借金返済で家を売る前に|完済できるかの計算・家を残す方法・任意売却

借金返済で家を売る前に|完済できるかの計算・家を残す方法・任意売却

返済が苦しくなり、いちばん大きな財産であるマンションを売って、借金を返そうと考えている人もいるでしょう。

正直に言うと、家を売っても、売れた金額によっては借金が残り、売った後は家賃という新しい支出も始まります。

この記事では、売って完済できるかを確かめる計算方法から、家を残したまま借金を減らす方法、住宅ローンが残る場合の売り方と任意売却までを紹介します。

家を売って借金を完済できるかの計算方法

家を売って借金を完済できるかは、売却価格から住宅ローンの一括返済額、売却の諸費用、税金を引いた「手取り額」で決まります。

手取り額 = 売却価格 − 住宅ローンの一括返済額 − 売却の諸費用 − 税金

この手取り額をほかの借金の残高と比べ、売った後の家計まで確かめると、売るかを決められます。

売却価格の見込みを成約価格で調べる

完済できるかの計算には、査定額より、実際に売買が成立した「成約価格」を使うのがおすすめです。

査定額は、不動産会社が「この値段なら売れそう」と見込んだ額で、その値段で売れる約束とは違います。

一括査定サイトで何社かに頼むと、仲介の契約を取りたい会社が高めの査定額を出すこともあります。

高い査定額で計算すると、完済できると思い込んで売り出し、売れ残ったまま返済の期限が近づくおそれがあります。

成約価格は、次の2つのサイトで、誰でも無料で調べられます。

  • レインズ・マーケット・インフォメーション(不動産取引情報提供サイト)
  • 国土交通省の不動産情報ライブラリ

同じマンションの別の部屋か、同じ駅の近くで築年数が近い部屋の成約価格を、数件ほど拾いましょう。

広さが違う部屋は、1㎡あたりの価格に直してから自分の部屋の広さを掛けると、比べやすくなります。

1㎡あたりの価格で比べる計算(仮の例です)

近くの70㎡の部屋が3,600万円で成約していたとします。

1㎡あたりの価格は、3,600万円÷70㎡で約51.4万円です。

自分の部屋が65㎡なら、約51.4万円×65㎡で、売却価格の見込みは約3,340万円になります。

自分の数字は「近くの成約価格÷その部屋の㎡数×自分の部屋の㎡数」で出せます。自分の部屋の広さは、買ったときの売買契約書や登記事項証明書で確かめられます。

出典: 不動産流通機構「レインズ・マーケット・インフォメーション」/国土交通省「不動産情報ライブラリ」

住宅ローンの残高と一括返済の費用を確かめる

住宅ローンの残高は、借りている金融機関の返済予定表か、毎年届く年末残高証明書で確かめられます。

ただし、計算に使うのは、売った代金で一括返済する日の金額です。

一括で返す日には、残高に次の2つが加わります。

  • 前回の返済日から返済する日までの利息
  • 繰上返済の手数料

手数料は金融機関や手続きの方法で変わり、インターネットで手続きすれば無料になる銀行もあります。

反対に、借りたときに保証料をまとめて払った人は、一括返済で保証料の一部が戻る場合があります。

金融機関に「〇月〇日に一括返済したら、いくらになるか」と聞くと、利息と手数料を含めた額を出してもらえます。

売り出す前に一度聞いておくと、計算のずれが小さくなります。

売却にかかる諸費用と税金を差し引く

売却価格が3,000万円なら、法律や実費で金額が決まる4つの費用(仲介手数料の上限・印紙税・抵当権抹消の登録免許税・司法書士報酬)で、約108.55万円かかります。

費用目安の金額か計算方法支払う時期
仲介手数料上限は売却価格×3.3%+6.6万円(税込・売却価格400万円超の場合)売買契約時・引渡し時(会社との取り決めによる)
印紙税(売買契約書)売却価格1,000万円超5,000万円以下なら1万円(令和9年3月31日までに作る契約書の軽減後の額)売買契約時
抵当権抹消の登録免許税不動産1個につき1,000円引渡し時
抵当権抹消の司法書士報酬全国平均17,470円引渡し時
管理費・修繕積立金引渡し日で日割り精算・滞納分は全額引渡し時
引越し代荷物の量と時期で変わる引越し時
4つの費用の計算(売却価格3,000万円の仮の例です)
  • 仲介手数料の上限は、3,000万円×3.3%+6.6万円で105.6万円
  • 印紙税は1万円
  • 登録免許税は、1,000円×2個(建物と土地)で0.2万円
  • 司法書士報酬は、全国平均の約1.75万円

