住み替え(買い替え)にかかる期間|順番と売却の平均82.5日から見通す

住み替えの期間はどれくらい?全体の目安と流れを解説

定年や子の独立など動きたい時期があると、住み替え全体で何か月かかるのかが読めないままです。

全体を1つの数字で示せる統計は無いので、段階ごとに何が終われば次へ進むのかを積んで、自分の見通しを立てます。

売却と住み替え先探しの段階ごとの進み方と、売り先行と買い先行で待ち時間がどう違うかを説明します。

住み替え(買い替え)の期間は、段階ごとに読めるところと読めないところがある

住み替えにかかる期間のうち、公表された統計で日数が分かるのは「レインズへの登録から成約まで」の1区間だけです。首都圏の中古マンションでは、2025年(暦年)の平均で82.5日でした。売り出しから、あるいは査定から数えた日数や、住み替え全体の所要期間を集計した公的統計・業界団体統計は確認できていません。

そのため、この記事では全体を「◯か月」と一つの数字で示すことはしません。代わりに、どんな段階がどの順に並び、何が終われば次へ進めるのかを追っていきます。自分の締め切りから逆算するときは、この順序に自分の事情(新居がすでにあるか、ローンをどう組むか)を当てはめてください。

人によって長さが大きく開くのは、自分で段取りできる部分と、買主が現れるまで待つしかない部分が混ざっているためです。ここではまず、どの段階に何が起きるのか、大まかな当たりを付けていきましょう。

住み替え全体の内訳(売却+新居購入)

住み替えにかかる時間は、「今のマンションを売る期間」と「新居を探して移る期間」の合計で決まり、この2つがどれだけ重なるかで総日数が変わります。

売却側で日数が分かるのは、レインズへ登録してから成約するまでの区間です。首都圏の中古マンションでは2025年の平均で82.5日(約2.75か月)でした。これはレインズへの登録日を起点とした平均で、査定を受けた日からでも売り出した日からでもありません。年平均であり、何日以内に何%が成約したかという分布は公表されていません。登録義務のない一般媒介の物件は母集団に入っていない点にも注意が要ります。

この区間の前(査定・媒介契約)と後ろ(売買契約・決済・引渡し)にも段階はありますが、そこに何日かかるかを集計した一次情報はありません。新居側も同じで、探し始めてから入居までの期間を集計した統計は確認できていません。

大切なのは、この2つを別々に足すのではなく、どこまで並行して進められるかという視点です。売却と新居探しを同時に走らせられれば、全体の期間は短く収まります。逆に、今のマンションを売ってから新居に移る流れで時期がずれると、その間の仮住まいが挟まって全体は延びます。つかむべきは「売却のうち読めるのは成約までの平均82.5日という1点だけで、その前後と新居側は手順の順番で押さえる」という形です。

なお、マンションは、同じ建物の別住戸や近隣の同じ種類の住戸が比較の対象になるため、一戸ごとの個別性が戸建てより小さく、比べやすい住まいです。取引事例も多く、首都圏の中古マンションは2025年(暦年)に49,114件が成約しています。売り出し価格の当たりを付けやすいのは、住み替える人にとっての利点です。

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【段階別】住み替え(売却)の進み方

今のマンションの売却は、査定から引き渡しまで大きく5つの段階に分かれ、待ち時間が集中するのは「売却活動(買主探し)」です。

ここでは各段階をまず一覧で俯瞰し、そのうえで、どこで時間が延びやすいかを段階ごとに補足します。

段階次へ進む条件日数の分かるもの
査定〜媒介契約査定額と販売方針に納得し、媒介契約を結ぶ集計した統計なし
売却活動〜買主決定買主が現れ、価格と条件で合意するレインズ登録から成約まで平均82.5日(2025年・首都圏の中古マンション。分布は非公表)
売買契約〜引き渡し買主の住宅ローン本審査が通り、必要書類がそろい、決済日が確定する集計した統計なし

査定から媒介契約まで(依頼先を決めるまで)

スタートとなる査定と媒介契約は、自分の側で進められる段階です。

進み方はこうです。まず物件データから概算を出す机上査定を受け、次に担当者に室内や共用部を見てもらう訪問査定へ進みます。複数社の査定額とその根拠を見比べ、任せる会社を決めて媒介契約を結べば、売り出しに入れます。ここに何日かかるかを集計した一次情報はありませんが、待ちの時間がないため、自分の動き方でほぼ決まります。マンションの場合、同じ建物の過去の成約事例が査定の材料になりやすく、会社ごとの査定額の根拠を見比べやすいのも特徴です。

