子どもが大きくなり、3LDKでは部屋が足りなくなってきた。戸建てではなく、マンションのまま、もう少し広い4LDKに移りたい。ところが探し始めると、4LDKの物件の少なさに気づきます。
2025年度に首都圏で成約した中古マンションのうち、4DK・4LDKは5.5%です。広いマンションへの住み替えは、部屋数より必要な面積と、その広さを使う年数で考え、同じマンションの広い住戸、エリアを変える、広めの3LDKといった選択肢も並べて探します。管理費や修繕積立金、固定資産税は専有面積の割合で決まるので、広くした分だけ毎月・毎年の負担も増えます。
この記事では、広さの目安、4LDKへ移る選択肢、探し方のコツ、増える費用、住み替えの手順を、レインズの成約データや法律の条文をもとに順に見ていきます。
広いマンションに住み替える前に決める広さの目安
広いマンションへの住み替えは、「4LDKが欲しい」という部屋数ではなく、必要な面積で考えると失敗しにくくなります。同じ4LDKでも、物件によって広さは大きく違うからです。ここでは、家族の人数、面積と部屋の広さ、使う期間の3つから、目安の決め方を見ていきます。
そもそも今の住まいが手狭かどうかを、狭さの原因から確かめたい場合は、次の記事で整理しています。
家族の人数から考える面積の目安
どれくらいの広さが必要かは、家族の人数が出発点になります。
面積の目安として長く使われてきたのが、国の住生活基本計画の誘導居住面積水準です。2021年(令和3年)3月19日に閣議決定された計画では、都市部の共同住宅に住む場合の目安(都市居住型)を、2人以上の世帯で「20㎡×世帯人数+15㎡」としていました。4人家族なら95㎡です。この式には、3歳未満を0.25人、3歳以上6歳未満を0.5人、6歳以上10歳未満を0.75人として数える注が付いていました。
この扱いは2026年に変わりました。2026年(令和8年)3月27日に閣議決定された今の計画では、別紙が「住宅性能水準」「居住環境水準」「公営住宅の供給の目標量の設定の考え方」の3つになり、世帯人数別の面積水準の別紙はなくなりました。規模については、単身や2人・3人世帯などが暮らせる規模として「40㎡程度を上回る住宅」の供給・流通を促す考え方が示されています。「4人家族なら95㎡」は、2021年の計画まで示されていた目安です。
実際の市場の広さも見ておきます。首都圏で2025年度に成約した中古マンションの平均専有面積は、3DK・3LDKが72.73㎡、4DK・4LDKが92.10㎡です。3LDKから4LDKへ移ると、平均で20㎡ほど広くなる計算です。
ただし、どれも目安です。在宅勤務の部屋が必要か、収納をどれくらい使うか、子どもがそれぞれの部屋を必要とする年齢かによって、必要な広さは変わります。家族で、それぞれの部屋を何に使うかを書き出してから、必要な面積を考えます。
出典: 国土交通省 住生活基本計画(全国計画)(2026年3月27日閣議決定) 出典: 国土交通省 住生活基本計画(全国計画)(令和3年3月19日閣議決定) 出典: 東日本不動産流通機構 年報マーケットウォッチ2025年度 表17 中古マンションの間取り別成約件数
部屋数より専有面積と各部屋の広さで比べる
広いマンションを探すときは、間取りの部屋数ではなく、専有面積と各部屋の広さで比べます。
たとえば、80㎡の4LDKと90㎡の3LDKなら、部屋数は4LDKのほうが多くても、広さは3LDKのほうが上です。80㎡に4つの個室を入れると、4.5畳ほどの部屋が混じることもあり、ベッドと机を置くといっぱいになります。
比べるときは、次の点を見ます。
- 専有面積
- 各部屋の畳数
- リビング・ダイニングの広さ
- 収納の量
