子供の成長でマンションが狭い|限界が来る段階と住み替えの決め方

子供の成長でマンションが狭い|限界が来る段階と住み替えの決め方

子どもが大きくなって、マンションが狭くなってきた。そう感じ始めたとき、多くの人は「この先もっと狭くなるのか」「いつ限界が来るのか」が分からないまま迷います。

先に答えを書きます。狭さは一度に来るのではなく、小学校入学、高学年、中学入学の3つの段階で性質を変えながら強くなり、中学から高校でピークを迎えます。そして個室が本当に要る期間は、中学入学から独立までの10年前後です。

この記事では、その段階ごとに何が足りなくなるかを調査データで示し、今のマンションでしのげる方法と尽きる条件、住み替えると決める基準、そして10年後に部屋が余らない住み替え先の選び方まで順に見ていきます。

子どもの成長でマンションが狭くなる段階

「子どもが大きくなって狭い」と一言で言っても、狭さの中身は年齢で変わります。増えるのが物なのか、寝る場所と机なのか、閉じられる部屋なのか。

どれが増える段階かで、いま打つ手も住み替えの時期も変わります。まず、どの段階で何が足りなくなるかを順に見ます。

小学校入学で学用品と学習机の置き場が足りなくなる

最初の変化は小学校の入学です。ランドセル、教科書、体操着、絵の具や鍵盤ハーモニカ。学用品が一気に増え、学習机を置くかどうかの判断も迫られます。

積水ハウス住生活研究所が2023年1月20〜22日に、小学生の長子をもつ全国の20〜60代の既婚男女568人へ行った「小学生の子どもとの暮らしに関する調査」があります。入学後に「”もの”が増えて収納が足りなくなった」と答えた割合は39.1%でした。約4割の家庭が、部屋の広さより先に、物の置き場で狭さを感じています。

この段階の狭さは、居室が足りないというより、収納と机の置き場が足りない狭さです。同じ調査で、子ども部屋の保有率は小学校1〜2年生で男子37.0%、女子45.7%と半数を下回ります。入学は、部屋を増やす段階というより、物の置き方を決め直す段階と考えるほうが実態に合います。

出典: 積水ハウス「小学生の子どもとの暮らしに関する調査」

高学年で寝る場所と着替えの場所が分かれる

小学校の高学年になると、狭さの中身が変わります。親と同じ部屋で寝ていた子どもが自分の場所で寝るようになり、着替えや友達を呼ぶ場所も分かれ始めます。

同じ積水ハウスの調査では、寝る空間として子ども部屋を使う割合が、小学校1〜2年生の23.4%から5〜6年生では52.8%に上がります。子ども部屋の保有率も、5〜6年生で男子58.3%、女子73.2%まで増えます。

ただし、この段階で子ども部屋がしている働きは「寝る」と「着替える」が中心です。勉強する空間は全体で76.5%が「リビング・ダイニング」で、5〜6年生でも7割以上が同じ答えでした。東京ガス都市生活研究所が2014年3月に発行したレポートも、子ども部屋について「『荷物を置く、眠る』といった、いわゆる『寝室』としての意味合いが強くなっている」とまとめています。高学年で要るのは、机を置く個室というより、寝る場所と自分の物を置く場所です。ここを取り違えて個室を先に用意すると、使われない部屋と、寝る場所を失った親が残ります。

出典: 積水ハウス「小学生の子どもとの暮らしに関する調査」 出典: 東京ガス都市生活研究所「家で子どもが過ごす部屋~子どもの過ごし方と親子それぞれの意識」

中学生で閉じられる部屋が要るようになる

狭さがいちばん強くなるのが中学生の時期です。東京ガス都市生活研究所のレポートは、小学生から高校生までの子どもとその親を対象にした調査の要旨を、次のようにまとめています。

大半の子供は自分の部屋を持ち、年齢が上がるにつれて自分の部屋で行うことは増える。しかし、「基本的に過ごす場所、居心地が良くくつろげる場所はリビング」である。

リビング中心の生活は続きながら、自分の部屋でする行動だけが年齢とともに増えていく、という読み方になります。この「増えていく行動」の中身が変わるのが中学生の時期です。理由は2つあります。1つは勉強で、定期テストと受験勉強が始まると、リビングの音や家族の視線から離れて集中する場所が要ります。もう1つはプライバシーで、友達との電話やスマートフォン、着替えを、親の目から離れた場所でしたくなる年齢です。