ただし、初動を焦りすぎるのも考えものです。会社選びを急ぐと、その後の売却活動の質に響きます。かといって査定や比較に時間をかけすぎれば、全体のスケジュールがそのぶん後ろ倒しになります。売り出しの入口として、丁寧さとスピードの両立を意識したい場面です。

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売却活動〜買主決定(最も読めない待ち時間)

住み替え全体の所要期間を最も左右するのが、売り出してから買主が決まるまでの期間で、ここだけは自分で完全にコントロールできません。

首都圏の中古マンションでレインズへの登録から成約までにかかった日数は、2025年の平均で82.5日でした(2024年は85.3日、2023年は80.1日)。ただしこれは平均で、何日以内に何%が成約したかという分布は公表されていません。価格の設定・立地・売り出す時期・物件の状態しだいでは、平均より大きく長引くこともあります。この間は内覧への対応が続き、なかなか反応がなければ価格の見直しを判断する場面も出てきます。マンションは室内の状態や階数・向き・管理状況が評価に表れやすく、居住中でも内覧の準備がしやすい住まいです。

他社の記事や統計で売却期間を見るときは、その日数が何を起点に数えたものかを確かめてください。レインズ登録からなのか、売り出しからなのか、査定からなのかで、同じ「売却期間」でも指しているものが変わります。

だからこそ、この段階だけは「読めない」前提でスケジュールを組むのが現実的です。締め切りぎりぎりで売り出すと、買主が現れるのを待つ時間の余裕がなくなり、価格を下げる方向に追い込まれやすくなります。全体の日程には、あらかじめここに余裕を持たせておくと安心です。

売買契約から引き渡しまで(買主のローン本審査が通るまで)

買主が決まった後は、売買契約・住宅ローンの手続き・引き渡しと続きます。この区間の所要日数を集計した公的統計・業界団体統計はありません。

進む条件で見ると、こうなります。売買契約を結んだあと、買主の住宅ローン本審査が通り、決済に必要な書類がそろい、決済日が確定して、はじめて引渡しへ進みます。この3つのどれかが遅れれば、そのぶん後ろへずれます。マンションでは、管理規約や管理費・修繕積立金の額、長期修繕計画といった書類の準備も並行して必要になります。管理会社への確認に日数がかかることもあるため、早めに手配しておくと決済が滞りません。

この期間で日程がずれやすいのは、買主のローン審査です。買主の融資が下りるまで決済を待つため、審査の進み方しだいで引き渡し日が前後することがあります。売買契約には、原則として住宅ローン特約という取り決めが付き、買主の融資が通らなかった場合は契約を白紙に戻せます。買主側の事情で振り出しに戻る可能性もあると、頭の片隅に入れておくと落ち着いて対応できます。

新居探しから購入・引っ越しまでの期間

新居側にかかる期間は探し方で最も大きく変わります。ただし、物件タイプ別に「検討開始から入居まで」の実所要期間を集計した統計は確認できていません。

ここでは、売却の裏側で並行して進む新居探しを整理します。入居の時期が何に縛られるのかという観点で、新居側の見通しを立てていきましょう。

新居側で入居の時期を決めるもの

新居側で入居の時期を決めるのは、物件が完成しているかどうかと、住宅ローンの本審査が通るかどうかです。

物件タイプごとの違いを整理すると、次のようになります。

  • 中古の分譲マンション:物件がすでにあるため、希望に合う住戸が出て、内覧・申込・契約が済めば入居へ進める
  • 新築の分譲マンション:完成済みなら契約後すぐ、建築中なら完成の時期に入居が縛られる
  • 注文住宅:土地探し・設計・着工・完成と段階が最も多く、完成しなければ入居できない

物件タイプ別に「検討開始から入居まで」の実所要期間を集計した統計は確認できていません。上は段階の数と、入居が何に縛られるかの違いです。なお注文住宅は土地を探して一から建てる進め方であり、いまマンションに住んでいて次もマンションを考える多くの方には、直接は関係が薄い選択肢です。

購入側の手続きでは、まず住宅ローンの事前審査を受け、物件が固まった段階で本審査へ進みます。本審査が通れば売買契約・決済・引渡しへ進みます。それぞれに何日かかるかを集計した一次情報はありません。金融機関に目安を聞き、その日数で逆算するのが確実です。

引っ越しそのものにも、時期による差があります。とくに3〜4月の繁忙期は予約が取りにくく、希望日に動けずに日程が延びやすい時期です。マンションでは、エレベーターの利用予約や搬入経路の養生など、管理組合への事前の届け出が必要な建物もあり、当日までの段取りに時間を見ておくと安心です。