広告の畳数は、1畳あたり1.62㎡以上の広さがあるという意味で使う決まりです(不動産の表示に関する公正競争規約施行規則 第9条第16号)。リビング・ダイニング・キッチンにも業界の指導基準があり、居室が2部屋以上の住戸でLDKと表示するときの広さの下限は10畳です。4LDKと書かれていても、LDKは下限に近い10畳ほどということもあります。図面の畳数と、今使っている家具の大きさを照らし合わせると、使える広さが見えてきます。
出典: 不動産公正取引協議会連合会 不動産の公正競争規約(表示規約施行規則・DK・LDKの広さの目安となる指導基準)
子供の独立後まで見て広さを決める
広い住まいが必要な期間は、思っているより短いことがあります。
子どもが小学生なら、独立するまでおよそ10年から15年です。その後は、夫婦2人には部屋が余り、掃除の手間や管理費の負担が残ることもあります。
広さを決めるときは、今の家族の人数に加えて、その広さをあと何年使うかを考えます。子どもが独立した後も住み続けるのか、それとも売って住み替えるのかで、選ぶ広さは変わります。
独立後も住み続けるなら、余った部屋を趣味や収納に使える間取りかを見ておきます。売る予定なら、将来の買い手が求める広さかどうかも大切です。これについては、探し方の章で成約のデータとあわせて見ていきます。
3LDKから4LDKに住み替えるときの選択肢
3LDKから広いマンションへ移る方法は、同じエリアで4LDKを探すほかに、あと3つあります。
| 選択肢 | 変わらないこと | 広さの取りやすさ | 探しやすさ |
|---|---|---|---|
| 同じマンションの広い住戸 | 学区・通勤・管理 | 住戸による | 売り出しを待つ |
| 同じエリアで4LDK | 学区・通勤 | 中程度 | 物件が少ない |
| エリアを変える | 予算 | 取りやすい | 候補が増える |
| 広めの3LDK | 学区・通勤 | 物件による | 比較的見つけやすい |
何を変えずにおきたいかによって、選ぶ方法が変わります。
同じマンションの広い住戸に移る
今住んでいるマンションに、より広い住戸があるなら、そこに移るという方法があります。
同じマンションなら、学区も通勤も、管理の状態もそのままです。建物の良し悪しや長期修繕計画を住んで知っているので、買ってからの思い違いも少なくて済みます。引っ越しも、エレベーターで荷物を運ぶだけで済むことがあります。管理費と修繕積立金の決め方も同じなので、広くなった分の負担の増え方を、今の金額から計算できます。
難しいのは、広い住戸がいつ売りに出るか分からないことです。マンションの近くの不動産会社に、広い住戸が出たら知らせてほしいと伝えておきます。
なお、隣の住戸を買って壁を抜き、2戸をつなげて広く使いたいと考える人もいます。国土交通省のマンション標準管理規約では、住戸と住戸の間の壁(界壁)は共用部分とされ、専有部分は「天井、床及び壁は、躯体部分を除く部分」と定められています。コメントでは、主要構造部の構造的変更を禁止する趣旨も示されています。共用部分の形を変える工事は、内容によって集会の決議が要るため(区分所有法第17条)、界壁は原則として個人では撤去できない部分です。実際の扱いは、そのマンションの管理規約で確かめます。
出典: 国土交通省 マンション標準管理規約(令和7年10月17日改正) 出典: e-Gov法令検索 建物の区分所有等に関する法律(第2条第4項・第4条・第17条)
同じエリアで4LDKを探す
子どもの学校や通勤を変えたくない場合は、同じエリアで4LDKを探すのが基本の方法です。
ただし、4LDKのマンションは、市場に出る数が限られています。マンションの中心は3LDKで、4LDKは一部の広い住戸に限られます。都心に近いほど4LDKの比率は下がり、希望のエリアで探しても、すぐには見つからないことがよくあります。
そのため、同じエリアで探すなら、時間をかける前提で動きます。不動産のポータルサイトで新着の通知を設定し、不動産会社に希望の条件を伝えておくと、物件が出たときにすぐ知ることができます。
