同じ項のただし書きでは、国土交通大臣が定める基準に従って照明設備の設置や有効な採光方法の確保などの措置が講じられている居室について、7分の1から10分の1までの範囲で大臣が別に定める割合とされています。
この採光の基準に適合せず居室と認められない部分は、不動産の表示に関する公正競争規約施行規則第9条第17号で「納戸」等と表示することになっています。つまり「S」は、採光の開口部が基準に届かない部屋という意味の表示であって、人が住むことを禁じる規定とは別のものです。逆に、照明設備の設置などの措置がとられて緩和後の割合を満たす部屋は、法律上の居室にあたるため、この表示の対象から外れます。
子ども部屋として使う前に確かめるのは4つです。
- 換気の経路(窓か換気扇があるか)
- 照明の配線
- エアコンの配管と室外機の置き場
- 扉の位置と避難の経路
この4つが揃えば、2LDK+Sは実質3LDKとして使えます。窓が小さい部屋は寝室に向き、勉強はリビングに残す使い分けが現実的です。
出典: e-Gov法令検索「建築基準法」第28条 出典: e-Gov法令検索「建築基準法施行令」第19条 出典: 不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則」
在宅勤務と親の寝室をLDK側へ移して1室空ける
大人が使っている居室を、LDK側へ移す手があります。仕事部屋と夫婦の寝室のどちらかをLDKに隣接する場所へ移せば、居室が1つ空きます。
在宅勤務は、LDKの一角を可動間仕切りで区切るか、リビングに隣接する引き戸付きの洋室で成り立ちます。会議の声が気になるなら、引き戸に加えて厚手のカーテンで音を和らげます。夫婦の寝室も同じ洋室に移せますが、両方を同時に移すのは難しいので、どちらか1つを選びます。
この手の利点は、費用がほとんどかからず、いつでも元へ戻せることです。子どもが独立したら、居室を仕事部屋や寝室に戻せます。欠点は、LDKが狭くなることです。目安として、LDKが12畳(19.44㎡)を切ると、区切った後に食事と団らんの場所が窮屈になります。今のLDKの畳数を見て、4.5畳(7.29㎡)を切り出しても10畳(16.2㎡)残るかを先に確かめます。畳数と㎡の換算は、畳1枚1.62㎡(表示規約施行規則第9条第16号)で計算できます。
出典: 不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則」
間仕切り壁の工事は管理組合の承認と設備の増設が要る
壁を足して部屋を増やす工事は、専有部分の中でも管理組合の承認が要ります。国土交通省のマンション標準管理規約(単棟型・令和7年10月17日改正)第17条第1項は、専有部分の修繕、模様替え、建物に定着する物件の取付けや取替えのうち、共用部分または他の専有部分に影響を与えるおそれのあるものを行うときは、あらかじめ理事長に申請し、書面または電磁的方法による承認を受けなければならないと定めています。同条第2項では、設計図、仕様書、工程表を添付した申請書の提出を求めています。
標準管理規約はひな形なので、実際の手続きは自分のマンションの管理規約と細則で確かめます。国土交通省は「専有部分の修繕等に関する細則(案)」も公開していて、申請が要る工事と要らない工事の区分の例、申請の期日、添付書類の例が載っています。
構造の制約もあります。建物を支える壁は抜けず、壁で支える構造のマンションでは間取りの変更そのものが難しくなります。この点と工事費の目安は、マンションが手狭になったときの記事で扱っています。
見落としやすいのが設備です。1部屋を2つに分けても、照明・コンセント・エアコンの配管は1部屋分のままです。片方の部屋にエアコンを付けるには配管の増設が要り、室外機の置き場も要ります。壁の工事費に、電気とエアコンの増設費を足した額で、住み替えの費用と比べます。
出典: 国土交通省「マンション標準管理規約」 出典: 国土交通省「専有部分の修繕等に関する細則(案)」
居室を割る条件とLDKから切り出す条件
壁を足す方法は、大きく2つに分かれます。今ある居室を2つに割る方法と、LDKの一角を切り出す方法です。どちらにも成立する条件があり、その算術は2LDKで子ども2人が暮らす場合の記事で詳しく書いています。
結論だけ引きます。
- 居室を割るなら、元の部屋が8畳(12.96㎡)以上で、窓が2つ並んでいる
- LDKから切り出すなら、LDKが14.5畳(23.49㎡)以上ある
- 専有面積は60㎡前後が下限の目安
6畳(9.72㎡)を割ると3畳(4.86㎡)ずつになり、ベッドと机で床が埋まります。12畳のLDKから4.5畳を取ると残りは7.5畳(12.15㎡)で、食卓とソファの両方を置く余地が消えます。条件から外れる部屋に壁を足すと、使いにくい部屋ができます。工事の見積もりを取る前に、間取り図の畳数を確かめておくと、成立しない案に時間を使わずに済みます。条件から外れるなら、次章の住み替えに進みます。
子供部屋を増やすために住み替えるときの選び方
今のマンションで増やせないと分かったら、住み替えで部屋数を増やすことになります。
ここで「部屋数+1」を条件にすると、選択肢が急に減ります。中古市場のデータを見ながら、探し方を決めます。
4LDKは首都圏の中古成約の5.5%で選択肢が少ない
