住み替え費用はいくらかかる?“物件価格の1割+ゆとり資金”で後悔しないガイド

結論:「物件価格×10%+ゆとり資金100万円」が安心ライン

こんにちは、いえマネLIFEの運営者です。

もしあなたが今、「もっと広い家に移りたいけど、結局いくらかかるの?」と気になっていたら、まずは“ざっくり 1 割ルール”を覚えておくと良いでしょう。

1-1 数字が苦手でも 3 行でわかる住み替え費用

内訳 目安 5,000万円のケース
売却にかかるお金 物件価格の3〜6% 150〜300万円
購入にかかるお金 物件価格の5〜7% 250〜350万円
引越しなど実費 数十万円〜 50〜80万円
合計 8〜12% 450〜650万円

この表から分かる事は以下の通りです。

  • ざっくり物件価格の1割前後がほぼ基準になる
  • 急な値引き交渉や仮住まいに備えて+100万円あるとメンタルが楽

1-2 リアルな体験談:数字の“ゆとり”が心のゆとりになる

30代ワーキングママAさんは、4人家族でマンションから郊外の戸建へ住み替えました。事前に「総費用530万円」を別口座に移してから動いたことで、次のようなメリットがありました。

  • 売却価格が80万円下振れしても焦らず交渉できた
  • 引越しシーズンを避けて3月→6月に変更し、料金を約12万円節約
  • 残った資金で庭にウッドデッキを追加し、家族の団らんスペースが完成

“夢のマイホーム”よりも現実的な資金クッションが、あなたの心と家計を守ります。

まずは「1 割+100 万円」をメモしておきましょう。

住み替え費用の“3つの封筒”──お金を分ければ怖くない

数字を聞いて「やっぱり難しそう…」と感じたら、費用を3つの封筒に分けて考えてみてください。レシートを仕分けるイメージです。

2-1 封筒① 売却にかかるお金(3〜6%)

項目 なぜ必要? 5,000万円なら
仲介手数料 不動産会社の成功報酬 172万円(上限)
印紙税 国への税金。契約書に貼る印紙 1万円
抵当権抹消登記 ローン完済を登記簿に反映 2万円
ハウスクリーニング “お化粧直し”で高く売れる 5〜20万円
  • 仲介手数料は値引き交渉が難しいため、クリーニング無料などの付帯サービスがないか確認
  • 抵当権抹消は司法書士に丸投げOK。料金はほぼ横並び

2-2 封筒② 購入にかかるお金(5〜7%)

項目 ひと言イメージ 5,000万円なら
仲介手数料 “買う側の手数料” 172万円(上限)
登録免許税+司法書士 「この家は私のもの」証明代 22万円
ローン保証料 銀行への保険料 60〜80万円
火災・地震保険 もしもの備え 10〜18万円

保証料って損じゃないの?

返済期間が10年以内なら、金利上乗せ(内枠方式)の方が総支払額が安くなる場合があります。ローン相談時に必ず比較表をもらいましょう。

2-3 封筒③ 実費(可変コスト)

項目 相場 節約のコツ
引越し 4人家族 12〜19万円 1月・6月の平日+早割と平日割を活用
仮住まい・二重家賃 家賃×3〜6か月 売却→購入の“売り先行”で短縮
ブリッジローン利息 年2〜4% 利用は3か月以内が鉄則
リフォーム・家具 数十万円〜 引越し後3か月ルールで必要分だけ追加

家具は全部新調したい!気持ちが高まるタイミングですが、あとから追加する方が後悔が少ないもの。家計にもスペースにもゆとりができます。

住み替え費用を膨らませる4つの落とし穴とスマートな回避ワザ

住み替え費用が予定より跳ね上がるのは、いつもほんの小さな油断がきっかけ。お客様の相談で実際に多かった4つの落とし穴と、現場で実際に効果があった回避ワザを紹介します。

3-1 落とし穴① “売却価格が想定より下がる” のに諸費用は下がらない

こんなパターン

  • 「近所の相場でこの価格は行けるはず」と期待していたのに、内覧後に80万円の値下げ交渉

なぜ起こる?