この段階で要るのは、扉を閉められる部屋です。家具で仕切った一角やリビングの端では代わりになりにくく、居室の数そのものが問われます。中学生が2人いれば、閉じられる部屋が2つ要ります。今のマンションの居室数と、子どもが中学生になる年を並べると、狭さのピークがいつ来るかが見えます。

なお、このレポートは2014年3月の発行で、スマートフォンの普及や在宅学習の広がりより前の調査です。傾向として読み、割合の細かさは別の調査で補うほうが安全です。

出典: 東京ガス都市生活研究所「家で子どもが過ごす部屋~子どもの過ごし方と親子それぞれの意識」

高校生以降は在宅時間が減り狭さが緩む

ピークを過ぎると、狭さは緩みます。高校生になると部活や塾、アルバイトで家にいる時間が減り、家族全員がそろう時間も短くなるのが一般的な流れです。個室は要りますが、家全体の密度は下がります。ここは統計値ではなく、進路や部活によって幅の出る目安です。

さらに、大学進学や就職で家を出ると、個室は空きます。中学入学からここまでが、およそ10年です。子どもの成長による狭さは、この10年をどう過ごすかという、期限のある問題として扱えます。この扱い方が、今の部屋でしのぐか、住み替えるか、住み替えるならどの広さを買うかの判断の土台になります。

子どもの成長に合わせて今のマンションで狭さをしのぐ方法

段階が分かると、いま打つ手が見えます。小学生の間は部屋を増やすより、場所を確保するほうが先です。

ここでは費用のかからない順に、今のマンションでしのぐ方法と、その方法が尽きる段階を見ます。

  • 小学生の間はリビング学習で机の置き場を居室に持たない
  • 寝室を子ども部屋に回して親の寝る場所を変える
  • 1部屋を2人で使う仕切り方
  • しのぎ方が尽きる段階

小学生の間はリビング学習で机の置き場を居室に持たない

入学したから子ども部屋に学習机、と考える前に、机をどこに置くかを決め直します。積水ハウスの調査では、勉強する空間として「リビング・ダイニング」を挙げた割合が全体で76.5%、小学校5〜6年生でも7割以上でした。

リビング学習にするなら、個室に机を置かずに済みます。ダイニングテーブルの一角を使う、リビングの壁際に奥行きの浅いカウンターを付けるといった形で、居室を1つ空けたままにできます。学用品はリビングに近い場所にまとめ、ランドセルの定位置を決めるだけで、物の狭さはかなり収まります。

この方法の限界は、高学年で「自分の物を置く場所」を欲しがる段階です。机はリビングのままでよくても、着替えと私物の置き場は分けたくなります。その時点で、次の「寝室を子ども部屋に回す」に移ります。

出典: 積水ハウス「小学生の子どもとの暮らしに関する調査」

寝室を子ども部屋に回して親の寝る場所を変える

高学年で寝る場所が分かれる段階では、今ある居室の使い方を入れ替える手があります。親の寝室にしていた部屋を子どもに渡し、親はリビングに隣接する洋室や、リビングの一角に寝る場所を移す形です。

ある家庭の順番です。

上の子が5年生になった春、「自分の部屋がほしい」と言い出しました。両親はまず、自分たちがどこで寝るかを決めました。リビング横の4.5畳の洋室に布団を移し、引き戸を閉めれば寝室になる形にしました。

そのうえで、それまでの寝室6畳を子どもに渡しました。順番が逆だったら、子ども部屋はできても、親がリビングに布団を敷く生活になっていたはずです。

入れ替えは費用がかからず、いつでも戻せます。子どもが1人なら、この方法で中学生の時期までしのげる家庭も多くあります。限界は子どもが2人以上で、それぞれに閉じられる部屋が要る段階に来たときです。