そして期間を最も押し上げるのが、仮住まいです。今のマンションを先に引き渡し、新居にまだ入れない期間があると、いったん仮住まいへ移ることになります。この場合は引っ越しが2回に増え、そのぶん期間も費用もふくらみます。売却と入居の時期をどこまで合わせられるかが、住み替え全体の長さを決める分かれ目になります。

売り先行・買い先行で住み替え期間はどう変わるか

売り先行と買い先行は、期間そのものの長短よりも、仮住まいが要るかどうか、そして二重ローンを抱える期間が生じるかどうかで差が出ます。どちらが短いとは一概にいえず、資金の余裕と締め切りの事情で選ぶことになります。

ここでは、期間と段取りの軸に絞って両者を比べます。どちらがどんな待ち時間を生むのか、その違いを見ていきましょう。

進め方仮住まい資金面の待ち時間引っ越し
売り先行入りやすい少ない(手取り確定後に購入)2回になりやすい
買い先行避けやすいダブルローン期間が生じ得る1回で済みやすい

売り先行の期間と段取り(仮住まいが入りやすい)

売り先行は資金計画が立てやすい反面、売却と新居入居の時期を合わせにくく、仮住まいを挟んで期間が延びやすい進め方です。

流れとしては、今のマンションを売り切ってから新居に移ります。手元に入る金額が先に確定するため、その予算をもとに新居を探せる安心感があります。住宅ローンの残債を売却代金で清算してから動ける点も、売り先行の心強いところです。

一方で期間の観点では、売却の完了と新居の引き渡しがきれいに重なるとは限りません。時期がずれると、いったん仮住まいへ移ってから新居に入ることになり、引っ越しが2回に増えます。そのぶん、住み替え全体の期間は上乗せされます。売却してから新居を探し始めれば、待ち時間はさらに長くなります。

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買い先行の期間と段取り(並行でき短縮しやすいが資金負担)

買い先行は新居に先に移れるため仮住まいを避けやすく、引っ越しも1回で済みますが、今のマンションが売れるまでは二重にローンを抱える期間が生じ得ます。

先に新居を購入して入居し、その後で今のマンションを売る流れです。住む場所が途切れないため、仮住まいの手間や費用が発生しにくく、段取りとしては短くまとまりやすい進め方です。

ただし期間の観点で注意したいのが、旧居のマンションが売れるまでの資金負担です。旧居の住宅ローンが残ったまま新居のローンが始まれば、両方を同時に返す期間が生まれます。しかも売れるまでは、旧居の管理費・修繕積立金・固定資産税も払い続けることになります。売却が長引くほど、この二重ローンやつなぎ資金、保有コストを抱える期間も延びます。手元資金にどれだけ余裕があるかで、選べるかどうかが変わってきます。

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住み替え期間を左右する要因と、長引かせないための工夫

住み替えの期間は、主に「売れやすさ・価格の設定・ローン審査・段取りの重なり」で決まります。期間を短くする王道はありますが、価格を下げすぎたり買取に頼りすぎたりすると手取りが減るため、急ぎたい事情の強さと天秤にかけて判断することになります。

ここまでは段階ごとに「いつ何が起きるか」を見てきました。ここからは視点を変えて、「何を動かせば期間が縮むのか」という要因の整理から、現実的にできる工夫、そして急ぎすぎたときの落とし穴までを順に扱います。

期間を左右する主な要因

住み替えの所要期間は、物件の売れやすさ・売り出し価格・ローン審査・売却と購入をどれだけ重ねられるか、この4点でほぼ決まります。

それぞれが期間をどう伸び縮みさせるかを整理すると、次のようになります。

  • 物件の売れやすさ:立地・築年数・管理状態が良いほど買主が早く付く
  • 売り出し価格:相場より高いと反応が鈍り、待ち時間が延びる
  • ローン審査:買主・自分双方の審査の進み方で決済日が前後する
  • 段取りの重なり:売却と購入を並行できるほど全体は短くなる

なかでも期間を大きく動かすのが、売れやすさと価格の関係です。相場より高い値付けをすれば、買主が現れるまでの時間が延び、その間ずっと全体のスケジュールが後ろへずれていきます。逆に、売れやすい住戸を相場どおりに出せば、買主決定までの読めない待ち時間を短く抑えられます。同じ建物や近隣の成約価格を確かめてから値付けすれば、相場からかけ離れた価格で売り出さずにすみます。