合計は約108.55万円です。仲介手数料の上限は、自分の売却価格を式に入れると出せます。実際の額は、不動産会社と司法書士の見積もりで確かめられます。

仲介手数料は、上限いっぱいで請求されるのが一般的です。

管理費や修繕積立金を滞納していると、売るときに全額の清算を求められます。区分所有法で、滞納分は買った人にも請求できると決まっているためです。

税金は、売って利益が出たときにかかります。

マンションの建物は年数とともに価値が減ったとみなして計算するので、買った値段より安く売っても利益が出ることがあります。

自分が住んでいた家なら、条件を満たせば、利益から最高3,000万円を差し引けます。利益が3,000万円以下なら、税金は0円です。

特例を使うには、売った翌年の確定申告が必要です。

出典: 国土交通省「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」/国税庁「No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」/e-Gov法令検索「登録免許税法」別表第一/日本司法書士会連合会「報酬に関するアンケート」/e-Gov法令検索「建物の区分所有等に関する法律」第8条/国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」

手取り額とほかの借金の残高を比べる

手取り額がほかの借金の残高を上回れば、家を売って借金をすべて返せます。

手取り額の計算(仮の例です)

売却価格の見込みを3,000万円、一括返済の額を2,400万円とします。売却の諸費用は、4つの費用に管理費の精算などを足して約110万円、税金は3,000万円の特例で0円とします。

手取り額は、3,000万円−2,400万円−約110万円−0円で、約490万円です。

カードローンなどの残高が300万円なら、全部返しても約190万円が手元に残ります。残高が600万円なら、約110万円の借金が残ります。

自分の数字は、成約価格で調べた売却価格、金融機関に聞いた一括返済の額、不動産会社の費用の見積もりを式に入れると出せます。

引越し代や新しい部屋の初期費用も、この手取り額から払います。手元に残る額は、その分だけ減ると考えておきましょう。

自分の数字を当てはめると、結果は次の3つのどれかになります。

計算の結果次に読む章
住宅ローンもほかの借金も全部返せる売却額で住宅ローンを完済できるときの売り方
住宅ローンは返せて、ほかの借金が残る家を残したまま借金を返す方法/売却額で住宅ローンを完済できるときの売り方
売っても住宅ローンが残る家を売っても住宅ローンが残るときの選択肢

売却後の家賃を払っても返済を続けられるかを確かめる

家を売ると住宅ローンの返済はなくなる代わりに家賃がかかるので、売る前に毎月の収支を計算しておきましょう。

確かめる式は次のとおりです。

毎月の手取り収入 −(家賃+残った借金の返済額+生活費)

答えがプラスなら、売った後も返済を続けられます。

家賃が今の住宅ローンの返済額と同じくらいなら、住まいの費用は今と同じで、楽になるのは借金が減った分です。

今の返済額より安い家賃の部屋を選べるかも、売るかを決める材料になります。

賃貸を借りるときは、敷金・礼金・仲介手数料などの初期費用もかかります。

入居の前には家賃保証会社の審査があり、会社によっては信用情報機関に登録された延滞の記録を確認します。

すでに延滞している人は、売り出す前に賃貸の仲介会社へ相談し、入居できる部屋の見通しを立てておくと安心です。

家を残したまま借金を返す方法(返済条件の変更・借り換え・債務整理)

家を残したまま借金を返す方法は、重いのが住宅ローンか、それ以外の借金かで変わります。

方法重い借金引き換えになること相談先
返済条件の変更住宅ローン総返済額が増える借りている金融機関
借り換え住宅ローン諸費用がかかり、審査がある借り換え先の銀行
任意整理住宅ローン以外信用情報に記録が残る弁護士・司法書士
個人再生住宅ローン以外信用情報に記録が残り、官報に名前が載る弁護士