同じ駅の範囲で見つからなければ、隣の駅や、同じ学区の別の駅まで広げると、候補が増えることがあります。
エリアを変えて広さを取る
広さを一番に考えるなら、エリアを変えるのが近道です。
レインズの集計では、4DK・4LDKの成約の比率は、都心ほど低く、郊外ほど高くなっています。平均専有面積はどの地域も90㎡前後なのに、平均価格は大きく違います。
| 地域(2025年度) | 3DK・3LDKの割合 | 4DK・4LDKの割合 | 4DK・4LDKの件数 | 4DK・4LDKの平均価格 |
|---|---|---|---|---|
| 東京都区部 | 29.6% | 2.1% | 465件 | 9,122万円 |
| 多摩 | 54.4% | 8.0% | 365件 | 4,520万円 |
| 横浜・川崎 | 50.1% | 7.3% | 615件 | 4,828万円 |
| 神奈川県他 | 54.6% | 7.4% | 253件 | 3,276万円 |
| 埼玉県 | 63.5% | 8.2% | 475件 | 3,527万円 |
| 千葉県 | 63.1% | 10.0% | 539件 | 3,316万円 |
| 首都圏 | 44.8% | 5.5% | 2,712件 | 4,850万円 |
首都圏全体では、4DK・4LDKの平均価格(4,850万円)が3DK・3LDK(5,392万円)より低くなっています。4LDKの成約が郊外に多いことが、平均の数字に表れています。同じ沿線で数駅先に移るだけでも、広さの選択肢が増えることがあります。
ただし、エリアを変えると、通勤や通学の時間、子どもの学校、生活の便利さが変わります。エリアを変えるときは、通勤の時間がどれくらい延びるか、子どもが転校するか、買い物や病院が近くにあるかを確かめておきます。広さで得られるゆとりと、移動で使う時間を比べて判断します。
出典: 東日本不動産流通機構 年報マーケットウォッチ2025年度 表17 中古マンションの間取り別成約件数
広めの3LDKを選ぶ
4LDKにこだわらず、広めの3LDKを選ぶという方法もあります。
90㎡前後の3LDKは、部屋の数は3つでも、各部屋やリビングが広く、収納も多いことがあります。首都圏で2025年度に成約した中古マンションのうち、専有面積80㎡超100㎡以下は6,236件で、4DK・4LDKの2,712件の約2.3倍です(この中には4LDKも含まれます)。間取りで絞るより、面積で絞るほうが候補は増えます。
部屋が足りない場合は、リビングの一部を仕切って書斎にしたり、広い部屋を家具で区切ったりして、部屋数を補うこともできます。
また、マンションによっては、壁を動かして間取りを変えられる設計になっているものもあります。子どもが小さいうちは広く使い、大きくなったら部屋を分けることができます。
住み替えをせずに、今のマンションで子供部屋を増やす方法は、次の記事で詳しく扱っています。
出典: 東日本不動産流通機構 年報マーケットウォッチ2025年度 表13 中古マンションの専有面積帯別件数
広いマンションを探すときのコツ
広いマンションは、普通の3LDKとは探し方が違います。物件の数が少ないうえ、広さの割に使いにくい間取りもあるからです。ここでは、探し方と見分け方のコツを見ていきます。
4LDKの物件が少ない前提で探す
4LDKのマンションが市場にどれくらいあるかは、レインズの成約の集計で分かります。
4DK・4LDKの成約は、3DK・3LDKのおよそ8分の1です。そのため、良い物件が出たら、すぐに動けるように準備しておくことが大切です。
- ポータルサイトで希望の条件の新着通知を設定する
- 不動産会社に希望の条件を伝え、売り出し前の情報をもらう
- 内見の日程をすぐ取れるようにしておく
- 購入の予算と住宅ローンの事前審査を済ませておく
