住み替え(買い替え)チェックリスト|売却・購入・引っ越しを時期と期限で確認

住み替えチェックリスト|準備から税手続きまで5段階で確認

マンションの住み替え(買い替え)は、売却・購入・引っ越しの手続きが同じ時期に重なり、何が済んで何が残っているのか分からなくなりがちです。

漏れの原因になりやすいのは、売却と購入の2つの決済日に合わせて進める、住民票・登記・ローン返済の手続きです。

この記事の一覧を上から追えば、今の時期に残っている手続きとその期限がひと目で分かります。

住み替えでやることの一覧(時期と期限)

住み替えでやることは、売り出す前から翌年の確定申告までの6つの時期に分けると、見落としにくくなります。

この記事では、今のマンションを「旧居」、これから買う家を「新居」と呼びます。

表に出てくる言葉のうち、次の4つは先に意味を押さえておきましょう。

  • 決済は、買主が残りの代金を払い、売主が家を引き渡す手続き
  • 登記は、家の持ち主や住所を国(法務局)の記録に載せる手続き
  • 売り先行は、旧居を先に売ってから新居を買う進め方
  • 買い先行は、新居を先に買ってから旧居を売る進め方

住み替えでは、旧居の売却と新居の購入で、決済が2回あります。

売り出す前

やること期限・注意点
住宅ローンの残り(残債)と、旧居が売れそうな金額の差を計算する・売っても返しきれない場合は、先に自己資金か住み替えローンを用意する
売り先行か買い先行かを決める・決めずに動くと、あとから仮住まいやローンの二重払いが必要になることがある
売却と購入の諸費用を別々に見積もる・諸費用を見積もりに入れ忘れると、決済の前に現金が足りなくなる
複数の不動産会社に査定を頼む・各社の金額を比べると、査定額の根拠を確かめやすい
管理費・修繕積立金の滞納と、値上げの予定を調べる・滞納が残っていると、買主から値引きを求められる理由になる

契約の前後

やること期限・注意点
住宅ローンの事前審査を受ける・ローンが通る見込みを確かめずに契約すると、本審査に落ちて契約が白紙に戻ることがある
手付金を現金で用意する・売買契約の日に支払う
新居の契約に買い替え特約を付けたら、期限と条件を契約書で確かめる・期限を過ぎると、旧居が売れていなくても新居の代金を払う義務が残る
付帯設備表と物件状況報告書を、部屋の実際の状態と照らし合わせる・食い違いがあると、引き渡しの後に修理代の負担でもめる

決済・引っ越しの前

やること期限・注意点
旧居の住宅ローンの一括返済を金融機関に申し込む・締切を過ぎると、抵当権(ローンの担保)を外す書類がそろわず、決済が延びる
住民票を移す日を司法書士(登記を代わりに行う専門家)と決める・決める日によって、旧居か新居のどちらかで住所変更登記が必要になる
印鑑証明書をとる・登記に使えるのは発行から3か月以内のもの
新居の火災保険を、決済日から補償が始まるように契約する・引き渡しを受けた日から、建物の損害は自分の負担になる
旧居と新居の管理会社に引っ越し日を伝える・引っ越しで使うエレベーターの予約は、3〜4月に早く埋まる
駐車場・駐輪場・トランクルームを旧居で解約し、新居で申し込む・部屋の売買とは別の契約なので、自分で手続きする
引っ越し業者を予約する・3〜4月は予約が早く埋まる
子どもの転校・転園を学校や園に伝える・今の学校で受け取る書類を、新しい学校へ出す
電気・ガス・水道・インターネットの停止と開始を申し込む・ガスの開栓とインターネットの工事は立ち会いが必要
郵便局に転送届を出す・届けた日から1年間、旧住所あての郵便が新住所へ届く
転出届を出す(別の市区町村へ移る場合)・引っ越しの前に、今の市区町村へ出す(住民基本台帳法24条)