住宅ローンの返済条件の変更を金融機関に相談する

住宅ローンの返済が苦しいときは、滞納する前に、借りている金融機関へ返済条件の変更を相談しましょう。

返済条件の変更は、返済期間を延ばしたり、一定の期間だけ毎月の返済額を減らしたりして、月々の負担を軽くする方法です。

たとえば住宅金融支援機構の融資(買取型のフラット35など)では、条件に合えば返済期間を最長15年延ばせます。

失業中の人や、収入が20%以上減った人は、最長3年、利息だけを払う期間も設けられます。

その代わり、返済期間が延びる分だけ利息が増え、総返済額は増えます。

滞納が続くと、金融機関は残りを一括で返すよう求める手続きに進みます。そうなると返済条件の変更は難しくなるので、相談は早いほど選べる方法が多くなります。

民間の銀行で借りている人も、まずはその銀行の住宅ローンの窓口が相談先です。

出典: 住宅金融支援機構「タイプ別返済方法変更メニュー」

住宅ローンを借り換えて毎月の返済額を下げる

今より金利の低い住宅ローンに借り換えると、毎月の返済額を下げられる場合があります。

借り換えは、新しい銀行でお金を借りて、今の住宅ローンを一括で返す方法です。新しい借入にも、保証料や事務手数料、抵当権を設定する登記の費用がかかります。

効果の大きさは、金利の差と残高、残りの返済期間で決まります。残高が多く、残りの期間が長いほど、金利の差で減る利息は大きくなります。

銀行のシミュレーションで、諸費用を払っても返済の総額が下がることを確かめておくと安心です。

気をつけたいのは審査です。借り換えも新しい借入なので、収入が減った人や、すでに延滞がある人は審査に通りにくくなります。

つまり、返済に苦しむほど使いにくくなる方法です。延滞が始まる前に検討するのがおすすめです。

任意整理で住宅ローン以外の借金の利息を減らす

カードローンや消費者金融など、住宅ローン以外の借金が重い人は、任意整理で利息の負担を減らせます。

任意整理は、弁護士や司法書士が貸した会社と話し合い、返済の約束を結び直す方法です。多くの場合、これから先の利息をなくし、残りの元金を分割で返す内容になります。

裁判所の手続きとは違って話し合いで進めるので、整理する借金を自分で選べます。

住宅ローンを対象から外せば、家を手元に残したまま、ほかの借金の負担を軽くできます。

注意したいのは、信用情報機関に整理した記録が残ることです。記録が残っている間は、新しくローンを組んだり、クレジットカードを作ったりしにくくなります。

相談先は弁護士か司法書士です。収入や資産が一定以下の人は、法テラスの無料の法律相談も使えます。

出典: 法テラス「無料法律相談のご利用の流れ」

個人再生で家を残して住宅ローン以外の借金を減らす

住宅ローン以外の借金が多く、任意整理でも返済が苦しい人は、個人再生で家を残したまま借金を大きく減らせる場合があります。

個人再生は、裁判所に申し立てて借金を減らしてもらい、減った額を原則3年で分割して返す手続きです。特別な事情があれば、5年まで延ばせます。

このとき「住宅資金特別条項」を使うと、住宅ローンはこれまでどおり払い続け、家を手元に残せます。

使うには条件があります。その一つが、家に付いている抵当権が住宅ローンのものだけであることです。

住宅ローンを滞納して保証会社が代わりに返した後でも、その日から6か月以内に申し立てれば使えます。

手続きでは家計の記録など多くの書類が必要になるため、弁護士に頼むのが一般的です。官報に名前が載ることも、あらかじめ知っておきましょう。

出典: e-Gov法令検索「民事再生法」第198条・第229条

売却額で住宅ローンを完済できるときの売り方(仲介・買取・リースバック)

住宅ローンが残っていても、売った代金で完済できるなら、家は普通に売れます。

引渡しの日に、買主から受け取った代金で住宅ローンを返し、同じ日に司法書士が抵当権(ローンの担保として家に付いている権利)を消す登記をします。

売り方は、返済の期限と、価格と住まいのどちらを優先するかで決めるとよいでしょう。

売り方代金が入るまでの期間価格の目安おすすめの人
仲介成約まで平均82.5日(首都圏・2025年)、その後に引渡し相場に近い価格期限まで数か月以上ある人
買取会社と条件がまとまれば短い相場より安い期限が迫っている人
リースバック会社と条件がまとまれば短い相場より安く、売った後は家賃がかかる今の家に住み続けたい人