1部屋を2人で使う仕切り方

子どもが2人いて居室が足りないなら、1部屋を2人で使う方法があります。仕切り方は3通りです。

  • 2段ベッドやロフトベッドで床を空け、机を2つ置く(6畳あれば入る)
  • 本棚や収納家具を部屋の中央に置いて視線を切る
  • 天井まで届く可動式の間仕切りで部屋を2つに分ける(扉を付ければ閉じられる部屋が2つになる)

欠点は、窓と空調が片方に偏ることです。1部屋を2つに分けると、窓のない側ができ、エアコンの風も届きにくくなります。可動間仕切りは通気のために上部を開けるものが多く、音は通ります。

中学生2人が受験期に重なると、この音の問題が大きくなります。小学生の間の手として使い、中学生の時期までに次の手を決めておく方法です。

しのぎ方が尽きる段階

ここまでの方法には、それぞれ限界がありました。今のマンションでしのぐ方法が尽きるのは、次の条件が重なるときです。

  • 中学生以上の子どもが2人以上になり、それぞれに閉じられる部屋が要る
  • 居室が2つしかなく、親の寝室を渡すと親の場所がなくなる
  • 1部屋を仕切っても窓や空調が片方に偏り、受験期に音が問題になる
  • 学用品と部活道具が増え、収納の外に出す物が居室を埋める

2つ以上に当てはまり、その状態が5年以上続く見込みなら、しのぐより住み替えを考える段階です。逆に、当てはまるのが1つで、残り2〜3年で上の子が家を出るなら、しのぎ切るほうが合理的な場合もあります。次章では、住み替えると決める基準を年数と時期で見ます。

子どもの成長を理由に住み替えると決める基準

住み替えは、子どもの年齢という時計を持っています。個室が要る年数、転校の境目、今の部屋が売りやすい時期。

この3つが重なるときが決めどきになります。順に見ていきます。

兄弟の年齢差で決まる個室が要る年数

国土交通省の「令和5年 住生活総合調査(確報集計)」では、今後の住み替えの目的について、「親と子供から成る世帯(長子17歳以下)」で持ち家・借家ともに「子どもの誕生・成長・進学」の割合が高いとされています。子どもの成長を理由にした住み替えは、この世帯にとって主な動機のひとつです。

そのうえで、個室が本当に要る期間を数えます。上の子が中学に入る年から、下の子が家を出る年までで、期間は兄弟の年齢差で決まります。

兄弟の構成個室が要り始める年個室が空く年個室が要る年数
1人っ子12歳(中学入学)22歳(独立)約10年
2歳差の2人上の子12歳下の子22歳(上の子24歳)約12年
5歳差の2人上の子12歳下の子22歳(上の子27歳)約15年

※中学入学を12歳、独立を22歳と置いた仮定値です。進学先や就職の時期で前後します。読者が自分の家庭で数えるときは、「上の子が12歳になる年」から「いちばん下の子が22歳になる年」までを引き算します。

年齢差が大きいほど、個室が要る期間は延びます。1人っ子なら約10年、5歳差の2人なら約15年です。

この年数は、住み替えるかどうかの判断に直結します。要る期間が5年なら、今の部屋でしのぐ選択肢が残ります。15年なら、その間ずっと狭い暮らしを続けることになり、住み替えのほうが暮らしの質は上がります。年数を数えることで、感覚だった「狭い」が、期限付きの問題に変わります。

出典: 国土交通省「令和5年 住生活総合調査(確報集計)」

小学校入学と中学入学の前後で変わる探せる範囲

住み替えの時期を決めるとき、境目になるのは転校です。小学校と中学校の入学前なら、学区にしばられず広い範囲から物件を探せます。入学後に転校を避けたいと考えると、探す範囲は今の学区の中に限られます。

もう1つ避けたいのが受験期です。小学6年生と中学3年生の年は、引っ越しが勉強の妨げになります。上の子が小学5年生なら、中学入学前に動くために残っているのは1年です。

売却から新居への入居までは、半年から1年かかるのが目安です。入学に間に合わせるなら、その1年半前から準備を始めます。上の子が年長なら小学校入学前に、小学4年生なら中学入学前に、というように、境目から逆算して開始点を決めます。学区が変わってもよいと割り切れるなら、この縛りは消え、判断の軸は年数と資金に戻ります。