決済の日

やること期限・注意点
売却の決済を先に、購入の決済を後に行う・売却代金を新居の支払いに回すための順番
・日程は決済日を決めるときに組んでおく
管理費・修繕積立金・固定資産税を日割りで精算する・金額は、数日前に届く精算書で確かめておく
旧居の火災保険・地震保険を、引き渡しの後に解約する・長期契約なら、残りの期間の保険料が戻る

引っ越しの後

やること期限・注意点
転入届を出す(同じ市区町村の中なら転居届)・住み始めた日から14日以内(住民基本台帳法22条・23条)
マイナンバーカードの住所変更と、国民健康保険・児童手当の手続きをする・転入届と同じ窓口でまとめてできる
運転免許証の住所を変え、車庫証明をとり直して自動車の登録の住所を変える・自動車の登録は、住所が変わった日から15日以内(道路運送車両法12条)
金融機関・保険・勤務先・クレジットカードに新しい住所を届ける・届け先を書き出し、済んだものから消していく
新居の管理組合へ入居の届けを出す・書式は管理会社が用意していることが多い
新居の登記が旧住所のままなら、住所変更登記をする・住所が変わった日から2年以内(不動産登記法76条の5)

翌年の申告

やること期限・注意点
旧居の売却で利益が出たかを計算する・売った金額から、買ったときの代金(取得費)と売るための費用を引く
売却の税の特例と、新居の住宅ローン控除のどちらを使うか決める・新居に住み始めた年とその前2年・後3年に売却の特例を使うと、住宅ローン控除の対象から外れる
確定申告をする・翌年2月16日〜3月15日(所得税法120条)
・税金がゼロでも、特例を使うなら申告が必要
住宅ローン控除の1年目は確定申告で受ける・会社員も1年目は確定申告が必要
・2年目からは勤め先の年末調整で受けられる

売り出す前に決める資金と進め方

売り出す前に決めておきたいのは、資金の見通しと、売却と購入のどちらを先に進めるかの2つです。

この2つが決まると、この後にやることの順番も決まります。

住宅ローンの残りと売却見込み額の差を最初に計算する

住み替えの資金計画は、旧居の売却見込み額(売れそうな金額)から、住宅ローンの残り(残債)を引いた額が出発点になります。

差がプラスなら、売却代金でローンを返しきり、残りを新居の頭金に回せます。

差がマイナスになる状態は「オーバーローン」と呼ばれます。足りない分を補う方法は、自己資金と住み替えローンの2つです。

住み替えローンでは、旧居で返しきれなかった借入を、新居のローンにまとめて借ります。

マンションは、同じ建物のほかの部屋や、近くの似た物件が実際に売れた値段(成約価格)が目安になるため、戸建てより売却見込み額の見当を付けやすいといえます。

査定を頼んだら、金額とあわせて「どの物件の成約価格をもとに出した額か」も各社に聞いてみてください。根拠を並べると、どの会社の金額が実際の相場に近いかを比べられます。

査定を頼む会社の探し方は、マンションの一括査定サイトの選び方で比べています。

売り先行か買い先行かを決める

資金計画の確かさを優先するなら売り先行、仮住まいを避けたいなら買い先行が候補になります。

売り先行は、売却代金が先に入るので、新居の予算を立てやすい進め方です。一方で、新居が決まる前に旧居を引き渡すと、仮住まいが必要になります。

買い先行は、住みながら新居をじっくり選べます。その代わり、旧居が売れるまでは、2つのローンと旧居の管理費・修繕積立金・固定資産税を払い続けるため、資金に余裕があることが前提になるでしょう。