ローン審査は、自分の事情に加えて買主側の事情でも動く点が特徴です。買主の融資が下りるのを待つあいだは、自分がいくら急いでも決済を前倒しにできません。そして売却と購入をどれだけ重ねられるかは、前章でみた売り先行・買い先行の選び方につながります。要因は単独で働くのではなく、互いに絡み合って全体の日数を決めます。

期間を短くするために現実的にできること

期間を短くする実効策は、相場に合った価格設定・売れやすい時期の売り出し・書類やローン審査の前倒し・信頼できる会社選びの4方向に集約できます。

まず効果が大きいのが、相場を踏まえた価格設定です。売り出し価格が相場に近いほど、買主が現れるまでの読めない待ち時間を短くできます。高く売りたい気持ちはあっても、そこで欲張ると反応が鈍り、結局は値下げして時間もかかる、という遠回りになりがちです。近隣の類似住戸の成約価格を先に確かめておくと、値付けの当たりを付けやすくなります。

売り出す時期を選べるなら、需要が高まる時期を意識するのも一つの手です。転勤や進学で住まいを探す人が増える2〜3月は買主が動きやすいといわれます。ただし、月別の成約件数や成約までの日数の季節性を示すデータはこの記事では確認していないため、時期を理由に売り出しを遅らせる判断まではしないほうが無難です。

手続き面では、前倒しできる準備を早めに済ませておくと待ち時間が減ります。マンションの売却に必要な管理規約や長期修繕計画などの書類をそろえておく、購入側のローン事前審査を先に受けておく、といった段取りです。買主が決まってから慌てて動くより、日程がスムーズに進みます。

そして意外に差が出るのが、会社選びです。売却活動の質は、依頼する不動産会社の販売力や対応の丁寧さに左右されます。売り出してから買主が付くまでの期間を短くするうえで、初動の会社選びは軽く見られない要素です。

急ぎすぎのリスク(安売り・買取で失う手取り)

期間を最優先して価格を大きく下げたり、買取に切り替えたりすると、たしかに早く終わりますが、そのぶん手取りが目減りするというトレードオフがあります。

「最短で終わらせる」ことと「納得のいく手取りを残す」ことは、往々にして逆の方向に働きます。早く売る近道は、買主が飛びつく水準まで価格を下げること、あるいは不動産会社に直接買い取ってもらうことです。どちらも待ち時間を大きく縮められますが、その代償として手元に残るお金は減ります。

たとえば、相場より価格を下げて早期に売った場合を考えてみます。仮に3,000万円で売れるはずのマンションを、早く決めたくて2,800万円で売り出せば、200万円分の手取りが早さと引き換えに消えます。ただし、値下げでどれだけ期間が縮むかを集計したデータはありません。「200万円下げれば1か月早く売れる」という関係は示せないため、下げ幅と早さを交換したつもりが、下げただけで終わることもあります。仲介での売却をあきらめて買取に切り替えた場合は、さらに差が大きくなります。買取価格は仲介で売れる相場より低くなります。業界で語られる目安は仲介相場のおおむね6〜8割ですが、買取価格を業者横断で集計・公表している公的機関・業界団体はなく、この目安に出典はありません。水準は物件や会社によって変わりますが、早さを買う対価として手取りが縮む構図は変わりません。

大切なのは、この交換関係を自分の事情に当てはめて判断することです。定年までに、あるいは新居の入居日までに、といった締め切りがどれだけ厳しいか。そして、いくらまでの値引きなら受け入れられるか。この2つを天秤にかけて、はじめて「どこまで急ぐべきか」が決まります。

逆にいえば、時間に余裕を作れれば、手取りは守りやすくなります。締め切りに追われる前に動き出し、売却活動に余裕を持たせておけば、あわてて値下げする必要は生まれにくいものです。住み替えの期間を考えることは、単に日数を数えることではなく、時間と手取りのどちらをどれだけ優先するかを決めることでもあります。

まとめ:住み替えの期間を段階で足していくなら、住み替えのトビラ

住み替えにかかる月数は、1つの数字では言えません。何が終われば次へ進むのかを1段ずつ足していくと、自分の場合の見通しが立ちます。

見通しを縮めるには、自分で早められる段と、買い手を待つしかない段を分けておきます。区別しないまま期間を縮めようとすると、値段を下げるほかに手がなくなります。

動き出す日を決める前に、入居したい日までにどれだけ余裕があるかを数えておきましょう。住み替えのトビラでは、売却と住み替え先探しにかかる月数も含めて、住み替えで悩むあなたに信頼できる情報を提供しています。