物件が少ないので、見つかったら他の人と競うこともあります。迷っている間に売れてしまわないよう、譲れない条件と妥協できる条件を、前もって家族で決めておきます。
出典: 東日本不動産流通機構 年報マーケットウォッチ2025年度 表17 中古マンションの間取り別成約件数
面積の割に部屋が狭い間取りを見分ける
広いマンションでも、間取りによっては、面積の割に使える部屋が狭いことがあります。
よくあるのが、廊下が長い間取りです。廊下は通るだけの場所なので、長いほど部屋に使える面積が減ります。柱や梁が部屋の中に大きく出ている場合も、家具を置きにくくなります。
ほかに、次のような点を確かめます。
- 各部屋が4.5畳など、狭い部屋に分かれていないか
- 「納戸」と書かれた部屋が部屋数に入っていないか
- 収納が十分にあるか
広告の決まりでは、採光や換気のための窓の大きさが建築基準法第28条の基準に合わず、居室と認められない部屋は「納戸」等と表示することになっています(不動産の表示に関する公正競争規約施行規則 第9条第17号)。3SLDKの「S」(サービスルーム)も、こうした部屋を指す表し方として広告でよく使われます。書斎や収納には使えても、子ども部屋として毎日過ごすには、窓の大きさや風通しを内見で確かめます。
内見のときは、メジャーで部屋の寸法を測り、今使っているベッドや机が置けるかを確かめます。図面だけでは分からない使い勝手が見えてきます。
出典: 不動産公正取引協議会連合会 不動産の公正競争規約(表示規約施行規則 第9条第17号)
管理費と修繕積立金を面積あたりで比べる
広いマンションは、管理費と修繕積立金も高くなります。物件どうしを比べるときは、月の金額と並べて、面積あたりの金額でも比べると、割高かどうかが分かります。
計算は、月の管理費と修繕積立金の合計を、専有面積で割るだけです。たとえば、月3万円で100㎡なら、1㎡あたり300円になります。
面積あたりの金額が、同じエリアの似たマンションより高い場合は、管理の内容が手厚いか、修繕積立金が将来に備えて多めに設定されている可能性があります。反対に、極端に安い場合は、将来の値上げや一時金の可能性を確かめておきます。
長期修繕計画と、修繕積立金の値上げの予定も、あわせて確かめておきます。
将来売るときの売りやすさを考える
広いマンションは、将来売るときのことも考えておきます。
広い住戸が売りにくいかどうかは、広さの帯で分かれます。レインズの集計で、同じ年度に新しく登録された件数に対する成約件数の比を面積帯ごとに見ると、次のようになります。
100㎡までの広さなら全体を上回り、120㎡を超えると2割を下回ります。120㎡を超える住戸は価格の総額が高くなり、買える人が限られるので、売りに出してから買い手が見つかるまで時間がかかることがあります。
一方で、4LDKは物件の数が少ないので、広さを求める買い手からは、探してもなかなか見つからない住まいとして注目されることもあります。
将来売る予定があるなら、駅からの距離、建物の管理の状態、間取りの使いやすさなど、広さ以外の売りやすさも重視して選びます。
出典: 東日本不動産流通機構 年報マーケットウォッチ2025年度 表13 中古マンションの専有面積帯別件数
広いマンションに住み替えると増える費用
広いマンションに移ると、購入価格に加えて、毎月・毎年の費用も増えます。ここでは、増える費用を3つに分けて見ていきます。
購入価格と住宅ローンの返済額
広いマンションは、同じエリアなら、面積が広い分だけ価格が上がります。今のマンションの売却額との差額を、自己資金か住宅ローンで用意することになります。
借入額が増えると、毎月の返済額も増えます。金利と期間を仮に置いて計算すると、次のようになります。
モデルケースの計算(仮定)
- 入力値:借入額の増加1,000万円・金利年1.5%(仮定)・35年(420回)・元利均等返済・ボーナス払いなし