どちらを選んでも、やることの大半は同じです。買い先行で増えるのは、新居の契約に付ける買い替え特約の確認です。

2つの進め方の選び方は、売り先行と買い先行の比べ方で詳しく解説しています。

諸費用は売却と購入で別々に見積もる

諸費用は売却と購入でかかる項目が違うため、「価格の何%」とひとまとめにせず項目ごとに見積もっておくと、決済の前に現金が足りなくなるのを防げます。

諸費用とは、仲介手数料や税金など、物件の代金とは別にかかるお金です。

売却で主にかかる諸費用は、次の3つです。

  • 仲介手数料(上限は売買価格の3%+6万円、税別)
  • 売買契約書に貼る印紙の代金(印紙税)
  • 抵当権を外す登記の費用

このうちいちばん大きいのは、不動産会社に払う仲介手数料です。

抵当権は、ローンの担保として金融機関が家に付けている権利です。ローンを返しきったら、登記をして外します。

購入で主にかかる諸費用は、次の5つです。

  • 仲介手数料
  • 売買契約書の印紙税
  • 登録免許税
  • 不動産取得税
  • 住宅ローンの事務手数料

登録免許税と不動産取得税は、売買価格ではなく「固定資産税評価額」をもとに計算される税金です。仲介の不動産会社に評価額を聞いておくと、見積もりがより正確になります。

出典: 国土交通省告示第1552号 第二

管理費・修繕積立金の滞納や値上げの予定を調べる

マンションを売り出す前に、管理費・修繕積立金の滞納と、修繕積立金の値上げや一時金の予定を調べておきましょう。

一時金は、大きな修繕のために臨時で集めるお金です。

買主は購入の前に、管理会社が出す「重要事項調査報告書」で、滞納の有無や修繕の計画、積立金の残高を確認します。

滞納分の支払いは、部屋を買った人に引き継がれます(区分所有法8条)。そのため、滞納が残っていると、買主から値引きを求められる理由になります。

値上げや一時金の予定も、買主が気にする点です。予定は、管理組合(マンションの持ち主全員でつくる団体)の総会の議事録で確かめられます。

先に知っておけば、内覧や価格交渉で聞かれても落ち着いて答えられるでしょう。

重要事項調査報告書は、頼んでから届くまでに日数がかかり、発行は有料のことが多い書類です。売り出しを決めた時点で不動産会社に取り寄せを頼んでおけば、契約前の準備に余裕ができます。

契約の前後に確かめる取り決め

お金と期限に関わる取り決めは、売買契約に署名する前に、契約書で確かめる必要があります。

署名した後に条件を変えるのは、難しいからです。

手付金は契約日に現金で用意する

手付金は売買契約の日に支払うお金なので、自己資金の中から先に分けておくと、契約の日に慌てずに済みます。

手付金の額は物件価格の5〜10%が多く、最終的には売主との話し合いで決まります。

法律が上限(代金の2割まで)を定めているのは、不動産会社が自ら売主になる場合です(宅地建物取引業法39条)。個人が売主で、不動産会社が仲介する中古マンションの取引は、この上限の対象外です。

買い先行で旧居がまだ売れていないときは、手付金も新居の頭金も、手持ちの預金などから出すことになります。契約の前に、決済までに必要な額と預金の残高を比べておくと、資金の不足を防げます。

出典: 宅地建物取引業法(e-Gov法令検索)

買い替え特約とローン特約は期限を契約書で確かめる

買い先行で旧居の売却が決まっていないなら、新居の契約書に買い替え特約が入っているかを、署名の前に確かめておきましょう。

特約とは、契約書に付け加える特別な取り決めのことです。買い替え特約を入れておけば、期限までに旧居が売れなかったとき、新居の契約を白紙に戻せます。つまり、契約をなかったことにできます。

期限の日付と、「いくら以上で売れなければ白紙に戻せるか」という価格の条件まで書面に入れておくと、話し合った内容が守られやすくなります。

ローン特約は、住宅ローンの本審査に通らなかったときに、契約を解除できる取り決めです。

旧居を売る契約では、買主のローン特約の期限も控えておきましょう。買主のローンが通らないと旧居を売る契約が白紙に戻り、引き渡しの日程や新居の資金の予定が崩れるからです。