時間に余裕があるなら仲介で相場に近い価格を狙う

返済の期限まで数か月以上あるなら、不動産会社に買主を探してもらう仲介で売ると、相場に近い価格を狙えます。

首都圏の中古マンションは、レインズ(不動産会社どうしが物件情報を共有する仕組み)に登録してから成約するまで、2025年の平均で82.5日でした。

成約の後も買主のローン審査などがあり、代金が入るのはその後です。

期限がある人は、媒介契約を結ぶときに「いつまでに、いくらで売れなければ値下げするか」を不動産会社と決めておきましょう。

よくある失敗の流れ

査定額がいちばん高い会社を選び、高めの価格で売り出す。

問い合わせが少ないまま、数か月がたつ。

返済の期限の直前に大きく値下げして、手放すことになる。

最初から成約価格の相場に合わせて売り出すと、値下げの回数を減らせます。

引渡しの日は買主と話し合って決めるので、次の部屋の入居日と合わせておくと、仮住まいの費用を省けます。

出典: 東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2025年)」

返済期限が迫っているなら買取で早く売る

返済の期限が迫っているなら、不動産会社に直接買い取ってもらう「買取」で、早く現金にできます。

買取は買主を探す期間を省けるので、会社と条件がまとまれば、短い期間で代金を受け取れます。広告なしで売るため、近所に知られにくい点も利点です。

その代わり、価格は仲介で売れる相場より安くなります。業界で一般に言われる目安は、相場の6〜8割程度です。

同じ部屋でも会社によって買取価格は変わるので、2〜3社に見積もりを頼んで比べましょう。

少し時間があるなら「買取保証付きの仲介」も選べます。

決めた期間は仲介で売り、売れ残ったら前もって約束した価格で会社が買い取る方法です。期限と価格の両方を守りやすくなります。

住み続けたいならリースバックの家賃と契約期間を確かめる

今の家に住み続けたいなら、家を会社に売り、そのまま家賃を払って住む「リースバック」という方法があります。

契約の前には、家賃と契約期間を確かめておきましょう。

国土交通省の調査(令和2年度)では、リースバック事業者の半数が、買取価格を周辺相場の7割以下と答えています。売値が低くなりやすいうえに、毎月の家賃もかかります。

同じ調査では、事業者の80%が定期借家契約を使っていました。定期借家は期間が来れば終わる契約で、住み続けるには貸主の同意を得て再契約する必要があります。

買い戻せると説明されても、買い戻しの価格が売った価格より大幅に高く設定され、買い戻せなくなった例もあります。

契約書では、次の4点を確かめておくと安心です。

  • 毎月の家賃と、家賃が上がる条件
  • 契約の種類(普通借家か定期借家か)と期間
  • 更新や再契約の条件
  • 買い戻せる期間と、買い戻しの価格の決め方

家賃を払い続けると何年で売却代金を使い切るかも、計算しておきたい点です。

売却代金が家賃で減っていく計算(仮の例です)

売った代金で住宅ローンを返し、手元に600万円が残ったとします。家賃は月10万円とします。

600万円÷10万円で60か月となり、5年分の家賃に当たります。

自分の数字は「手元に残る額÷毎月の家賃」で出せます。買取価格と家賃は、リースバックの会社が出す見積もりと契約書で確かめられます。

出典: 国土交通省「住宅のリースバックに関するガイドブック」を公表しました/国土交通省「住宅のリースバックに関するガイドブック」

家を売っても住宅ローンが残るときの選択肢(手元資金で差額を補う・任意売却)

家を売っても住宅ローンが残るときの方法は、残る額を売る前に手元のお金で補う方法と、売った後に分割で返す方法の2つです。

滞納が続いたまま放っておくと、最後は裁判所の競売で家が売られます。

手元資金で差額を補って売る

貯金などで売却額との差額を用意できれば、住宅ローンを完済して普通に売れます。

用意する差額の計算(仮の例です)