子供の進学で学区へ住み替え|調べ方・時期・注意点 子供の進学で学区へ住み替え(買い替え)|調べ方・時期・注意点

子どもが小学生のうちに売りやすい今の部屋

今の部屋を売る側から見ると、時期には意味があります。東日本不動産流通機構(東日本レインズ)の年報によると、2025年に首都圏で成約した中古マンションは49,114件、平均専有面積は62.66㎡、平均築年数は26.58年でした。2LDK〜3LDKの60㎡台という、いま多くの子育て世帯が住んでいる広さは、成約の平均とほぼ重なります。

この広さの買い手は、これから子どもを持つ、または子どもが小さい世帯が中心です。今の部屋を欲しがる人は、数年前の自分と同じ状況の人です。買った当時の自分が魅力に感じた点、駅からの距離、学区、間取りは、次の買い手にも同じように伝わります。

築年数の側も見ておきます。マンションの大規模修繕工事について、国土交通省の「長期修繕計画作成ガイドライン」は「外壁の塗装や屋上防水などを行う大規模修繕工事の周期は部材や工事の仕様等により異なりますが、一般的に12~15年程度」としています。子どもが小学生のうちに売る場合、多くは築10〜15年前後にあたり、1回目の大規模修繕が近づくか、済んだ直後の時期に重なります。ここは家庭ごとに前後する目安です。成約物件の平均築年数が26.58年であることと比べると、この築年帯は市場の平均よりかなり新しい部類に入ります。

一方で、直近の市況は落ち着いています。同機構の月例(2026年8月度)では、首都圏の中古マンション成約は3,180件で前年同月比10.5%減、成約㎡単価は81.60万円で同3.8%の下落、在庫は48,235件で同8.2%増でした。売り急げば高く売れる局面ではないため、時期の判断は市況より、買い手の層と自分の家庭の年数で組み立てるほうが現実的です。

出典: 東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2025年)」 出典: 東日本不動産流通機構「月例速報 Market Watch サマリーレポート 2026年8月度」 出典: 国土交通省「長期修繕計画標準様式・長期修繕計画作成ガイドライン」(令和6年6月改定)

子どもの独立後に部屋が余る前提

住み替えを決める前に、1つ先まで見ておきます。個室が要る期間が終わると、部屋は余ります。子どもが独立したあと、夫婦2人で4LDKに住む状態です。

この段階で「広すぎる」側の住み替えを考える人は多く、当サイトでも別の記事で扱っています。子どもの成長を理由に広い部屋へ移った人が、10〜15年後に今度は小さい部屋へ移る。この往復はよくあります。

夫婦二人に家が広すぎる|負担の正体と選ぶ3つの軸 夫婦二人に家が広すぎる|負担の正体と選ぶ3つの軸
先を見て選ぶ

だからといって、今の狭さをそのまま我慢し続けるのは別の話です。大切なのは、次に買う部屋を「子どもがいる10年のためだけ」に選ばないことです。独立後に部屋の使い道があるか、または売りやすい広さかを、選び方の条件に入れておきます。

子どもの成長に合わせた住み替え先の選び方

同じ失敗を繰り返さないための選び方は、「分けられる・戻せる・売りやすい」の3つに集約されます。

10年後に部屋が余る前提で、そのときに困らない間取りを選びます。

  • 引き戸や可動間仕切りで分けられる洋室のある間取り
  • 子ども部屋は4.5〜6畳で足りる前提の部屋数
  • 中学までの学区と通学手段
  • 独立後に使い道がある部屋数と広さ

引き戸や可動間仕切りで分けられる洋室のある間取り

部屋数を増やすより、部屋数を変えられる間取りを選びます。代表的なのは、リビングの隣に引き戸で仕切れる洋室がある間取りです。子どもが小さい間は引き戸を開けてリビングを広く使い、中学生になったら閉めて個室にし、独立したら開けて元に戻せます。

もう1つは、広い洋室を後から2つに分けられる間取りです。出入口が2か所あり、窓が2つ並んでいる部屋なら、可動間仕切りで分けても窓と空調が片方に偏らずに済みます。新築時に「将来2部屋に分けられる」と案内されている間取りは、この条件を満たしています。