付帯設備表と物件状況報告書を部屋の状態と照らし合わせる

旧居を売るときは、付帯設備表と物件状況報告書の中身を部屋の実際の状態と照らし合わせておくと、引き渡しの後のもめごとを防げます。

付帯設備表は、エアコンや給湯器などの設備を残すかと、故障の有無を一覧にした書類です。物件状況報告書では、雨漏りや水回りの不具合など、部屋の状態を買主に伝えます。

2つの書類に書いた内容は、引き渡しの後に不具合が見つかったとき、売主が責任を負う範囲を決めます。この責任を「契約不適合責任」といいます(民法562条)。

売却と購入が重なる決済の前後に漏れやすい手続き

住み替えで特に漏れやすいのは、2つの決済が近づいたときの手続きです。

売るだけ、または買うだけの人向けの一覧には載っていないことが多く、旧居と新居の登記や保険のように、同じ種類の手続きを2つずつ同時に進めることになります。

同じ日に決済するなら売却を先にする

売却と購入の決済を同じ日に行うなら、午前に旧居の売却、午後に新居の購入という順番で組むことが多くあります。

売却を先にするのは、旧居の買主から受け取った代金で旧居のローンを返しきり、残りを新居の代金に回すためです。

決済のお金は銀行振り込みで動かすため、2件とも、平日で銀行が開いている時間内に終わる日程にする必要があります。

なお、住み替えローンを使う場合は、2つの決済を同じ日に行うことが条件になります。

同じ日に決済するには、旧居の買主、新居の売主、2つの金融機関、司法書士の都合を一度にそろえる調整が必要です。

日程が1日でもずれると、つなぎ融資(売却代金が入るまでの短期の借入)や、短い仮住まいが必要になります。

ずれに備えて、旧居の売買契約に「引渡し猶予」を入れておく方法もあります。引渡し猶予は、決済の後も数日だけ旧居に住み続けられる取り決めです。

同じ日の決済と引渡し猶予の進め方は、同時決済と引渡し猶予の解説にまとめています。

住民票を移す日は司法書士と先に決める

住民票を新居へ移す日は、旧居と新居の両方の登記に関わるため、決済の前に司法書士と決めておきましょう。

司法書士は、登記の手続きを代わりに行う専門家で、決済の場にも立ち会います。

旧居を売る登記では、登記簿(登記の記録)に載っている住所と、印鑑証明書の住所が同じである必要があります。

では、先に住民票を新居へ移すと、どうなるでしょうか。この2つの住所がずれるため、売却の登記の前に旧居の住所変更登記が必要になり、その費用と日数が加わります。

反対に、住民票を旧居に残したまま新居を買うと、新居は旧住所で登記されます。この場合は、引っ越した後に新居の住所変更登記が必要です。

住所変更登記は2026年4月から義務になり、住所が変わった日から2年以内の申請が求められています(不動産登記法76条の5)。

また、住宅ローンを借りる金融機関が、新住所での登記を条件にすることもあります。どちらの住所変更登記が必要になるかを司法書士と金融機関に先に聞いておくと、決済の直前に書類をとり直さずに済みます。

登記に使える印鑑証明書は、発行から3か月以内のものに限られます。転出届を出すと旧住所での印鑑登録はなくなるため、印鑑証明書をとる日も司法書士と相談して決めておくと安心です。

出典: 法務省「住所等変更登記の義務化について」

住宅ローンの一括返済は決済日が決まったら申し込む

旧居のローンを売却代金で返しきるには、決済日が決まった時点で、借りている金融機関へ一括返済を申し込んでおきましょう。

一括返済には事前の申し込みが必要で、締切は金融機関ごとに違います。1か月ほど前までの申し込みを求めるところもあります。

締切を過ぎると、決済日までに抵当権を外す書類がそろわず、決済そのものが延びてしまいます。

一括返済の手数料も金融機関ごとに違い、窓口とインターネットで金額が変わることもあります。なお、ローンを借りたときに保証料をまとめて払っていた場合は、残りの期間に当たる分の一部が戻ってきます。