売却価格を2,500万円、一括返済の額を2,700万円とします。

売却の諸費用は約92万円です。仲介手数料の上限89.1万円(2,500万円×3.3%+6.6万円)、印紙税1万円、登録免許税0.2万円、司法書士報酬約1.75万円を足した額です。

用意する額は、2,700万円+約92万円−2,500万円で、約292万円です。

自分の数字は「一括返済の額+諸費用−売却価格」で出せます。一括返済の額は金融機関に、諸費用は不動産会社と司法書士に聞くと確かめられます。

親から援助を受ける場合、もらったお金が1年間で110万円を超えると、超えた分に贈与税がかかります。

借りる形にするなら、借用書を作り、銀行振込で返して通帳に返済の記録が並ぶようにしておくと、贈与と疑われにくくなります。

不動産会社から「住み替えローン」を勧められることもあります。

住み替えローンは、その差額を新しい家のローンに上乗せして借りる方法です。借金を抱えたまま新しい家を買うことになるので、借金を返すために売る人にはおすすめしにくい方法です。

出典: 国税庁「No.4402 贈与税がかかる場合」

金融機関の同意を得て任意売却する

差額を用意するのが難しいときは、金融機関の同意を得て売る「任意売却」を検討しましょう。

任意売却は、売った代金で住宅ローンが残っても、金融機関が抵当権を消すことに同意し、普通の売却と同じ形で売る方法です。

金融機関が任意売却の話を進めるのは、滞納が続き、保証会社が代わりに住宅ローンを返した後が多くなります。

流れは次の4段階です。

  1. 金融機関や保証会社へ相談する
  2. 金融機関の同意を得る
  3. 買主を探して売る
  4. 売った後に残る借金の返し方を決める
比べる点任意売却競売
売却価格相場に近い価格で売りやすい相場より低くなりやすい
引越しの時期買主や金融機関と話し合える裁判所の手続きで決まる
周りへの知られやすさ普通の売却と同じ物件の情報が裁判所のサイトなどで公開される

任意売却でも、滞納した記録は信用情報機関に残ります。記録が残っている間は、新しい住宅ローンを組みにくくなります。

連帯保証人がいればその人にも請求が行き、共有名義なら共有者全員の同意が必要です。

任意売却を扱う会社の中には、仲介手数料とは別に相談料などを求める会社もあります。契約の前に、払う費用の名前と金額を書面で確かめておくと安心です。

出典: 裁判所「BIT 不動産競売物件情報サイト」

売却後に残った住宅ローンの返し方を決める

任意売却の後に残った住宅ローンは、金融機関や保証会社と話し合い、収入と生活費から払い続けられる額を決めて、分割で返すのが一般的です。

分割でも返済が苦しいときは、自己破産や個人再生などの債務整理を弁護士に相談しましょう。

住宅ローンの残高より安く家を売って損が出たときは、税金が戻る特例もあります。主な条件は次の2つです。

  • 売った年の1月1日で、所有期間が5年を超えている
  • 売買契約日の前日に、返済期間10年以上の住宅ローンが残っている

条件を満たせば、損をその年の給与などの所得から差し引けます。

差し引ける上限は、契約日の前日のローン残高から売却価格を引いた額です。その年の所得を超える分は、翌年以後3年間に繰り越せます。

対象は令和9年12月31日までの売却で、会社員でも確定申告が必要です。

出典: 国税庁「No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)」

まとめ:家を売る前に、手取り額で借金を完済できるかを計算する

家を売って借金を返せるかは、売却価格から住宅ローンの一括返済額、諸費用、税金を引いた手取り額で決まり、手取り額がほかの借金の残高より少なければ、売っても借金は残ります。

次の一歩は、金融機関に一括返済の額を聞き、近くの成約価格を調べて手取り額を計算することです。ここを飛ばして高い査定額を信じて売り出すと、売れ残ったまま返済の期限が迫り、大きく値下げして手放すおそれがあります。

計算で住宅ローンが残ると分かったら、滞納する前に金融機関へ相談し、返済条件の変更や任意売却も含めて選べる方法を確かめておきましょう。住み替えのトビラでは、借金を返すために家を売るときの計算と売り方も含めて、住み替えで悩むあなたに信頼できる情報を提供しています。