内覧では、間仕切りを入れたときの寸法を測っておきます。分けた片方が4畳を切ると、ベッドと机が入らず、分けた意味が薄れます。分けられる前提の部屋は、分けた後の広さで見ます。

子ども部屋は4.5〜6畳で足りる前提の部屋数

子ども部屋を広く取りたくなりますが、4.5〜6畳あれば足ります。広告の畳数は「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」で畳1枚当たり1.62㎡以上と決まっているので、4.5畳は約7.3㎡、6畳は約9.7㎡が下限です。7.3㎡にシングルベッドと机と本棚が入り、9.7㎡なら収納家具を足しても動線が残ります。

子ども部屋を広くすると、その分を親の空間かリビングから削ることになります。そして子どもが独立したあと、広い子ども部屋は使い道のないまま残ります。子ども部屋は最小限にして、家族が集まるリビングを広く取るほうが、子どもがいる間も、独立後も無駄なく使えます。

部屋数は、子どもの人数分の個室に、親の寝室を足した数が基準です。子ども2人なら3つの居室、つまり3LDKです。在宅勤務の場所が要るなら、リビングの一角か、引き戸で仕切れる洋室で兼ねます。4LDKまで増やすと、独立後に余る部屋が2つになります。

出典: 不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」第11条第16号

中学までの学区と通学手段

住み替え先の学区は、小学校に加えて中学校まで見ておきます。小学校の学区で選んだ家が、中学校の学区では遠い学校に割り当てられることがあります。自治体の通学区域の一覧で、小学校と中学校の両方を確認します。

通学手段も変わります。小学校は徒歩圏が前提で、中学校では自転車通学を認めている地域もあり、扱いは自治体や学校で分かれます。高校になれば電車通学が普通になり、最寄り駅までの距離のほうが大切になります。通学手段の扱いは、住み替え先の自治体と学校の案内で確かめる項目です。

子どもがいる10年のうち、前半の6年は小学校、後半の6年は中学と高校です。小学校の近さだけで選ぶと、後半の6年で通学の不便が出ます。学区の調べ方と、住民票だけ移す危うさは、学区の記事で詳しく書いています。

独立後に使い道がある部屋数と広さ

最後に、独立後の10年、20年を見ます。子どもが出たあとの部屋には、2つの持たせ方があります。

1つは、余った部屋に使い道を持たせる形です。在宅勤務の書斎、趣味の部屋、来客用の寝室。引き戸で仕切れる洋室なら、リビングに戻すこともできます。もう1つは、次の買い手が付きやすい広さに収めておく形です。2025年の首都圏の成約物件の平均専有面積は62.66㎡で、平均から大きく離れない範囲の3LDKであれば、独立後に売って住み替えるときの買い手の層が厚く残ります。

避けたいのは、この2つのどちらでもない選び方です。100㎡を超える4LDKは、独立後に使い道が乏しく、買い手の層も限られます。子どもがいる10年のために広さを最大にすると、その後の20年で持て余します。住み替え先は、子どもがいる期間と、その後の期間の両方で無理のない広さにします。

出典: 東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2025年)」

まとめ:狭さのピークは中学から、個室が要るのは10年前後

子どもの成長による狭さは、小学校入学で「物」、高学年で「寝る場所」、中学入学で「閉じられる部屋」と性質を変え、中学から高校でピークを迎えます。いちばん重いのは、閉じられる部屋が要る期間が中学入学から独立までの10年前後で終わる、という点です。この10年のために家を選ぶと、その後の20年で部屋が余ります。

次の一歩は、上の子が12歳になる年と、いちばん下の子が22歳になる年をカレンダーに書き出して、個室が要る年数を数えることです。この数字を出さずに広さだけで住み替え先を決めると、独立後に使い道のない部屋を抱えたまま、もう一度の住み替えを考えることになります。

年数が出たら、次は転校の境目までの残り時間と、今の部屋の築年数を確かめる番です。住み替えのトビラでは、子どもの成長に合わせた住み替えの時期と住み替え先の選び方も含めて、住み替えで悩むあなたに信頼できる情報を提供しています。