保険と駐車場は部屋とは別に手続きする

火災保険・地震保険と、マンションの駐車場・駐輪場・トランクルームは、部屋の売買とは別の契約なので、解約と申し込みを自分でする必要があります。

旧居の火災保険は、引き渡しの日まで続けておきましょう。引き渡しまでに起きた火事や水漏れの損害は、売主の負担になるからです(民法567条)。

引き渡しの後に解約すると、長期契約なら残りの期間の保険料が戻ります。新居の火災保険は、決済日に補償が始まる契約にしておけば、引き渡しを受けたその日から備えられます。

駐車場や駐輪場は、部屋とは別に管理組合と結ぶ契約です。一般には、旧居を売るときに今の契約を解約し、次の持ち主が新しく申し込みます。

新居のマンションでは駐車場の空きを待つことも多いため、購入を決めたら管理会社に申し込み方を聞いておくと、入居の日から車を置く場所を確保しやすくなります。

決済の日に精算するお金を事前に確かめる

決済の日には、売買代金とは別に、管理費・修繕積立金と固定資産税を、引き渡しの日を境に日割りにして売主と買主の間で精算します。

管理費と修繕積立金は、翌月分を前の月に払う「前払い」が多いため、旧居を売る側は、引き渡しの日から月末までの分を買主から受け取ります。

固定資産税は、その年の1月1日時点の持ち主に1年分がかかります。そのため、引き渡しの日から後の分は、買主が売主に払う形で精算します。

日割りを数え始める日は、関東では1月1日、関西では4月1日とすることが多く、地域の慣習で分かれます。どちらで数えるかは、契約のときに売買契約書で確かめられます。

新居を買う側では、反対に自分がこの精算のお金を払います。決済の数日前に不動産会社から精算書を受け取って金額を見ておけば、当日はその金額を振り込むだけで済みます。

引っ越しの前後の届け出と期限

引っ越しの届け出は、管理会社への届けと役所への届けに分かれ、それぞれ引っ越しの前に出すものと後に出すものがあります。

引っ越しの前に済ませる届けと予約

引っ越しの前に済ませたいのは、旧居と新居の管理会社への届けと、別の市区町村へ移る場合の転出届です。

多くのマンションでは、引っ越しでエレベーターを使う日を管理会社に予約し、廊下や壁を保護シートで覆う「養生」も求められます。旧居と新居の両方がマンションなら、予約はそれぞれに必要です。

3〜4月は、引っ越し業者もエレベーターの予約も早く埋まります。決済日が決まったら、引っ越し業者と両方のマンションのエレベーターをすぐに予約しておくと、希望の日に引っ越しやすくなります。

転出届は、引っ越しの前に今の市区町村へ出す届けです(住民基本台帳法24条)。引っ越しの14日前ごろから受け付ける自治体が多く、マイナンバーカードがあればオンライン(マイナポータル)でも出せます。

同じ市区町村の中で引っ越す場合は、転出届の代わりに、引っ越しの後で転居届を出せば手続きが済みます。

子どもが転校するときは、今の学校で必要な書類を受け取っておきましょう。転校の手続きは、引っ越しの後に、転入届を出した役所で行います。

ガスの開栓とインターネットの工事は、立ち会いが必要です。引っ越しの日に合わせて予約しておけば、入居したその日から普段どおりに暮らせます。

出典: 住民基本台帳法(e-Gov法令検索)