  • 仲介手数料は売却価格の3.3%+6.6万円が上限で、値下げしても率は変わらず手取りだけが減る
  • 築年数や管理状況によって、市場価格が想定より低く評価されるケースも

回避ワザ

  1. 最低着地ライン(これ以下なら賃貸に出すなどのプランB)を先に決めておく
  2. 内覧前のハウスクリーニングを投資と割り切り、成約率アップで値下げ幅を相殺

3-2 落とし穴② 二重ローン&ブリッジローンの利息が家計を圧迫

Aさんのつぶやき

  • 「旧居と新居、ダブルでローンを払う期間があるなんて聞いてない…!」

なぜ起こる?

  • 「買い先行」で進めると旧ローン+新ローン+仮住まい家賃+つなぎ融資利息が同時発生
  • つなぎ融資(ブリッジローン)の金利は年3〜5%が目安

回避ワザ

  1. “売り先行”を基本にスケジュールを組み、決済日を確定してから購入へ
  2. ブリッジ融資は3か月以内に完済できる計画かシミュレーションする

3-3 落とし穴③ 引越し繁忙期の“料金3倍”トラップ

あるあるパターン

  • 「3月しか休みが取れなくて見積もりしたら、トラックが空いていない上に18万円…!」

なぜ起こる?

  • 進学・異動シーズン(2〜4月)は4人家族で通常期6.8万円→繁忙期12万円超と最大5割アップ

回避ワザ

  1. 6月・1月などオフピークを先取り予約(平日・午前フリー便が狙い目)
  2. 大型家具だけプロ輸送+小物は宅配にし、トラックを4トン→2トンへダウンサイジング

3-4 落とし穴④ 「せっかくだから…」のリフォーム&家具沼

心の声

  • 「子ども部屋もおしゃれにしたいし、リビングのソファも新調したい!」

なぜ起こる?

  • 住み替えでお金が大きく動き、感覚が麻痺して+10万円が小さく感じる
  • SNS映えを意識しすぎて、低金利ローンでも総額が膨張

回避ワザ

  1. “引越し後3か月ルール”――最低限で暮らし、本当に必要な物だけ後から購入
  2. リフォーム費用はリフォーム一体型ローンで住宅ローンと合体し、金利0.7〜1.2%で抑える

住み替え費用を賢く抑える5ステップ

ここまで読んで「結局いつ何をすればいいの?」と思ったあなたへ。

“お金の封筒”を減らしながらスムーズに引っ越すための実践ロードマップを、時系列で5つにまとめました。30代Aさん(3LDKマンション→郊外戸建、物件価格5,000万円)の実例がベースです。

ステップ いつ? 行動 期待できる効果
① ざっくりシミュレーション 6か月前〜 物件価格×10%+100万円を別口座へ移す 使っていい上限を可視化しムダ遣い防止
② 売却の一括査定(3社以上) 5か月前 Web査定で複数社比較、媒介契約 手数料サービスを競わせコスト最適化
③ ローン残債&ブリッジ可否チェック 4か月前 銀行で残債確認・仮審査 二重ローン期間を最小化、金利条件確定
④ 諸費用専用口座をつくる 3か月前 ネット銀行のサブ口座で分別管理 「使ってしまった」を防ぎ精神的ゆとり
⑤ 引越し会社をオフシーズン予約 2か月前 6月 or 1月平日に仮予約 見積もりが平均3〜5万円ダウン

4-1 ステップ① “電卓 3 秒”で現実を見る

  1. スマホ電卓に物件価格 × 0.10を入力
  2. +100万円を上乗せ(想定外バッファ)
  3. 家族会議で「ねん出方法」を話し合う

毎月3万円の家計黒字を半年続ければ、最終的に18万円のキャッシュを用意できます。

4-2 ステップ② “査定は3社以上”が鉄板

  • 一括査定サイトは無料+最短60秒。電話ラッシュが不安なら「メール希望」と記入
  • 比較すべきは査定価格よりサービス内容と売却期間
  • 時間に余裕がある人は高値狙い、ダブルローンを避けたい人は期間短縮型を優先