- 計算の順序:月利=1.5%÷12=0.125% → 毎月の返済額=借入額×月利×(1+月利)^420÷{(1+月利)^420−1}
- 結果:毎月約30,618円の増加(年間約36.7万円)
- 金利を変えた場合:年1.0%なら毎月約28,229円、年2.0%なら毎月約33,126円
- 自分の数字に置き換える式:元利均等返済の返済額は借入額に比例するので、金利年1.5%・35年なら「借入の増加額÷1,000万円×30,618円」。500万円の増加なら約15,309円
この数字は仮の例なので、自分の借入額と、借りる金融機関の金利で計算し直します。
返済額は、年収に対する返済の割合(返済負担率)で、無理がないかを確かめます。住宅金融支援機構のフラット35では、年収に占める年間合計返済額の割合(総返済負担率)の基準を、年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下としています。自動車ローンなど、ほかの借入れの返済も含めた割合です。これは借りられるかどうかの基準なので、教育費などを考えて、それより低い割合に収めると安心です。
また、住み替えの時期によっては、今のマンションのローンの残りと、新しいローンが重なることがあります。返済の計画は、売却と購入の順番とあわせて考えます。今のマンションのローンが売却額で返しきれない場合に使う住み替えローンは、次の記事で詳しく扱っています。
面積に比例して増える管理費・修繕積立金・固定資産税
マンションの管理費と修繕積立金は、専有面積の割合で決まるのが基本です。
区分所有法では、共用部分の持分は専有部分の床面積の割合によるとされ(第14条第1項)、共用部分の負担は、規約に別段の定めがない限り持分に応じるとされています(第19条)。国土交通省のマンション標準管理規約も、管理費等の額は共用部分の共有持分に応じて算出するとし(第25条第2項)、共有持分は専有部分の床面積の割合によるとしています(第10条のコメント)。ただし、法律は規約で別の決め方をすることも認めているので(第14条第4項)、実際の割合は購入するマンションの管理規約で確かめます。
固定資産税も、面積に応じて増えます。マンションの建物の税額は、専有部分の床面積の割合で各区分所有者に按分され(地方税法第352条)、敷地の税額は土地の持分の割合で按分されます(地方税法第352条の2)。
今のマンションが70㎡で、移る先が90㎡なら、面積は約1.29倍です。1㎡あたりの単価が同じなら、管理費と修繕積立金も約1.29倍になる計算です。
モデルケースの計算(仮定)
- 入力値:今は70㎡で管理費と修繕積立金が月2.8万円(1㎡あたり400円と仮定)・移る先は90㎡で1㎡あたりの単価は同じと仮定
- 移る先の月額:400円×90㎡=36,000円
- 増える額:月8,000円・年96,000円・20年で192万円
- 自分の数字に置き換える式:(移る先の専有面積−今の専有面積)×1㎡あたりの月額×12か月×住む年数
こうした費用は、住んでいる限りずっと続きます。購入価格の差に、毎月の差を年数で掛けた額を足して、総額で考えておくと安心です。
出典: e-Gov法令検索 建物の区分所有等に関する法律(第14条・第19条) 出典: 国土交通省 マンション標準管理規約(令和7年10月17日改正) 出典: e-Gov法令検索 地方税法(第352条・第352条の2)
光熱費や家具などの暮らしの費用
広いマンションに移ると、暮らしの費用も増えます。
まず光熱費です。部屋が増えるほど、冷暖房をする場所が増えます。
次に、引っ越しのときに買い足すものです。
- 部屋が増えた分のエアコン
- 窓の数に合わせたカーテン
- 照明器具
- 家具
部屋数や窓の数によっては、まとまった金額になります。住み替えの資金計画には、購入の諸費用や引っ越し代と一緒に、こうした買い足しの費用も入れておきます。今の家具をどれだけ使えるかを、新しい間取りに合わせて確かめておくと、むだな出費を減らせます。