引っ越しの後は14日以内の転入届から

引っ越しの後は、住み始めた日から14日以内に、新しい住所の市区町村へ転入届を出す決まりです(住民基本台帳法22条)。

転入届と同じ窓口で、マイナンバーカードの住所変更、国民健康保険、児童手当の手続きもまとめて済ませられます。

正当な理由なく届け出が遅れると、5万円以下の過料の対象になります(同法52条2項)。過料は、行政上の決まりを破ったときに支払いを命じられるお金です。

転入届が済んだら、運転免許証、自動車、金融機関、保険、勤務先の住所も変えていきましょう。

自動車は、新しい住所の警察署で車庫証明(車を置く場所があることの証明)をとってから、運輸支局(自動車の登録を扱う国の窓口)で登録の住所を変える流れです。

登録の変更は、住所が変わった日から15日以内と決められています(道路運送車両法12条)。

新居がマンションなら、管理組合への入居の届けも忘れずに出しておきましょう。駐車場や駐輪場を使う場合は、このときにあわせて契約を結べます。

出典: 住民基本台帳法(e-Gov法令検索)

翌年の確定申告で決める税の特例

旧居を売った翌年の確定申告では、売却の税の特例と新居の住宅ローン控除のどちらを使うかを決める必要があります。

売却の特例を使うなら税がゼロでも申告する

旧居の売却で利益が出たら、売った翌年の2月16日から3月15日までに確定申告が必要です(所得税法120条)。

利益は、売った金額から、買ったときの代金と、仲介手数料など売るためにかかった費用を引いた額です。建物の代金は、持っていた年数に応じて目減りさせた額で計算します。

マイホームを売ったときは、利益から最大3000万円を差し引ける「3000万円特別控除」が使えます。この控除で税金がゼロになる場合も、控除を受けるには申告が必要です。

買い先行で旧居から引っ越した後に売る場合は、期限に気をつけましょう。3000万円特別控除を使えるのは、住まなくなった日から3年たつ年の12月31日までに売ったときです。

たとえば2026年に引っ越したなら、2029年12月31日までに売る必要があります。売れないまま期限を過ぎると、この控除の対象から外れます。

出典: 国税庁 タックスアンサー No.3302 マイホームを売ったときの特例

売却の特例と住宅ローン控除はどちらか一方を選ぶ

旧居の売却で使う特例と、新居の住宅ローン控除のどちらを選ぶかは、税金の額を比べて決めましょう。

住宅ローン控除は、年末のローン残高に応じて、所得税などが軽くなる制度です。会社員でも1年目は確定申告が必要で、2年目からは勤め先の年末調整で受けられます。

売却の特例には、3000万円特別控除のほかに「買換え特例」もあります。売却の利益にかかる税金を、将来新居を売るときまで先送りできる特例です。

買換え特例の主な条件は、次のとおりです。

  • 令和9年(2027年)12月31日までに売ること
  • 家と土地を10年を超えて持っていること
  • 10年以上住んでいたこと
  • 売却代金が1億円以下であること

新居に住み始めた年と、その前の2年・後の3年の計6年のうちに、旧居の売却でこれらの特例を使うと、新居の住宅ローン控除の対象から外れます。

では、どちらを選ぶと手元にお金が多く残るのでしょうか。一般に、売却の利益が小さく、新居のローンの借入額が大きいほど、住宅ローン控除を選んだ方が有利になりやすいといえます。

どちらを選ぶかで税額が大きく変わるときは、申告の前に税理士に試算してもらうと安心です。

2つの制度を組み合わせられる場合と組み合わせられない場合は、住宅ローン控除と買換え特例の併用で確かめられます。

出典: 国税庁 タックスアンサー No.1211-1 住宅借入金等特別控除

出典: 国税庁 タックスアンサー No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例

まとめ:決済の前後の手続きを先に押さえる

住民票を移す日、ローンの一括返済、保険と駐車場の手続きなど、住み替えで特に漏れやすいのは、売却と購入の決済が重なる前後の手続きです。

決済日が決まったら、その日のうちに司法書士と金融機関へ連絡しておきましょう。後回しにすると、登記の書類や返済の手続きが間に合わず、決済の日程を組み直すことになります。

まずは一覧の表で、今の時期に残っている項目を確かめてみてください。住み替えのトビラでは、売却・購入・引っ越しの手続きの順番と期限も含めて、住み替えで悩むあなたに信頼できる情報を提供しています。