東日本不動産流通機構の年報マーケットウォッチ2025年度版の集計では、首都圏の中古マンションの成約49,314件のうち、4DK・4LDKは2,712件で5.5%でした。3DK・3LDKは22,069件で44.8%です。東京都区部に限ると、4DK・4LDKは465件、2.1%です。
| 間取り | 首都圏の成約件数(2025年度) | 割合 | 平均専有面積 |
|---|---|---|---|
| 2DK・2LDK | 13,652件 | 27.7% | 61.50㎡ |
| 3DK・3LDK | 22,069件 | 44.8% | 72.73㎡ |
| 4DK・4LDK | 2,712件 | 5.5% | 92.10㎡ |
3LDKから4LDKへ移ろうとすると、市場に出る物件の数が8分の1になります(44.8÷5.5=8.1)。同じ駅、同じ学区で探すと、1年待っても出てこないことも起こります。部屋数+1という条件は、立地や築年数の条件を大きく緩めることと引き換えになります。
出典: 東日本不動産流通機構「年報マーケットウォッチ 2025年度」表17
4LDKの平均価格が3LDKより低い理由は立地
同じ集計で、首都圏の4DK・4LDKの平均成約価格は4,850万円で、3DK・3LDKの5,392万円より低くなっています。東京都区部でも、4DK・4LDKが9,122万円、3DK・3LDKが9,540万円です。
部屋が多いほうが安く出ている理由は、立地の構成にあります。4DK・4LDKが成約に占める比率は、千葉県で10.0%、埼玉県で8.2%、多摩地域で8.0%と郊外で高く、東京都区部では2.1%です。4LDKは郊外に多く、郊外は価格が低い。その構成の違いが平均に出ています。
部屋数を1つ増やす住み替えは、平均で見ると面積が約19㎡増え(92.10㎡−72.73㎡=19.37㎡)、立地が郊外へ寄る住み替えになります。通勤時間と学区が変わることを、部屋数と引き換えに受け入れるかどうかが、判断の中身です。
出典: 東日本不動産流通機構「年報マーケットウォッチ 2025年度」表17
サービスルーム付きの3LDKを4室として探す
部屋数+1の代わりになる探し方が2つあります。1つは、サービスルーム付きの3LDK(3LDK+S)です。もう1つは、75㎡以上の広い3LDKで、居室の1つを後から仕切れる間取りです。
3LDK+Sは、広告の表示では3LDKですが、4つ目の部屋として使えます。前章で書いたとおり、採光の開口部が基準に届かない部屋なので、換気・照明・エアコンの配管を確かめれば、子どもの寝室として使えます。市場では3LDKとして流通するので、4LDKより物件数が多く、都区部でも見つかります。
3部屋が同時に要る期間が短いなら、そもそも4室を探す必要が薄れます。2章の数え方で同時数と年数を出し、3で足りるなら75㎡以上の3LDK、4が長く要るなら3LDK+Sか4LDK、と探す条件を決めます。75㎡は目安の値で、首都圏の3DK・3LDKの平均専有面積72.73㎡より少し広い帯にあたります。部屋数を条件にする前に、同時数と年数を条件にすると、選択肢が広がります。
出典: 東日本不動産流通機構「年報マーケットウォッチ 2025年度」表17
独立後に売りやすいのは3LDK
最後に、子どもが独立したあとの出口を見ておきます。個室が要る期間は1人あたり11年ほどで、その後は部屋が余ります。余った家を売る場面で、部屋数は逆に働きます。
首都圏の中古マンションで最も成約が多いのは3DK・3LDKで、全体の44.8%です。買い手の層が最も厚い間取りなので、売るときに時間がかかりにくい形です。一方、4DK・4LDKは5.5%で、買い手の層が薄く、売り出してから成約までに時間がかかりやすい間取りです。
子どもが3人いる10年ほどのために4LDKを買うと、その後の20年で売りにくい家を持つことになります。3LDK+Sや広い3LDKなら、子どもがいる間は4室として使い、独立後は3LDKとして売れます。買うときの部屋数と、売るときの部屋数を、両方見て決めます。
出典: 東日本不動産流通機構「年報マーケットウォッチ 2025年度」表17
まとめ:足りない部屋数は人数ではなく同時に個室が要る数で決まる
いちばん重いのは、要る部屋数が子どもの人数ではなく、年表で重ねた同時数で決まることです。3人兄弟でも、3部屋が同時に要るのは年齢差によって1年から7年で、その年数が短ければ今のマンションで足ります。
次の一歩は、子ども1人ずつの「11歳になる年」と「22歳になる年」を紙に書き出し、年ごとに重ねて最大の同時数を数えることです。この数え方を飛ばして人数だけで部屋数を決めると、首都圏の中古成約の5.5%しかない4LDKという帯を探すことになり、立地と築年数の条件を大きく緩めたうえ、子どもが独立した後に売りにくい家が残ります。
同時数が今の居室数を超えたら、次に確かめるのは、納戸として表示された部屋の換気と配線、大人が使っている1室をLDK側へ移せるか、間仕切り工事に管理組合の承認が下りるかの3つです。住み替えのトビラでは、子ども部屋の数え方と今のマンションで部屋を増やす条件も含めて、住み替えで悩むあなたに信頼できる情報を提供しています。
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