4-3 ステップ③ ローン残債とブリッジローンの“数字”を先に押さえる

  • ネット銀行ならWebで残債証明を即発行、仮審査は無料
  • ブリッジ金利が3.5%以上&6か月超なら、一時的な賃貸の方が総額が安い場合も
  • 銀行担当に「3か月以内完済プラン」を相談し、具体的な決済スケジュールを組む

4-4 ステップ④ お金の“色分け”でメンタルを守る

  • 無料の目的別口座を「住み替え諸費用」に設定
  • 売却入金があっても封筒口座に移すまで使わない
  • 値下げや追加費用の交渉時に即判断できる

4-5 ステップ⑤ 引越しは“予約→条件交渉”が新常識

  1. 最安日の仮予約(平日・午前フリー便が狙い目)
  2. 不用品をメルカリやジモティーで処分し、トラックを1ランク下げる
  3. 予定がずれても1か月前まで変更無料の業者を選ぶ

30代女性の平均メルカリ売上は引越し直前の2週間で6万円。家計にもスペースにもゆとりが生まれます。

住み替えのよくある質問(FAQ)

Q1. 売却と購入、どちらを先にするべき?

A:9割のご家庭には「売り先行」をおすすめします。

  • 先に今の家を売ると手元に現金が入り頭金や諸費用がクリア
  • 「買い先行」はダブルローン&ブリッジローン(金利3〜5%)で利息負担が膨らむ
  • どうしても先に買いたい物件がある場合は3か月以内でブリッジ完済できるかを試算

Q2. 住宅ローンが残っていても住み替えは可能?

A:残債より高く売れる、または「住み替えローン」を使えばOK。

  • 今のローン残高 < 売却価格 → 決済日に一括完済して新ローンへ
  • 逆の場合は住み替えローン(旧残債+新居代)を一本化。金利は通常+0.2~0.3%
  • 10年以内に繰上げ返済できるか家計シミュレーションが必須

Q3. 仮住まいを避ける方法はある?

A:リースバックや決済日の調整で引越し1回にできます。

  • リースバック:売却後も賃貸として住み続け、新居完成後に退去(家賃は相場+15%前後)
  • 同日決済:売却と購入の決済を同日に設定し、鍵の受け渡しを一気に行う
  • 仮住まいでも家賃1か月分で収める裏技:ウィークリー・マンスリー+宅配型トランクルームを併用

Q4. 住み替え後に利用できる主な税制優遇は?

制度 ポイント 2025年度上限
住宅ローン控除 年末残高 × 0.7%を最大13年間控除 認定住宅:5,000万円
一般住宅:3,000万円
住宅取得資金贈与の特例 親・祖父母からの資金贈与が非課税 省エネ等住宅:1,000万円
一般住宅:500万円
長期優良住宅の登録免許税軽減 登録免許税が0.1 → 0.15%に縮減

ワンポイント

  • 贈与の非課税枠は省エネ基準の書類証明が必要
  • 控除や非課税の適用には確定申告が必須。e-Taxならスマホで30分程度

おわりに──今すぐ「住み替え費用の見える化」から始めよう

住み替えはワクワクする反面、まとまったお金が動くライフイベントです。この記事でお伝えしたエッセンスはたった3つ

  • 物件価格×10%+ゆとり資金100万円を確保する
  • 費用を「売却」「購入」「実費」の3封筒に分ける
  • 5ステップ(シミュレーション→査定→ローン確認→口座分別→引越し予約)を時系列で実行する

この順番どおりに動けば、「思ったよりお金が足りない…!」という失敗はほぼ防げます。

まずはスマホの電卓で物件価格×0.10を計算し、その数字をメモ帳に残してみてください。今日できる最初の一歩です。