広いマンションへの住み替えを進める手順
広いマンションへの住み替えは、資金の見通しを先に立て、物件が出たらすぐ動ける状態にしておくのが大切です。4LDKのような広い物件は数が少なく、出たときに動けるかどうかで手に入るかが決まるからです。
今のマンションの売却額を確かめる
最初に、今のマンションがいくらで売れそうかを確かめます。
売却額は、住み替えの予算の土台になります。1社の査定だけで決めず、複数の会社の査定や、同じマンションや近くのマンションの成約事例を見て、幅で考えます。
売却額が分かったら、住宅ローンの残りと、売るときの費用(仲介手数料など)を引いて、手元に残るお金を計算します。
高い査定額を前提に計画を立てると、思ったより安くしか売れなかったときに、予算が足りなくなります。低めの額でも計画が成り立つかを確かめておくと安心です。
予算と借入額を決める
次に、広いマンションを買う予算を決めます。
予算は、売却で手元に残るお金と、自己資金、新しく借りる住宅ローンの額を合わせて考えます。
借入額は、借りられる額ではなく、無理なく返せる額で決めます。年収に対する返済の割合や、子どもの教育費などの将来の支出も考えます。
予算が決まったら、住宅ローンの事前審査を受けておきます。事前審査の結果が出ていると、広い物件が出たときに、借入の見通しを持って購入の申込みへ進めます。
希望条件を伝えて物件が出るのを待つ
予算が決まったら、希望の条件を整理して、物件が出るのを待つ仕組みを作ります。
条件は、譲れないもの(面積、エリア、予算)と、妥協できるもの(築年数、階数、向き)に分けておくと、物件が出たときに素早く判断できます。不動産会社には、部屋数より先に、専有面積の下限と、エリア、予算、入居したい時期を伝えると、広めの3LDKも含めて紹介を受けやすくなります。
同じマンションの広い住戸を狙うなら、マンションの近くの不動産会社にも伝えておきます。物件の出方によっては、長く待つこともあるので、今の住まいでの暮らし方も含めて、待てる期間を家族で決めておきます。
売却と購入の順番を決める
最後に、今のマンションを売るのと、広いマンションを買うのを、どちらを先にするかを決めます。
売るのを先にする「売り先行」は、売却額が決まってから買うので、予算がずれにくい方法です。ただし、買う物件が見つかるまで、仮住まいが必要になることがあります。
買うのを先にする「買い先行」は、気に入った物件を逃さずに済む方法です。広い物件は数が少ないので、出たときにすぐ買えるのは大きな利点です。ただし、今のマンションが売れるまで、2つのローンを払う期間が出ることがあります。
自分の資金の余裕と、物件の出方を見て、どちらが合うかを決めます。売り先行と買い先行の選び方と、資金のつなぎ方は、次の記事で詳しく解説しています。
まとめ:広いマンションは部屋数より面積と使う年数で選ぶ
4DK・4LDKは首都圏の中古マンションの成約の5.5%と少なく、部屋数で絞るほど候補は減ります。必要な面積と、その広さを使う年数で考え、同じマンションの広い住戸、エリアを変える、広めの3LDKも並べて探すと、選べる物件が増えます。
次の一歩は、家族でそれぞれの部屋の使い道を書き出して必要な面積を決め、売却額の確認と住宅ローンの事前審査を先に済ませることです。ここを飛ばすと、ようやく出た4LDKに申込みが間に合わなかったり、面積に比例して増える管理費や固定資産税を予算に入れ忘れたりしがちです。
候補が見えたら、管理規約で管理費等の決め方を、重要事項説明書で毎月の負担額を確かめましょう。住み替えのトビラでは、3LDKから4LDKへ移るときの広さの目安や広いマンションの探し方も含めて、住み替えで悩むあなたに信頼できる情報を提供しています。
住み替えのトビラ 